結局、私も侑ちゃんもエマさんの手は借りないことにした。
エマさんは「えぇーっ、じゃあせめて帯だけでも結ばせてよ」と、やや不満げに頬を膨らませたのだが、それもまた可愛いのであった。

旅館には大浴場があるが、当然客室にもお風呂があって、簡易ではあるが露天風呂もある。
そこへのアプローチは大きな洗面所兼脱衣所となっており、贅沢にも蛇口と洗面ボウルは2組備え付けられていた。
アメニティも使い切れないほど揃っている。

そんな脱衣所で鏡を見ながら侑ちゃんと浴衣に着替えている。
下着は着たままで、その上に羽織ることにした。

侑「……」

あなた「……」

しゅるしゅると侑ちゃんは手早く服を脱いでいき、黒いランジェリーが現れた。
なるほどね、それが侑ちゃんの勝負下着か。かわいいね。
彼女が黒ならば、私は白だ。

このあとは、エマさんと一線を超えることになるのだろう、高鳴る予感が下着を湿らすのを感じた。

私と侑ちゃんとエマさん、になるのか。
本当のところは、エマさんと二人きりで及びたい……それが叶わないのなら、せめて最初にエマさんの秘部に触れるのは私でありたい。

今日のエマさんの初めての相手になりたい……。
今日セックスしてない女性の最初の相手になるのならそれはもう実質処女を奪うことと同義である、私の思考回路は混乱を極めていた。