かのん「…………」ズズッ


ある日、ある公園の

よくあるベンチに腰掛ける──私、渋谷かのん高校1年生





可可「……うーん、むにゃむにゃ……」


そんな私の膝元で眠る、同じく高校1年生 唐 可可……ちゃん。


かのん「うぅっ……流石にちょっと寒くなってきたかも」

かのん「上着の一枚くらい、持ってくればよかったなあ」


さて……この場に置かれた状況につきまして、既にお気付きの方もいらっしゃるとは思います。

いいや、そうでなくともきっと分かってくれるはず。

何故なら外は人気も少なくなってきて、現在進行形で私に密着している彼女の視界は真っ暗。

つまり、私を見ている人は誰もいないというわけで

となれば、その先は言うまでもなく


かのん「はあ、それにしても」


言うまでもなく……わかりますよね?

そう、私はここで────


かのん「暇だなあ……」


ただひたすらに、暇を持て余していた。