エマ「女同士、離島」彼方「何も起きないはずがなく……」果林「何もないわよ」
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
「エマちゃんのもあるからね」
と、わたしにウインクする果林ちゃんのお母さん。
「えっ……!?」
果林ちゃんの浴衣があるのは分かるけど、どうしてわたしの分まで?
まさか、わざわざ借りてきてくれたりしたのかな?
驚いちゃって呆気にとられていると、
「果林、彼方ちゃんも呼んできてもらえる?」
「うん」
果林ちゃんは部屋を出ていきます。
「さて、エマちゃん。おばさんが勝手に選んできた浴衣だから……お気に召さなかったらごめんね?」
取り出してくれたのは、薄緑の生地にシンプルなトーンのあじさいが描かれた浴衣。
とってもお上品で、でもかわいくて。
「とっ、とってもとっても!大好きです!」
そう言うと、果林ちゃんのお母さんはくすりと笑って、
「じゃあ着せてあげるからね」
と、わたしに浴衣を着付けてくれました。 すぐに彼方ちゃんもやってきて。
「目を開けたら浴衣姿の果林ちゃんがいるんだもん、びっくりしちゃったよ。エマちゃんのも似合ってるね」
「えへへっ、ありがとう♪」
浴衣を着れたのが嬉しくて、くるくる回っちゃう。
姿見に映ったわたしを撮ってたら――、
「撮ってあげるわよ、貸して?」
と果林ちゃん。
とびっきり可愛く撮ってもらっちゃった。
しばらくして、「二人とも〜」と楽しそうな声の彼方ちゃん。
ひょこっと、両手を軽く広げて浴衣を見せるようなポーズの彼方ちゃんが出てきた。
「どう?」
彼方ちゃんは白地に、レモンとその葉っぱのボタニカル模様。
これはこれで、とっても似合ってて!
「いいっ!すごくいい!」
「うん、いいじゃない」
「へへ〜、良かった良かった。果林ちゃんのお母さん、センスあるねぇ」 浴衣姿のわたしたちは車に乗せられて、うきうき気分でお祭りへ。
車に揺られること20分、懐かしの底土港が見えてきました。
「それじゃ、楽しんでね!」
「「ありがとうございます」」
深々とお礼するわたしと彼方ちゃん。
お祭りだからか、港のあたりはにわかに色めき立っていて。
今日の夕焼けは不思議な色をしていました。
わたしたちの背中の方はオレンジ、港を見ると紫、雲はその中間のピンク色に染まっていて――こういうの、なんて言うんだったかな?
マジックアワーだったかな?
ヤシの木の下から空を撮ると、逆光になったヤシの葉が綺麗なコントラストを描いていて。
思わずその場で壁紙に設定しちゃった。
露店の賑わいや、島の人がお酒を飲みながらお話してたり、観光客の人たちもいて、いい雰囲気。
「ハチコ獲った!」
「いいなあ〜」
島の子かな?
子どもたちが小さなクワガタを手に持ってる。 わたしたちは露店でかき氷を買って――パシャリ。
海を背景に――パシャリ。
所かまわず、いろんな場所で、いろんなポーズで写真を撮りました。
「かき氷食べたら……あったかいもの入れたくなっちゃったよ〜」
「そうね、ちょっと見て回ろうかしら」
わたしたちは夕ご飯を求めて露店のあたりをさらに見て回ることに。
「……あれ?」
果林ちゃんと彼方ちゃんと、一緒にいたはずなのにはぐれちゃった。
どこかな?
そんなに広いわけじゃないから、探せばすぐ見つかると思うけど……。
そう思っていると、不意に呼び止められました。
「お姉ちゃん!」
声の方を振り返ると――島焼酎の試飲?
普通の焼酎との違いが分からないけど……甘酒とかとは違ってきっとちゃんとしたお酒だよね。
「すごい綺麗な別嬪さんがいたから声かけちゃったわ、ごめんね」
と気さくに声をかけてくるのはカウンター代わりの長テーブルの向こうのおじさん。 「お姉ちゃん可愛いから1、2杯サービスしちゃうよ!」
「えっ、えっと……」
わたし、高校生なんだけどな……。
でも、実はちょっぴり、ほんのちょっとだけ、お酒に興味があったり。
日本ではお酒は20歳からだけど、スイスでは18歳からなの。
……う、そんなの屁理屈だよね。
脳内の果林ちゃんに「まだ17でしょ」って言われちゃった。
「芋よりも麦がいいかな?」
わたしの返事も待たずに、使い捨てのプラスチックのコップにとぷとぷと焼酎が注がれていく。
そういえば、果林ちゃんのお父さんも飲んでたよね……。
「……」
ごくっ、と唾を飲み込んで喉が鳴っちゃう。
……美味しいのかな?
「ロック?水割り?」
「み、みずわり……」
「はいよ!」
あまりにもいい笑顔で手渡してくるから……しょうがない、しょうがないよね。
結露したコップに顔を近づけると、鼻をつんと刺すアルコールの香りと独特な何かの香り。
これが、焼酎のにおいなのかな?
「……」
――ちびり、と口をつけて。 正確には酒によって16歳と18歳で飲める年齢が分けられてる。まあ焼酎は18歳だが
それにしても知らないおじさんに勧められて簡単に飲んじゃうとかガード緩すぎて心配でさぁなぁ 相変わらず情景が思い浮かんで来る良い雰囲気の文章だよなぁ……最高
唐突な神々の山嶺パロは笑う >>191
おじさんにエマさんがお持ち帰りされてしまう… 続きが気になる
良い雰囲気のまま終われるのか
一波乱あるのか 彼方「食料切り詰める!出ました山形定番ナベハクサイナベ!食うぜー!!食うぜー!!」 >>202
三人とも可愛すぎる…
浴衣の柄とか芸が細かい ――ごくっ。
おいしい、かも。
喉を焼くようなお酒の刺激が過ぎると、
口に残ったのはほのかな甘味。そのあとでまろやかな麦の香りが鼻から抜けます。
――実を言うとお酒を飲むのはこれが初めてではありません。
スイスにいた頃、お母さんやお父さんが飲むワインを分けてもらったことがあったりして。
美味しいと感じたのはその経験があったからかな……?
おじさんはお酒の瓶を誇らしげに持ちながら
「どう?お姉ちゃん、美味しいでしょ」
「おっ、おいしいです……!」
わたし、やっぱりお酒が飲めるタイプかも?
「呑む姿も映えるねえ〜、芋もあげちゃう!」
「えっ、えっ……!」
まだ飲み終わってもいないのに、二つ目のコップが差し出される。
こっちは、麦よりもこってりとした香りがして。
「芋焼酎っていうと米麹を使うのが普通なんだけどね、うちでは麦麹を使って――」
両手にコップを持ちながらおじさんの講釈をふんふんと聞きます。
米麹と麦麹の風味の違いなんて、ほかに焼酎を飲んだことがないわたしからしたら全然ピンとこないけど……。 お祭りの会場には、だんだんと人が集まってきて。
わたしはというと、ステージで島の人が太鼓のパフォーマンスをするのを見ながら焼酎をちびちび。
どんどん、と太鼓の音色が体の芯に響きます。
「……はぁっ」
おいしいけど、こんなに飲むのはちょっと大変だね。
やっとの思いで麦焼酎を飲み干して、芋焼酎にも口をつけます。
――ちびちび。
「あっ、いたいた〜」
「もう、どこいってたの?」
彼方ちゃんはイカ焼きを食べながら、果林ちゃんは手にたこ焼きを持ちながら。
たこ焼きには爪楊枝が3つ刺さっています。
「えへへ、ごめんね」
二人がわたしの隣に腰掛けて。
「おっ、お水じゃ〜ん。一口もらっていいかな?」
「あっ!」
わたしが説明する前に、冷えた透明な液体が彼方ちゃんの口元に運ばれちゃって――。
お水だと思ってる彼方ちゃんは豪快にごくりっ。
「――!?」
「うえぇぇっ、これお酒じゃん!」
びっくりしてお酒を少しこぼしちゃう彼方ちゃん。
今は喉を押さえてむせています。 「なんてものを飲んでるのよ!しかも二杯目なんて……」
わたしから焼酎を取り上げる果林ちゃん。
二人からいっぱい叱られちゃった。
「……もう、きちんと断らないとダメよ?」
「ごめんなさい。ちょっと美味しそうだったから……」
今度からは気をつけないとね。
二人に怒られて、しゅんとしちゃう。
「……」
わたしを見つめる果林ちゃん。
どうしたんだろ?と見つめ返していると、果林ちゃんは視線をちらりとコップに移して。
コップに口をつけたと思ったら、
顔を傾けて――!?
「んっ、んっ――ぷはぁっ……!」
残りの焼酎をぐいっと飲み干してしまいました。
突然の出来事に頭が真っ白になっちゃって。
「ふふっ……お水買ってくるわね?」
人差し指を唇に当ててお酒を拭うと、不敵に笑って自販機の方角へ華麗に去っていって。
「今の見た!?彼方ちゃん!」
「う、うん……。男前な飲みっぷりだった」
びっくり仰天なのは彼方ちゃんも一緒だったみたい。
あたりはすっかり暗くなり、人口たった7,000人の島はすごい盛り上がり。
夜店のあたりにはもう、お店の照明が地面に届かないくらいの人だかりができています。
「早めにご飯買っておいて良かったわね」
「そうだねぇ〜」
少し汗ばんで、髪の毛が額や頬についてる果林ちゃんと彼方ちゃんの浴衣姿は艶やかで。
「そろそろ移動しましょ?」
今の時間は19時45分。
花火の時間まであと30分くらいかな?
「どうせなら、一番良いところで見たいじゃない?」
と言う果林ちゃんに手を引かれるわたしと彼方ちゃん。
お酒が入ったわたしたちはいつもより浮かれちゃってて。
体がぽかぽかふわふわ。
これが酔うってことなのかな?
まだ人がまばらな岸辺に、体育座りで三人並んで花火が上がるのを待ちます。 ふと頬に手を当てると――熱くて。
「ねえ、わたしって今もしかして顔赤い?」
すでに顔がりんごみたいになっちゃった彼方ちゃんに聞いてみます。
「いやぁ?そんなことないけどねぇ」
「あれ?そっかぁ。ちょっとほっぺたが熱かったから、赤くなっちゃったかなって思ってたんだけど」
気のせいだったかな。
「エマ」
不意に名前を呼ばれて、果林ちゃんの方を見ると、
――むぎゅっ、そして、ひんやり。
少しだけ頬がピンクに染まった果林ちゃんが両手でわたしの頬を触ってきて。
「どう?冷たいでしょ〜?」
果林ちゃんの手はひんやりしてて。
そういえば、手が冷たい人は心が温かいって言うよね。
そのままわたしの頬でむにむに遊ばれて。
「もう、やめてよ〜」
と、果林ちゃんの手をのけようとした瞬間。
びりびりっと腋に刺激が――。
「うりゃうりゃうりゃ〜!」
彼方ちゃんがくすぐってきて。
――どんっ!
みんなでじゃれていると、大きな音が耳をつんざいて。
わたしを弄ぶ二人の輪郭がくっきりと見えて。
「ふふっ、始まったわね」
――ひゅ〜っ、どんっ!
火花を散らしながら夜空にはしる閃光はふっと消えたと思うと、
どんっ、と大きな音を立てて金色の傘を開きます。
花火の音は山々に反響して――ぶわんぶわんと余韻を残しながら消えていって。
本物の打ち上げ花火を初めて見るわたし。
――ひゅーっ、どん!
――ぱらぱらぱら……。
夜空に咲く花火は、きらきらと光り輝きながら空に落ちていきます。
花火の反射が、海をいろんな色に変えていって。
「た〜まや〜!」
彼方ちゃんは楽しそうに花火を見物してる。
隣に座ってる地元の小さな女の子とときどき「たまや」って叫んだりして。
「……♪」
果林ちゃんはうっとり、瞳を花火できらきらさせながら夜空に首を傾けてる。
――どんっ!
ばんっ――。
花火が落ちる寸前に赤や緑に色が変わってキラキラ光るものや、輪っかの形をしたもの、光の尾が柳みたいにずーっと下の方まで垂れていくものや――。
「きれい……」
つい夢中になって、写真を撮ることも忘れてしまいます。 花火が一輪一輪開くたびに、わたしの中ではいろんな場面がフラッシュバックして。
――どんっ。
船から眺めた東京の夜景や八丈島。
――どんっ。
揺らめく海藻と鮮やかなお魚たち。
――ぱらぱら……。
果林ちゃんのお家での島寿司作り。
――ひゅ〜っ、どんっ。
八丈富士や牧場の爽やかな緑と風。
花火が打ち上がる回数は決して多くはないけど、だからといって退屈にならないようなペースで。
最後は100連発で締めくくりになるんだそうです。
――どんっ、どんっ、どんっ!
その大きさの花火を連発しちゃうの?って考えちゃうくらい、
わたしの視界に収まりきらないくらいの大輪の花火がどんどんと夜空を彩って。
「――」
思わず息をすることも忘れて見入ってしまいます。
「おぉ〜っ」とか「すご〜い」とか、周りの人たちの歓声や拍手も一層激しくなって、
終わったかな?と思えばまだ続いて――島の人も「まだあるの!?」と嬉しそうに言うのが聞こえたりして。
空高く、大きな光が開いては尾を引きながら海に落ちる中、
その下では色とりどりの小さな花火がぱらぱらと間髪入れずに打ち上がり続けていました。
――――――――
――――――
――――
ノレcイ´=ω=)
果林ちゃんのお母さんの車の中。
「はぁ〜、すっごいよかったねぇ」
花火をあんなに近くで見たのはいつぶりかな。
小さい頃に東京の花火大会を、良いところで見ようとしたことがあってね。
あまりにも人だらけで――それがちょっとトラウマになっちゃって。
ああいうのは、彼方ちゃんの性に合ってないんだよ。
今日の花火は一番良い場所で見れたうえに、押し合いになるほど人が多いわけでもなくて……こういうのでいいんだよね〜。
「うん、すっごいよかったぁ……」
しみじみと呟くエマちゃん。
「……」
助手席の果林ちゃんはくったりと目を閉じています。
あんなにグイっといって大丈夫だったのかな――果林ちゃんの顔色は赤いかそうでないか、よく分からなくて。
というのも、フロントガラスには花火大会から帰る車の赤いテールランプの行列。
その光に照らされて果林ちゃんの顔は赤いけど……それが酔ってるからなのかは分からないんだよね〜。
果林ちゃんのお母さんに聞くと、今日は年に一度の、八丈島で渋滞が起きる日らしくて。 車内にはエンジン音と、FMから流れる音楽が所在なげに響いていて。
「……」
「……」
「……」
お祭りのあとってちょっと寂しい気持ちにならない?
なんだろう――夏が終わっちゃうような気がするっていうかね。
まだまだ夏休みはあるんだけど、う〜ん、なんて言ったらいいのかな。
文字通り、『祭りの後』ってこういう気持ちを表すために存在する言葉だよね。
『後の祭り』じゃないよ〜?
「……」
エマちゃんはぼーっと窓の外の景色を眺めてる。
明日で帰っちゃうんだもんね。
エマちゃんは、どこか物憂げな佇まいで。
ま、帰ったら帰ったで遥ちゃんや同好会のみんなにも会えるからね。
遥ちゃんの土産話を聞きたいし、彼方ちゃんも遥ちゃんにいっぱい聞かせてあげたい。
同好会のみんなにもお土産を買ってあげたいし、多分彼方ちゃんたちへのお土産もあるんじゃないかな。
そう思えば、この旅が終わっちゃう寂しさも少しは薄らいでくれるんじゃないかな? いつもより倍の時間をかけて、車はお家に到着。
って言っても、彼方ちゃんは途中からすやぴしてたから体感5分くらいだったけどね。
「ごめんなさい、ちょっとうとうとしちゃってたわ」
果林ちゃんも回復したみたい。
月明かりに照らされた果林ちゃんの顔は、多少火照りが引いてるのが分かった。
車から出ると、お祭りや花火を名残惜しく思うのか、
どこかの家の子どもたちが手持ち花火で遊んでいるみたい。
火薬の煙たい香りが漂っていて。
「……くんくん」
煙のにおいを嗅いじゃうと私もなんだか、いろんなことが名残惜しくなっちゃうな。
ちょっとおセンチな気分になりつつ、お家に入ろうとすると、
「ねえ果林ちゃん、彼方ちゃん……えへへっ」
「どうしたの?……って、顔真っ赤じゃない?大丈夫?」
「大丈夫!」
そういってブイサインを出すエマちゃんだけど、頬は紅潮してて。
遅れてお酒が回ったのかな。
結構飲んでたもんね……飲み慣れなれてない人があんなに飲んだらやっぱり酔っ払っちゃうよ。
ふやけた笑みを浮かべるエマちゃんは、お家の敷地の外の方を指差して、
「ねえねえ、お散歩いかない?」
と言うのです。 果林ちゃんのお母さんから「あまり遠くに行っちゃダメよ」と助言をいただき――。
私たちはお家からそんなに遠くない場所にある、海が見れる足湯に行くことに。
「エマ?辛かったら言うのよ?」
「大丈夫だってばぁ」
顔を赤くしながら、るんるんとステップを踏むエマちゃん。
そよそよと、風がみんなの髪を靡かせて。
「風が涼しくていいねぇ……」
夜風もいい感じだし、彼方ちゃんたち、結構画になってるんじゃない?
ふっふっふ〜。
街灯がほとんどないから、うすらぼんやりとした月明かりを頼りに歩きます。
もし一人で歩いてたらちょっと怖くなりそうな道だけどね……。
「えへへ――」
――ぐいっ。
「うわっ」
急に、真ん中を歩くエマちゃんが彼方ちゃんの腰に手をかけてぎゅっと引き寄せてきた。
果林ちゃんもエマちゃんに手繰り寄せられて――酔っ払ったエマちゃんはいつもより甘えん坊さん?
ふわりと、エマちゃんのいい香りがして、でもその中に焼酎の男らしいにおいもあってちょっと笑っちゃう。 「わたし、二人に出会えてよかった!」
なんて言って、私たちの腰をさらにぎゅっと抱きしめてくるエマちゃん。
夜の暗闇に目が慣れてきてくると、
エマちゃんは心底楽しそうに笑ってるのが見えて。
「ふふっ、もう、酔いすぎよ」
エマちゃんの言葉に満更でもない表情の果林ちゃん。
くっついた私たちは、お互いの足を踏まないように気をつけながら
歩調を合わせて歩きます。
海が近くなってくると、民家もまばらになってきて。
ヤシの木や、マングローブみたいな木々が空を覆い隠すほど生い茂る道に入っていきます。
「……♪」
月明かりに頼れなくなった私たちはスマホの懐中電灯で足元を照らしながら歩きました。
そんな道の途中に点在するコンクリートの建物は、廃墟なのか倉庫なのか分からなくて異様な雰囲気。
窓もところどころ割れてるし。
怖いけど、それがまた、なんとなく冒険してるみたいで。
潮風にそよぐ葉っぱがかさかさと音を立てる中、エマちゃんの鼻歌が聞こえてきて、
「――♪」
どこかで聞いたことのあるようなベースラインのメロディをなぞります。 すぅっ、と可愛い声で息を吸ったエマちゃん。
「When the night has come
And the land is dark
And the moon is the only light we'll see♪」
スイッチの入ったエマちゃんの伸びやかな歌声が、ヤシの小道と夜のしじまに溶けていきます。
私と果林ちゃんはエマちゃんの歌に聞き入って――。
原曲よりも少しスタッカートが抑え目なエマちゃんの歌い方はとっても優しい。
エマちゃんはいろんな歌を知ってるんだよね。
一緒にお泊まりしたとき、子守唄を歌ってもらったのを思い出しちゃうなぁ。
「No, I won't be afraid
Oh, I-I-I-I won't be afraid
Just as long as you stand,
Stand by me♪」
「線路があったら完璧だったね」
と彼方ちゃんが軽口を叩くと、
「残念だけど、鉄道はないのよね」
果林ちゃんはくすっと笑いました。
「So darlin' darlin',
Stand by me♪」
――――――――
――――――
――――
(ζル ˘ ᴗ ˚ル
――ちゃぽん。
浴衣をはだけさせて、お湯の中に足をつける。
山登りやお祭りでこわばった足の筋肉がゆるんで。
「あぁ〜……気持ちいいね」
爪先を丸めたり大きく開いたり、グーパーさせながら月と海を眺める彼方。
海は静かで、遠くの方でおぼろげに光るのは灯台の明かり。
足湯きらめきは、海に臨んだ岸壁の上にある。
私がこの足湯を好きなのは、広々としてて足をまっすぐ伸ばせることと――、
「なにあれ!」
水面から水しぶきを吹き上げる、
「クジラね」
「えぇ〜っ、すごいすごいっ……!」
「おぉ〜……クジラさんまでいるんだねぇ」
鯨を見ることができることなの。 お湯の温度は少し熱めだけど、沖から吹き付ける風に吹かれるから、汗をかくほど暑くは感じないのよ。
――ちゃぽ、ちゃぽ。
さざなみと、時々、私たちの誰かが足を動かして立つお湯の音。
「……」
「……」
「……」
友達の定義って何だと思うかしら?
正解はないと思うけれど、いつか誰かが言っていた、『沈黙すらも心地良い関係』が友達だとするなら、
今はとても心地よくて――。
「……」
「……」
「……」
――ちゃぽ、ちゃぽ。 そんな沈黙を破ったのはエマで。
ぽつりと独り言のように、
「……日本とスイスがお隣だったらいいのにな」
と呟く。
「急にどうしたの?」
私が尋ねると、また沈黙が流れて。
「……」
「……」
――ちゃぽっ。
彼方が足で音を立てる。
薄闇の中のエマの目尻には涙が溜まっていて。
虚を突かれた私は、少し驚いちゃったけど……落ち着いて、エマの言葉を待つ。
しばらく経って、エマはゆっくりと言葉を紡いでいって。
「わたしね……果林ちゃんと彼方ちゃんと一緒にいれてこの2、3日の間すっごく楽しかったの」
「もちろん、同好会のみんなといる毎日もかけがえのない思い出なんだけど……もっと、もっと今日みたいな思い出を作っていきたいなって」
――ちゃぽ、ちゃぽ。
「でも、わたしが日本に居れるのは、数えてみたら……あと半年とちょっとしかなくて。帰っちゃったら、そんなに頻繁に日本に来ることはできないだろうし」
「そう思ったら、なんかね?ちょっと寂しくなっちゃって」
エマは、全てを包み込んでしまうような優しい雰囲気と、しっかりした芯の強さが同居するような女の子。
それは、やっぱり8人兄弟のお姉さんだからなんだろうなと思う。
私なんかよりもずっとしっかりしてて――うじうじする私を勇気づけてくれた大切な人でもあって。
でも、今のエマにそういう雰囲気はなくて、一人の、少し寂しがり屋な女の子みたい。 ――よしよし、と。
エマの頭を撫でてあげる。
彼方はエマの背中をさすっててあげてて。
「あはは、ごめんね……」
「――っ」
と言いながら、顔に手を覆って。
押し黙って震えるエマの手からは、大粒の涙がこぼれていて。
どれくらい経ったのか、鯨が遠くでざぶんと音を立てて海に翻る。
あと半年とちょっと、ね。
改まってそんなことを言われると、胸が苦しくなる。
エマがスイスに帰っちゃっても、同好会のみんながバラバラの将来を歩んでも、絆がなくなることはないって、それは断言できる。
それでも、想像すると寂しい気持ちになってしまう。
「離れ離れになっても寂しくないくらい――一緒の思い出を私も作りたい。エマが簡単に日本に来られないって言うなら、私がスイスに行くから」
と、気付いたら口に出してしまっていて。
それに彼方も同調してくれて、
「うんうん、彼方ちゃんも同じ気持ち。あと半年だったとしても、どんどん思い出を作っていこうよ。シルバーウィークも行こう?冬休みだって、春休みだって、どこかにお出かけしようよ」
そう言うと、エマはますます涙を流して。
「うんっ、うんっ――!」
こくりこくりと頷きながら、涙の粒は大きくなるばかりだった。
私たちはエマの泣いてる姿が見たいわけじゃないんだけどね……って、彼方とちょっとだけ苦笑して。
声を抑えきれなくなって、子どもみたいに泣きじゃくるエマの姿を見ていたら、なんだか私まで視界がぼやけてきて。
目に溜まった涙を乾かそうとして、遠くを見つめながらまばたきを我慢したの。
――家に帰った私たちは、浴衣を脱いで、お風呂に入ったり、いろいろして。
「かっ……彼方ちゃ……もう限界だよぉ」
そう言い残して、彼方は布団の中に吸い込まれていってしまった。
エマも赤くなった目をこすりながら、
「ふふっ、わたしもそろそろおやすみしようかな。果林ちゃんは?」
「私はもう少しだけ起きるつもり。ちょっとだけ親と話をしようかと思って」
「そっか。分かった」
エマは彼方が眠る布団の中に入って、和室から出ようとする私を小さく手を振って見送ってくれた。 リビングからはテレビの音がうっすらと漏れ聞こえていて。
入るとお父さんとお母さんは「情け嶋」と明日葉の天ぷらで晩酌をしていて。
久しぶりに、家族揃ってダイニングテーブルに座った。
物心ついたときからの、お父さん、お母さん、私の定位置は今でも変わっていなくて。
私がスクールアイドルを始めてからのあれこれを話したり。
逆に二人が島の出来事を話してくれたり。
明日は朝から仕事のお父さんは、空港まで見送りには来れないらしい。
「お友達を大切にな」なんて、別れ際みたいな台詞を吐いて――時々連絡取り合ってるのにね。
家族水入らずの会話に花を咲かせていたら、日付が変わろうとしていて。
そろそろ寝ないとね、夜ふかしはお肌に悪いから。
よくよく考えたら、二人に直接言うのはこの帰省で初じゃない?
なんて思いながら夜の挨拶を。
リビングの扉を開けて、
「おやすみ」
二人に向かってそう言うと、優しく向こうもこう言ってくれるの。
「「おやすみ、果林」」
和室に戻ると、二人はもう夢の中。
「すやぁ……」
「すーっ……」
――パシャリ。
スマホのスピーカーの部分を指で押さえて、できるだけ音が鳴らないようにして。
二人の寝顔を写真に収めた。
「……」
二人の布団に入ろうか少し迷ったけど……。
しばらく考えて、やっぱりやめておく。
だって、普通に暑苦しそうじゃない?
そう思って、二人の横に布団を敷いて眠ったんだけど――。
夜中に目を覚ますと、なぜかエマに抱き抱えられながら、三人同じ布団に入ってて。
――はぁ、分かったわ。観念してあげる。
――――――――
――――――
――――
,,(d!.•ヮ•..)
八丈島で過ごす最後の日は、どこに行くでもなく、ただ果林ちゃんのお家でまったり。
彼方ちゃんもわたしも、なんとなく「もういっかぁ」みたいな気持ちになっちゃって。
もう荷物の用意も終わっちゃってるの。
果林ちゃんのお母さんが、すいかを用意してくれました。
わざわざ氷がたっぷり乗っかった器に、切ったすいかを並べてくれてて。
お家の軒先に三人並んで、青空とヤシの木を眺めながら、
「「「いただきます♪」」」
きんきんに冷えたスイカをかじると、しゃくっと音がして、果汁があふれてきて。
「ん〜♪ボーノ♪」
彼方ちゃんも、しゃくしゃく。
「おいしいねぇ」
果林ちゃんも、しゃくしゃく。
「……♪」
風鈴と蝉とすいかを食べる音。
のどかな時間が流れます。 「そういえば、世の中にはすいかの種を飛ばす大会があるんだよ〜」
と彼方ちゃん。
へぇ〜……そんな大会があるんだ。
なんて思いながらすいかを食べていると。
「飛ばしてみる?」
と提案したのは意外にも果林ちゃん。
いいのかな?ここ果林ちゃんのお家だよ?
「あっ、じゃあさ〜、一番飛ばなかった人は何かお土産を奢るっていうのはどうかな?」
くさやのときみたいな企み顔の彼方ちゃん。
「でも、お土産って……同好会のみんなへの?」
とわたしが聞き返します。
「ん〜、いや……そうだねぇ、う〜ん。あっ!お土産屋さんに置いてあるキーホルダーを3つ買うのはどう?」
「そんなの買ってどうするのよ?」
「スクールバッグに3人で付けるとか、どうかな」
それ、いい。
すごくいい――!
「いいねっ!」
彼方ちゃんに大賛成を贈ります。 まだ八丈島に上陸するところまでしか読んでないけど、船旅のワクワク感がすごい伝わってくるね。 「う〜ん……」
微妙な顔をしているのは果林ちゃん。
理由を聞いてみると、
「確かにお土産屋さんに行けばキーホルダーは置いてあるわよ?置いてあるけど……ああいうのって大体ダサくない……?」
「それがいいんじゃん」
――結局、果林ちゃんは押し切られて、キーホルダーの奢りを賭けた種飛ばし大会が始まりました。
一番手は彼方ちゃん。
大きく助走をつけて、「ぷっ!」と種を飛ばしたけど……。
「あっ」
「ふふっ、下手ね」
勢い余って角度を間違えて、種は地面に45度でぱしゅっと叩きつけられてしまいました。
記録は80センチ。
「うぅ〜」とヘコむ彼方ちゃんを撫でて、果林ちゃんの挑戦を見守ります。
果林ちゃんはすいかから種を取ると、口に入れて――「ぷっ!」。
「おぉっ!?」
綺麗な弧を描いて落ちていく種に驚いて。
記録はなんと2メートル40センチ。
「どう?すごいでしょ」
「なんで!?」
納得いかない様子の彼方ちゃん。
次はわたしの番だね。
結果は……。
――――――――
――――――
――――
種飛ばし大会のあと、島は突然のスコールに見舞われました。
大粒の雨が弾丸のように力強く降り注いでいて。
「飛行機……大丈夫かな?」
不安と、もしかして1日伸びたり?なんて淡い期待を抱いて果林ちゃんに聞いてみると、
「大丈夫だと思うわよ?すぐ止むから」
って。
わたしがスコールを経験したのは今回が初めてだったんだけど、
八丈島では日常茶飯事で、10分や20分で止んでしまうみたい。
逆に、雨が降らない日の方が珍しいくらいらしくて――わたしたちってラッキーだったんだね。
それで、本当に15分くらいで止んじゃって。
「ね?」
と外を見て言う果林ちゃん。
う〜、そっかぁ……帰っておいでって神様も言ってるのかな。
「……ふふふ」
彼方ちゃんは遥ちゃんとLINEしてて。
なんだか急に日常に戻っていっちゃうなぁ……なんて思っていたら、
「そろそろ行こっか」
と果林ちゃんのお母さんが。 玄関を出ると、雨上がりの匂いがして。
車に乗ったわたしたちは、特に何かを話すでもなく、それぞれ窓の外の景色を眺めていて。
「……」
「……」
「……」
――ピコッ。
わたしは景色を動画として残すことにしました。
外を流れていく空や、海や、草木や、道路の標識や……。
「ふふ、エマちゃん……ずっと動画撮ってるね」
「そうなの……全部記録しておこうと思って」
「そっかそっか……あっ!ねっ、ねえエマちゃんエマちゃん、あれみて!」
エマちゃんの方の窓を覗かせてもらうと、
「わぁっ――!」
八丈小島から八丈富士の向こうにかけて、虹がかかっていました。
太陽の傾きと、雨上がりで少し黄色がかった空と、そこにかかる虹の景色はとても幻想的で。
――パシャリ。
果林ちゃんもその景色を撮っていて。 やっぱり、まだちょっとだけ後ろ髪を引かれるような気持ちがあって。
行かないでと思えば思うほど、車は速くなるような気がして。
市街地を越えて――あっと言う間に八丈島空港に到着してしまいました。
「着いちゃったね」
と彼方ちゃん。
空港の周りにはヤシの木が等間隔に植えられていて、駐車場には自動車が結構停まっていて。
小さな空港だから、駐車場からすぐに滑走路を見ることができます。
車はターミナルの『出発』と書かれた自動ドアの前に停まって――。
「楽しかった?」
と後部座席に振り向いて聞いてくれる果林ちゃんのお母さん。
また、なぜか、目の奥が熱くなって。
でも、涙を流さないように上を向いてしばらく待って。
「「楽しかったです♪」」
彼方ちゃんと一緒に。
空港の中は小さくても、当たり前だけどカウンターだってお土産屋さんだってあって。
こぢんまりしてるのがかえって居心地のいい場所でした。
お土産屋さんで物色するわたしたち。
「これ、どうかな?」
二人に見せたのはくさやせんべい。
わたしだけじゃなくて、彼方ちゃんや果林ちゃん、同好会のみんなにもあの臭いを……なんて。
「ほら彼方、これが不幸の連鎖よ。お詫びとしてこれ買って家で食べたらどうかしら?」
果林ちゃんは真空パックされたくさやの干物を勝手に彼方ちゃんのカゴに入れます。
「かっ、勘弁してよ……」
本気の声で拒否する彼方ちゃんに思わず笑いがこみあげてきてしまいます。
旅行のお土産はやっぱり消え物がいいよね、っていうお話になって、同好会のみんなに買ったのは食べ物ばかり。
ちょっと紹介すると、しずくちゃんには島唐辛子パウダーとか、かすみちゃんにはパッションフルーツのジャムとか。
果林ちゃんはその他に、モデルのお仕事でお世話になっている人へのお土産。
彼方ちゃんは遥ちゃんと、バイト先のスーパーにあげるお土産をそれぞれ買って。
「じゃあ〜、選びますか。エマちゃん」
彼方ちゃんに引っ張られてやってきたのは、いろんな種類のキーホルダーが掛けられた棚の前。
「あっ、もう選んでるの?」
とお土産のお会計を済ませた果林ちゃんがやってきます。 不思議な模様のコインとか、確かにちょっと個性的なデザインが多くて。
果林ちゃんの言う通り、はっきり言ってダ――んんっ。
ふと目にとまったのは『八丈島』と書かれた、八丈富士や船の絵が描かれたキーホルダー。
手にとって、これどう?と果林ちゃんに見せると、
「却下。二人ならまだしも、私が着けてたら地元大好き人間みたいじゃない」
棚に戻されてしまいました。
すると彼方ちゃんが見せてきてくれたのが、レジンでできたウミガメのオブジェのキーホルダー。
「ね、これどうかな?」
甲羅の割れたそれぞれのところにトーンの違う青、紫、緑が配色されていて、ステンドグラスみたいになってて。
わたしは文句なし、果林ちゃんも文句なしで。
「あら、いいじゃない!」
「わたしもいいと思う!」
「でしょ?彼方ちゃんセンスあるからね〜?それじゃ、エマちゃん。お買い上げ、よろしくお願いします」
悪い笑みを浮かべてわたしに3つ手渡してくる彼方ちゃん。
残念だけど、彼方ちゃん、これくらいならお安い御用だよ。
それどころか、喜んで買わせていただきますっていう感じなの。
――――――――
――――――
――――
わたしたちの乗る飛行機は、滑走路をゆっくりと動き出しました。
窓の外を見ると、果林ちゃんのお母さんが柵ごしに眺めているのを発見して――。
「果林ちゃん果林ちゃん!」
わたしの後ろの座席に座る果林ちゃんに報告します。
「ふふっ、分かってるわよ。いつも見送ってくれるの」
お母さんを見つめる果林ちゃんの顔はすごく優しい顔で。
『皆様、当機は間もなく離陸いたします。シートベルトをもう一度お確かめ下さい。Ladies and Gentlemen, ――』
――ピン、ポン。
飛行機の音はにわかに激しくなって。
ぐぐぐっとシートに押し付けられるような重力を感じながら、機体はどんどん空へと登っていきます。
海へと飛び出した飛行機は、ゆっくりと八丈島の上空を旋回して、
わたしたちに島を見せてくれるみたいに、少し斜めに傾いて。
窓からは、海に浮かぶ2つの島や、小さくなった町が見えました。
底土港が、登龍峠が、裏見ヶ滝が、カフェが、八重根港が、ふれあい牧場が、八丈富士が、三原山が、足湯きらめきが、果林ちゃんのお家が、見えたの。
これが、果林ちゃんの故郷。
やっぱりわたしの思ったとおり、素敵な場所だった。
写真を撮ろうとすると、隣の座る彼方ちゃんが、
「それ、彼方ちゃんにもあとでちょうだいね」
「うん、もちろん♪」
しばらくすると、八丈島は見えなくなって。
果林ちゃんも、彼方ちゃんも目を閉じて……寝ちゃったのかな?
わたしも……ひと休みしようかな。
――次はどこに行こう? おつ
旅行の楽しさと帰る時の物悲しさを思い出した
又気が向いたら何か書いてくださると嬉しいです
スタンドバイミーは名曲 おつ、最高だった
ここ毎日楽しかったぜ
過去作とかあれば教えてくれ 乙
おかげさまで素晴らしい連休でしたわ
挿絵ニキ(ネキ?)もありがとう おつおつ
ほんと最初から最後まで雰囲気が良かった
八丈島は行ったことないけど、コロナ禍マシになったら行きたいなぁ……
こういうほのぼの旅行SSはほんと最高だ 乙
最高だったわ、SSで一番好きかも
しまむらは全レスに挿絵付けて、どうぞ 誤字訂正
>>223
「飲み慣れなれてない」→「飲み慣れてない」
>>240
「エマちゃんの方の窓を」→「彼方ちゃんの方の窓を」 乙です、このGWいちばんの楽しみだった
もし過去作あったら教えてほしい >>241
こことかね、すごい切ない
ほんと良かったわ
俺も過去作知りたい 乙でした
三年生好きとしては本当に読んでて幸せなSSだった 旅行したくなったし、全てにワクワクしてた学生の頃に戻りたくなった
乙です 旅行の帰り後ろ髪引かれる心理描写が丁寧でしんみりしたぜ
>>1もしまむら兄貴も乙 >>1さん乙でした。
素晴らしい作品をありがとうございます。
タイトルから最後までホント楽しめました。
>>272
高級しまむら氏も素晴らしいイラストありがとうございます。 いやー……神だったわ…
>>272
これで最後かな?
しまむらのおかけで更に没入感マシマシで最高でした
すげえSS >>274
映画スタンド・バイ・ミーと同じで幼い頃の一夏の冒険みたいな感じがコンセプトだったのかなー 最初から読み返したSSは初めてだわ
素晴らしい
イラストも可愛くて最高 読了
3年生めちゃくちゃ好きだからすごい楽しめました ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています