歩夢「パラレルワールド?」
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「──ゆむ! ──っ!!」
(……わたしを呼ぶ声が……聞こえる?)
(あたまがぼーっとして……よくききとれない)
(……目もよくみえない……)
(どうしたんだろ……わたし……)
「────!! ──!!」
「────めです! ──さん!!」
(からだが……なんだか……さむい)
(……ねむい……や……)
「──!!」
「──歩夢ッ!!」
最後に耳に届いたのは、愛おしい子の声。
──私の意識はそこで途絶えた。 続き来てた。気になってたところに触れてきたなあ。楽しみ。 歩夢「……そう言えば」
歩夢「私って」
歩夢「前の世界で」
歩夢「どんな状態だったんだっけ?」
歩夢「確か……スクールアイドル同好会のみんなと練習してて」
歩夢「……ランニング……してたよね?」
歩夢「それで──」
歩夢「──ッ!!」ズキッ!!
歩夢「ぁ……ッ……!!」ズキ、ズキ
頭が再び痛くなる。
最近、頭が痛くなる頻度が増えている気がする。
頭を鈍器で殴られたような感覚。頭が割れるんじゃないかってくらい……痛い。痛い、痛い!
気を失いそう。──でも、気を失ったら……戻って来れない気がする。
そんな気がしてしまった。 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
歩夢「行ってきます」
ガチャ
スタスタ
歩夢(うぅ……まだ少し頭がズキズキする……)
歩夢(こんなに長引く事、なかったんだけどなぁ)
歩夢(頭痛薬とか、効くかな? あんまり身体に良くないから薬には頼りたくないんだけど……)
タッタッタッタ
愛「──歩夢っ」
歩夢「あっ、愛ちゃん。おはよう!」ニッコリ
愛「ちーっす! おはよ歩夢!」
歩夢「どうしたの? こんな朝から」
愛「学校行く前に軽くランニングしてたら歩夢んちの近くに来たからさ」
愛「寄ってみた」
歩夢「そうなんだ。朝から偉いね、愛ちゃん」ニコッ
愛「もっと体力付けないとだからな」ニカッ
歩夢「今でも充分体力すごいあると思うけどなぁ」
歩夢「かすみちゃんも前、愛ちゃんの体力の多さ褒めてたよ?」
愛「マジ? 直接褒めてくれねぇかなぁ……」
歩夢「かすみちゃん、ちょっと照れ屋さんな所あるもんね。だからこそ褒めて貰えると嬉しいよね〜」
愛「わかるわかる」 愛「このまま一緒に学校行こうぜ」
歩夢「うん、いいよ」
スタスタ
歩夢「愛ちゃん、勉強の方はどう?」
愛「勉強は問題ないけど……授業サボりまくってたからグループ学習が辛いかな」
歩夢「あー……もうグループ出来てるもんね」
愛「そーなんだよなぁ……まぁこればっかりは今までの自分の行動が悪いから仕方ないさ」
愛「──てかさ歩夢」
歩夢「どうしたの?」
愛「ここでの生活にも大分慣れてきた?」
歩夢「あー、うん。もうこの子としての生活も1ヶ月くらい経つからね」
愛「そっか」
愛「……まだ皆には話さねぇの?」
歩夢「え?」
愛「今の上原歩夢は、別世界の上原歩夢の人格だってこと」
歩夢「…………」
私が“この子”とは別世界の上原歩夢である事は……愛ちゃん以外誰も知らない。 歩夢「正直、非現実的すぎるよ。話しても……信じられないだろうし……余計な心配させちゃうかもしれないもん……」
歩夢「…………」
愛「…………」
愛「ま、まぁでも……あれだよな! 中々話にくい内容でもあるからそう思うのも仕方ねぇよ」
愛「アタシは上原と結構長い関わりがあったし、歩夢から上原として過ごした日々は全部知らないって話を聞いてたから、すっと頭に入ってきたけどさ。記憶喪失って感じでもなかったし」
愛「そ、その! 少し暗い雰囲気にさせちゃってごめんな歩夢」
歩夢「う、ううん! 私こそ暗くなっちゃってごめん」
愛「──あっ! そーだ。今オリジナル曲作ってる途中なんだけどアドバイスしてくれないか? この前のライブはかすみの曲を一緒に歌わせてもらったから、そろそろ自分の曲が欲しくってさ!」
歩夢「うん。私で良ければ全然いいよっ」
愛「サンキュ!」
・
・
・ 愛「──でさぁ」
歩夢「うんうん」
スタスタ
愛「ん?」
歩夢「? どうしたの愛ちゃん」
愛「あれ、しずくと彼方さんじゃね?」ジー
歩夢「え?」ジー
しずく「──」
彼方「──」
歩夢「あっ、ほんとだね。お話しながら歩いてるね」
愛「二人で登校中っぽいなぁ」
愛「へへーん……ここで会ったのも何かの縁だ。後ろから急に大きな声をかけて、驚かしてやろーっと」ニヤニヤ
歩夢「えぇ!? 朝からそんな子供っぽい事……ダメだよ」
愛「しー! 声がでけぇよ歩夢。バレちゃうだろ?」
歩夢「もー……怒られても知らないよ?」
愛「大丈夫大丈夫〜」ニヤニヤ
愛「んじゃ、ちょっと行ってくるわっ」
歩夢「私は止めたからね?」
愛「わーってるよ」 愛(よーし……ゆっくり、ゆっくり近づいて……)スタ、スタ
愛(……よしよし、バレてないバレてない)スタ、スタ
愛(よし! そろそろ──)
しずく「かな姉、今日も帰りに病院よるの?」
彼方「うん。そうしようかなって思ってる」
愛(──え?)ピタッ
しずく「あんまり無理しないでね? ──あっ、私も一緒に行こうか?」
彼方「大丈夫だよ。しずくちゃん、同好会の練習あるでしょ? まだまだ1年生なんだから楽しんだ方がいいよ」
しずく「…………」
彼方「あっ、でも今度の日曜日は付き添いしてほしいかなぁ」
しずく「──うん! わかった!」ニッコリ
彼方「よろしくね〜」ナデナデ
しずく「うん!」
スタスタスタスタ
愛「………………」 スタスタ
歩夢「愛ちゃん? どうしたの?」
愛「…………」
愛「あ、歩夢」
歩夢「うん?」
愛「彼方さん……どこか体調悪いのかな?」
歩夢「え?」
愛「……今日も病院によるの? ってしずくが彼方さんに聞いてて……そうするって彼方さんが言ってた」
歩夢「え!?」
愛「……な、何かあったのかな?」
歩夢「…………」
歩夢「……彼方さん、アルバイトや勉強、最近は同好会の活動も参加してくれることが増えてきたよね」
愛「確かに毎日忙しそうだよな……」
歩夢「前から結構思ってた事があるの」
歩夢「彼方さん、ちゃんと休めているのかな? って……」シュン
愛「!!」
愛「……何かあってからじゃ遅い」
歩夢「え?」
愛「……おばーちゃんの時みたいに……なったら……アタシ……」プルプル
歩夢「愛ちゃん……」 愛「…………」ピッ
prrrrrr!!
愛「あっ、もしもし? エマさん?」
愛「朝からごめんなさい」
愛「少し相談したいことがあって……」
愛「彼方さんの事で」
・
・
・ 〜放課後〜
彼方「ふわぁぁぁああ……」
彼方(ねっむ)
彼方「!! だめだめ! あくびなんてみっともない……私は眠くないぞー」
彼方(眠気に負けてちゃダメ!)
彼方(今日の授業の内容復習も、明日の予習も休み時間中に終わらせたし、少し同好会に顔を出してから病院に行こう)
彼方(そんで帰ったら勉強だ。あと料理も作らなきゃ。お母さん、今日も遅いだろうからお夜食作っておこうかな)
スタスタ
ガラガラ
彼方「皆、おはよ〜」
「「「!!」」」ビクッ!!
彼方「──え? 皆にどうしたの? そんなに集まって……」
タッタッタッタ!! バッ──ギュッ!!
果林「彼方ッ!!」
彼方「え、えぇ!?」 果林「あだんして!?」
彼方「あ、あだ!?」
果林「何かあったなら……相談してよぉ……!」グスグス
彼方「相談?」
エマ「か、果林ちゃん! 落ち着いて?」
彼方「あっ、エマちゃん……この状況は何なの?」
エマ「……彼方ちゃん」ギュッ
彼方「!?」
エマ「わたしに力になれることあったら……なんでも言って?」
エマ「ね?」ウルウル
彼方「???」
タッタッ
かすみ「か、彼方先輩! これ、私が作った特製コッペパンです! すごく美味しいので……食べて下さい!」
かすみ「あと、私に何か出来ることありませんか?」
彼方「なんでみんな今日異常に優しいの!? あいや、いつも皆優しいけど!」 璃奈「彼方さん。これ、私が今日作った栄養ドリンクなんだけどあげる」
彼方「あ、ありがとう……」
璃奈「炭酸を抜いたコーラを原料として扱ってるんだ」
せつ菜「炭酸抜きコーラ!?」
せつ菜「……」メガネスチャ
せつ菜「ほう、炭酸抜きコーラですか…」
かすみ「真面目にやれ!」 彼方「……」ポカーン
せつ菜「あぁ! ごめんなさい!」スッ
せつ菜「彼方さん! これ私が作ったクッキーですっ」
せつ菜「これを食べて、元気出して下さいっ!」スッ
彼方「……せ、せつ菜ちゃん?」
彼方「なんでクッキーが紫色なの?」
せつ菜「色々と英気を養える材料を混ぜて作ってみたらこうなりました」
彼方「あ、ありがとう……」
彼方(今度せつ菜ちゃんにお料理教えてあげよ……)
彼方「──というか! 皆どうしたの!?」
彼方「なんか変だよ!?」
スタスタ
愛「彼方さん……」
歩夢「その……」
彼方「あっ! 愛ちゃんと歩夢ちゃん。ねー、これどういう──」
歩夢「病院に行くって……本当ですか?」
彼方「え?」
愛「その……ごめん。朝、聞いちゃったんだ」
愛「しずくと彼方さんの会話を」
彼方「え? あぁ、そうなんだ」
彼方「うん、病院には行くつもりだよ?」 愛「!!」
愛「彼方さん! アタシに何か出来ることないか!?」
歩夢「さ、最近あんまり休めてないですよね?」
歩夢「病院に行くくらい疲労が溜まっているんじゃ……あまりにも……」
彼方「ん?」
彼方「あの……みんな?」
彼方「勘違いしてない?」
彼方「別に私に何かあって通院してるわけじゃないよ?」
「「「え?」」」
ガラガラ
しずく「ごめんごめーん! ちょっと日直で遅れちゃったよ〜」
「「「……」」」
しずく「ん? あれあれ? なんか皆静かじゃん? どしたん?」
彼方「あっ、しずくちゃん! やっほー」
しずく「あっ! かな姉やっほほ〜!」
彼方「ごめん、少し脱線しちゃったけど」
彼方「私、定期的に病院へ行ってるの」
彼方「その理由はね、お見舞いの為なの」
彼方「入院してる、私の妹の遥ちゃんの」
歩夢「──え?」 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
ガラガラ
彼方「さっ、歩夢ちゃんここの病室だよ? 入って入って〜」
歩夢「し、失礼します」
彼方「そんなに畏まらなくて大丈夫だよ〜」
彼方「個室だし」
歩夢「……はい」コクリ
彼方「遥ちゃーん。お客様だよ〜?」
彼方「私の自慢の後輩で、お友達の歩夢ちゃんだよ〜」ニコニコ
遥「…………………………」
歩夢「遥……ちゃん……」
とある病院の、病室のベッドの上。
そこには──静かに眠っている遥ちゃんがいた。 彼方『こちらが彼方ちゃんの自慢の妹の遥ちゃんで〜す!』
遥『よ、よろしくお願いします!』ペコリ
遥ちゃんがスクールアイドル同好会の練習の見学に来た時の事を思い出す。
なんだか懐かしいなぁ。
彼方「綺麗な顔してるでしょ?」
歩夢「はい……綺麗だし、とっても可愛いです……」
遥「おぉ〜、歩夢ちゃんは分かってるなぁ。しずくちゃんの時もそうだったし、私達は可愛いと思うモノの対象が似てますな」
歩夢「ふふ……そうですね」
彼方「遥ちゃんが起きたら、存分に可愛がってあげようね」ニコッ
歩夢「……」
歩夢(遥ちゃん)
歩夢(この子は、生きている)
歩夢(けど──目を覚まさないらしい) 彼方「さっきも皆に話したから重複した内容になっちゃうけど」
彼方「遥ちゃんは昔から身体が少し弱い子だったの。心臓が少し、他の子よりも悪くてね」
彼方「それが原因で、学校もおやすみする事が多かった」ナデナデ
歩夢「…………」
彼方「それで、私が3年生になってすぐ、かな? 遥ちゃんの手術をしたの」
彼方「身体が前よりも元気になる為の、大事な手術をね」
彼方「手術は無事に成功したの。心の底から喜んだよ」
彼方「……でも」
彼方「遥ちゃんはまだ目を覚まさないんだ」 彼方「身体は元気になったし、ちゃんと生きてるのに」
彼方「目を覚まさないの……」
彼方「どの医者も原因不明だって言ってて……匙を投げた」
彼方「まるで……“魂だけ離れちゃってる”みたいだって、お医者様は皆言ってたね」
歩夢「彼方さん……」
あの後彼方さんは、妹の遥ちゃんの状態について同好会の皆に話した。
歩夢(よかったら一緒にお見舞いに来ない? って誘われたから来たけれど)
歩夢(自分が知っている子が……入院している姿を見るのは……辛い……)
歩夢「…………」
彼方「歩夢ちゃん、ごめんね」
歩夢「へ?」 やっぱり鍵ゲーの雰囲気じゃないか
これは亡き川上とも子=サンオーラ感じる..初期だと象徴的な人だったな >>797
誤字修正。
彼方『こちらが彼方ちゃんの自慢の妹の遥ちゃんで〜す!』
遥『よ、よろしくお願いします!』ペコリ
遥ちゃんがスクールアイドル同好会の練習の見学に来た時の事を思い出す。
なんだか懐かしいなぁ。
彼方「綺麗な顔してるでしょ?」
歩夢「はい……綺麗だし、とっても可愛いです……」
彼方「おぉ〜、歩夢ちゃんは分かってるなぁ。しずくちゃんの時もそうだったし、私達は可愛いと思うモノの対象が似てますな」
歩夢「ふふ……そうですね」
彼方「遥ちゃんが起きたら、存分に可愛がってあげようね」ニコッ
歩夢「……」
歩夢(遥ちゃん)
歩夢(この子は、生きている)
歩夢(けど──目を覚まさないらしい) 彼方「突然家庭の事情を話されて、こんな状態見せられても困っちゃうよね」
歩夢「そ、そんなことないです!」
歩夢「その、話してくれてありがとうございます」
歩夢「それと……気の利いたことが言えなくて……ごめんなさい」
彼方「歩夢ちゃん……」
彼方「君は本当に良い子だねぇ〜」
彼方「狂犬って呼ばれていたのが本当に嘘みたいだよ」
歩夢「あはは……」
彼方「本当に遥ちゃん、いつ起きるんだろうね」
彼方「まるで眠り姫だよ」
彼方「キスでもしたら起きるかな?」
歩夢「…………」
彼方「じょ、冗談だよ?」
歩夢「あっ! いえ、ごめんなさい。……考え事しちゃってて」
彼方「考え事?」
歩夢「何かできる事ないかなって……」
彼方「……本当に優しいね、歩夢ちゃん」
歩夢「…………」 彼方「その気持ちだけでも、嬉しいよね」
彼方「ありがとうね」ニッコリ
歩夢「いえ……」
彼方「それにね、歩夢ちゃん」
歩夢「?」
彼方「遥ちゃんは……私がなんとかする」
彼方「その為に……沢山勉強しなきゃいけないの」
彼方「今よりも、もっと」
彼方「もっともっともっと、勉強しなきゃいけないの」
歩夢「!!」
彼方「遥ちゃんの為に、ね」
歩夢「…………」 ───────────
彼方『んー、アルバイトまで勉強したいしなぁ……』
しずく『……かな姉、最近頑張りすぎだよ! 気持ちは分かるけど……』
しずく『ちゃ、ちゃんと寝てるの!?』
彼方『寝てるよ? 4時間くらいは毎日寝てる』
しずく『ぜ、全然足りないよ! 15分くらい仮眠取りなって! ほら、私……ひざ枕するから!』
彼方『大丈夫だって』
彼方『しずくちゃん。私が勉強頑張る理由、知ってるでしょ?』
───────────
歩夢(そういう事……だったんだ……)
彼方「歩夢ちゃんが良かったらさ」
彼方「またお見舞いに来てほしいな」
彼方「この病院、個人経営なのに入院設備もあってね。先生はフランクで良い人だから気軽にお見舞い来やすいし」ニコッ
歩夢「……はい」コクリ
歩夢「絶対にまた来ます」
彼方「ありがとね」 医者を目指してるから勉強はよりハードだしお金いっぱい必要だからアルバイトも忙しい、奨学金じゃ賄いきれないだろうしね
茨の道すぎるなこの世界の彼方ちゃん 彼方「──さて、そろそろ帰ろっか」
彼方「歩夢ちゃんは1回ニジガクに戻るの?」
歩夢「そう……ですね。みんな練習してると思いますので」
彼方「そっか」
彼方「いつもごめんね。部長なのにあんまり出れなくて」
歩夢「いえいえ! 彼方さんのタイミング会う時に顔出してくれたら嬉しいので」
彼方「そう? ありがと〜」ナデナデ
歩夢「……」
歩夢(優しい撫で方……安心する)
歩夢「彼方さん」
彼方「ん?」
歩夢「何かあったら、いつでも頼って下さい」
歩夢「力になりたいから……」
彼方「……ふふっ」ニコニコ
彼方「歩夢ちゃんの事はいつだって頼りにしてるよ」
彼方「君のおかげで同好会は活発になったし、かすみちゃんやしずくちゃんも、前より明るくなった気がするもん」
彼方「私も同好会の活動楽しいから、本当はもっと沢山出たいし」 彼方「同好会の練習、土日もたまにやってるでしょ?」
歩夢「はい。まぁ、結構自由参加な所ありますけれど」
彼方「あはは、ゆるーい感じが私達らしくっていいよねぇ」
彼方「平日は練習出れること多いけど、土日の練習は全く参加できてないからね。今度タイミング見て参加するよー」
歩夢「え? ほんとですか?」
彼方「うん!」
彼方「歌うの好きだからね、私」
歩夢「……」
歩夢(!! ──そうだ)
歩夢「彼方さん」
彼方「ん?」
歩夢「来週の日曜日、予定空けてくれませんか?」
彼方「来週の日曜日?」
歩夢「はい」
歩夢「詳細は追って連絡しますので」
彼方「うん! 分かった。予定空けておくね」ニッコリ
歩夢「はいっ」ニコッ
歩夢(少しでも……彼方さんの為に、遥ちゃんの為に。出来ることをやろう)
歩夢(みんなにも、協力してもらおう) ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
私、近江彼方はいつも全力です。
全てのことに、全力で取り組んできた。
お料理も、勉強も、運動も、大好きなお料理も。
そして──
遥『うぅ……うぅ……』グスグス
しずく『は、はるかぁ……な、泣きやんでよぉ……』オドオド
彼方『ありゃ? お二人ともどーしたの?』ヒョコ
しずく『あっ、かなたおねーちゃん……』
しずく『えっとね、はるかが大事に育ててたお花がかれちゃったの……』
遥『うぅ……おねぇちゃ〜ん……!』グスグス
彼方『そっか……』
しずく『それで……はるかが悲しそうで……上手く励ますことができなくて……わたしも悲しくなっちゃって……うぅ……!』グスグス
彼方『あはは……優しいお姫様達だなぁ』
彼方『でも……悲しいよね。──よし! 二人とも〜!』
彼方『彼方ちゃんのお歌を聴いて!』
しずはる『え?』
──大好きな歌も、全力だった。 彼方『♪〜』
遥『わぁ……!!』
しずく『……』ドキドキ
遥ちゃんも、しずくちゃんも私の歌が大好きだったみたい。
私も歌う事が大好きだから、こうやって二人が泣いてる時は、よく歌を歌って励ましていた。
遥ちゃんなんかは特に、私の歌を気に入ってくれて……怖い夢を見た時や不安な時は自分から私の歌をせがむくらいだった。
なんだか、懐かしい。
遥『お姉ちゃん!』
遥『もっとうたって〜!』
ピピピピピピッ!!
彼方「ん〜……」
彼方「……」ポー
彼方「ふわぁぁぁぁああ……」
彼方「あさか……」
彼方「なんか懐かしい夢を見てた気がする〜」
彼方「……」ポケー
彼方「んっ」パチンッ
彼方「よし、眠くない眠くない」
彼方「彼方ちゃんは起きとりますよ〜」
彼方「……あ、違う違う」
彼方「私だ、私」
彼方(立派な大人にならないと……)
彼方(──今日は日曜日で、歩夢ちゃんと約束した日だ)
彼方「部室に集合だったよね?」
彼方「……よし、がんばろー」
・
・
・ 言われてみれば一人称彼方ちゃんじゃなかったのか
気付かなかった 彼方「うーん、良い天気だ」ノビー
彼方(良い練習が出来そうだね)
スタスタ
彼方(よし、そろそろ部室だ)
彼方(みんな私が日曜日の練習に参加したら驚くだろうなぁ)
彼方「えへへ」ニコニコ
彼方(みんなに会えるの楽しみ〜)
ガラガラ
彼方「みんな、おっはよー!」
いつもよりテンションが高くなってしまったのか、自分が思ったよりも大きな声が出てしまった。
落ち着け落ち着け〜?
大人はいつも冷静でないといけないもんね。
そんな事を思っていると、皆から挨拶が返ってくる。 果林「彼方おっはよー!」
エマ「おはよう彼方ちゃんっ」
しずく「かな姉おっはー!」
かすみ「おはようございます。彼方先輩」
璃奈「おはよ、彼方さん」
せつ菜「おはようございますっ!! 彼方さん!」
愛「おはよーございます! 彼方さんっ」
歩夢「彼方さん、おはようございますっ」
彼方「!!」
彼方(……いつの間にか、こんなに賑やかで)
彼方(明るい同好会になってたんだよね)
彼方(なんとなく作った同好会が、皆と集まれる大好きな場所になって)
彼方(嬉しいな)
彼方「──うん! 皆おはようっ!」ニッコリ 彼方「ねぇ、歩夢ちゃん。今日は何の練習をするの?」
彼方「集合場所しか連絡なかったし、気になってるんだ〜」
歩夢「あっ、えっとですね。正確には今日は練習の日ではないんです」
彼方「え?」
歩夢「とりあえず、皆で移動します」ニコッ
果林「彼方〜、道に迷わないようにエス……んーと……えっと、エスパーダ……? ん?」
エマ「エスコート?」
果林「そうそれ! エスコートしてあげるね!」
彼方「いや、果林ちゃんの方が道に迷う気が……」
果林「なっ!?」
エマ「あはは、言えてるかも〜」
果林「エマ!?」
彼方「てかてか、移動? 学校外に?」
しずく「まぁまぁ、細かい事はいいじゃんいいじゃん〜」
しずく「着いてからのお楽しみだよ、かな姉!」
彼方「え、えぇ? 気になるよ……」
しずく「ふふっ、歩夢さん」
歩夢「うん?」
しずく「ありがとうね」ニコッ
歩夢「いーえ」ニッコリ
彼方「???」
せつ菜「まぁまぁ、とりあえず早く行きましょ皆さん!」
璃奈「だね」
愛「おっし、皆ちゃんと荷物持ってな?」
かすみ「分かってますよ愛先輩」
彼方「……」ポカーン
彼方(な、何が始まるの!?) ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
「わー!」
「にげろにげろー!」
果林「ちょ、ちょっとぉ! わたしのポーチは大事に扱ってよー!」
愛「ほら、ばーちゃん? 大丈夫か? アタシに捕まって」
「おぉ、お嬢ちゃんありがとうねぇ〜」
璃奈「つまり、積み木はこの角度で重ねる事によってバランスを保つ事が出来てだね」ブツブツ
「そ、そーなんだ」
かすみ「はいはいー、この難しい話をしてるお姉さんは無視して私と遊ぼうね皆〜」
せつ菜「本日は本当に私達のお願いを聞いて頂き、本当にありがとうございます」
「いえいえ! この病院、入院している子供やお年寄りが少し多いからこうやってボランティアしてくれるの本当に助かりますよ」
ワイワイガヤガヤ
彼方「………………」ポカーン
彼方(ここ、遥ちゃんが入院している病院だ……)
彼方「な、何が起きてるの?」 歩夢「驚いちゃいますよね? ごめんなさい」
彼方「う、ううん。大丈夫なんだけど……」
歩夢「私、結構ボランティア活動に色々参加してるんです」
歩夢「その伝手もあって、ここの病院でもボランティア活動できないかなって色々考えたんです」
歩夢「せつ菜ちゃんや皆にも協力してもらって、学園からの活動としてこの病院の先生に話を通してもらったりもしたんです」
彼方「……」
歩夢「遥ちゃんがお世話になっているこの病院に、何かできることないかなって思って」
歩夢「色々企画しちゃいました」
彼方「!!」
歩夢「勝手なことして、ごめんなさい」ペコリ
彼方「あ、謝らないで? 嬉しいよ歩夢ちゃん! ありがとうねっ」
彼方「でも、ちょっとサプライズ過ぎで驚いちゃったよ」
歩夢「ふふっ。少し驚かせたかった気持ちもあるので」ニコッ エマ「皆ー! あつまって〜」
エマ「わたしと一緒に歌って、踊ろう〜?」
「わーい!」
「おどるおどる!」
エマ「無理しないでね〜? かる〜く身体をうごかそうね〜!」
エマ「ララ〜ララ〜ラ ラ〜♪」
「わぁぁぁぁ……!!」
愛「おぉ……やっぱエマさんの歌声ってめちゃめちゃ綺麗だよなぁ」
果林「うんうん。癒されるよね〜」
璃奈「うん。歌には癒し効果があるって聞くけど、エマさんの歌声はとてつもないヒーリング効果がある気がするね」
愛「ははっ、なんか前にもその歌のくだり聞いたな〜」
璃奈「そーだっけ?」
彼方「…………」
彼方(皆、楽しそう)
彼方(歌……かぁ……)
歩夢「彼方さん」
歩夢「一緒に来てほしい所があるんです」
彼方「──え?」 愛さんヤンキー気質なせいで原作より荒れてるのに原作より礼儀がなってるの笑う ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
しずく「──よし! 色々と準備は終わった」
遥「……………………」
しずく「相変わらず可愛い寝顔ですなぁ遥さんや〜」
しずく「早く起きてよ〜。チューしちゃうぞ?」
しずく「遥が起きたら、遊びに行きたいとこも沢山あるし、紹介したい友達もいるからさ」
しずく「……アタシもバイトして遥や、かな姉の助けになりたいなぁ」
遥「……………………」
しずく「あはは……じょーだんだよ? バイトはダメってかな姉から止められそうだよね〜」
スタスタスタスタ
しずく「お? 来たかな?」
ガラガラ
歩夢「彼方さん、ここです」
彼方「ちょ、ちょっと歩夢ちゃん? ここの病室って……」
しずく「歩夢さん、待ってたよ。ありがとね。準備は整ってますよ〜」
歩夢「うん。ありがとうしずくちゃん」
彼方「ん? んん?」 歩夢「彼方さん」
歩夢「今日のスクールアイドル同好会の活動は、この病院のボランティア活動です」
歩夢「そして、彼方さんにしてほしいことは」
彼方「う、うん」
歩夢「なんでもいいです」
彼方「え!?」
歩夢「この遥ちゃんの病室で、ボランティア活動が終了するまでの間──何をしても構いません」
歩夢「勉強を進めても大丈夫ですし、ゆっくり休んでもいいです。本当は大好きなお昼寝をしたって大丈夫です」
彼方「!!(な、なんで私が本当はお昼寝好きって知ってるの……?)」
彼方「ど、どうして?」
歩夢「彼方さん、本当に色々忙しいですから」
歩夢「お見舞いだって間の時間を見つけて来てるから、あんまりゆっくり出来てないですよね?」
彼方「それは……まぁ……」
歩夢「だからです」
歩夢「今日は予定、空けてくれたんですよね? 同好会の活動として、今日は自由に……なんでもしていいです」ニコッ
歩夢「歩夢ちゃん……」
しずく「簡易的だけど、勉強机もお昼寝スペースも用意したよ。もちろん先生には許可取得済!」
彼方「しずくちゃんも……」 歩夢「……彼方さん」
歩夢「たまには自分へのご褒美も……用意してあげてください」
彼方「自分への……ご褒美」
歩夢「彼方さんは……本当に凄い人だと思います」
歩夢「遥ちゃんの為に勉強も頑張って、アルバイトもして……同好会にも出てくれて……みんなのライブや練習の手伝いもしてくれる」
歩夢「いつも……本当にありがとうございます」
彼方「っっ」
ふと、涙が出そうになる。
だめだめ、後輩の前で、妹の前で泣いちゃダメだ。
歩夢「……彼方さん」
歩夢「私、願いを口に出して言い続ければ」
歩夢「その願いはいつか叶うと思っているんです」
歩夢「ゆっくりかもしれないけれど、少しずつ」
歩夢「一歩ずつ進んで」
歩夢「いつか願いは叶うと思う」
彼方「……」
歩夢「私は、遥ちゃんが目覚める事を願っています」
歩夢「そして──彼方さんの夢が叶う事も願っています」ニッコリ
・
・
・ 彼方「…………」
遥「……………………」
彼方「いやぁ、平和だね〜」
彼方(こんなにゆっくり出来たの、いつぶりだろ?)
彼方(遥ちゃんの目が覚めなくなってからは……出来てないかなぁ)
遥「……………………」
彼方「……」ナデナデ
彼方「はぁ……可愛いなぁ……」
彼方(ふふっ、こんな日があっても……良いかも)
彼方「……」ボー
彼方(……なんか眠くなってき──)
彼方「!! ──だ、ダメ!」
彼方「私、勉強しなきゃ……」
彼方「遥ちゃんの為に……たくさん……勉強して」
彼方「遥ちゃんが目を覚ます為に」
彼方「医者になるために……!」
彼方「それが私の!」
彼方「──彼方ちゃんのッ!!」
歩夢『私、願いを口に出して言い続ければ』
歩夢『その願いはいつか叶うと思ってるんです』
彼方「!!」
彼方「医者になることが……彼方ちゃんの……願い? 夢……?」 彼方「……」
──違う。
彼方「……彼方ちゃんの願いは……」
彼方「遥ちゃんが……目を覚ましてくれる事……」
彼方「……」
遥「……………………」
彼方「……遥ちゃん」
彼方「目を覚ましてよ」
彼方「……彼方ちゃんは、遥ちゃんと一緒に歳を取りたいよ……」
彼方「……だから……目を覚まして?」
遥「……………………」
──違う。覚まして? じゃない。
彼方「…………」
彼方「──遥ちゃん」
彼方「目を覚ますって──信じてるから」 ──今は何をしたって、構わないかぁ。
彼方「……歌」
彼方「歌いたい」
今は思い切り、大好きな歌を──全力で歌いたかった。
そう、彼方ちゃんはいつも全力なのです。
彼方(昔、遥ちゃんは彼方ちゃんの歌が大好きだった)
彼方「全力で、たくさん歌うね」
彼方「聴いてて。遥ちゃん」
彼方「──」スゥゥゥゥ
昔、遥ちゃんが好きだった曲や、最近流行りの曲。同好会の皆の歌も、覚えている範囲で沢山歌った。
──時間は少しずつ経ち、気が付けば夕暮れ時になっていた。 彼方(もうすぐ、ボランティア活動も終了かな)
彼方「はは……ずっと歌ってた気がする」
彼方「こんなに歌ったのいつぶりだろう?」
彼方「今日は久しぶりの事が多いや」
遥「………………」
彼方(次が──最後の曲)
彼方「遥ちゃん」
彼方「今から歌うのはね、最近作った曲なんだ〜」
彼方「遥ちゃんにだけ、初披露しちゃうね?」
彼方「えへっ」ニコッ
彼方「──」スゥゥゥゥ ♪〜
──ねぇ、遥ちゃん。
彼方「一人きりじゃ もう」
彼方「両手いっぱい」
彼方「広げても」
彼方「まだ」
──彼方ちゃんは、遥ちゃんがいないとダメなの。
彼方「足りないほどに」
彼方「大きな Dreams」
彼方「いま」
彼方「一緒に」
彼方「抱きしめよう」
──遥ちゃん。
彼方「Butterfly」
彼方「羽を 広げたら」
彼方「ハルカカナタ」
彼方「勇気の向こうに 美しい空」
──いつか目を覚ますって、信じてるから。
彼方「待ってるの──」 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
彼方「……いやぁ……」
彼方「歌い過ぎて……喉痛い」
彼方「全力で歌い過ぎちゃったよ……あはは」
遥「……………………」
彼方「さて、と」
彼方「そろそろみんなの所に戻るよ」
彼方「また来るね、遥ちゃん」
遥「……………………」
立ち上がり、身支度を整える。
遥ちゃんに背を向けて、扉に向かって歩く。
──後ろから声が聞こえた気がした。 「──ぃ──ん……?」
彼方「……へ?」
聞き覚えのある声だった。
──大好きな子の声。
私は、振り返り──声の主を見つめた。 彼方「──────」
彼方「うそ」
遥「おねぇ……ちゃん?」
彼方「遥……ちゃん……?」 なんでこんな一気に失速したんやろ
途中までガチでおもろかったのに 各キャラのストーリーにちょっとづつ伏線まいてるように見えるからワクワクしながら続きを待ってる 彼方「うそ……うそ……」
遥「あれ……な、んで私……あれ?」
遥「それ、に……声、出し……辛い」
彼方「──は、遥ちゃん!?」
彼方「遥ちゃんッ!!」
バッ!!
──ギュッ!!
遥「!?」
彼方「よかった……よかった……!!」
彼方「遥ちゃん……良かったよぉ……!!」ポロ、ポロ
遥「お、おねぇ、ちゃん?」
彼方「ひっぐ……!! は、遥ちゃん……っ……遥ちゃん!!」ギュュュュ
遥「???」 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
遥「──って事がこの前お見舞いに来てくれた時にあってね?」
遥「お姉ちゃんったら、私の事全然離してくれないんだよ? もうベッタリなの……」
しずく「えー、いいなぁ。羨ましい」
遥「嬉しいけど! やっぱ少し過保護過ぎるよ……」
しずく「あはは! まぁかな姉らしいじゃん」
遥「そうなんだけどさぁ……」
しずく「ところでさ遥」
遥「ん? しーちゃんどうしたの?」
しずく「もーすぐ退院だけど、目を覚まさなかった時の事とかってやっぱり覚えてないの?」
しずく「ずっと寝てたんだし、なんか夢とか見てないのかなぁって」
遥「夢……かぁ……」
遥「うーん……あんまり覚えてないなぁ」
しずく「ですよねー」 隙あらばリロードしまくるくらいには楽しみにしてるよ!
今回は更新量が多くて嬉しいキモチでいっぱい 遥「……」
しずく「どしたの遥? ぼーっとして」
遥「あっ、ごめん」
遥「……少しだけ、なんだけどね」
遥「ぼんやりとなんだけど、何かを体験してた気がするの」
しずく「へ?」
遥「夢……なのかな?」
遥「なんだろ……あんま覚えてないんだけど……なんかね」
遥「その夢? その中ではね、自分の周りの環境が全然違うの」
遥「私の知り合いや友人もいたんだけど……私の知る人とは少し別人みたいになっててね?」
しずく「別人みたいになってる……?」
遥「私の生まれた環境も違くて……」
しずく「う、うん」
遥「……なんか」
遥「自分なんだけど、自分じゃない。別の自分の人生を」
遥「──体験してきた気がするの」 【Members walking together】
【NEXT】
【桜坂しずく】 薄々気づいてたけど、やっぱりそういうことなんやな… 失速したって言った奴は歩夢と侑周りの問題解決して欲しいんでしょ
コナンみたいなもの 乙乙
次のメンバーは誰だろうというワクワクも感じながら終わりも近いのかという寂しさも感じる
遥ちゃんはまさかのキーパーソン? いやぁ続きが気になってしょうがない
彼方ちゃんよかったなぁ 失速したとか言ってる奴さ万が一そう思ったとしても心の中に留めておくことできんのか やっぱ遥ちゃんそういう事だったのね
続きが気になる ぶっちゃけワクワクはしなくなった
初期の方は更新が待ち遠しかったのに、今は更新されてるからまあ読んどくかって感じ
頑張れ>>1 全然失速は感じんけどな
楽しんでるから>>1の思うがまま書いてくれ 五十嵐若葉ちゃんとか歩夢と同じ体験をしていた遥ちゃんとかネタの使い方が面白いな
メンバーの個人回をやりつつ歩夢のトリップに関する情報も小出しにしてて構成も上手いし好き どの道書き終えたら某社から電話かかって来るんだから好きにしたらええ 遥ちゃん目覚めてよかった…!
しかしこの遥ちゃんはどこの世界線に行っていたのやら…続きが気になりますねぇ! >>824 誤字修正
歩夢「彼方さん」
歩夢「今日のスクールアイドル同好会の活動は、この病院のボランティア活動です」
歩夢「そして、彼方さんにしてほしいことは」
彼方「う、うん」
歩夢「なんでもいいです」
彼方「え!?」
歩夢「この遥ちゃんの病室で、ボランティア活動が終了するまでの間──何をしても構いません」
歩夢「勉強を進めても大丈夫ですし、ゆっくり休んでもいいです。本当は大好きなお昼寝をしたって大丈夫です」
彼方「!!(な、なんで私が本当はお昼寝好きって知ってるの……?)」
彼方「ど、どうして?」
歩夢「彼方さん、本当に色々忙しいですから」
歩夢「お見舞いだって間の時間を見つけて来てるから、あんまりゆっくり出来てないですよね?」
彼方「それは……まぁ……」
歩夢「だからです」
歩夢「今日は予定、空けてくれたんですよね? 同好会の活動として、今日は自由に……なんでもしていいです」ニコッ
彼方「歩夢ちゃん……」
しずく「簡易的だけど、勉強机もお昼寝スペースも用意したよ。もちろん先生には許可取得済!」
彼方「しずくちゃんも……」 ふむ・・・なるほど。
ぽむもいつか「目覚める」のだろうか? それお前みたいな批判レスは許さない勢が勝手にそう思っとるだけやで 別にキッツい言葉使ってる訳でもないんだから個人の感想ってことでほっとけばいいのにさぁ 歩夢が各メンバーを解決してくと思ったら別にそんなことなかった ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
──何事も適度に、ゆるく楽しむ。
それが私の生き方だ。
しずく「……」ポケー
しずく(今日もいい天気だなぁ)
しずく(お昼寝したら気持ちいいだろうなぁ)
そうすることによって、今日も平和に生きられる。
そう考えると自然と心も穏やかになってくる。
「桜坂さん?」
──そんな事をぼけーっと考えていたら、先生から声をかけられる。
そりゃそうか。授業中によそ見してたんだし。
「授業中によそ見なんて、ずいぶん余裕ですね?」
「この問題解けますか?」
しずく「……」ジー
しずく(X=4)
問題を見てすぐに正解の答えが分かった。
でも、ここで正解を答えてはいけない。
しずく「あ、あはは……ごめんなさい! わかりません!」
「……まったく。よそ見はせず授業は聞くこと! 罰として課題を──」
しずく「あー! せんせーごめんなさい! よそ見してたあたしが悪かったです! この通り反省してますので、どうかご勘弁をー!!」
少しオーバーリアクション気味に動き、全力で謝る。それを見たクラスメイトが皆楽しそうに笑う。
授業の雰囲気が明るくなったからか、先生もそんなに不満そうではない。
──そう。これでいいんだ。
下手に正解を答えて、授業なんか聞かなくても出来るアピールか? なんて思われて角が立つのはごめんだ。
しずく(これでいいんだ)
しずく(私は、これでいい)
今日もゆるく、平和に生きよう。 "待"ってたぜェ!!この"瞬間"をよォ!!(ビキィ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
かすみ「しずく」
かすみ「そろそろあなたもライブやろうよ」
しずく「へ?」
放課後、スクールアイドル同好会にて練習中。私の大切な友人である中須かすみから唐突にそう言われる。
しずく「いや、私はいいよ」
かすみ「…………」ジトー
しずく(すっごい不満そう……)
ここ最近、スクールアイドル同好会の動きが活発化している。
上原歩夢さんが同好会にやってきて、その影響で部員も増えて、皆一生懸命頑張っている。
本当にすごいと思う。
何かに全力で取り組める人を私は尊敬するし、一生懸命応援したいと思う。
──でも、私には何かに対して一生懸命になる事は出来ない。 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています