彼方「一秒でも」 しずく「長く」
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近江家 4月3日
─チュン チュン
しずく「ん…ふあ…」
彼方「すやぁ…zz」ムギュウ
しずく「…あぁ、かなたさん…」
しずく(わあ、すごく顔近い…)ナデナデ
彼方「えへへぇ…」zzZ
しずく(…かわいい)ナデナデ しずく「ふぅ…もお、朝から顔熱い…」
遥「まだ慣れないものなの?」
しずく「さっきみたいに寝起きで抱きつかれた状態からだったら割と平気なんだけど…」
しずく「不意打ちはちょっとね…彼方さんに関しては不意打ち特化だから厄介なんだよね」
遥「あはは、確かに。私も不意打ちよく食らうし」
しずく「敵わないよね」
遥「ねー」 遥「あ…しずくちゃんお魚大丈夫?」
しずく「あ、そっか!シャケ…!」ガシャ
鮭「」ジュ〜
しずく「あわわ、ちょっと焦げちゃったかも…」
遥「火が強すぎたのかもね、まぁ…食べようと思えば食べれると思うよ」
彼方「洗顔完了〜、どしたのお?」
しずく「ちょっとシャケが焦げちゃって」 彼方「んー?あぁ、このくらいなら全然大丈夫だよー、おけまる〜」
しずく「ほっ…良かった、あまりこんなミスしないんですけどね…緊張してるのかな」
彼方「まぁまぁ、彼方ちゃんでもたまにやるし…いつもいつでも上手くゆくなんて保証はどこにもないからねぇ」
しずはる「そりゃそうじゃっ」
彼方「…おや、ノリがいいね二人とも」 しずく「のせないでください」
遥「言わざるを得ないもんね?」
しずく「ねー?」
彼方「えっへっへ。お、遥ちゃんのみそ汁おいしそうだねぇ」
遥「うん、頑張ってみた!もう出来上がるから準備するね」
彼方「おー、じゃあ彼方ちゃんも手伝うよー」
カチャ カチャ ────
─
遥「味噌汁にご飯、シャケ…納豆」
しずく「朝ごはん!って感じの作れたね」
彼方「納豆にしずくちゃんか…闇鍋思い出すねぇ」
しずく「…もう、やめてくださいってば」
彼方「ふふ、じゃあ食べよっか〜」
しずはる「うん」「はいっ」
しずかなはる「いただきまーす」 …
彼方「ん…」ズズ
彼方「んーっ、遥ちゃんのおみそ汁おいしい〜…五臓六腑に染み渡る〜」
遥「良かったぁ、しずくちゃんのシャケもおいしいよ!」モグモグ
彼方「ん…うん、寧ろちょうどいい焼き加減だと思うなぁ」モグモグ
しずく「ほ、ほんとですか?良かった…」モグモグ
モグモグ…
遥「今日は二人でどこ行くの?」
彼方「うーん、特には決めてないけど〜…」 しずく「急遽決まりましたもんね」
遥「行き当たりばったり?」
彼方「かなぁ、まぁ彼方ちゃん達らしいかもね」
しずく「達ってなんですか…私はプランは立てておきたかったんですけど…」
彼方「えへへ…まぁ、しずくちゃんの誕生日だし…しずくちゃんの行きたいところに行こうよ」
しずく「行きたいところですか…うーん」 しずく(正直彼方さんとならどこでも行きたいけど…私の趣味だけだと退屈させちゃうし…うーん)
遥「私、映画のチケット持ってるからそれ使って観にいってきたら?」
しずく「え?」
彼方「ええ?いいの〜?」
遥「うん、友達からのもらいものなんだけど…観に行くタイミングがなくて。」
しずく「もらいものなのに大丈夫なの?」
遥「大丈夫。使わない方がもったいないし…期限は明後日までだから、二人に使って欲しいな」 遥「後でチケット渡すね」
彼方「遥ちゃ〜ん、ありがと〜っ」
彼方「今度一緒に映画行こうねぇ」
遥「うんっ、今日は二人で楽しんできてね」
しずく「ありがとね、遥さん。私ともいつか行こうよ」
遥「あっいいね!」
彼方「おやぁ、彼方ちゃんは除け者〜?」 遥「たまにはいいでしょ?しずくちゃんと二人で出掛けたことってなかったし」
しずく「ふふ、言われてみればそうかも」
彼方「妹と恋人を同時に取られた気分になりそうだぜ…」
しずく「大丈夫ですよ、ちゃんと彼方さんの恋人ですし」
遥「うん、ずっとお姉ちゃんの妹なのは変わらないよ〜」
彼方「…ふふ、分かってるよ〜」ホクホク 彼方「…あ、なら二人で出掛けてる時の写真、撮って送って欲しいなぁ」
彼方「是非ともホーム画面にしたい」
遥「うんっ、その時はいっぱい撮るね」
しずく「それじゃあ…近いうちにお出かけしようね、遥さん」
遥「うんっ!」 彼方「ふふ…ごちそうさま。美味しかったよ〜」
遥「私も、ごちそうさまっ」
しずく「ん…ごちそうさまでした、お片付けしましょうか」
彼方「うん、お片付けして…お着替えしないと」
しずく「あ…あの…彼方さん」
彼方「ん〜?」 しずく「…制服に着替えませんか?」
彼方「え?」
しずく「彼方さんと、制服でお出かけしたいんです…」
遥「……」
彼方「……」
彼方(…そっか)
しずく「あの、ダメですか…?」
彼方「んーん?いいよ〜、しずくちゃん持ってきてるの?」 しずく「あ、はい!一応持ってきてます」
彼方「用意周到だねぇ」
しずく「ダメ元でしたけど」
彼方「断る理由なんてないよ〜、じゃ…制服デートしようねぇ」
しずく「…!はいっ」
遥「…ふふ」 ────
─
彼方「お〜…なんだか久しぶりに着た感じするよ〜、制服」
遥「ほんとに…なんだか不思議としっくりくるね」
しずく「……」 彼方さんの制服姿…卒業式以来だなぁ
私の希望で着てもらったけれど
なんだか彼方さんが帰ってきた感じがして、でも本当は違くて
もうこの姿を今後拝むことはないんだろうなと思うとやっぱり、少しだけ寂しくなった
…ああダメ、涙腺が…泣くなしずく
…でもやっぱり、一度くらいは恋人として、制服でデートをしたかった
付き合うようになって、彼方さんが在校中の時は全然出来なかったから
多分彼方さんは、私の意図を察してくれたんだと思う
本当に察しが良くて、優しい人だなぁ 彼方「おや…泣いてるの?しずくちゃん」
しずく「…はっ、いえ!泣いてないですよ?」グシグシ
彼方「…そっか」ニコ
彼方「でも、しずくちゃんの制服姿もなんだか久しぶりに見たなぁ」
しずく「っ…あ、そうですね…昨日まではあまり会いませんでしたし…」
彼方「だねぇ、嬉しいよ」
しずく「…わたしも、嬉しいです。もう一度彼方さんの制服姿が見れて」 彼方「うんうん、レアだからきちんと堪能してくれたまえよしずくちゃん」
しずく「それは勿論」
彼方「…じゃ、行こっかしずくちゃん」
しずく「はい」
遥「じゃあこれ!二人分の映画のチケット」スッ
彼方「おー、ありがとー遥ちゃん」ムギュ 遥「わわっ、急に抱き着かないでってば…楽しんできてね?」ナデナデ
しずく「遥さん、ありがとう。楽しんでくる。…また連絡するね?」
遥「うんっ、お姉ちゃんの事よろしくね」
遥「二人とも、行ってらっしゃい!」
彼方「うん、行ってきま〜す」
しずく「行ってきますっ」 ────
─
彼方「んーっ、眩しいぜ〜」
しずく「彼方さん、中盤辺り寝てませんでした?」
彼方「え、まさか〜…寝てないよ?」
しずく「本当に?」
彼方「あんな爆発音とか連発されたら寝ようと思っても寝れないよzzZ」
しずく「彼方さん“zzZ”が出てますよ」 しずく「でも、爽快なアクションシーンでしたね」
彼方「…うんうん、確かに〜…最後はびっくりしちゃったなぁ」
しずく「ですよね!まさか溶鉱炉から中指を立てて飛び出してくるとは思わなかったです!」
彼方「わわ、大きな声でネタバレダメだよ〜?」
しずく「はっ、すみませっ」クチオサエ
彼方「…ふふ、気持ちは分かるけどね」
彼方「でも、ほんとに素敵な映画だったね」 しずく「はい、キャストの俳優さん方の演技が本当に秀逸で…いつかあんな風に演じれるようになりたいです」
彼方「きっとなれるよ、しずくちゃんなら」
しずく「努力あるのみですよね」
彼方「将来しずくちゃんが名女優になって…沢山ドラマとか映画に出るようになったらいつでもしずくちゃんの事見れるようになるねぇ」
しずく「名女優になれたら、ですけどね」 彼方「…きっとラブストーリーのドラマとかに引っ張りだこになるんだろうなぁ…」…
しずく「…あ、あれ、どうしたんですか」
彼方「…ううん?なんでもないよ〜」
しずく「あ…キスシーンとかそういうの心配してます?」
彼方「…!だっ、で…違うよ?!」
しずく「分かりやす過ぎますよ…」
しずく「まぁもしかしたらそういう経験も将来的にはあるかもしれませんね」
彼方「……意地悪だなぁ」
しずく「ふふ、彼方さんをからかうのって楽しいんですね」 彼方「くっ、しずくちゃんが黒いぜ…」
しずく「ふふっ」クス
彼方「も、もぉ…この話おしまい〜!次行こうよしずくちゃん、どこ行こっか〜」
しずく(かわいい)
しずく「ん…そうですね、うーんと…どうしましょうか…」キョロ
彼方「…あっ、あそこ行ってみようよしずくちゃん」ユビサシ
しずく「…?スクールアイドルショップ…?ですか?」 彼方「うんっ、色んなスクールアイドルのグッズが売ってるんだって〜」
彼方「彼方ちゃんたちのもあるかな?」
しずく「なるほど…あるんじゃないですか?行ってみましょうか」
彼方「うん、行こー行こー」 ───
─スクールアイドルショップ
ズラァ〜
彼方「おー…いっぱいあるねぇ」
しずく「ほんとに…予想以上でした」
彼方「…!わぁしずくちゃん…!遥ちゃんのアクリルキーホルダーがあるよすごいよ遥ちゃんだぁ…!」
しずく「すごく興奮してますね」
彼方「遥ちゃんのグッズがあるんだよ〜?実際に見ると嬉しくなっちゃうよ〜」 彼方「…買っとこ」ヒョイ
しずく「買うんですね」
彼方「遥ちゃんはいくらあってもいいものだからねぇ…」
彼方「まぁ彼方ちゃんにとっての遥ちゃんは遥ちゃん一人しかいないけどね…!」 しずく「…ふふ、なんですかそれ」
彼方「うわぁクリアファイルもあるし缶バッジもあるんだねぇ…豊作豊作♪」
しずく「…あ!虹ヶ咲のありますよ」
彼方「あ、ほんとだぁ」
彼方「ブロマイドとか充実してるねぇ…こういうの見てると本当に嬉しくなっちゃうなぁ」
しずく「少しだけ照れくさいですけどね…あ、寝そべりぬいぐるみありますよ」
彼方「おお、しずくちゃんの寝そべりだぁ…メガジャンボ…」カカエ 彼方「…うん、ぬいぐるみになってもかわいいぜしずくちゃん…」
しずく「ん、彼方さんのも可愛いですよ?」カカエ
彼方「…お、彼方ちゃんとしずくちゃんの寝そべりが揃ったねぇ」
寝そべりしずく「…コンニチハ〜カナタサ〜ン」ユラユラ
しずく「…そんな間延びした話し方しませんよ私…」 彼方「おーそっか…難しいねぇ」
しずく「……」コホン
寝そべり彼方「しずくちゃ〜ん、今日もお膝を貸しておくれ〜…」ユラユラ
彼方「…おお!似てる!…のかな?」
しずく「わりと頑張って寄せてみたんですけど…」
彼方「…彼方ちゃんも本気出しちゃおっかな〜」 寝そべりしずく「カナタサ〜ン」グイグイ
しずく「…大して変わってないですし、そんな積極的にスキンシップしないですよ私」
彼方「一部彼方ちゃんの願望が入ってしまった」
しずく「願望しか入ってないじゃないですか…」
彼方「いや〜、否めないよねぇ」 彼方「しずくちゃんも願望込めてみたら?」
しずく「えぇ〜、いいですよ私は…」
彼方「いいからいいから〜、やってみそー」
しずく「ん…ん、じゃあ…」コホン
寝そべり彼方「…しずくちゃ〜ん♪…チュ」
しずく「な…なんちゃって…」
彼方「…っ…//」 しずく「…//」
しずく「す、すみません…//」
彼方「う、ううん…//」
……
彼方「か…買おっかなぁ…これも…」
しずく「あ…じゃあ、わたしも…」
彼方「うん…」
しずく「……//」
彼方「…//」
……
どうしようめちゃくちゃ気まずい恥ずかしい…! うおおおおおお
こういうのがいいんですよおおおおお ───
─
彼方「…ふふん、買っちゃったね」テクテク
しずく「…買っちゃいましたね」テクテク
彼方「しずくちゃんに会えない間はこの子をしずくちゃんだと思ってすやぴするよ〜」
しずく「想像してみるとちょっとこそばゆいですね…」
彼方「しずくちゃんも彼方ちゃんの寝そべり抱いて寝るといいよ〜」
彼方「あ、言われなくてもそうしちゃう?」
しずく「ぅ、ん…否めないですね…」
彼方「えへへ〜」 しずく「まぁ…本物が1番ですけど」
彼方「否めないよね〜」
しずく「……次、どこ行きましょうか?」
璃奈「ゲームセンターとか」
しずく「ああ、ゲームセンターですか…彼方さんにしてはめずらし…あれ!?璃奈さん!?」 彼方「おっ璃奈ちゃんだ〜、奇遇だねぇ」
かすみ「かすみんもいますよ〜♪」
しずく「わ、かすみさんも…」
璃奈「しずくちゃん、お誕生日おめでとう」
かすみ「おめでとっ、しず子!」
しずく「あっ、えと…うんっ、ありがとう」ニコ しずく「…というか、二人ともどうしたの?こんなところで」
かすみ「ほら、今日しず子のお誕生日だけど、彼方先輩とデートだっていうし…」
かすみ「それでかすみん達予定空いちゃってるしぃ、りな子と二人でどっか遊びに行こうかなーって思って」
璃奈「デートしてた」
かすみ「ぅ…皆まで言わなくていいの」 彼方「かすみちゃん積極的だなぁ」
かすみ「そ…そんなんじゃないですけど!」
かすみ「ま、まぁ…そしたら二人を見かけたので…声掛けようと思って」
かすみ「…ていうかなんで二人とも制服なんですか」
璃奈「そういえば確かに…彼方さんの制服姿、久しぶりに見た」 彼方「うーん?まぁ、成り行きだよ〜」
しずく「一度制服デートしたいなって思って」
かすみ「へぇ、なんだぁかすみん達も制服着てくれば良かったねー」
璃奈「うん、楽しそう」
璃奈「そうだ、二人とも…行き先が決まってないなら少しだけゲームセンターで遊ばない?良かったらだけど」
しずく「うん、いいよ!彼方さんはゲームセンターでも大丈夫ですか?」
彼方「うん、いいよ〜。彼方ちゃんUFOキャッチャーやりたいな〜」
かすみ「決まりだね!じゃあまずUFOキャッチャーやりましょうか」
璃奈「楽しみ…!りなちゃんボード、わくわく」 ────
─
アーム「」ウィーーン ボトッ
彼方「んああ〜また落とした〜」
かすみ「アーム弱すぎませんか?」
しずく「手掴みだったら余裕で取れるのに…」
璃奈「それはゲームにならないから…」
しずく「この犬のぬいぐるみ…かなたさ…オフィーリアに似てて可愛いから絶対欲しい…」 彼方「…んん?あれ?今すごい言い間違えしなかった?」
しずく「……してないですよ?」
璃奈「一旦諦める…?」
かすみ「しず子は諦め悪いから取れるまで離れないでしょ」
しずく「えっ、そんなことないよ?」 かすみ「まーたこの子は嘘ばっかりー…この前のゲームの時だってムキになっちゃってたじゃん」
しずく「あっ、アレはかすみさんに負けるのが悔しかったからで…」
彼方「大丈夫、大丈夫だよしずくちゃん!彼方ちゃんが必ず取るからね!全集中…!」チャリン
しずく「彼方さん…」トゥンク
かすみ「トゥンクじゃないよ…もう」
璃奈「ファイト!」
それから数十分の格闘を経て、ようやく… 彼方「すやぁ…」zzZ
しずかす「寝てる!?」
璃奈「UFOキャッチャーしながら寝てる人…始めてみた」オドオド
かすみ「ていうか集中力切れてるじゃん…」
アーム「」ガシッ ウィーーン
かすみ「…え?あ、でも…アームちゃんと掴んでるよ?」 しずく「えっ、え…ほんとだ…」
璃奈「!?」
彼方「…」zzZ
アーム「」ウィーーン…パッ
出口「」ボトッ
しずかすりな「え、えぇ…」 かすみ「彼方先輩、寝てる時の方が本領発揮出来るんじゃ…」
璃奈「可能性は否めない…」
从||´・_・`||从
しずく「…あ、ていうか彼方さん!こんな所で寝ないでください!ああほら!ガラスに涎ついちゃいますから!」ユサユサ
彼方「zzZ…はっ!」ガバッ
彼方「うおおお彼方ちゃんはまだまだやれるぞー…!」 かすみ「いやもう終わりましたけど」
彼方「えっ!あれ?なんでぇ?」
しずく「私にもよくわからないんですけど…でも間違いなく彼方さんのおかげですよ」
彼方「う、んー?そ、そうなの…?じゃあ…」カカエ 彼方「はいっ、わんちゃんだよ〜」スッ
しずく「ふふ、ありがとうございます。はぁやっぱり可愛いうれしい〜っ…」ギュムッ モフモフ
璃奈「今のしずくちゃんが一番かわいい」
かすみ「…まぁかすみんの次くらいだけどね!」
彼方「おー二人とも分かってくれる〜?しずくちゃんのこういうところもかわいいんだよ〜」パシャッ しずく「ちょっ、いきなりなんで撮るんですか!?」
彼方「なんでかって?そこにしずくちゃんがいるからだよ〜」
しずく「山みたいに言わないでください…」
かすみ「あ、写真撮るんだったらあっちでプリクラでも撮りましょうよ〜」ユビサシ
彼方「おお、プリクラ…昔遥ちゃんと撮ったことあったな〜」
しずく「なんか凄くプリクラの機械あるね、違いとかあるの?」 璃奈「機種によってはオシャレに特化した大人の為にあるものとか…」
璃奈「大人数で撮る人向けの機種とかあるみたい」
璃奈「それとやっぱりデコレーションにも種類とか機種によって違うし」
璃奈「ほぼ全機種出来るけど、小顔や肌を白く見せたりとか…そういうのに特化した機種もある」
しずく「へ、へぇ…」 彼方「今のプリクラってすごいんだねぇ」
かすみ「そこそこ歳重ねた人のようなコメントですね…」
かすみ「ていうか詳しいねりな子」
璃奈「愛さんとはよく撮ったりしてたから」
かすみ「………」
かなしず「……」ポン
かすみ「無言で肩に手を置かないでくれます!?しかも二人して!」 璃奈「……?じゃあ、4人で撮ろっか」
璃奈「無難な機種でいいよね」
かすみ「うん、そこはりな子に任せるよ」
璃奈「分かった、じゃあここにしよう」スゥ
しずく「…わ、すごい…中身が証明写真と全然違う」
かすみ「証明写真と比べちゃダメでしょ」 彼方「へぇ、意外と広いんだねぇ」
璃奈「フレーム、どうしよう?色々種類があるけど…」ポチポチ
彼方「んー…この春っぽい感じのがいいんじゃない?桜があっていいなぁ」
しずく「あ、いいですね」
璃奈「じゃあ桜のやつで…」
璃奈「あまり盛らない方がいいよね」
かすみ「盛らない設定には出来ないの?」 璃奈「昔は盛らない機種があったらしいけど…今は極力盛らないようにするのが精一杯」ポチポチ
かすみ「え〜かすみん今のままでもかわいいのに〜」
璃奈「うん、みんな可愛いから…加工はいらないと思うんだけど…仕方ないね」
璃奈「ん、出来た…!くっつこう」ギュウギュウ
かすみ「えっ、もう位置に着くの?」ギュウ しずく「わわっ…なんか緊張する」ギュウゥ
彼方「ぴーすぴーす…!」チョキー
トルヨー!
3! 2 ! 1!
パシャッ
しずく「……え、もう撮れた?」
彼方「ぽいねぇ」
璃奈「撮ったのはそこの画面で見れるよ」 かすみ「あ、ほんとだ…うぅわみんな目でか!」
彼方「あははっ、ほんとだ〜目が大きい〜、肌もすごい白いねぇ」
しずく「極力盛らないようにしてもここまで盛っちゃうんですね」
璃奈「これはまだ可愛い方、愛さんはノリでもっと盛るけど…まるで別人みたいだった」 かすみ「その時のプリクラちょっと見たい…」
璃奈「…見せないけど、盛れすぎて恥ずかしいし…」
かすみ「えー」
璃奈「あと2枚取れるから、2人ずつで撮ろう」
彼方「お、じゃーしずくちゃん一緒に撮ろー」
しずく「はい、そうですねっ」
彼方「しずくちゃんとツーショットー♪」
パシャ パシャ ────
─
璃奈「…これで全部撮れたね」
彼方「ここからどうするの〜?」
璃奈「全部これで良かったら隣の落書きコーナーでデコレーションだね、こっち」ササッ
彼方「…へぇ、タッチペン使うんだね」
璃奈「うん、これでハートとか付けれる…どうする?」
かすみ「んーじゃあ色々スタンプ付けちゃお」ポチポチ
しずく「私も何かつけようかな」ポチ 彼方「おお…ハートいっぱいだぁ…」
かすみ「うん、こんなところかな」
しずく「彼方さん、何か書きますか?」
彼方「うーんそうだねぇ…何書こうかなぁ」
彼方「じゃあ…よし、徒歩で来た……っと」カキカキ
しずく「わぁ、健康的ですね!」
かすみ「突っ込んでよしず子」 璃奈「OK押して…これで完了、仕上がりまで外で待とう」スッ
かすみ「りな子すっかりプリクラのプロだね」
彼方「ねー」
璃奈「別に…プロじゃないよ、愛さんがちょっと詳しいから覚えちゃっただけで」
しずく「でも、璃奈さんすごく頼もしかったよ?」
璃奈「そ、そうかな」 しずく「うん。なんかデコレーションするのって結構夢中になるね」
璃奈「うん、みんなでデコレーションするの楽しい」
カチャ
かすみ「あ、出来たよ?」ヒョイ
彼方「どれどれ…おー、なんか感動…!」
璃奈「人数分あるから分けよう」 かすみ「はい、どーぞー」
しずく「……すごいなぁ、いつも眠たげな彼方さんの目がシャキッとしてるように見える…」
彼方「えへへ〜」テレ
かすみ「…ほんとに、いつになく凛々しいというか…プリクラすごいですね…」ムムム 璃奈「プリクラ、撮れたし…何かやりたいのある?」
彼方「お、あそこにお化け屋敷?があるね」ユビサシ
璃奈「ん…VRで楽しめるお化け屋敷だね」
かすみ「あからさまに怖そう…」
璃奈「でも、そんなに怖くないと思う…多分」
かすみ「多分って…」 しずく「わぁ…ちょっとやってみたいかも」
かすみ「しず子正気?もしかしたらトラウマ植え付けられるかもよ?」
しずく「もうかすみさんったら、大袈裟だよ」
彼方「んー2人専用だって…しずくちゃんがやりたいならもう1人必要だねぇ」
しずく「誰かやりません?」 彼方「彼方ちゃんは途中で寝ちゃう可能性があるけどどう?」
しずく「ここ仮眠室じゃないんですからね彼方さん……」
彼方「えへへ〜」
しずく「…もう、じゃあ…璃奈さんやる?」
璃奈「私はかすみちゃんのリアクションが見たい」ググッ
かすみ「はっ!?何言ってんのりな子!?ちょ、押さないでよ!」 璃奈「いいから」グイグイ
かすみ「えっ、ほんとにやるの!?やだってばぁぁっ」
しずく「やったぁ、楽しみ…っ」スッ キラキラ
彼方「おお、率先して機械の中に…さすがしずくちゃん」
かすみ「こわいものなしかっ」 璃奈「はいさっさとしずくちゃんの隣座って」ハヨハイレ
かすみ「えぇ…怖いんだけど…」スッ
しずく「私が横にいるから大丈夫だよかすみさん」
かすみ「いやこっちもそうなんだけどりな子の強引さが怖い」
璃奈「……」
从||๑>•̀๑||从 かすみ「いっら!何その腹立つ顔〜!」
彼方「璃奈ちゃんボードのバリエーションが豊富になってきたねぇ」
かすみ「最近は煽り系が増えてきましたけどね!」
しずく「あはは…」
璃奈「それじゃあ、店員さん呼ばないと出来ないから、呼んでくるね」 ───
しずく「おー…これがVR…」スチャ
かすみ「ヘッドホンも付けるんだ…本格的過ぎて怖い」…スチャ
彼方「おお〜なんか武装してるみたい」
かすみ「それ全然かわいくないじゃないですか」
璃奈「VRだから、かわいさを求められても…」REC
彼方(わ…璃奈ちゃん撮ってる…) しずく「…あっ、はじまった!」
かすみ「っ…!」ビクッ
しずく「すごいこの世界…リアルだね…本当にそこにあるみたい」
かすみ「こ、ここ…廃墟…?わぁっ!びっくりした…しず子か…」
しずく「…あ、これがかすみさん…?」
しずく「…わっ、真っ暗になった…!」ビクッ 彼方「…これお互いの声は聞こえるの〜?」
璃奈「うん、ボイスチャット機能があってちゃんとゲーム内で話せる」REC
彼方「へぇすごいなぁ……ん、ていうかしずくちゃんすごく震えてない?」
しずく「………っ」ガクガクブルブル
かすみ「……わぁ!変な女いる!変な女いるよ!?」 璃奈「……」REC
璃奈「ほんとだ…なんならかすみちゃんより…」REC
しずく「…っ、ひ…!」ブルブル
彼方「びびってる…」
かすみ「……」スッ
しずく「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
かすみ「いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!」ビクン 璃奈「…!おお…」REC
彼方「び、びっくりしたぁ…」
かすみ「ちょっとお!急に大きな声出さないでよしず子!びっくりしたじゃん!」
しずく「かか、かす、かすみさんが急に動くからだよ!」
かすみ「ちょっと座り直しただけじゃん!」
しずく「あっ!」 かすみ「えっ?なに!?ていうかしず子どこにいるの!?」
しずく「横にすわすわす座ってるでしょ!」
かすみ「いやそっちじゃなくてこっちの…」
しずく「うわあぁ!そこかすみさんそこそこ!いるいるいるいる!」パンパンパンパンッ
かすみ「ひう!?ちょっとしず子肩叩かないで痛い痛い痛いっ」 しずく「ご、ごめんなさ…」
しずく「ぁぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙!」グイーッ
かすみ「いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!ちょっとぉ!服引っ張んないでよダメだってば!」アタフタ
彼方「な、何が起きてるの…?」
璃奈「相当怖いんだねしずくちゃん…」REC しずく「きゃあぁぁあ首取れたよ!とれたとれたこわいとれたぁぁ!」グイィィィ
かすみ「ほんとやめて!?服伸びるからやめて!!ほんとに集中出来ないしもうなんなのこの子ぉ!」
しずく「ねぇ1回止めない!?1回止めない!?あるいはスキップしない!?一旦紅茶で落ち着かせて」パンパンッ
かすみ「いったい!ってばぁ!そんなの出来るけないでしょ!」 しずく「うわぁん…!」
彼方「が、頑張れ〜しずくちゃん…」
その後、しずくちゃんはあまりのおばけの怖さに叫び続け、最後まで泣き続けた
…
しずく「だ、誰か助けてくだざい…っ」ポロポロ
かすみ「助けて…ほんと助けて…」
かなりな「…うわぁ…」 ───
─
かすみ「はぁ、はぁ…終わった…怖かった…」カチャ
しずく「…ふぅ、楽しかったですね」カチャ
かすみ「嘘つけい!」ペシッ
しずく「あたっ」
かすみ「見てよこれ!これ!!肩のとこ見て!引っ張った跡あるよ!?見て!?しず子がやったんだよ!?」
しずく「わたしが…これを…一人でやったの?」
かすみ「ふざけてんの!?」 かすみ「ていうかあんなに余裕そうだったくせに全然ダメじゃん!サイテーだよしず子!」
しずく「さ、さいてーまで言わなくても…思ってたより怖かったんだもん」
かすみ「だからってかすみんに危害与えないでよね!肩痛いし!ほんと酷かったですよね!彼方先輩!」
彼方「んー可愛かったよ〜?」
かすみ「ダメだこの人たち!」 璃奈「か、かすみちゃん落ち着いて…深呼吸…」
かすみ「ぐぅ…ひぃ…っ、ひぃ…ふぅ…」
彼方「ラマーズ法だねぇそれ」
しずく「か、かすみさんごめんね?」
かすみ「ん…もういいけど!なんだかんだで楽しかったし、しず子の弱点も分かったしっ」 しずく「う、ぐう…」
彼方「しずくちゃん涙出てるよ〜?」フキフキ
しずく「んん…」
かすみ「で……とっくに遅いけど、ちょっと遊んだら何か食べない?どこか食べに行きましょうよー」
彼方「そういえば気付いたらもう15時なんだねぇ…」
しずく「確かに…私も少しお腹空いちゃったかも」キュルル 璃奈「じゃあ、おすすめのお店があるんだ」
璃奈「良かったらそこに行かない?」
しずく「うん、いいよ」
かすみ「じゃあそのお店で食べたら解散にしよっか、4人で遊びすぎちゃったし」
璃奈「うん、そうだね」
彼方「そんなに気を遣わなくてもいいのに〜」
かすみ「やや…普通遣いますって…」ジト
しずく「まぁ、時間も時間だしね」
璃奈「…じゃあ、決まりということで」
かすみ「うん、じゃあちょっとだけ遊んでから行こっかー」
── ───
──
─数十分後 お店
ジュウウゥ
かすみ「…ていうかここって…」
愛「おーみんな!いらっしゃーい♪」
彼方「なるほどー、おすすめは愛ちゃんちのお店だったのかぁ」
璃奈「さっき愛さんから通知きて…誘われたからっていうのもあるけど、ほんとにおすすめ」 璃奈「それにこの機会だから鉄板をみんなで囲んでみたかったんだ。りなちゃんボード、ワクワク」
しずく「なるほど…」
しずく「え、ていうか…」
歩夢「……いらっしゃいませ〜♪」
しずく「何故歩夢さんがここに…」 彼方「ほんとだ、歩夢ちゃんだぁ」
歩夢「…あれ?みんな…!こんにちは
。あ、それとしずくちゃん!お誕生日おめでとう!」
愛「うんっ、おめでと!しずく!」
しずく「わわ…あ、ありがとうございます」ニコ しずく「…で、あの…どうして歩夢さんが…」
愛「ゆうゆが忙しいみたいでさ、なんか暇してたらしいからお店手伝って貰ってるんだー。」
歩夢「いや別に暇じゃなかったよ?愛ちゃんが強引に私を連行しただけだから…家でゆっくりしたかったのに」プクー
愛「あっはははっ、そういうこと言うー?ていうか結局暇だったんじゃーん!」 歩夢「ちがっ…暇って言われるのが普通に嫌なのー!」
かすみ「最近地味に仲良いですね…愛先輩の横に立ってるの見るの慣れてきましたよ」ジト
しずく「え、そうなの?歩夢さんの横って侑さんのイメージが強すぎて違和感が」
彼方「あるよねぇ〜」
歩夢「ちょっと待って私に侑ちゃんしか友達がいないみたいな言い方してないかなそれ…違うかな?これ怒っていいのかな?プラスに捉えられないもんね?ダメ?」
璃奈「お、落ち着いて歩夢さん…しょうがない」
歩夢「しょうがないって何!?出禁にするよ!?」 愛「いや歩夢にそんな権限ないぞー?みんなごゆっくりねー!行くよ歩夢〜」グイー
歩夢「なんか不本意だよー…」
かすみ「…楽しそうですね、二人」
彼方「ねー、いつの間にあんなに仲良くなったのかなぁ」
璃奈「愛さんからの矢印が強いだけな気もする…」
しずく「それはあるかもね…」 ──
─
歩夢「はい、ポテトベーコンもんじゃでーす」コト
彼方「おお!ポテトベーコン…すごい…美味しそう!」
しずく「美味しそうですね!」目キラキラ
歩夢「今日はしずくちゃんの誕生日だから、愛ちゃんの奢りだって」
しずく「えっ!いいんですか!?」
歩夢「うん、みんなの分も一緒にって」 璃奈「…愛さん、さすが」
かすみ「こういうとこあるから憎めないですよね愛先輩」
しずく「えっと、ありがとうございます…!後で愛さんにお礼言わないと…」
彼方「愛ちゃんは男気あるなぁ」
歩夢「それ多分褒め言葉として間違ってますよ彼方さん…」 歩夢「じゃあ、また何かあったら呼んでくださいね」
しずく「ありがとうございます」ニコ
彼方「じゃあ焼こっか〜…彼方ちゃんが焼くね?混ぜて…投入…!」ジュゥゥ
璃奈「わぁ、いい音…りなちゃんボード、じゅるり」
しずく「食欲が増しますねぇ」
彼方「あーんするー?しずくちゃん」
しずく「えぅ…そ、それは流石に…人前だと恥ずかしいですよ…」
かすみ「…良かったですね、二人とも」 かなしず「え?」
かすみ「2月のあの時ことを思い出すと、こんな今になるなんて想像出来ないですもん」
しずく「…まぁ、そうだよね…私もそう思う…でもそれは2人が…」
彼方「うん、それはかすみちゃん達のおかげだって彼方ちゃんも思うなぁ…」
璃奈「…そんなこと」
彼方「あるよ〜」
彼方「まぁ…あの出来事は元を辿れば二人から始まったものかもしれないけど…」 彼方「2人がいなかったらきっと、しずくちゃんも彼方ちゃんも間違えたままだったよ」
しずく「彼方さんはなにも間違えてなんか…」
彼方「ううん。最初、彼方ちゃんがしずくちゃんを振っちゃったのが間違いだったんだって思うんだ」
彼方「あの時、自分の気持ちにまともに向き合おうとなんてしてなくて…好きだって気持ちに気付けなかった」
彼方「だから、しずくちゃんもそのおかげで間違えちゃったんだよ」 彼方「それでも彼方ちゃん達は恵まれてるよねぇ…言葉や行動を間違えたとしても、ちゃんと答え合わせしてくれる人がいる…」
彼方「それはかすみちゃんと璃奈ちゃんにも分かるよね」
璃奈「…うん、私の場合はしずくちゃんが答えを示してくれた…かすみちゃんにも」
璃奈「きっと、私も当時はかすみちゃんとこうしてるのは想像できなかったと思う」
彼方「…うん、示してくれたから…こうしてしずくちゃんと彼方ちゃんも…かすみちゃんと璃奈ちゃんもお互いに繋がることが出来たんだなぁって思うんだぁ」 彼方「だから…これからはしずくちゃんといてもね、失敗してもいいって思うよ」
かすみ「え?」
彼方「今度どっちかが間違えても、どっちかが答え合わせしてくれるからだよ、それで繋がりの糸もより強くなるんじゃないかなぁって思うし」
彼方「寧ろ私は、しずくちゃんとならこの先間違えていきたいって思う」 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています