朝のあれこれを済ませた私は、すっかり目がさめて外の空気を浴びたくなった。

「おはよ〜……二人とも」

二人を起こさないようにこっそりと朝の挨拶をして、部屋の外へ出る。
デッキへ出ると、澄んだ空気とどこまでも続く青くうねった海がお出迎えをしてくれた。

「おぉ〜、すごい」

さっきまで停留していたであろう島はもうすっかり遠くの方に消えそうになっていて。
清々しい景色にますますしゃきっとしてくる。
つい深呼吸したくなる。

「すぅ〜、はぁ〜……」

椅子に座って一休みしていると、またアナウンスが。

『八丈島に向けまして航行中でございます。入港地は底土港を予定しております――』

底土港。

底土港って、そこどこー?

愛ちゃんが言いそうなセリフNo.1を私の中で受賞だよ。
でも私が果林ちゃんに言ったらはたかれちゃうかも。