【SS】μ'sがソフトボールをする話
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【001】
海未 「だいたい穂乃果は勝手すぎます!どうして私たちがソフトボール部と試合をしなければならないのですか!!」
穂乃果「だから、何回も説明してるじゃん!ソフト部のキャプテンに頼まれちゃったんだってば」
海未 「それは聴きました。問題は『なぜみんなに相談もせず、軽はずみに返事をしたのか』ということです!!」
ことり「仕方ないよぉ…穂乃果ちゃんは、昔から困っている人がいたら、なんとかしたくなっちゃうんだもんねぇ?」
海未 「ことりは昔から穂乃果を甘やかしすぎです!!」バンッ 【002】
ことり「!!…と、とにかく…みんなが集まってから話をしてみよう…ネ?」ウルウル
海未 「ことりはズルイです…そんな顔をされると…私が悪者みたいじゃないですか…」
穂乃果(その通り!)
海未 「なにか言いましたか?」
穂乃果「い、いや…なにも…」
海未 「そうですか。今日の練習、楽しみにしておいてくださいね♪」ニコッ
穂乃果(!!)ビクッ >>3
はい。
※本日在宅勤務中。
お陰さまで規制解除されたらしく、スレ建てられました。 【003】
………
……
…
絵里 「つまり、このコロナ禍で、ソフトボール部の対外試合が中止になった…ってことね」
希 「それでウチらに声が掛かった?」
穂乃果「うん!」
海未 「時事問題ですか…」
真姫 「どうして、私たちに話がくるのよ?」
穂乃果「それは…ほら…μ'sって9人じゃん!ソフトボールは9人でやるスポーツだから、丁度いい…ってことじゃないかな?」
真姫 「はぁ?」 【004】
にこ 「たった、それだけね理由?」
凛 (ソフトボールかぁ)ソワソワ
真姫 「だいたい、そんなことは運動部に頼めばいいじゃない」
穂乃果「全部断られたんだって!自分達の練習があるから…って」
真姫 「私たちも練習、あるんだけど…」
穂乃果「そっかぁ!そうだねぇ…忘れてたよ」アハハハハ
一同 「…」 【005】
穂乃果「う、嘘だよ!嘘だって!冗談、冗談…ちゃんと考えたんだから…」アセアセ
にこ 「ど〜せ、くだらないことでしょ?」
穂乃果「酷いなぁ…よく聴いてよ?その1『ソフトなら体育でやったことがある』」
真姫 「お遊び程度に…でしょ?」
希 「えりちはガチやったけど」
絵里 「そう言うあなたこそ」
凛 (…)ソワソワ…ソワソワ… 【006】
穂乃果「その2『たまにはさ、息抜きしようよ、スポーツで』」
海未 「1年中、穂乃果は息抜きしかしてないですよね?」
穂乃果「そ、そんなことないよ…あ。いや、穂乃果のことはともかく、みんなを想っての発言だからね?」
海未 「さて、どうでしょう…」
穂乃果「もう、海未ちゃんは疑り深いなぁ…」
海未 「それはあなたの行動が…」
ことり「まぁまぁ」
海未 「はぁ…」
穂乃果「ありがとう、ことりちゃん♪…それじゃあ、最後…その3『思い切り、打ってみたいなホームラン』」
真姫 「全部自分の願望じゃない」イミワカンナイ
にこ 「…っていうか、その七五調…なに?」 【007】
希 「なるほどなぁ…。対外試合が禁止…ソフトボールは一応、授業で経験済み…ウチらの練習の息抜きになる…そしてホームランは気持ちいい!!一応は理に敵ってるやん」
にこ 「どこがよ!?慣れないことして、怪我でもしたらどうするつもりよ!!」
希 「昔から『怪我と弁当は自分持ち』っていうやろ?」
にこ 「知らないわよ!」
凛 (…)ソワソワ…ソワソワ…ソワソワ
真姫 「!?…ちょっと、凛、大丈夫?さっきからもぞもぞしてるみたいだけど…トイレなら我慢しないで行ってきなさいよ」
凛 「ソフトボール、やっるにゃあ!!」
一同 「!!」ビックリシタァ 【008】
凛 「♪ソフト♪ソフト♪ソフト♪ソフト…」
一同 「?」
真姫 「凛が壊れたわ」
にこ 「花陽、なんとかしなさいよ」
花陽 「わ、私?」
にこ 「当たり前じゃない!アンタしかいないでしょ?」
花陽 「うん、まぁ…それはそうだけど…どうしようかなぁ…」
にこ 「なに?早くしなさいよ!」
花陽 「えっと…実はね、凛ちゃん…小学校の時、野球やってて…」
一同 「えっ?」 最近は少年野球チームとかでもサッカーとか他のスポーツやらせて普段やらない動きや使わない筋肉刺激させたりするらしいから合理的だぞ、穂乃果 【009】
花陽 「あ、凛ちゃんのお父さんが、すごい野球好きで…」
絵里 「初耳だわ」
花陽 「ずっと隠してたから…」
希 「そうなん?」
花陽 「凛ちゃん、そのことにトラウマがあって…」
穂乃果「虎…馬?」
海未 「思い出したくない過去…のことです…」
穂乃果「し、知ってるよ…それくらい…」
海未 「それで、そのトラウマとは?」
花陽 「うん…それは…」
凛 「かよちん、そこから先は言わなくてもいいよ!みんな、ごめん…今のことは忘れて欲しいにゃ」エヘッ
花陽 「…」 【010】
海未 「花陽…話して貰えないですか?」
絵里 「海未?」
海未 「人は誰しも、辛い過去のひとつやふたつあるものです。ですが、もし私たちがそれを共有することで、何か力になれるとすれば…」
にこ 「ふん!そんなの、強者の思い上がりよ!」
希 「にこっち!」
にこ 「だってそうでしょ?一度抱えた心の闇は、そう簡単に解放されたりしないんだからぁ!…寧ろ、痛くもない腹を探られて…傷を…深めるだけじゃない…」 絵里 「にこの言うことも一理あるわね…」
にこ 「当たり前よ」
絵里 「でも…私たちならそうはならないと思う」
にこ 「どうしてよ…」
絵里 「それは自分が一番知ってるんじゃない?あなたも…私も…そして希も…μ'sに入って変わったじゃない。暗い過去から抜け出せたじゃない」
希 「そやね」
にこ 「…」 【012】
希 「辛かったら話さなくてもいいんよ…」
凛 「…」
絵里 「凛、大丈夫!このメンバーなら、必ずあなたの力になってくれるわ」
花陽 「私は…みんなに本当の凛ちゃんを知って欲しいなぁ…」
凛 「…かよちん…」
ことり「♪失敗も心配も話してみてごらん」
穂乃果「♪でしょ!でしょ!私たちに内緒にしちゃダメよ…なんて…ね?」
凛 「…ことりちゃん、穂乃果ちゃん…」
ことり「うん!」ニコッ
穂乃果「ファイトだよ!」 【013】
凛 「かよちん…宜しく頼むにゃ…」
花陽 「えっ?あ、うん…ごめんね…じゃあ話すね?…えっと…凛ちゃん、野球…虐めにあってやめちゃったんです」
一同 「!?」
にこ 「いじめ?」
花陽 「凛ちゃん、凄く才能があって、他の男の子の誰よりも上手だったんです」
ことり「なんとなく、想像付くね」
海未 「はい」
花陽 「それはそれは、カッコ良かったですぅ♡」
穂乃果「それなのに?」
花陽 「うん…だけど…そのせいで…やっかみなのかな…凛ちゃん、チームメイトからいつしか『男女(おとこおんな)』って呼ばれるようになっちゃって…嫌がらせもされたりして…」
凛 「…」 【014】
真姫 「最低!」
海未 「許せませんね!」
花陽 「今、思えばね…男の子たちも、そこまで悪気があって言ってたのじゃないのかも…だけど…」
にこ 「はぁ?アンタ、なに言ってるの?」
海未 「虐めを肯定するのですか?」
花陽 「うぅ…ご、ごめん…でも…」ビクッ
希 「ウチはわかる気がするなぁ…小学生の男子特有の『好きな娘にちょっかい出す』みたいなヤツやろ?」
花陽 「…うん…」
希 「にこっちはそんな経験者ないやろうけど」
にこ 「余計なお世話よ!」 【015】
花陽 「凛ちゃんはね…さっきも言ったけど、野球上手だったし、カッコ良かったし…小学校の時の話だから、男の子と対格差もなかったし、…女子にもモテたから…憧れの裏返しが、そうなったのかな…って…」
穂乃果「なるほど」
花陽 「あくまでも、今、思えば!…だよ。その当時はそんなことわからなかったから」
穂乃果「だよね」
花陽 「それで、凛ちゃん…メチャクチャ傷付いちゃって…」
海未 「…やめてしまったのですか?」
花陽 「それでもね、小学校卒業までは頑張ったんだよ!!…頑張ったんだけど…最後の大会を前に…」
凛 「中学には野球部なかったし…やっぱり大きくなったら男の子には敵わないから…丁度タイミングだったんだにゃ」アハハ 【016】
海未 「そうですか…凛にはそんな過去が…」
穂乃果「好きなことを諦めなきゃいけない…っていうのは、確かに辛いよね?…穂乃果だって『パン食べるな』って言われたら、おかしくなっちゃうもん…ね?」
ことり「穂乃果ちゃん、それはちょっと違うかも…」ハハハ…
絵里 「…」
にこ 「…」
真姫 「…」
花陽 「それからは凛ちゃん、野球は観る専門で…だから、さっきは『久々に野球(ソフトボール)ができるかも』…ってテンションが上がっちゃったんだと思います」
絵里 (…)グスッ
にこ (…)グスッ
真姫 (…)グスッ
希 (3人とも、夢を途中で諦めた気持ちは痛いほどわかるんやろうなぁ…アカン…ウチも連(つ)れて泣いてしまうわ)
花陽 「皆さんにお願いがあります!…えっと…その…μ'sの活動には直接関係ないけど…このソフトボールの話、受けてもらえませんか!?」 【017】
凛 「かよちん…」
花陽 「お願いします!お願いします!お願いします!!」
凛 「かよちん!大丈夫だよ、凛は別にそこまで…」
花陽 「ううん…花陽はまた、あの時みたいなキラキラした凛ちゃんが見たいんだもん!だから…お願いします!お願いします!お願いします!!」
にこ 「仕方ないわねぇ…そんなにやりたいなら、協力してあげてもいいわよぉ」
花陽 「に、にこちゃん!!」
にこ 「か、勘違いしないでよねぇ!アタシはただ、例えソフトボールであろうとなかろうと、宇宙No.1
アイドルであることをアピール出来ればいいんだからぁ」
真姫 「…私も…手伝ってあげる…」
花陽 「真姫ちゃんも!?あ、ありがとう」
真姫 「…べ、別にお礼なんていいわよ…私はただ…いつもと違う景色を観て…それが作曲に活かせれば…って思っただけだから…」
絵里 「あら、奇偶ね!私もそう思ってのたところよ」
花陽 「え、絵里ちゃん」
希 (みんな嘘付くの、下手やなぁ)クスッ 【018】
ことり「はい!…みんなの足を引っ張っちゃうけど…それでいいなら…ことりも…」
花陽 「 も、もちろん…です!」
希 「さぁて、あとは参加表明してないのは海未ちゃんだけやけど…」
一同 「…」ジーッ
海未 「希も意地が悪いです。この状況で『それでもイヤです!』などと言えるわけないじゃないですか!」
希 「…ということは?」
海未 「私も参戦致します!!」
希 「うん!決まりやね!」
花陽 「良かったね、凛ちゃん!」
凛 「みんな、ありがとにゃ〜」
穂乃果「よし!じゃあ、μ'sはソフトボール部と対決する!ってことで」
にこ 「…って、部長はアタシなんだけどぉ…そもそも、どうしてアンタに話が行くのよ!?」
凛 「部長って思われてないからにゃ…」ボソッ
にこ 「なんか言った?」
凛 「そ…それじゃあ、ソフトボール、全力でやっるにゃあ〜!!
一同 「お〜!!」
海未 「ところで、試合はいつなのですか?」
穂乃果「明後日の日曜日」
にこ 「あぁ、その日は練習休みにしてたものね…」
一同 「…」
一同 「…」
一同 「明後日〜!?」 【019】
………
海未 「では早速、特訓を始めましょう!」
穂乃果「特訓?」
海未 「はい。…まさか、遊び感覚で、試合に挑もうというのですか?」
穂乃果「そんなつもりじゃないけど…」
海未 「いいですか?試合の語源は『死合』からきた…という説があります。つまり、命を懸けた真剣勝負なのです!従って全力でぶつかっていかなければ、相手に失礼と言うものです」
にこ 「命を懸けたソフトボールなんて、イヤなんだけど」
真姫 「同意」
穂乃果「だよねぇ?海未ちゃんは極端過ぎるんだよ」
海未 「ダ〜メ〜で〜す!やるからには全力で勝ちにいきます!!」
一同 (…また合宿?…)ザワザワ 【020】
海未 「…とは言っても、ルールくらいは知っていますが…私は人を指導できるほど詳しくはありません。そこで今回の事案については、凛に総指揮を執ってもらおうと思います」
凛 「凛が葬式?」ナムナム…
花陽 「違うよ、凛ちゃん!監督さんのことだよ」
凛 「なぁんだ!死ぬとか死なないとか言ってたから…」
海未 「どうでしょう?適任だと思いますが」
凛 「やっるにゃあ!!凛、監督やるよ!」
海未 「はい、お願いしますよ」
凛 「そ〜したら…かよちんにコーチをしてもらうにゃ」
絵里 「あら、花陽も上手なの?」
花陽 「へっ…いやぁ…上手というか…よく凛ちゃんに付き合ってキャッチボールをしてたので…まぁ『なんとか』程度のレベルかと…」
凛 「一緒に野球ゲームもするし、観戦もするし、ルールも詳しいにゃ!」
絵里 「へぇ、意外ねぇ…」
花陽 「り、凛ちゃん、ハードル上げないでぇ」アセアセ… 【021】
希 「ちなみに応援してるチームとかあるん?」
花陽 「ベイ」
凛 「スターズにゃ!!」
穂乃果「えっと…横浜?」
花陽 「米(べい)」
凛 「星(スター)」
にこ 「ダジャレか〜い!!…って…実は…にこも横浜推しなんだけどぉ」
海未 「にこもですか?」
にこ 「いるのよ、横浜に…ニコって選手が」
花陽 「はい!『乙坂・ルーセロ・智・ニコラス』ですよね?愛称…ニコ。背番号33。右投げ左打ち。外野手。横浜高校出身。身長183cm、体重83kg…」
にこ 「そ、そこまで詳しくはないけど…」
穂乃果「確かに同じ名前の選手がいたら、応援したくなるもんね」
真姫 「じゃ、じゃあ私もそこ…」
花陽 「私も」
凛 「そこ?」
真姫 「スターって言えば私でしょ。だから、私もそこを応援する…って言ってるの!」
希 (ほほう…これは凛ちゃんとにこっちに対する…アレやね…)ニヤニヤ 【022】
絵里 「ふふ…1年生が、こんなに頼もしく見えるなんて…随分と成長したのね。いいわ、だったら、あなたたち、ふたりで色々決めてちょうだい」
凛 「了解にゃあ!」
花陽 「では、早速ですが…バットとボール、それと人数分のグローブ…あと用具一式を貸してもらえるよう先生に頼んで貰えないですか?」
希 「まかせとき!それは生徒会の管轄やから…えりち!」
絵里 「わかったわ。頼んでくる」スタスタ…
穂乃果「私は練習場所を貸してもらえるようよう、運動部に頼んでくるね!?」タタタタタ…
ことり「あ、待って!穂乃果ちゃん、私も行くよ…」タッタッタッタッ… 【023】
凛 「ところで…凛はみんながどれくらい動けるか知らないにゃ…あっ、真姫ちゃんが下手なのは知ってるけど」
真姫 「仕方ないでしょ!球技…苦手なんだから…」
にこ 「運動は苦手…の、間違いじゃない?」
真姫 「うるさいわねぇ!そういう、にこちゃんはどうなのよ?」
にこ 「にこに出来ないことなんて、あるわけないでしょ!」
真姫 「とか言って…私の足、引っ張らないでよね?」
にこ 「真姫ちゃんこそ、アタシのグラブ捌きを見て、腰抜かさないでよね!」
花陽 「えっと…にこちゃん、絵里ちゃんと希ちゃんは?」
にこ 「アンタ、さっきの話聴いてなかったの?あのふたりはガチよ、ガチ!アイツらは体育の授業だってのに、超本気でやりあってるから」
花陽 「あはは…お互い熱くなりそうだもんねぇ」 【024】
凛 「海未ちゃんは?」
海未 「私ですか?そうですね…自慢じゃありませんが、そこそこ出来るのではないかと」
花陽 「さすがです!」
凛 「穂乃果ちゃんと、ことりちゃんは?」
海未 「穂乃果はあぁ見えて、スポーツはなんでも器用にこなしますよ。ただしムラっ気が多く雑なので、それさえ無くせば戦力になるハズです」
凛 「へぇ…」フムフム…
花陽 「じゃあ…ことりちゃんは?」
海未 「…察してください…」
凛 「…う、うん…」
タッタッタッタッ…
穂乃果「はぁ…はぁ…はぁ…みんな、グラウンド借りられたよ!…はぁ…はぁ…『そんなに真剣にやるならどうぞ』って空けてくれた」
凛 「さすがμ'sのリーダーにゃ!」
にこ 「悪かったわね、役立たずの部長で!!」 徒歩圏内に本拠地があるのに応援してもらえない球団…… ピッチャー視点だと左打者だけど
キャッチャー視点なら右打者やで 【025】
………
希 「ほい!借りてきたよ、用具一式」
凛 「サンキューにゃ〜!」
花陽 「じゃあ、まずはキャッチボールから始めましょう。みんなの実力はさっき、にこちゃんたちから聴いたので、こっちでペアを決めますね?」
凛 「まずは絵里ちゃんと希ちゃん。次は海未ちゃんと穂乃果ちゃん。にこちゃん、ことりちゃん、真姫ちゃんは三角形になってやって!凛は…かよちんとやるから」
絵里 「わかったわ!じゃあ、希、いくわよ」
希 「オーケー!」
ピシュ!
バシッ!
ビシュ!
パシッ!
凛 「なるほど、上手だにゃ」
海未 「穂乃果、準備はいいですか?」
穂乃果「ほ〜い!」
ピュッ!
バッ!
ビュッ!
パッ!
花陽 「海未ちゃんたちも、さすがだね!」 【026】
にこ 「いくわよ」シュッ!
ことり「きゃっ」テンテンテン…
にこ 「ちゃんと取りなさいよ!」
ことり「ごめんね…えいっ!」ポ〜ン…
真姫 「わっ!」ポロッ
にこ 「ちょっと、真剣にやんなさいよ!」
真姫 「だから言ったでしょ!球技は…苦手…だって…えいっ!」テンテンテンテンテン…
にこ 「うわっ、肩、弱っ!」
凛 「う〜ん…ここは時間かかりそうにゃ…」
花陽 「そうだね…」 【027】
凛 「次はバッティングを見てみるね!?凛がトスを上げるから、このネットに向かって打ってみて?」
花陽 「じゃあ…まずは絵里ちゃんから」
絵里 「わかったわ」
カキン!
カキン!
カキン!
凛 「さすが絵里ちゃん、スイングがシャープ!」
希 「次はウチやな」
ガシャ!
ガシャ!
ガシャ!
穂乃果「ネットの揺れ方が…」
にこ 「豪快過ぎるわ」
花陽 「あんなにアッパースイングなのに…圧巻です!」
海未 「次は私がいきます!」
キン!
キン!
キン!
凛 「自慢するだけあって、バットコントロールが巧みだにゃ」
花陽 「動体視力がいいんだね」 【028】
穂乃果「次、穂乃果が打つ〜!」
スカッ!
スカッ!
ガキッ!
カキン!
スカッ!
ガッ!
海未 「ほら、穂乃果はホームランを狙いすぎなんです。もっと、コンパクトに…頭を動さないで!脇を締めて!」
穂乃果「あぁ、もう!うるさいなぁ…集中出来ないよ」
真姫 「海未は穂乃果のことになると、本当に熱くなるわね…」
にこ 「まったくねぇ…」
ことり(羨ましいなぁ) 【029】
凛 「次は誰かにゃ?」
真姫 「私がいくわ」
凛 「ほい!」
スカッ!
スカッ!
スカッ!
真姫「…おかしいわね…」
スカッ!
スカッ!
スカッ!
真姫 「…」
にこ 「見てられないわね…」
真姫 「じゃあ、にこちゃん、やってみなさいよ」
にこ 「いいわ、代わりなさい」
凛 「いくよ!?」
キン!
キン!
キン!
凛 「やるにゃ!」
キン!
キン!
キン! 【030】
花陽 「意外…」
にこ 「だから言ったでしょ!」
真姫 「…まぁまぁね…」
ことり(クスッ)
真姫 「笑ってないで、やって見なさいよ」
ことり「は〜い♪」
スカッ!
スカッ!
カッ!
スカッ!
スカッ!
カッ!
ことり「真姫ちゃんよりは当たったよ」ニコッ
真姫 「に、似たり寄ったりじゃない!」
希 (ことりちゃんも煽るねぇ)
絵里 (きっと、ことりってに自覚症状なしに人を傷付けるタイプだわ…) 【031】
タッタッタッタッ
ヒフミ「穂〜乃〜果〜!」
穂乃果「ヒデコ、フミコ、ミカ!?どうしたの?」
フミコ「聴いたわよ!今度、ソフトボール部と対決するんだって?」
穂乃果「耳が早いねぇ…」
ミカ 「頑張ってよ!ビデオ、バッチリ撮るから」
穂乃果「い、いいよ…そんな大袈裟な話じゃないからさ」
ヒデコ「え〜?だって観戦の呼び込みチラシ作っちゃったよぉ」
穂乃果「ひょえ〜!?相変わらず仕事が早い!!」
フミコ「当日、楽しみにしてるから!」
ミカ 「他に何か手伝うことがあったら言ってね?」
ヒデコ「じゃあ、練習頑張って!」
穂乃果「あ、ありがとう…」 【032】
絵里 「…なんか、話が大きくなってない?」
穂乃果「き、気のせいじゃないかな…」
にこ 「まぁ、これもライブのひとつだと思えばいいんじゃない?集まったお客さんに最高のパフォーマンスを見せるのも、アイドルの使命なのよ!」
海未 「お客さんに…ですか…」
希 「ムフッ…楽しくなってきたやん♪」
真姫 「ねぇ、何してるのよ!にこちゃん、キャッチボールの続きをやるわよ!」
にこ 「ん?」
真姫 「な、なによ…私が足引っ張る訳にはいかないでしょ!」
にこ 「へぇ…」ニヤッ
ことり「ことりもやる!」
海未 「では、私が身体の使い方を教えましょう」
ことり「うん♡」
希 「身体の使い方を…って、海未ちゃん、エッチやん」ニマッ
海未 「…」
希 「嘘やって…そんな睨まなくても…」フフフ…
絵里 「なんだかんだ言って、みんな、やる気じゃない。私たちも頑張らなきゃ」
穂乃果「そうだね!」 【033】
………
……
…
穂乃果「おっはよ〜!いやぁ、今日もパンがうまい!」パクパク
ことり「おはよう、穂乃果ちゃん!今日は早いねぇ」
穂乃果「なんか、今日が試合だと思ったらさ、ワクワクしちゃって…いつもの時間より早く出てきちゃったよ!」
ことり「穂乃果ちゃんらしいね」
穂乃果「ことりちゃんは?ユニフォームできた?」
ことり「うん、なんとか」
穂乃果「凄いよ!こんなに短時間で仕上げちゃうなんて、ことりちゃんは天才だよ!」
ことり「さっきまで、花陽ちゃんも手伝ってくれたから…」
穂乃果「だとしても…だよ!」
ことり「それより…海未ちゃんは?」キョロキョロ
穂乃果「…あっ…」
ガチャ
海未「はぁ…はぁ…まったく、あなたは子供ですか!…あれほど時間を確認しておいて、先に行くとは!!」
穂乃果「ごめん、ごめん」
ことり「あははは…」 >>4
新スレ、おめでとう。
ところで、あのエロ作品と方向性も書き方も180度違うのだが、ホントに同一人物か?
地の分も台本方式も両方イケるのは羨ましい。 >>53
誉めて頂いてなんですが…スマホは同じなのに、PCで見ると、ところどころ、フォントが違っていて、見づらいですね…。
書き込みもスマホな為、全然気が付きませんでした。
なんでだろう? 【034】
海未 「まぁ、遅刻くしなかっただけ、良し!としますか」
穂乃果「うんうん…あっ、ねぇねぇ…海未ちゃんは筋肉痛、どう?ダンスとは全然違うところを使うからさ、あっちこっち痛くって」
海未 「私は穂乃果と違って、普段から鍛えてますから…」
穂乃果「でも…湿布の匂いがするよ」スンスン…
海未 「気のせいです」
穂乃果「でも…ほら」
海未 「こ、ことりじゃないでしょうか」
ことり「え〜?」
穂乃果「いや、絶対、海未ちゃんから…」
海未 「気・の・せ・い・で・す!!」ゴゴゴゴ…
穂乃果「だ、だよね…ごめん」スゴスゴ… 【035】
希 「相変わらず朝から元気やなぁ」
絵里 「穂乃果から元気を取ったら、何にも残らないでしょ?」
穂乃果「うぅ…それはないよ…」
海未 「おはようございます」
希 「おはようさん」
ことり「おはようございます♪」
絵里 「おはよう」
海未 「今日はあなたたちがキーマンなのですから…しっかり頼みますよ」
絵里 「出来る限りのことはするつもり…秘策もあるしね」
穂乃果「秘策?」
希 「あっ…それはあとでのお楽しみ…っていうことで…」
海未 「はぁ…」
絵里 「ところで凛たちは?」
海未 「朝練してから来ると言ってましたが」
絵里 「朝練?…まったく…一日(いちにち)や二日(ふつか)で、そんなに巧くなるわけないのに…」
希 「μ'sは全員、負けず嫌いの集まりやから」クスッ
絵里 「確かに」
希 「実は…ウチのカードによると、今日の試合の鍵を握ってるのは、真姫ちゃんなんよ」
海未 「真姫…ですか…まぁ、わからなくはないですが…」
希 (それともうひとり…本人を前にしては言えないんやけどね…)
【036】
………
ことり「はい、ユニフォームです♪」
にこ 「アンタ、よくこんなもの作る時間があったわねぇ」
ことり「そこは『ラブライブマジック』っていうことで…」チュンチュン
凛 「それじゃあ、打順とポジションを発表するよ!」
一同 「は〜い!」
1:星空 凛(左)
2:矢沢 にこ(二)
3:園田 海未(右)
4:絢瀬 絵里(投)
5:東條 希(捕)
6:高坂 穂乃果(三)
7:小泉花陽(一)
8:西木野 巻き(遊)
9:南ことり(中)
凛 「以上にゃ!」
花陽「絵里ちゃんと希ちゃんがバッテリーです!」
希 「えりちをリード出来るのは、ウチしかおらんからね♡」
絵里 「あら、逆じゃない?私の方が希の考えてること、全てわかるから♡…でしょ?」
花陽 「えっと…ごちそうさまです」テレテレ
穂乃果「ことりちゃんが、センター?」
海未 「私が言うのもなんですが…さすがにそれは如何かなものかと…」
にこ 「まさか『ちゅん』だけに…とか言うんじゃないでしょうね?」
凛 「にこちゃん、寒いにゃ…」
にこ 「…わかってるわよ…」 【037】
海未 「差し出がましいようですが、ことりと私は逆じゃないでしょうか?」
穂乃果「つまり海未ちゃんが、センターってこと?」
海未 「はい」
凛 「ふふ〜ん♪大丈夫、心配しなくても、凛、ちゃ〜んと考えて、この守備位置にしたんだよ…ね?かよちん」
花陽 「う、うん!」
海未 「で、ですが…」
絵里 「海未!今回の件は、凛に任せる!って言ったんだから…」
海未 「わかっていますが…」
にこ 「やけにセンターに拘(こだわ)るわねぇ」
海未 「すみません。センター未経験なもので…つい」
一同 「あっ…」
花陽 「いや、それを言ったら花陽もだよ!!」
海未 「そ、そうでした…」 【038】
にこ 「不毛なセンター争いは置いといて…」
海・花「不毛とはなんですか!!」イラッ
にこ 「い、いや…ごめん、言葉が滑ったわ」
海未 「…まぁ、いいでしょう。今回のセンターは諦めます」
花陽 「わ、私も…そもそもセンターってタイプじゃないから…脚も遅いし…」
にこ 「なんの話してたんだっけ?あぁ、そうよ!真姫ちゃんのショートっていうのも無理がない?あの肩じゃ、ファーストまで届かないでしょ?」
真姫 「…」
にこ 「だったら、アタシがショートの方が…」
穂乃果「詳しいことはわからないけど、凛ちゃんと花陽ちゃんが一生懸命考えた結果でしょ?だったら信じて戦おうよ!」
絵里 「その通りね。正直、勝てるとは思わないけど…明るく楽しく、思い切り戦いましょう!」
にこ 「ふん!甘いわねぇ!」
絵里 「!?」
にこ 「『無謀な懸け、勝ちにいこう!』でしょ!?」ニヤッ
海未 「はい!何事も気合いが大切です」
絵里 「そうね」
穂乃果「当たって砕けろ!だよね?」
凛 「砕けちゃダメなんじゃないかにゃ?」
一同 「あははは…」 【039】
花陽 「さて、みなさん…試合は10時半からなので…あと2時間半後です!…ということで…まずはみんなで腹ごしらえをしましょう」
ドンッ
一同 (なんて量のおにぎり!!)
花陽 「では、さっそくいただきま〜す…う〜ん、我ながらカンペキですぅ!!…って食べないの?」
真姫 「…遠慮しておくわ」
穂乃果「わ、私はさっきパン食べたばっかりだから…」
絵里 「私も…運動前に食べるとお腹が痛くなっちゃうの…」
花陽 「え〜っ…ダメですよ!ちゃんと食べないと…昔から『腹が減っては戦はできぬ』って言うじゃないですかぁ。あとでお腹が空きますよ?」モグモグモグ…
希 「ところで、ことりちゃん…ユニフォームの背番号なんやけど…」
ことり「あっ…それは凛ちゃんが決めたんだよ!」
にこ 「背番号?…アタシのはわかりやすいわね」
真姫 「私のは…あぁ、そういうこと?」
希 「ウチのも、なんとなくわかるかなぁ」
海未 「私のは…何故この番号なのでしょうか?」
穂乃果「穂乃果のも、謎だよ」
絵里 「私もよ」
穂乃果「そして、ことりちゃんと花陽ちゃんのは、異様に長いよね!?」
ことり「ふふっ♡」
花陽 「えへっ♡」
凛 「へへへ〜ん!背番号の謎は…あとでのお楽しみにゃあ!」 打順はオーソドックスな感じ
守備は左右に打たせてく感じで、センター方向は半分捨ててるのかな
打たせてピーゴロくらいか
にこのポジショニングが重要そう 【040】
………
テクテクテク…
キャ〜、ミュ〜ズヨォ!
ホノカチャ〜ン!
ガンバレ〜
ワイワイ
ガヤガヤ…
穂乃果「うひゃあ…結構、人、集まってるねぇ」
海未 「他校の生徒もいるようですね」
ことり「本当にライブみたい」
絵里 「ハラショー!!…でも、これじゃあ、ソフトボール部が気の毒じゃないかしら」
希 「完全アウェイやもんね」
テクテクテク…
コウサカサン!
穂乃果「?…あっ…ソフトボール部の部長の…」
一ノ瀬「『いちのせ』だ」
穂乃果「ごめんなさい、人の名前を覚えるのが苦手で…」ペコリ
一ノ瀬「構わないよ。それにしても…さすが、今、ノリにノっているスクールアイドルだ。まさか、こんなことをしてくるとは…」
穂乃果「すみません」
希 「いや、一ノ瀬さん…ウチらもこの状況は予想してなかったんよ。堪忍してや」
一ノ瀬「東條さん…いや、こっちこそ。最初は練習試合がキャンセルになったから、打撃練習の球拾いくらいのつもりでお願いしたんだが…」
にこ 「球拾い!?」ムッ
絵里 「力になれるかどうかわからないけど…でも、私たちも遊びで来た訳じゃないから」キリッ
一ノ瀬「ふふふ…そのユニフォーム姿を見ればわかるよ。高坂さん、絢瀬さん、東條さんと…
にこ 「矢澤よ!」
一ノ瀬「そう、矢澤さんだったな…今日はよろしく!じゃあ、私は一塁側だから…」テクテクテク… 【041】
穂乃果「…なんか…矢澤さんとか東條さんとか…苗字で呼ばれてるを聴くて…変な感じだね」
ことり「私たちも一番最初はそう呼んでたんだけどね」
海未 「はい」
希 「彼女は同じ3年やけどね、一緒のクラスになったことがないんよ」
絵里 「私も…」
穂乃果「なるほど。3年生は3クラスあるから、そういうこともあるんだねぇ」
にこ 「…」
穂乃果「にこちゃん?」
にこ 「…いけ好かないヤツ…」
穂乃果「ん?」
希 「いいの、いいの!穂乃果ちゃんは気にせんといて!そもそも、にこっちが好きな人は…ウチくらいしかおらんのやから♡」
にこ 「あほか」
穂乃果「?」
凛 「お〜い!そろそろキャッチボール始めるよぉ!」
穂乃果「うん、わかったぁ〜!今、行く〜!!」 【042】
………
穂乃果「さぁ、いよいよ試合開始だね!みんな、準備はいい?」
一同 (コクッ)
穂乃果「じゃあ…いつものいくよ!…イッ…」
絵里 「待って!」
穂乃果「…チ………ん?」
絵里 「今日は凛が監督なんだから…凛からにしない?」
希 「そうやね!」
海未 「そうですね」
凛 「凛から?」
花陽 「うん!」
真姫 「いいんじゃない?」
ことり「うん」
にこ 「任せたわよ」
凛 「わかったにゃ!…よ〜し…(スウ…ハァ…スウ…)…イッチ!」
にこ 「ニィ!」
海未 「サン!」
希 「ヨン!」
絵里 「ゴッ!」
穂乃果「ロクッ!」
花陽 「ナナッ!」
真姫 「ハチッ!」
ことり「キュー!」
一同 「μ's…ソフトボール、スタート!!」 【043】
《さぁ、これより音ノ木坂ソフトボール部vsアイドル研究部μ'sの試合が始まります。実況は私、ヒデコが三塁側ベンチからお届け致します》
絵里 (この娘たち、何でもで出来るのね…)
『1番、センター、星空さん。背番号0(りん)』
一ノ瀬「背番号…りん?…零(れい)じゃなくて、りん?」ハテ?
《1回の表、先攻はアイドル研究部。トップバッターは『μ'sが誇るスピードスター』星空凛!》
にこ 「なに?そのフレーズ」ボソッ
花陽 「凛ちゃんが、昨日、考えたんだって」コソッ
にこ 「なら、アタシは当然『宇宙No.1アイドル』よね?」
花陽 「さ、さぁ…どうだったかなぁ…あっ、にこちゃん…ネクストバッターズサークルに行ってないと」
にこ 「あぁ、そうね…じゃあ、行ってくるわ」ヨイショ
花陽 「頑張って!」 センターはことりなんじゃ?
オーダー変更したのか?
背番号読み上げるとかプロ野球みたいね >>72
すみません、間違いました。
あとで、帳尻合わせます…。 【044】
《星空選手が左バッターボックスに入ります》
一同 (あれ?左打席?)
花陽 「凛ちゃん、実は右投げ左打ちなんです」
絵里 「そういえば、凛の打ってるところ、見たことがなかったわね」
海未 「はい、練習ではずっとコーチングに徹してましたから」
プレイボール!
《さぁ、注目の第一球です。ピッチャーは一ノ瀬選手。プレートに足を揃えて…投げました!高め!…まずは様子見でしょうか?ボール球から入りました》
ことり「やっぱり速いね…」
真姫 「た、たいしたことないわよ…」
希 「女子のトップクラスの投球は、体感速度で160km/hくらいなんやって」
穂乃果「速っ!」
絵里 「でも、一ノ瀬さんはトップクラスってわけじゃないし、そこまで速いから。全然、大丈夫!」
希 「大会に出ても1回戦負けばっかやしなぁ…」
花陽 (絵里ちゃんと希ちゃん、結構酷いことをサラッと言ってる)アハハハ… 【045】
《続いて…2球目…投げた!》
コン!
テンテンテンテン…
《あっ!セーフティバント!?三塁線、サード『五木選手』、猛ダッシュして素手で取ったぁ…が…投げられない!一塁は余裕でセーフです》
一同 「やった〜!!」
穂乃果「凛ちゃん、凄い!」
五木 (なんて脚なの!)
花陽「凛ちゃんは、この俊足を活かす為に、左打ちに転向したんだよ!」
海未「納得です」
にこ「さあ、次はあたしね番ね!」 【046】
『2番、セカンド、矢澤さん。背番号25』
《先頭バッターが出て、盛り上がるμ's。続くバッターは『にっこり笑顔の仕事人、矢澤 にこ』》
一同 (プッ)
絵里 (…仕事人って…)
希 (…かっこいいやん…)
《さぁ…ノーアウト、ランナー一塁…どう攻めるかμ's》
凛 (…)パッパッパッ
にこ (2球目までは、待て…ね)
一ノ瀬(…盗塁するつもり?いくら脚が速くても、ソフトボールはそう簡単にはいかないよ)
※野球と違って、ピッチャーがボールを投げるまで離塁は出来ない
《矢澤選手に対し…1球目…投げた!…ボール!…初球は外し気味。キャッチャーの『二本松選手』、塁上の星空選手を警戒しています》
にこ(もう1球…)
《続いて2球目、投げ…ランナー走った!!二塁送球!タッチは?…セーフ!…投球はストライクでした…しかしノーアウト、ランナー二塁、μ's、いきなりスコアリングポジションにランナーを進めました》 【047】
二本松(ホントに速い!…なんでこんな娘が、アイドル研究部なのよ!…まぁ、このランナーを返さなきゃいいだけの話なんだけど。一ノ瀬、ここは余計なことは考えず、バッター勝負よ)
一ノ瀬(コクッ)
にこ「さぁて、次はにこが目立つ番ね」ニコッ
《ノーアウト、ランナー二塁、カウント1-1…投球3球目…大きく腕を回して…投げた!》
コン!
テンテン…
《あっ、またもバント!ピッチャー前に転がる…三塁はムリ、一塁に送ってアウト!送りバント成功!これでワンアウト、ランナー三塁》
テクテクテクテク
海未 「にこ、ナイスバントです」
にこ 「わかってるわね?お膳立てはしたわよ」
海未 「はい…」 【048】
花陽 「にこちゃん、ナイスバントです!」
希 「さすが、にっこり笑顔の仕事人…」ニマッ
にこ 「なにそれ?」
希 「てっきり、打ちにいくかと思ったんやけど、送りバントとはね…」
絵里 「派手好きのにこが、推んで自分を犠牲をするなんて」
にこ 「別に…普通よ、普通!」
希 「照れなくてもいいやん」ムフッ
にこ 「て、照れてなんかいないわよ!」
真姫 (…)
《さぁ、μ's、クリーンアップを迎えます》 【048】
花陽 「にこちゃん、ナイスバントです!」
希 「さすが、にっこり笑顔の仕事人…」ニマッ
にこ 「なにそれ?」
希 「てっきり、打ちにいくかと思ったんやけど、送りバントとはね…」
絵里 「派手好きのにこが、推んで自分を犠牲をするなんて」
にこ 「別に…普通よ、普通!」
希 「照れなくてもいいやん」ムフッ
にこ 「て、照れてなんかいないわよ!」
真姫 (…)
《さぁ、μ's、クリーンアップを迎えます》 【049】
『3番、ライト、園田さん。背番号4』
園田 (何故、私がこの番号なのかと思いましたが…海だから4(シー)なんですね…)
《3番は『強肩巧打の弓道士、園田 海未』》
穂乃果「弓道士?」
希 「弓道と球道を掛けたんやない?」
穂乃果「なるほど!凛ちゃん、意外とやるねぇ」
希「ウチも、凛ちゃんの意外な一面を知ったわ」
《ソフト部バッテリー、どう攻める?》
二本松(確かこの娘は弓道部の…身体能力は高いとのことだけど…)
一ノ瀬(外は合わせられる確率が高い…内角で勝負か)
《μ'sはチャンス。本家に対して、得点できるか…1球目!内角一杯、ストライク!》
海未 (厳しいところを突いてきましたね…あのコースはストライクですか…)
《初球ストライクのあとの2球目…投げた!ストライク!同じコース、同じ高さ。園田選手、ちょっと手が出ないか?》
海未 (…) 【050】
《追い込んだソフト部バッテリー。3球勝負でくるか?早いテンポで次の投球…投げた!》
海未 (外!?)
カキン!
一ノ瀬(!!)
二本松(!!)
《打った!一塁線、鋭い当たり!右に切れてファール…)
海未 (!!…仕留め損ないましたか…)
二本松(裏をかいたつもりだっけど…)
一ノ瀬(…やっぱり反応が速い…)
二本松(なら?…インハイで勝負!)
《次の投球…投げた!》
ボコッ
《打った!詰まった打球は…ショートの…頭を…越えて…落ちた、落ちた!詰まりながらもレフト前!三塁ランナー、ホーム…イン!μ's先制!打ったバッターは一塁でストップ。やりました、園田選手、先制のタイムリーヒットです!》
穂乃果「海未ちゃん!ナイスバッティング!!」
ことり「さすが海未ちゃんだね!」
海未 (詰まりましたか…)
にこ「なんだか難しい顔してるわね」
希「今のバッティングに納得してないんやない?」
ことり「海未ちゃんらしいね」ポリポリ 【051】
『4番、ピッチャー、絢瀬さん。背番号64』
一ノ瀬(64?随分と大きな番号だな…何か意味があるのか?)
絵里 (私がロシアとのクォーターだからって…64…はちょっとないんじゃない?)
《続くバッターは、4番『唸る豪腕 シベリア超特急、絢瀬 絵里』》
希 (シベリア超特急?)
一ノ瀬(絢瀬 絵里…才色兼備で文武両道の生徒会長…。個人的に絶対打たれたくない相手)
二本松(ふぅ…さすがに隙がないわね。どこに構えても打たれそうな気がする…。どうする?)
一ノ瀬(際どいとこを突いて…最悪歩かせても…)
二本松(でも、ランナー溜めて、東條は…)
《ソフト部バッテリー、サインが合わないか?間合いが長くなってます》
一ノ瀬(そうだな…まだ、初回…。素人にビビってどうするのよ!)
二本松(わかったわ、勝負ね!) 【052】
《ようやく、サインが決まったか?一ノ瀬選手、首を縦に振った。さぁ…構えて…投げた!》
カキン!
一ノ瀬(!!)
二本松(!!)
《打った!左中間!ライナーで真っ二つ!打球はフェンス、ダイレクト!一塁ランナーは…三塁ストップ、打ったバッターは、二塁へ。スタンディングダブル、ツーベースヒット!》
希 (さすが、えりち!)
穂乃果「凄い当たりだったね!」
にこ 「当たりが良すぎて、海未が返ってこれなかった…」
一ノ瀬(なんてことだ!…これだけの才能がありながら、どうして今更スクールアイドルなんか始めたのよ…)
二本松(うちにくれば即戦力なのに…) 個人的には波がありそうだけど潜在能力は高いであろう穂乃果と
この中では厳しそうなことり真姫の見せ場に期待してる そんなん現役ソフト部と対決っていう普通に考えたら勝てるわけないやろ
SSなんてご都合主義でええやん 内野のフォーメーションプレーはできないだろうね、ケース多過ぎかつ時間ないし
現実味がなく面白くないと感じるのならそっ閉じすればいい。捨て台詞を残さずに
こっちは面白そうだから見てるよ >>88
>>89
素直に感想を書いたまでだ。
厳しい意見を述べたらいかんのか?
そのご都合主義をどう読者に納得させるかは、作者の力量だろ。
個人的に設定、内容全てにおいて説得力にかける、そう思っただけだ。
別にお前らが楽しんでいるなら、それでいい。 >>90
SSスレで書くのが無粋って言ってるんだろ >>90
お前の存在もご都合主義だよ
俺も素直に書いただけ 公式からして学生が理事長やったりメガネかけるだけで別人扱いのご都合世界やぞ >>90
貴重なご意見ありがとうございます。
誹謗中傷は勘弁して欲しいですが、批評は大歓迎です。
仰る通り、まだまだ力が足りません。
その域に近づけられるよう頑張ります。 ラブライブ自体ご都合主義の塊みたいなもんだろうに
少し肩の力抜こうぜ 皆様、ご支援感謝です。
自分自身納得してない部分はあるのですが、あまり拘ってると先に進まないので、取り敢えずこのまま続けます。
では、再開致します。 【053】
『5番、キャッチャー、東條さん。背番号10』
《一気呵成、ここで大量点を奪えるか?ワンアウト、ランナー二塁三塁。迎えるバッターは『目配り 気配り 扇の要(かなめ) 東條 希』》
希 (美味しい場面やけど…カードじゃ、ウチの活躍はなかったんよ)
一ノ瀬(絢瀬と生徒会でコンビを組む東條…。その妙な関西弁が、なんか私を苛つかせるんだよね)
二本松(打順は5番だけど、パワーは絢瀬より上と見た。…ここは…万が一にも打たれちゃいけない場面)
《あぁ、ソフト部バッテリー…キャッチャー立ち上がりました!敬遠です!》
希 (な〜るへそ…そういうこと?…これじゃ、どうやっても打てんへんね…)
ブー
ブー
《観客からはブーイングが起きていますが…結局、歩かされてフォアボール…。ワンアウト、ランナー満塁になりました》
穂乃果「うわ〜…凄い場面で回って来ちゃったよ…」
ことり「こういうとこが、穂乃果ちゃんらしいね」
海未 「はい…」
海未 (ただ、こういう場面でやらかすのも穂乃果なのですが…) 【054】
『6番、サード、高坂さん。背番号5(ほ)』
一ノ瀬(ほ?…ご…じゃなくて…ほ?)
二本松(こっちのペースをかき乱すヤツらの作戦かも知れない。いちいち反応するな…)
穂乃果(さすがに『ほ』って読ますのはさ…私もどうかと思うよ。絵里ちゃんの…ロシ…ァ…より無理があるよね)
《両チームにとって、早くも大きな山場を迎えました。ワンアウト、ランナー満塁。バッターはμ'sのリーダー『ミラクルガール、高坂 穂乃果』。さぁ、今日も奇跡を起こせるのか?》
ことり「穂乃果ちゃ〜ん!」
穂乃果「?」
ことり「ファイトだよ!」ニコッ
穂乃果「うん!」
ブン
ブン
《2回、3回と素振りをして、バッターボックスに向かいます。内野は、ホームゲッツーを狙って前進守備。最小失点で凌げるか、本家ソフト部。追加点なるかμ's、勝負の軍配はどちらに挙がるか?》 【055】
《ワンアウト、ランナー満塁のチャンスにバッターボックスは6番の高坂選手》
一ノ瀬(μ'sのリーダーのお出ましね)
二本松(チームのムードメーカー的存在。実力は未知数だけど…調子に乗せちゃいけない相手だな…)
一ノ瀬(さて…どう、攻める?)
二本松(まず、外で1球、様子を見よう)
一ノ瀬(コクッ)
《ソフト部バッテリー、慎重なサイン交換。ピッチャー頷いた…モーションに入る…投げた!》
ブン!
《ストライク!空振り!外角のボール球、まったくバットが届いていません》
二本松(もう1球!)
一ノ瀬(コクッ)
《さぁ、次はすんなりサインが決まったか?2球目…投げた!》
ブン!
《ストライ〜ク!初球と同じところを、同じように振ってしまいました。これで2ストライク…追い込まれました、高坂選手》
海未 「穂〜乃〜果〜!!」
穂乃果「ん?」
海未 (ブン、ブン、ダメ、ダメ…)
穂乃果(そっか…つい、自分で決めてやろう…って思っちゃって…ね…) 【056】
《高坂選手、1回、打席を外します…》
穂乃果(スゥ…ハァ…)ペチペチ
《ほっぺを叩いて気合いを入れ直し…打席にゆっくり戻ります》
二本松(さて…どうするか…)
《ソフト部バッテリー、改めてサイン交換…ピッチャー頷いた。第3球を…投げた!…これはボール!3球同じところにきましたが、今度は手を出しませんでした》
穂乃果(うしろに繋ごう)
《次の球!…内角高めにきましたが、これはボール…審判の手は挙がりません。2ボール2ストライク、平行カウントになりました》
穂乃果(ボールを良く見て…)
《こうなってくると、ソフト部バッテリーも苦しい。なにせ、ランナーは満塁…フルカウントにはしたくないところ。おっ?早いテンポで、押してくる…ピッチャー…投げた!》
カッ
《内角低め、かろうじてカット!ボールは逆方向のファールゾーンへ》
穂乃果(よし、当たる!ついていける!)
《外角3球のあと、内角に2球…。次はどこにくるか?ここは間を空けずに攻めて…くる!》
ガッ!
バシッ!
《高めの釣り球にバットを合わせましたが、ボールは審判のマスクを弾いて後方へ…これもファール。カウント変わらず2ボール2ストライク。高坂選手、粘ります》 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています