侑「虹ヶ咲デス・ゲーム同好会」
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『ようこそ、スクールアイドル同好会の皆さん。』
『これからあなたたちには生死を懸けたデス・ゲームを行ってもらいます。』
『ルールは簡単、先に相手を殺して生き残れば勝ち。』
『とっても簡単でしょ? ふふっ、誰が生き残るのかわくわくするね?』
『────じゃあ、始めようか。』 侑((かすみちゃんっ!! 魔法のステッキを構えてっ!))
かすみ「っ!!」
かすみ「ネビュラ・ハーモニー!!」🪄︎︎⚛
───シュワワワ…⚡❄🔥
しずく「……ステッキで私の魔法を吸収してる?」
かすみ(侑先輩っ!? さっき消えたんじゃ……)
侑((あはは……力を託したら消えると思ってたけど、まだ時間が残ってたみたい))
侑((しずくちゃんを止めるんでしょ? 私も残りの時間、かすみちゃんをサポートするよっ!))
かすみ(はいっ!! 侑先輩が一緒なら心強いですっ♪)
侑((かすみちゃん前っ!!))
かすみ「っ!!」🪄︎︎⚛
───シュワワワ…⚡❄🔥
しずく「本当に魔法が効かないんだ、そのステッキ厄介だね?」
かすみ(侑先輩、この魔法って……)
侑((しずくちゃんの魔法を吸収する魔法……かな?)) 侑((きっと今のかすみちゃんなら、かすみちゃんの想いを形にする魔法が使えるはず!))
侑((さっきの魔法は、かすみちゃんがしずくちゃんの魔法を止めたいって想いが形になったんじゃないかな?))
かすみ(かすみんの想いが形になる魔法……)
しずく「どうしたのかすみさん、反撃してこないの?」
しずく「守るだけじゃ……私を殺す事は出来ないよ?」ニコッ
かすみ「………」
かすみ「かすみんは、しず子を殺したりしないよ?」
かすみんの想いが形になるから、きっとすっごく強い攻撃魔法だって撃てるはず……しず子が放つような、当たっただけで死んじゃうような魔法だって……
……でも、それはかすみんの望む魔法じゃない。
かすみ「言ったでしょ? 止めるって……」
かすみ「今からかすみんの魔法で殺すんじゃなくて、しず子を止めてみせるからっっ!!」 しずく「……かすみさんはずっと変わらないね?」
しずく「だからすぐに死んじゃうんだよ?」
しずく「───『決意の光・虚』」
かすみ「っ!」
しずく「ふふふっ♪ 使えるのはかすみさんの能力だけじゃない、魔法が効かないだけで勝った気になるのは早いよ?」
しずく「『嵐技:紅葉狩』」ビュオッ!🌪
かすみ「ネビュラ…」
侑((気をつけてっ!! 今は栞子ちゃんの能力だから魔法じゃないよっ!!))
かすみ(魔法じゃなくて、守る魔法……!!)
かすみ「サテライト・ハーモニー!!」🛡
しずく「今度は盾の魔法?」
しずく「ふふっ♪ でもその盾の魔法でどこまで耐えれるかな?」
しずく「『嵐技:紅葉狩・蓮華』っ!!」🌪🌪
かすみ「っっっ」
侑((かすみちゃんっ押されてるよっ! このままじゃ……))
かすみ(分かってますぅ……!!) しずく「いつまで意地はってるの?」
しずく「守るだけじゃ勝てない。殺すつもりで来なきゃ」
しずく「殺さない限り、死ぬのは自分だよ?」
しずく「誰かを殺そうとしなかった璃奈さんも侑さんも、みーんな死んじゃったよ♪」
侑((………っ))
かすみ「……っ!」
かすみ「……かすみんは、それでも……っ!」
しずく「……さようなら、かすみさん」
しずく「───『嵐奥義:時雨西行』」
───ゴビュォォォォォ!!!!🌪🌪🌪🌪🌪
かすみ「………」
侑((かすみちゃんっ!!))
かすみ(侑、先輩……)
侑((自分の力を信じて……っ!))
かすみ(自分の、力を……)
侑((かすみちゃんは、いつだってかすみちゃんらしく自分自信で居続ける姿が輝いてるよっ!!))
かすみ(かすみん……らしく……っ!) かすみ(……出来る、だってかすみんはしず子を止めるって決めたんだもんっっ!!)
かすみ(守るんじゃなくて、嵐を……風を打ち消すイメージ……!!)
かすみ「アークィラ・ハーモニー!!」⚛🦅✨
しずく「光輝く、鷲の魔法……?」
かすみ「はぁぁぁぁぁっ!!!」⚛
───シュワワワ…🌪🦅
侑((すごいっ!! 魔法で作られた鷲が嵐を打ち消してる……!!))
かすみ「……はぁ、はぁ、前にしず子が教えてくれたよね?」
かすみ「風を打ち消す鷲のお話っ」ニコッ
しずく「……っ」ギリッ 侑((かすみちゃんっ!! 今がチャンスだよっ!!))
かすみ「っ!」ダッ!
かすみんの望む想いはひとつ。
この狂ったゲームで、狂った力によって、狂ってしまった、染まってしまった、大切な大好きな人を……!
そのどす黒い何かから救うことっ!!
これはそのための魔法っ!!
かすみ「ミルキーウェイ・ハーモニー!!」⚛✨
しずく「っ!」
しずく「『VIVID WORLD』っ!!」
しずく(発動しない……! 歩夢さんに放ったENDLESSの影響……?)
しずく「っっっ!」
かすみ「当たったっ!!」
しずく「………」
侑((かすみちゃん、今の魔法って……))
かすみ「この魔法は、みんなを笑顔にする魔法」
かすみ「誰かを傷付けるんじゃなくて、かすみんはしず子に笑っていて欲しいから……♪」ニコッ
侑((かすみちゃん……!)) かすみ「しず子もこの魔法で元に……」
しずく「……ふふっ」
しずく「あっはははははは♪」
しずく「なんの魔法かと思ったら……♪」
しずく「ありがとうかすみさん、私に笑顔を届けてくれて♪」ニコッ
かすみ「しず子……っ!」
しずく「でも……」
しずく「───そんな馬鹿げた魔法じゃ、私は止められないよ?」
かすみ「っ!!」
しずく「言ったよね? 殺すつもりで攻撃しない限り私は止められない」
しずく「止めたいならもう、私を殺すしか方法はないんだよ?♪」ニコッ
かすみ「そんな、効いてない……?」
侑((しずくちゃんを元に戻すには、他に別の何かが必要がなのかも……))
かすみ(別の……) しずく「かすみさんがここまでするとは思わなかったけど……」
しずく「私も、全部を使うよ?」
しずく「───『決意の光・虚×TO BE YOURSELF・DROWN』」
かすみ「っ!」
しずく「かすみさんの溺れる氷と栞子さんの殺意の嵐を合わせた技……なんてどうかな?」
しずく「───『魔氷嵐技:盲杖桜雪社(もうじょうざくらゆきのやしろ)』」🌪❄🌪
侑((大丈夫っ!! かすみちゃんなら止められるよっ!!))
かすみ「はいっ!!」
かすみ「アークィラ&ネビュラ・ハーモニーっっっ!!」🪄⚛🦅✨
しずく「っっっ」🌪❄🌪 ❄🌪
かすみ「はぁぁぁぁっ!!」🪄⚛🦅✨🦅✨
侑((凄い……どっちも1歩も引かない……!!)) かすみ「……無駄だよしず子。もうしず子の魔法も、風も、かすみんには効かないんだからっっっ」
しずく「だったらそれを上回る力を使えばいいだけだよ?」
かすみ「しず子がどんな力を使ってもっ!! かすみんは絶対にもう負けないからっっ!!」
しずく「………」
しずく「……♪」ニコッ
かすみ「……?」
しずく「かすみさん、奥の手は、最後まで隠しておくものだよ?」
かすみ「……え?」
しずく「───『テレテレパシー・アウト』」📶
しずく(かすみさん間違いなく強かったよ? だから、歩夢さんと同じ方法で倒すね?)
しずく(この、一時的に相手の思考を止める璃奈さんの能力を使って……♪)
しずく(魔法が無効化される? だったら、無効化させる元の魔法を発動させなければいい)
しずく(さようなら、かすみさん……♪) かすみ「はぁぁぁぁっ!!」🪄⚛🦅✨🦅✨
しずく「っ!!?」
しずく「どうして……璃奈さんの能力まで効いていない……?」
かすみ「……りな子の能力は効かないよ?」
かすみ「歩夢先輩も言ってたでしょ、かすみんに心の能力は効かないって……!」
しずく「っっ!!」
かすみ(……なんで効かないかはよく分からないけど)
侑((あはは……一応説明すると、璃奈ちゃんの能力は肉体の精神に干渉する能力で……))
侑((かすみちゃんは肉体が死んじゃって、私の能力で対になる魂の精神で動けるようになってるから、効かない……って感じかな?))
かすみ(えーっと……? な、なるほど? 何となく分かりましたっ!)
侑((あはは……でも、チャンスだよかすみちゃんっ!!))
かすみ(はいっ!!)
かすみ(今度こそ……しず子を止めるっっ!!)
かすみ「ミルキーウェイ・ハーモニー!!」⚛✨
しずく「っ!」 侑((しずくちゃんの動きが止まったよ! 今がチャンスっ!!))
かすみ「しず子ぉぉぉぉっっ!!!」
かすみ「いつまで、そんな顔してんだぁぁぁっっっ!!」👊ブンッ!!
しずく「っっ!!」(目をとじる
かすみ「………っ」ピタッ👊
かすみ「………」ペチン(デコピン
しずく「うぁっ!?」
かすみ「……少しは目が覚めた?」
しずく「………」
しずく「なんで……どうしてかすみさんはっ……!!」
かすみ「別に、かすみんはどんなしず子になっても大好きでいられる自信あるよ?」
しずく「え?」
かすみ「しず子が悪い子になったら、傍で止めてあげるし……それでもしず子が選んだ道なら、理解してあげたい……」
かすみ「でも、今のしず子は違うよ……」
しずく「違うって何っ? 殺すことが? それとも殺すことを楽しむこと?」
しずく「そんなの、この狂ったゲームの方がよっぽど……っ!」
かすみ「違うっっ!!」
かすみ「それがしず子の本当にしたいことなのっ!!?」 かすみ「かすみんには、昔みたいに無理して演技してるようにしか見えないよ……?」
しずく「っっ!!」
しずく「違う、私は……」
しずく「本気でみんなを殺して……」
───(殺したく、ないよ)
しずく「違う違うっっ!! 私は……っっ!」
しずく「この力でっ……」
───ギュッ
しずく「っ……」
かすみ「本気でそう思ってるなら、そんな目で喋らないでよ……」
しずく「………」
かすみ「ごめんね、しず子……」ギュッ
かすみ「かすみんが弱いから……」
かすみ「しず子に嫌な役押し付けちゃって……」
しずく「かすみさんは関係ないよ……私が……」
かすみ「いいんだよ、かすみんの前では演じなくたって……」 しずく「……ずるいよ」
しずく「いつもかすみさんはそうやって私にとって眩しくて……」ポロポロ
かすみ「……えへへ、そんなにかすみんかわいかった?」ニコッ
しずく「……ばか」フフッ
かすみ「やっと笑ってくれた♪」
かすみ「かすみんの魔法、大成功だね☆」
しずく「……もう」フフッ
しずく「……ごめんなさい」
しずく「私、取り返しのつかないことを……」
かすみ「しず子、大丈夫だよ……」ギュッ
しずく「かすみさん……」 かすみ「かすみんもしず子と一緒にごめんなさいするか……ら?」
しずく「……ヴッ……ォ"ェッ!」
かすみ「……え? しず子……??」
しず子から吹き出た液体。
血だと思ったそれは、あまりにも黒くて、あまりにもおぞましくて……
かすみ「しず子っ!! しず子ぉっ!!」
しずく「……ァ……アガッ……」
かすみ「待って! 今、しず子に魔法を……」
しずく「ダメ……かすみ……さん、逃げ……」
侑((待ってかすみちゃんっ! しずくちゃんの様子が……っ!!))
かすみ「ミルキーウェイ…」
しずく「───『嵐技:紅葉狩』」ビュオッ!🌪
かすみ「っっ!!!」
──ズバッ!! 🌪
かすみ「あ"あ"あ"あ"あ"あ"っっっ!!?」
侑((かすみちゃんっっ!! 足がっっ!! 早く回復魔法をっっ!!)) しずく「……ふふっふふふふふふ」
しずく「あはは……あははハハハハっっ!!!!」
かすみ「しず、子……?」
しずく「桜坂しずく……オウサカしずく……??」
しずく「どっちが本当の私ナンだろうね?」
しずく「どうでもいいや♪ 頭が真っ黒でなんにも考えらんないんダ……」
しずく「サヨウナラ、かすみさん♪」ニコッ
しずく「トリニティ・フォルテシモ」⚡❄🔥
かすみ「ネビュラ…」
かすみ「っ!!?」
侑((魔法の狙いはかすみちゃんじゃなくて、床と天井……!?))
侑((このままじゃ崩壊に巻き込まれる……!))
侑((逃げてかすみちゃんっ!!))
かすみ(ダメですっ!!)
侑((っ!?))
かすみ(今逃げれば……しず子はずっとあのまま、ずっと真っ黒のまま……しず子じゃなくなっちゃう
……っ!)
かすみ(だから今ここで……かすみんが止めないと……っ!!!) かすみ「集え……コスモスライトォっっ!!!!」⚛⚛⚛
侑((かすみちゃんっっ!!!!))
かすみ「煌めきを放てっ!!」✨✨✨
かすみ「ミルキーウェイ・ハーモニーっっっっ!!!!」⚛⚛⚛✨✨✨
かすみんの望む想いはひとつ。
かすみんの魔法で、笑顔を届けたい。
生き残りたいとか……もうそんなのどうでもいいよ。
たった一人……大切な……大好きな……
しず子を、笑顔にしたいだけ。
かすみんの魔法で、笑顔にしたいから。
だから……
かすみ「届けぇぇぇーーーーーー!!!!」⚛⚛⚛✨✨✨ ※
「……みさん」
かすみ「……?」
しずく「かすみさん……っ!」
かすみ「……しず、子……?」
しずく「……よかった♪」ニコッ
かすみ「……あれ? かすみん、何して……」
視界が霞んで、しず子の顔がよく見えない。
……あぁ、そうだった。
かすみん、最後に崩壊に巻き込まれてそれで……
……でも、しず子も、元に戻ったんだね♪ しずく「……カハッ」🩸
かすみ「しず子……!?」
ようやく視界が晴れる。
その目に映ったのは……
崩壊した瓦礫に体を貫かれた、しず子の姿だった。
かすみ「しず、子……っ!!」
かすみ(あれ……体が……動か、ない……?)
かすみ(侑せんぱ……!)
かすみ(………)
なんとなく、わかってた。
本当はもうとっくに死んだはずのかすみんが、侑先輩に蘇らせてもらって……約束を果たして……
この時間はきっと……
もうそろそろ、終わる時間なんだって…… しずく「……もう、無茶しすぎだよかすみさん」
しずく「そうやって後先考えないで直ぐ行動しちゃうんだから……」🩸ポタポタ
かすみ「………」ポロポロ
しずく「泣かないでよかすみさん……」
かすみ「だってぇ……」ポロポロ
しずく「安心して。かすみさんを一人にはしないから……」ギュッ
しずく「終わるその時まで、一緒にいるって約束するから……」🩸ポタポタ
しずく「それに、私の一番好きな好きなかすみさんは、笑顔のかすみさんだよ……♪」
しずく「私だって、かすみさんが大好きな笑ってる桜坂しずくなのに……不満?」ニコッ
かすみ「しず……子ぉ……」
かすみ「……ありがとう」
かすみ「……大好きだよ♡」ニコッ
しずく「かすみさん……」
しずく「ありがとう、私も大好きだよ……♡」ニコッ
しずく「……んっ♡」チュッ
薄れゆく意識……
最後に交わした口付けは、血の匂いと瓦礫の匂いが混じってほとんど味なんて分からなかかったけど……
でも、とっても温かかった……♪ ※
『……しずくちゃん、ダメだったかぁ』
『いい所まで行ってたし、もしかしたらと思ったけど……やっぱり飲み込まれちゃうかぁ……』
『結局この世界も……』
『……あははっ♪ ダメだなぁやっぱり♪』
『さて、そうなると結局最後の一人になるのかな……』
『最後の愛ちゃんと果林さん……どちらが勝つのか……』
『やがて終わるその時まで、トキメクその戦いを見届けようか♪』 またまた保守感謝です。
年内には完結する予定です。
明日更新します。
https://imgur.com/oJIvNik.jpg ※屋上
果林「……黒幕?」
愛「そ♪ カリンはこのゲームの主催者……黒幕が何者なのか気にならない?」
果林「………」
考えなかったわけじゃない。
この狂ったゲームは一体誰が何の為に行っているのか? 金持ちの道楽か、はたまた想像もつかない別次元の何かか……
果林「……考えても分からないわ、少なくともこんなことする奴が正気とは思えないけど」
愛「まあそうだよね、愛さんもそう思う……だけどさ、不思議なんだよね」
果林「不思議?」
愛「このゲーム主催者は、あまりにもアタシ達同好会のことを知りすぎてない?」 果林「……どういうこと?」
愛「ルールの作り方とか、ゲームの進め方とかさ、どうやったら本気で殺し合わせられるか、一人一人を理解しているって感じ?」
果林「……確かにね。でも、それって……」
愛「そう♪ そうなると答えはひとつじゃん」
愛「───黒幕は同好会の中の誰か、じゃない?」
果林「っ……!」
愛の言うことに理解は出来る。
主催者の行動は、明らかに私たちを知りすぎている。
だけど、もし黒幕が同好会のメンバーだとしたら……
果林「仮に黒幕が同好会メンバーだとしても、どうしてこんなことをするのかがやっぱり理解出来ないわ」
愛「んーまあそうだよね、そこに関しては愛さんも理解不能」
愛「でも、黒幕が同好会メンバーならさ」
愛「愛さんが黒幕って説もあるよ?」ニヤリ
果林「………」 果林「それなら、私が黒幕って話にもならない?」
愛「あははっ確かに♪」
愛「でも、カリンは黒幕じゃないと思ってるよ?」
愛「あ……だけど、一つだけ」
果林「……一つだけ?」
愛「───カリンが裏切ろうとしてる事は疑ってるかな?」カチャ
果林「っ!!」
────パァァァン!!!💥
愛「あはははっ♪ さっすがカリン♪」
愛「今の銃弾避けるなんて、こうなるって予想してた?♪」
果林「……どういうつもり?」
愛「その気じゃなかったら今の弾丸は避けれてない。それが答えじゃないの?」 果林「……愛、冗談はそこまでにしなさい」
愛「冗談で終わらせたいならさ、カリンこそその殺気しまいなよ?」
果林「………」
果林「……はぁ、戦うのは二人で優勝したらでしょ?」
愛「でも、状況が変わった」
愛「そうでしょ?」ニコッ
果林「………」
愛「あははっ♪ 黒幕は本当にアタシ達の事をよく分かってるよね♪」
愛「だってカリン、どんな願いも叶うって事を聞いてからさ、目の色ガラッと変わってたじゃん♪」
愛「しずくたちと戦う中で愛さんを裏切って漁夫の利……そういう考えだったんじゃない?」ニコッ
果林「………」
果林「……よく分かってるじゃない♪」ニコッ 愛「あっはは♪ カリンの考えてる事は愛さん分かっちゃうんだもん♪」
果林「……愛はいつだってそうね」
果林「太陽のように眩しく輝いて、月のように隠れた私を照らし始める」
愛「その月が眩しいくらい反射してくるから、愛さんはもっと輝こうと思える」
愛・果林「………」
構える二つの星。
屋上、風が吹いては過ぎ去って行く。
動きを見合った二人に硬直の時間が流れる。
その目は真っ直ぐ相手を捕らえて、決して逃さないよう 愛「……あ、そうだ」
愛「さっき不意打ちしたからさ、今度は愛さんがカリンの新能力、一発受けてあげるよ♪」
果林「あら? いいのそんな強気で?」
愛「いいよ、だって愛さん……新能力の影響で不死身になったから♪」
愛「───教えてあげるよ、カリンじゃ愛さんは殺せないって」
果林「……そう、じゃあ遠慮なく」
果林「───『Wish』」🪑 愛「……椅子?」
能力の発動と同時に、目の前に椅子が現れる。
何の変哲もない、ただの黒い椅子。
果林「………」スタスタ
ゆっくりと近づき、腰をかける。
愛「え? まさか椅子を出現させるだけの能力とか……じゃないよね?」
果林「ふふっ♪ 安心して? そんなかわいい能力じゃないわ♪」
愛「あははっ♪ よかった〜流石にそれじゃつまらな…」
果林「───愛、今すぐ自害してくれる?」
愛「……え?」 愛「………」
愛「うん、いいよ?」
その言葉と共に、愛は手に持っている銃をこめかみに当てる。
まるで当たり前かのように、そこに抗う意思などは一切なく……
───パァァァン!!!💥🩸
引き金引き、自身の脳天を撃ち抜いた。
愛「……ぁ」ボタボタ🩸
───ドサッ!
果林「……ありがとう、愛」
愛「」
果林「……不死身の能力は厄介かも知れないけど、能力が発動してないなら問題無いはずよね?」
果林「……ごめんなさいね、こんな形で終わっちゃって」
果林「……でも、どうしても私は勝たなきゃいけなくなったから」 最大の好敵手との勝負は呆気なさ過ぎる終わりを迎えた。
それほどまでに、この能力の強さを十分に理解した。
少なくともこの能力なら、もう負けることは無い。
あとは、その願いを叶えるだけ……
───グサッ!🔪
果林「……え?」
下腹部に走る痛み。
熱いけど、冷たいような血の気が引く感触。
腹部を見ると、赤いナイフが私の体を貫いていた。
果林「っ!!」スチャッ!🔪
咄嗟に後方へナイフを振りかざす。
愛「うわっ! 流石カリン、反応早いね〜♪」サッ!
果林「……愛」
愛「あっははは♪ いや〜まんまとやられちゃったね♪」 愛「凄いねカリンの能力♪ 愛さん、為す術なく勝手に自滅しちゃったよ♪」
愛「相手を意のままに操る能力? それともまた別の何かかな?」
果林「……不死身の能力も、かなり厄介そうね?」
愛「さすがにあんな急に殺されるとは思わなかったけど、まさかこれで打つ手無しとかじゃないよね?」
果林「……えぇ、まさか」
愛「ふふふっ♪ そうこなくっちゃ♪ カリンの全てをぶつけてきてよ? 愛さんは不死身だから♪」
果林「そう言ってられるのも、いつまでかしらね?」
愛「あっはははは♪」
愛「さぁて……もうおふざけはいらないよね?」
愛「最高の戦いを、はじめよっか♪」ニコッ ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています