かすみ(25)「かすみんって呼ばないでください」
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かすみ「みーんなー!」
かすみ「宇宙一可愛い、スクールアイドルのかすみんだよ〜!」
かすみ「かすみんがみーんなをきゅん、きゅん! させちゃうよぉ〜!」
かすみ「応援してねっ!」
かすみ「えへっ!」ニコッ
ピピピピピピッ!! ──ピッ
かすみ(25)「……」
かすみ「はぁ……」
かすみ「最悪」
──その日の目覚めは、最悪な気分だった。 かすみ「……」
かすみ「……ねっむ……」
私の名前は中須かすみ。25歳。恋人無し。フリーターである。
スマホから奏でられるアラーム音で目を覚ます。
夢を見ていた。私が輝いていたけれど、同時に痛々しかった時の頃の思い出が夢の中で再現された。
かすみ(宇宙一可愛い?)
かすみ(皆をきゅんきゅんさせちゃう?)
かすみ「本当に……何言ってたんだろうなぁ……私は」
かすみ(きゅんきゅんしたいのは……私だっつの)
不意に鏡を見つめる。
髪もボサボサ。何も楽しくなさそうな、ときめきを感じられない瞳。そこには可愛くない私が映る。
──あの頃は本気で、宇宙一可愛いと思っていたんだけどなぁ。
かすみ「……」
かすみ(バイトの準備しよ)
そう思い私は、身体を起こした。 『──では、現在大ブレイク中のアイドルのこの方がゲストとして登場です!』
かすみ「……」アム
かすみ「……」モグモグ
かすみ「あっ……」
朝、トーストをかじりながら朝のニュースを見つめる。そこにはゲストとして、ある人が映っていた。
歩夢『おはようございます。上原歩夢ですっ』
かすみ「……歩夢……先輩……」
私の高校の時の先輩が、テレビに映っていた。 『いやぁ、上原さん。本当に美人ですねー』
歩夢『ふふっ、ありがとうございます』
『今度朝ドラマの主演にも決定していると聞きましたよ?』
歩夢『はいっ! ありがたいことに、なんと──』
ピッ!!
かすみ「……」
歩夢先輩をテレビで見るのは、これが初めてのことではない。
彼女は今や、有名人。
私とは別世界の人間だ。
かすみ「……」
かすみ「……私の方が」
かすみ「先にスクールアイドルだったのに」
歩夢先輩は、優しくて可愛くって、私の憧れだ。歩夢先輩の事は大好きだ。
──でも、そんな大好きな先輩に嫉妬してしまう自分がいる。
私、ひどい人間だよね。
かすみ(本当に私って)
かすみ(可愛くないよね)
ピローン
かすみ「……ん?」
かすみ(メッセージ……?)
・
・
・ かすみってお嬢様っぽいしアイドルの道が駄目でもそこそこ幸せになれそうやのに・・・ >>13
畳の部屋を可愛らしくアレンジしているのであって
両親から溺愛されてこそお嬢様ではない ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
しずく「あっ! かすみさんっ! こっちこっち」フリフリ
璃奈「待ってたよ、かすみちゃん」
かすみ「待たせてごめんね。2人とも」
かすみ「……でもさぁ」
かすみ「当日の朝にいきなり夜飲みに誘われても、正直困るんだけど……」ジトー
しずく「何か用事でもあったの?」
璃奈「気になる」
かすみ「あったら来れると思う?」
しずく「ならいいじゃん。最近会えてなかったし」ニコッ
璃奈「しずくちゃんと連絡取り合ってて、お互い夜フリーだったから、久しぶりに集まろってなったの」
璃奈「それでかすみちゃんも誘おうってなった」
かすみ「まぁそんなことだろうと思ったよ」
かすみ「……とりあえず久しぶりだね」
かすみ「しず子、りな子」
しずく「うんっ!」
璃奈「会いたかった」
久しぶりの親友二人との再会だった。 まさかここから殺し合いに発展するなんて思いもしなかったわ… かすみ「──そんでね、心の底から思ったのよ。私のせいじゃないじゃん! って!」
飲み会開始から暫く経ち、話題は仕事への愚痴。
二人とは高校1年生の時からの親友だ。
遠慮なく話せる、本当に大好きな子達。
だからこそ、ありとあらゆる愚痴を吐き出せた。
──大人になってから、周りに気を遣うことが増えた。上手く生きるために必要なスキルだけど……ほんと息苦しい。
だから今こうやって集まって皆と話が出来て、久しぶりに楽しいと思えた。
しずく「かすみさん。飲みすぎだよ?」
しずく「話してる内容は凄く分かるけど、ちょっと落ち着こ?」
璃奈「酔い止めいる?」
かすみ「あぁ、ありがとうりな子」
かすみ「──ってそれ車酔いのやつじゃん! いらないよそんなのぉ!」
璃奈「ツッコミ入れられるくらいだから、まだ正常だね」
しずく「あはは……」 かすみ「うぅ……二人が羨ましいよぉ……」
かすみ「片や有名な女優……」
かすみ「片や有名な研究家……」
かすみ「私は……私は……」
かすみ「フリーター……しかもオペレーター……」
かすみ「うあああああん!! なんで私の人生こうなっちゃったのよぉ〜……!!」
かすみ「あの頃に戻りたいよぉ〜……!!」グスグス
酔いが回ってきた。個室と言えども外なのに、私はみっともなく泣き出してしまう。
璃奈「か、かすみちゃん。泣かないで?」ナデナデ
かすみ「うぅ……お金持ちなのに優しい……」
璃奈「言い方……」
しずく「……」
しずく「かすみさん」
しずく「今日、大事な話があったの」
かすみ「ふぇ……?」キョトン しずく「もう一度、アイドルを目指してみない?」
かすみ「!?」
しずく「今度ね、私のマネージャーが企画するプロジェクトで──」
かすみ「無理だよ」
一気に酔いが、覚めた。
かすみ「私には無理だよ。しず子」
璃奈「……」
しずく「ど、どうして?」
しずく「が、頑張ってみようよ! ほら、かすみさん可愛いし」
かすみ「可愛くないよ」
かすみ「私は、もう可愛くない」
かすみ「……あの頃だって別に──」
しずく「か、かすみさん!!」バンッ!
かすみ「…………」
しずく「あっ」
しずく「ごめんなさい……」
かすみ「……」 かすみ「……そうやって私の事を思ってくれるのは嬉しいよ」
かすみ「でも、私には今更アイドルになんてなれないよ」
璃奈「……諦めるなんて、かすみちゃんらしくないよ」
かすみ「私らしいって、なに?」
璃奈「……」
かすみ「……何回もオーディションに受けた」
かすみ「アイドルになる為に、努力した」
かすみ「でも」
かすみ「お金と時間だけが、どんどん無くなった」
かすみ「精神と体力をすり減らして、色々なオーディションに受けても……結果は残念なお知らせばかり」
かすみ「事務所には所属してなかったし、直接家にお祈りメールばかりが届く」
かすみ「いいとこまで行っても、最後に落ちる」
かすみ「それが何年も続いたよ」
しずく「……」
璃奈「……」 全員が成功するわけでは無いってのが何かリアルだな・・・ かすみ「今ではもう、毎日生きるので精一杯だよ」
かすみ「最近になって、両親の凄さに気が付いたよ」
かすみ「毎日ご飯を作ってくれて、夜まで働いてくれて、虹ヶ咲学園に通わせてくれて、お小遣いは5000円だったけれど……可愛いお洋服も靴も化粧品もお気に入りのシャンプーも……あれもこれもなんでも買ってくれた」
かすみ「甘やかしてくれた」
かすみ「……お金を使ってくれたの」
しずく「……」
璃奈「……」
かすみ「そんな私が、いつまでも夢を追うだけの人生を歩んじゃ、ダメなんだよ」
しずく「……それでいいの?」
かすみ「へ?」
しずく「この前、歩夢さんとお仕事被った時に……歩夢さんも言っ──」
かすみ「────」
そんなつもりは、一切無かった。
でも、私は……その名前を聞いた瞬間──
かすみ「あの人の名前を、出さないでッ!!」
しずく「っ!!」ビクッ!!
──親友に、怒鳴ってしまった。 かすみ「──あっ」ハッ
しずく「…………」
かすみ「っ……」
璃奈「かすみちゃ──」
かすみ「ごめん、しず子。りな子」
かすみ「私、今日は帰る」
しずく「あっ、ま……待って!」
かすみ「ほんとごめん」
適当に1万円をテーブルに置き、逃げるように私はその場から立ち去ってしまった。
本当に、私って可愛くない。
心配してくれる親友二人に、こんな態度も取ってしまう。
かすみ(大っ嫌い)
昔は、自分の事が大好きだったのに。
あの頃にはもう、戻れないよ。
そう思いながら私は、涙を堪えながら家に帰宅した。 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
2人との飲み会から、一週間が経った。
しず子とりな子の2人からの連絡は、ない。
かすみ(愛想つかれちゃったかな……?)
かすみ(けど……2人は人生を成功させている)
かすみ(別に私がいなくたって……あの二人の人生はこのまま上手く進んでいくはずだ)
かすみ「別に……私がいなくたって……いい」
かすみ「……その方が……いいかもしれない……」
そう口には出すけれど、2人と会えなくなるのは辛い。
でも、あんな別れ方をしてしまったから、自分から何かメッセージを送ることが怖くて出来ない。
中須かすみは自分勝手な人間だなって思った。 かすみんの頑張ってもうまく行かないその気持ち…分かるってばよ… かすみ(今日も……バイトか)
かすみ(オペレーターの仕事……毎日同じ事の繰り返しなんだよなぁ)
かすみ(何の意味もないよね……本当に)
かすみ(辞めたい)
おぉ、なんと情けない事か。
毎日生きる事に必死なのに、バイトまで辞めたいとは。──本当に情けない。
かすみ「……あの頃に……戻りたい」
自分が無敵だと思っていた、あの頃に戻りたい。
自分で二人に言ったのにも関わらず、私はそんな不可能な事を呟く。
──その時だった。スマホの着信音が鳴り響く。
かすみ「……?」
かすみ「メッセージ?」
デジャブだ。一週間前と同じような展開だ。
メッセージの内容は、とある人からのご飯のお誘い。
かすみ「え?」
かすみ「侑先輩……?」
それは、憧れの先輩からの連絡だった。 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
侑「かすみちゃん! 久しぶりっ!」
かすみ「侑先輩、久しぶりですね」
居酒屋の予約された個室に入ると、そこには侑先輩がいた。
自然と笑みが零れる。
しず子とりな子とは多少は顔を合わせていたけれど、侑先輩とは本当に久しぶりだった。
かすみ「最後に会ったの、いつでしたっけ?」
侑「んー、彼方さん達の喫茶店がオープンした時じゃない?」
かすみ「あー、もう2年も前……」
侑「えっ!? そんな経つんだ! はぁ……時間経つのって早いね」
かすみ「ほんとですよね」
侑「ねー」 かすみ「そう言えば侑先輩、髪下ろされたんですね」
侑「さすがにもうツインテールは……ねぇ?」
かすみ「いや、多分似合いますよ?」
かすみ「あの頃と変わらず、可愛いままです。背だって変わらないですし」
侑「ちょっと! 私身長気にしてるのに……」
かすみ「あっ、ごめんなさい」
侑「別にいいけどさぁ……」
侑「──でも、あれだね」
かすみ「へ?」
侑「かすみちゃんもだよ」
侑「あの頃と変わらず」
侑「ずっと可愛いよ」
かすみ「…………」 かすみ「やめてくださいよ」
侑「へ?」
かすみ「私は、可愛くないです」
侑「……」
かすみ「お世辞でそう言ってくれるのは嬉しいですけど」
かすみ「私は、可愛くないです」プイッ
侑「……」
侑「ふふっ」ニコッ
かすみ「!?」
侑「不貞腐れてるかすみんもかわいいよ」
かすみ「は、はぁ!?」
かすみ「何言ってるんです!? 私は可愛くないですし、別に不貞腐れてないです」
かすみ「あと!」
かすみ「かすみんって呼ばないでください」 侑「えぇ〜、私の中でかすみちゃんはナンバーワンスクールアイドルを目指してるかすみんだからなぁ」
かすみ「黒歴史です」
侑「そんなことないと思うよ」
かすみ「もう! そんな話はいいじゃないですか!」
かすみ「そんな話より、私は侑先輩の話を聞きたいです」
侑「そう? 別に私の話だって面白くないと思うよ?」
かすみ「いいから、話してほしいです」
侑「うん。分かった」 侑先輩は昔から話すのが上手な方だった。
それに加えて聞き上手で、優しくて……みんなのサポートをしてくれた。
当然、私の事もたくさん助けてくれた。
自分よりも他人を優先できる人。
同好会が解散の危機に直面していた時も、みんなの糸を結び直してくれて……本当のスクールアイドル同好会が完成した。
私の事もずっと可愛いって言ってくれて、優しく撫でてくれて──憧れの先輩。
かすみ「へぇ……学校で音楽の教師をやってるんですね」
侑「うん。まだクラスは受け持ってないけれど……近々担任になるかもしれない」
かすみ「侑先輩が担任のクラスかぁ……」
想像するだけで、羨ましい。
こんな可愛い人が担任だなんて、羨ましいぞ若者達よ。
かすみ「侑先輩、生徒に好かれますよね絶対」
侑「うーん……嫌われてはないと思うけど」
侑「みんな私の事を『侑ちゃん先生』って呼ぶんだよね……教師としての威厳が……」
かすみ「そこが侑先輩の良い所だと思います。誰からも好かれる感じ」
侑「嬉しいけどさぁ……」 かすみ「そんな侑先輩ちゃん先生がどうして突然私をご飯に誘ってくれたんですか?」
侑「なんか多いよかすみちゃん」
侑「誘った理由かぁ……」
かすみ「はい」
侑「可愛いかすみんと久しぶりに会いたかったからかな」
かすみ「……だから私は──」
侑「かすみちゃん」
侑「自分を否定するの、ダメだよ」
侑「自身を腐らせちゃうよ」
かすみ「へ?」
さっきまで、ニコニコと笑顔で話していた侑先輩。
──でも今は、真剣な眼差し。
かすみ「急に……どうしたんです?」
侑「かすみちゃん」
侑「もう一度、アイドルを目指してみない?」
かすみ「え?」
今朝と、同じ感覚だ。
一週間が経ったのにも関わらず、まただ。
完全なデジャブ。
しずく『もう一度、アイドルを目指してみない?』
あの時のしず子と、侑先輩の姿が重なる。 1年生が25ならもう誰かは結婚して子供いてもおかしくなさそう かすみ「なに……言ってるんですか」
侑「アイドル目指してみない?」
かすみ「……侑先輩」
かすみ「2人から何か、言われました?」
侑「んー?」
侑先輩がニコニコと笑う。
思えばここ、先週しず子達と飲んだ場所だ。
全く同じ場所。
侑「何の事?」
かすみ「……はぁ……」
かすみ「別に何も言わなくて良いです」
かすみ「……侑先輩、私はもうアイドルを目指しません」
かすみ「その夢は、捨てました」
侑「本気で言ってる?」
かすみ「……はい」
侑「本当に?」
かすみ「……」
真剣な表情。この人は昔からこうだ。
普段はすごく可愛いのに、こういう時は別人みたいになる。
侑「本当に、アイドル目指す夢は諦めたの?」
かすみ「……っ……」 かすみ「……今更、もう無理ですよ」
かすみ「絶対に……無理です」
侑「無理じゃない」
かすみ「……無理です」
侑「無理じゃないよ」
かすみ「……先輩に……何がわかるんですか。私が今まで……どれだけ努力してきたか、分かりますか?」
侑「ニジガクの時の姿は知ってるけど、それ以降は何も分からない」
侑「ただ、今のかすみちゃんも昔と変わらず可愛い事は分かるよ」
かすみ「……っ……だから、私は……可愛くないです」
侑「かすみんは誰よりも一番可愛いって言ってたでしょ?」
かすみ「現実を知ったんですよ。井の中の蛙だったんです。私は可愛くありません」
侑「それは何度だって言うよ? かすみちゃんは今も変わらず可愛いよ」
かすみ「……侑先輩」
かすみ「さっきから、何が言いたいんですか?」
侑「私が、かすみちゃんの夢を叶えられるように全力でサポートする」
かすみ「──え?」 侑ちゃんが借金を背負ってるとか悪い仲間と付き合ってるとかそういう事を心配してしまう 侑「私は、みんなが夢を叶える為のサポートがしたいって……高校の時から言ってたよね?」
侑「それは今も変わらないよ」
かすみ「……ど、どうして……?」
侑「かすみちゃん達、スクールアイドル同好会の皆が私にたくさんトキメキを与えてくれたから」
かすみ「……」
侑「本当の事を言うとね」
侑「かすみちゃんの事、しずくちゃんと璃奈ちゃんから話を聞いたの」
かすみ「!!」
侑「かすみちゃんを救ってあげてほしいって言われた」
侑「しずくちゃん、私には何も出来ないのって泣いてたよ」
かすみ「……」
侑「余計なお世話だって、思うよね? こんな私の事を考えないで自分の事を考えなよって、二人に対してそう思うかもしれない」
かすみ「……」
侑「そう思っても仕方ないと思う」
侑「でもねかすみちゃん。大人になっても学生の時と変わらず……本気で自分の事を気を掛けてくれる友人って、すごく大切だよ?」
かすみ「……侑先輩……」 かすみ(しず子……りな子も)
かすみ「なんでこんな私の為に……」
侑「かすみちゃんの事が大好きだからだよ」
かすみ「!!」
侑「私もかすみちゃんの事が大好き」
かすみ「……」
侑「私、今はクラス持ってないからさ」
侑「時間は取りやすいよ」
侑「だから、全力でサポートできる」
かすみ「……」
侑「かすみちゃん……もう一回聞くね?」
侑「もう一度、アイドルを目指してみない?」 かすみ「……ですか……?」
侑「ん?」
かすみ「いいんですか……?」
かすみ「かすみん……もう一度アイドルを目指して……」
侑「それはかすみちゃんが決めることだよ」
かすみ「……わ、私は……」
かすみ「アイドルに……なりたいです……っ……!!」
そう言葉を発すると、涙が零れてしまった。 侑「かすみちゃん」スッ
本当は、アイドルになりたい。小さい頃からの、夢なんだもん。諦められるわけが、ない。
侑先輩が、私の涙をハンカチで拭いてくれる。
優しく頭を撫でてくれる。
あの頃を思い出す。侑先輩から撫でてもらうの、大好きだった。
侑「かすみちゃんの夢、私が叶えられるように全力でサポートするから」
かすみ「うん……うん……!」
かすみ「ありがとう……ございます……!!」
侑「かすみちゃん」
侑「アイドルの基本は?」
かすみ「!!」
なんだか懐かしい感覚だ。
かすみ「……っ……」ゴシゴシ
かすみ「笑顔……です!」ニコッ
侑「うんっ!」ニッコリ 侑「やっぱりかすみちゃんは可愛いなぁ……」ナデナデ
かすみ「うぅ……なんか恥ずかしいです」
侑「随分としおらしくなっちゃって……もっと自信持とうよ」
侑「かすみちゃんは可愛いよ?」
侑「あの頃と変わらず、ずっとね?」ニコッ
かすみ「……」
ギュッ
侑「どうしたの?」
かすみ「侑先輩は優しすぎます」ギュュュ
侑「皆が私に優しくしてくれたからだよ。だから私も皆に優しくしてるんだよ」
かすみ(スクールアイドル同好会以外の子達にも、誰にでも優しいくせに……良い人すぎ) まだ貴女はやれるのさ
かつてのように器用には上手く振る舞えないかもしれないけれど 侑「さて、かすみちゃん」
侑「ちょっといいかな?」
かすみ「え? はい」
くっついていた侑先輩から、少し離れる。
侑先輩はカバンから、2つのヘアゴムを取り出した。
それを器用に結び──
侑「よしっ」
かすみ「あっ……」
──あの頃の姿に、戻った。
侑「やぁ〜……やっぱりちょっと恥ずかしいね」
侑「けど、この髪型はやっぱり気合い入るよ」グッ
かすみ「……」
侑先輩は、変わらない。
今も変わらず、あの頃と一緒だ。
優しくて、可愛くて──私の憧れの、大好きな先輩。
かすみ「侑先輩、可愛いです」ニコッ
侑「そう? ありがとう」
侑「みんなの方が可愛いけどね」
かすみ(相変わらず自己評価低い……自分の可愛さ知らないんだよなぁ侑先輩)
侑「じゃあ、かすみちゃん」
侑「久しぶりにマネージャーとして」
侑「キミを全力でサポートするから」
侑「よろしくねっ!」ニッコリ
かすみ「──はいっ!」ニコッ
かすみ「よろしくお願いします、侑先輩っ!」 侑ちゃんが助けるよりも不平不満と退屈と諦めの人生の中で小さな幸せを見つけるかすみんを見たかったな
人間誰もがそうしてる わかってるだけで9人中2人が芸能界で活躍してるってすごい もしかしてあの人?
だとしたらハイペースすぎない? >>81
自己投影できるストーリーだけを求めないでくれ
創作は自由だよ 絵里とかすみんは擦り切れた社会人になってるイメージ 40代でもバリバリやってるアイドル声優もいるから余裕よ パラレルワールドの作者っぽいけど気のせいか?違うなら本当に申し訳ない がんばれかすみん
大人になっても続く関係性って大事だね アイドル(25)←もう潮時
アイドル声優(25)←稼ぎ時まだこれから
よってアイドル声優を目指すべきだかすみん こういう未来ifで歩夢が活躍してるっぽいのは珍しい気がする このあと結局また失敗して完全に闇堕ちするかすみんも見てみたい気がする 流石にデレマス位でしかみないな25歳デビューの女アイドルは 全員還暦過ぎたチアダンスチームがあるくらいだからこれからの超高齢化社会の日本では30代、40代でアイドル始める人も当たり前のように出てくるよ ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています