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かすみ 「かすみんは学びます!」

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0001名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2020/12/18(金) 23:56:52.01ID:2XrqTpAv
短編三つ+αの四部構成になっています。
・かすみ 「かすみんは学びます!」
・歩夢 「笑いのレベルが赤ちゃんだから」
・果林 「また迷っちゃったわねぇ」

また、+αである4つ目の作品の題名は、展開上の都合で、三つ書き切るまで秘密とさせていただきます。
よろしくお願いします。
0202名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2020/12/24(木) 01:00:33.26ID:89ESTzjp
侑 「……」

侑 「お母さんを、独り占めしたかったのかもしれません」

歩夢 「えっ……」

かすみ 「独り占め……ですか……」

侑 「お母さんは本当に幸せそうにスクールアイドル同好会の思い出を語ってくれました。私のオリジナルである侑さんや、その侑さんと結ばれたせつ菜さんはもちろんのこと、同好会のみなさんの話をいつも……」

歩夢 「……」

侑 「お母さんがどれだけみなさんのことが好きなのかがいつも伝わってきて、それに嫉妬していたんだと思います。特に侑さん、せつ菜さん、かすみさんの三人との思い出は、本当に嬉しそうに話してました……」
0203名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2020/12/24(木) 01:02:13.98ID:89ESTzjp
かすみ 「えっ?」

かすみ (侑先輩とせつ菜先輩は分かるけど、その並びで私も……?)

侑 「お母さんはかすみさんとの思い出をたくさん持ってて、たくさん話してくれました。大岡裁き事件……赤ちゃんレベル事件……話を聞いてて思いました。かすみさんってみんなを笑顔にしてくれて、そしてなによりとても優しい人なんだと。だけど、私には理解できなかったんです。かすみさんのことを話すお母さんの気持ちが」

愛 「それっていったいどういう……」

侑 「お母さんが侑さんの話をよくするのは分かります……クローン人間を作るくらいですから、よっぽど好きだったんだと思います。せつ菜さんもよく話題に出てました、もちろんお母さんはせつ菜さんを憎んだりはしてません。むしろ、侑さんを幸せにしてくれたせつ菜さんに本当に感謝していました」
0204名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2020/12/24(木) 01:03:28.37ID:89ESTzjp
歩夢 「……」

歩夢 (良かった……私、これからもせつ菜ちゃんを憎まずに、二人の幸せを心から喜べるんだね……)

愛 「そっか……なんていうか、歩夢らしいなぁ……」

果林 「未来って言うからイメージしにくかったけど、やっぱり未来の歩夢も根本は変わらないのね……優しいところがそのままだもの。でも、あなたはそんな歩夢にかすみちゃんのことで不満があったのでしょう?」

侑 「はい……侑さんとせつ菜さんのことは理由も分かるし、別に嫉妬したりしなかったんです。でも、かすみさんの話を嬉しそうにするお母さんの気持ちは分からなかった。なんで侑さんの話をするときと同じ表情で、すごく穏やかな笑顔で……かすみさんの話をするのか。お母さんが好きだったのは侑さんだったはずなのに……! なんでなのか分からなかった……!!」
0205名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2020/12/24(木) 01:07:13.44ID:89ESTzjp
かすみ 「……」

かすみ (侑先輩を語るときと同じ笑顔……歩夢先輩はいったいどんな気持ちで、かすみんのことを話していたんでしょうか)

歩夢 「……」

歩夢 (私がかすみちゃんの話をするときに……侑ちゃんのことを話すときと同じ表情を……?)
0206名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2020/12/24(木) 01:09:16.33ID:89ESTzjp
―――――

―――



歩夢 「無理して笑わないで、つらいときは泣いていいんだよ」

かすみ 「な、何言ってるんですか……歩夢先輩……それに急に抱きつかれたら、恥ずかしいですよぉ。いくらかすみんが可愛いとはいえ」 アセアセ

歩夢 「かすみちゃんは可愛いよ」

かすみ 「えっ」

歩夢 「そしてすっごく優しい……だから、そんなかすみちゃんが居なくなっちゃったら、私すごく悲しいよ」

かすみ 「歩夢先輩……」



―――

―――――
0207名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2020/12/24(木) 01:11:20.92ID:89ESTzjp
歩夢 (かすみちゃんが居なくなったら悲しい……すごく悲しい……胸の奥がちくっとする……)

歩夢 (なんでだろう……いや、仲間だから当たり前だけれど……でも、それとはまた違うような胸の痛み……これは何……?)
0208名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2020/12/24(木) 01:12:17.96ID:89ESTzjp
―――――

―――



かすみ 「遠くに行かないようにです!!」 ギュッ

歩夢 「えっ……///」 カァァ

かすみ 「うぅ、しばらく離しませんよ!」

歩夢 「……」

歩夢 (なんだか最近侑ちゃんのことしか考えてなかったけど……抱きしめられるとあったかいなぁ……)

かすみ 「歩夢先輩……!!」 ポロポロ

歩夢 「……」 ナデナデ



―――

―――――
0209名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2020/12/24(木) 01:14:52.81ID:89ESTzjp
歩夢 (あのときのかすみちゃん、あったかかったなぁ……温もり……? いや、それもそうだけど、それだけじゃなくて、まるで心の中の氷が溶けてゆくような……)

歩夢 (あの気持ちは……)
0210名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2020/12/24(木) 01:16:06.49ID:89ESTzjp
―――――

―――



歩夢 「かすみちゃん、絶対私たちがかすみちゃんを助けてみせるからね……!」 ポロポロ



―――

―――――
0211名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2020/12/24(木) 01:17:17.58ID:89ESTzjp
歩夢 (……!)

歩夢 (そうか……私は……)

歩夢 (私はかすみちゃんのことが……)

愛 「もしかして、それでかすかすを憎んでこんなことをしたの……?」

歩夢 「!」

侑 「……はい、そうです」

果林 「そ、それはあまりにも理不尽じゃない!? 逆ギレにも程があるわ!!」

侑 「分かっています。でも、許せなかったんです。お母さんとの大切な時間を、思い出を、奪われた気がしたから。愛されていたからこそ、その愛を独占したかったんです……」
0212名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2020/12/24(木) 01:18:33.28ID:89ESTzjp
果林 「なっ……! それでかすみちゃんを消そうとするなんて!!」

愛 「そんなの間違ってる!! それにもう歩夢はあなた以外の人と殆ど関わってないんでしょう!? なら、これから! これから歩夢と大切な時間を! 思い出を! 作っていけばいいじゃん!!」

侑 「これからですか……」

愛 「そうだよ、これから……! これからまた一歩ずつ始めていけばいいじゃん……!」

侑 「それは……」

侑 「それは無理なんです」
0213名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2020/12/24(木) 01:19:25.34ID:89ESTzjp
かすみ 「……えっ、それってどういう?」

侑 「……」

歩夢 「?」

かすみ 「は、早く言ってくださいよ! それっていったいどういう意味なんですか!?」

侑 「……んです」 ボソッ

かすみ 「ちょっと聞こえないですよ!」





侑 「歩夢お母さんは亡くなったんです」
0214名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2020/12/24(木) 01:20:42.73ID:89ESTzjp
歩夢 「えっ?」

歩夢 (私が未来で亡くなってる……?)

侑 「車に気付かなくて……そのまま亡くなってしまったんです……」

かすみ 「そ、そんな……」

かすみ (未来の歩夢先輩はもう死んでしまってる……!? そ、そんなこと信じられない……)

侑 「誰にも頼らず私を育てて……普段から無理をしていました。だから、疲れで車が来ているのに気付かなかったんです」
0215名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2020/12/24(木) 01:22:26.34ID:89ESTzjp
果林 「そ、それは未来の私たちは知ってるの……!?」

侑 「知りません。教えることもできませんでした。お母さんの遺言です。私のことがバレないために……そう、私のせいで……」

愛 「そんな……歩夢が未来ではもういないなんて……」

歩夢 「……」

侑 「そんなとき、ある情報を掴みました。タイムマシンが開発されたという噂です」

かすみ 「!」
0216名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2020/12/24(木) 01:25:57.17ID:89ESTzjp
侑 「ある研究所で作られたらしく、その研究所は人里から離れたところにありました。そう、私の家の近くにあったんです」

果林 「まさかそのタイムマシンを盗んだの……?」

侑 「はい。まだタイムマシンは世間には公にされてませんでした。しかし、完成間近なら発表もすぐされるでしょうし、発表されたなら大発明ですから、防犯はとても厳重になるでしょう。だからその噂を知った日の夜に急いで研究所に忍び込みました」

愛 「そのタイムマシンで何をするつもりだったの……?」

侑 「お母さんを事故から助けて、生き返らせようとしたんです。もし誰かの犠牲が必要なら、自らの命を投げ出す覚悟もありました」

かすみ 「そ、そんな、自分の命を投げ出すなんて簡単に……!」
0217名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2020/12/24(木) 01:28:19.80ID:89ESTzjp
侑 「それくらい私は、お母さんに生きていて欲しかったんです。でも……!」

侑 「タイムマシンは素人が操作できるものではなく、時間もランダムで設定され、いざ辿り着いたのはお母さんが事故に遭う直前どころか……お母さんが生まれる前で」

歩夢 「……」

侑 「このタイムマシンは、一度使ったら次にボタンを押したときは元の時代に戻るように作られてます。しかし、戻れば私は追われる身……結局、お母さんを助けることはできなかったんです……」

侑 「そこで私は決意しました。かすみさんの存在を消すことを……」

果林 「ちょ、ちょっと!? そこからなんでそうなるのよ!?」
0218名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2020/12/24(木) 01:30:30.25ID:89ESTzjp
侑 「仕方ないじゃないですか……」

かすみ 「……!」

侑 「もうお母さんは戻ってこない!! なら過去を変えて、せめて私とお母さんとの時間を、思い出を、少しでも増やせたらって……記憶の中だけでももっと幸せになれたらいいって……」 ポロポロ

果林 「だ、だからってかすみちゃんの人生を奪う気!?」

侑 「私も申し訳ないと思いました……だけど耐えきれなかったんです。お母さんがもういないことに、もうあの笑顔が見れないことに!」 ポロポロ
0219名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2020/12/24(木) 01:32:06.44ID:89ESTzjp
かすみ 「!」

かすみ (大切な人の笑顔……)

かすみ (そうか、私はどこか他人事だったかもしれない。だっていなくなってしまったはずの歩夢先輩は今ここにいるんだから。でも、違うんだ。この子が追いかけてる笑顔は歩夢先輩の笑顔で、そして、歩夢先輩の笑顔はいつも変わらない素敵な笑顔だから……)

かすみ 「かすみんがいつも探してた、歩夢先輩の笑顔と一緒なんだ……」

歩夢 「……」 ポロポロ

侑 「……!」

歩夢 「ごめんなさい……本当にごめんなさい……」 ポロポロ
0220名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2020/12/24(木) 01:33:35.11ID:89ESTzjp
侑 「な、なんでお母さんが謝るんですか!」

歩夢 「私のせいでつらい思いをさせて、つらいことをさせちゃったね……ごめんね……」 ポロポロ

かすみ 「うぅ……」 ポロポロ

侑 「ってなんであなたも泣くんですか!?」

かすみ 「あまりにも苦しいからだよ、あなたの気持ちがすごく分かったから!」 ポロポロ

侑 「私はあなたを消そうとしてるんですよ!?」
0221名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2020/12/24(木) 01:34:45.38ID:89ESTzjp
かすみ 「だって!! 私だったら!! そんなの悲しくて耐えられない!! 歩夢先輩の笑顔がもう見れないなんて、考えたくもない!! ならせめて記憶の中の幸せだけでも増やしたい……その気持ちも分かります。ただ、それがかすみんの存在を消すことに繋がるのは認められませんけど……それでも気持ちは分かっちゃうんです。だからつらくて、つらくて、涙が止まらないんです……」 ポロポロ

侑 「なんで!! なんであなたたちに私の気持ちが分かるんですか!! なんで……」

果林 「……」

果林 「これじゃダメじゃない」 ボソッ

果林 (許せなかったのに……この子のこと本当に許せなかったのに。被害者であるかすみちゃんがこんなにも共感してしまったら……怒ろうにも怒れないじゃないの……)
0222名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2020/12/24(木) 01:39:11.25ID:89ESTzjp
歩夢 「ねぇ……その決意は、私が止めてもダメなのかな……」

侑 「!」

歩夢 「ありがとう、そこまで私を愛してくれて……だけど、私にとってかすみちゃんは大切な人なんだ……消えてほしくない。ねぇ、本当にかすみちゃんを消さなくちゃいけないの?」

かすみ 「歩夢先輩……」

侑 「……あなたに憎まれることは想定済みです。でも、それでも私はわがままに生きたいから、お母さんと幸せでいたいから。やめるわけにはいきません」

愛 (本当に苦しそうな顔……)

愛 (そりゃあそうだよね……歩夢との思い出を幸せにしたいがために、今の歩夢を傷つけるんだから……)
0223名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2020/12/24(木) 01:44:15.04ID:89ESTzjp
果林 「ねぇ、あなた」

侑 「……なんですか」

果林 「大岡裁きって言葉知ってるでしょ?」

侑 「大岡裁き……ですか」

果林 「あなたのお母さんから散々聞かされていたはずよ……その大岡裁きって、どんな話か分かるわよね?」

侑 「ええ」

果林 「あの話ってつまり、真の愛の話なのよ」

侑 「真の愛……」
0224名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2020/12/24(木) 01:45:39.53ID:89ESTzjp
果林 「どうしても欲しい人がいる。だけど、その人の幸せのためなら自ら手を離す。そんな思いやりこそが、本物の愛……っていう話なの」

侑 「……」

果林 「あなたの愛は本物の愛なのかしら?」

侑 「私の愛……私の愛は……」

侑 (本物のはず……だって、だって、こんなにも愛してるから……会いたいから……!!)

かすみ 「一つ、言ってもいいですか」

侑 「!」

かすみ 「かすみんが今から言う言葉は、自分が助かりたいから言うわけじゃありません。歩夢先輩のことを、助けたいから言うんです」

侑 「助けたい……? ふざけないで!! もうお母さんは死んでしまって助けられないって言ったじゃないですか!?」
0225名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2020/12/24(木) 01:46:58.06ID:89ESTzjp
かすみ 「違うよ」

侑 「えっ」

かすみ 「かすみんが助けたいのは未来の歩夢先輩の、笑顔のことです」

侑 「笑顔……?」

かすみ 「あなた言いましたよね? さっき、お母さんの笑顔がもう見れないことが耐えられないって……」

侑 「ええ……」
0226名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2020/12/24(木) 01:49:06.47ID:89ESTzjp
かすみ 「そして、未来の歩夢先輩は私たちのことを話してくれるとき、本当に嬉しそうに話してくれるんですよね? ならそんな歩夢先輩の大切な人を消してしまうことは、歩夢先輩の笑顔をひとつ消してしまうことになりませんか?」

侑 「……!」

かすみ 「かすみんが消えることで、あなたと歩夢先輩の思い出がより満たされるなら、それは別に構わないんです……でも、私は助けたいんです。なくなってしまう、歩夢先輩のそのかけがえのない笑顔が……!」

侑 「かけがえのない笑顔……」
0228名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2020/12/24(木) 01:51:05.72ID:89ESTzjp
―――――

―――



歩夢 「侑ちゃん、おいで」 ニコッ

侑 「お母さーーーん!!」 ダキッ

歩夢 「ふふ、侑ちゃんはいつも元気だね」

侑 「だって私……お母さんのことが大好きだから!! お母さんの笑顔が大好きだから、それを見れたらすごく元気になるんだ!!」 ニコッ

歩夢 「そっか……」

侑 「うん!!」

歩夢 「ありがとう、侑ちゃん……私もすっごく今幸せだよ!!」 ニコッ
0229名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2020/12/24(木) 01:53:10.89ID:89ESTzjp
侑 「お母さんが幸せなら私はもっと幸せだよ!! そうだ!! 今日もスクールアイドルのみんなの話してよ!! 私、その話をしてるときのお母さんの笑顔が大好きなんだ!!」

歩夢 「ふふ……侑ちゃんがいつも楽しそうに聞いてくれるから私も話し甲斐があるよ。じゃあ今日はかすみちゃんの話をするね」 ニコッ

侑 「かすみちゃん? あの面白いかすみちゃんの話?」

歩夢 「面白いかぁ……たしかにかすみちゃんは面白いけど、面白いだけじゃないんだよ? かすみちゃんはすっごくカッコいいんだ!」
0230名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2020/12/24(木) 01:54:14.56ID:89ESTzjp
侑 「ふーん」

歩夢 「って興味ないの?」

侑 「いやなんかお母さん、顔が赤くなってるからなんでだろう……って思って」

歩夢 「ええっ!?/// 本当に!?」 カァァ

侑 「冗談だよ〜」 ニコッ

歩夢 「もぅ! 侑ちゃんったら! じゃあ話を始めるね?」

侑 「うん!! 楽しみ!! 私もかすみちゃんのこと大好きなんだ!!」



―――

―――――
0231名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2020/12/24(木) 01:56:41.59ID:89ESTzjp
侑 (これはすっごく昔の記憶だ……まだ私が五歳くらいの……)

侑 「うぅ……お母さん……」 ポロポロ

かすみ 「って今度はあなたが泣くんですか!?」

歩夢 「侑ちゃん」 ダキッ

侑 「えっ……歩夢お母さん……?」

歩夢 「私は私でも、あなたのお母さんはきっとまだ私じゃないから。私は代わりにはなれないかもしれない。でも肩を貸すよ……思いっきり泣いてくれたら、きっと私たち、少しは分かり合えると思うんだ?」
0232名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2020/12/24(木) 01:56:53.24ID:+f+g9tzc
ぽむかす幸せ
0233名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2020/12/24(木) 01:58:32.86ID:89ESTzjp
侑 「お、お母さん……」 ポロポロ

歩夢 「大好きだよ、侑ちゃん」

侑 「うぅ、お母さーーーーん!!!」 ポロポロ

歩夢 「……」 ナデナデ

かすみ 「……」

かすみ (未来の歩夢先輩……あなたが育てたこの子は、とても良い子ですよ……そして、ようやく少しは心の傷が癒せたのかな……だからどうか安心してください……歩夢先輩……!)





0234名無しで叶える物語(しまむら)
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2020/12/24(木) 03:47:13.67ID:yoYA4yiB
おもしろい
0235名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2020/12/24(木) 13:29:47.33ID:iR2V8o34
だれかに絵を描いてもらって漫画にしてくれたら買うぞ
0237名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2020/12/24(木) 22:48:54.48ID:Meye6yHR
かすみんにしてみれば子供のわがままで消されそうになった訳だからたまったもんじゃないけど、クローン侑ちゃんも辛かったんだな…
0238名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2020/12/25(金) 21:48:55.67ID:6jZ4sYMZ
>>232
感想ありがとうございます!
ぽむかす良いですよね!

>>234
そう言ってくださるととても嬉しいです。ありがとうございます。

>>235
そこまで評価していただけるとは、本当にありがとうございます。漫画ですか……いつか誰かが描いてくれたらとても嬉しいですね!!
0239名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2020/12/25(金) 21:49:59.58ID:6jZ4sYMZ
>>236
遅れていること本当に申し訳ありません。なるべく早く書けるよう努力します。

>>237
クローン侑ちゃんもいろんな複雑な気持ちを抱えてこんな行動を起こしたんですよね。
一件落着の雰囲気ですが、さてさてここからどうなるのか……楽しみに待ってくださると嬉しいです。
0241名無しで叶える物語(茸)
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2020/12/26(土) 00:33:02.34ID:Nb7ysRYM
作者がでしゃばりすぎるやつはめっちゃ冷める上にはよ書けよってなるから控えたほうがいいぞ
0243名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2020/12/27(日) 03:07:57.28ID:TvvQHzex
保守ありがとうございます。
明日中(というか日付を越えてるので今日中)には完結する予定です。
少し更新させてもらいます。
0244名無しで叶える物語(やわらか銀行)
垢版 |
2020/12/27(日) 03:11:20.14ID:TvvQHzex
侑 「……」

歩夢 「どうかな……思いっきり泣けた……?」

侑 「……はい。とても気持ちが楽になった気がします。ありがとうございます」

歩夢 「ふふ、どういたしまして」 ニコッ

かすみ (二人とも嬉しそう……良かった……)

侑 「かすみさん」

かすみ 「……はい! なんでしょうか」

侑 「本当に申し訳ないことをしました……ごめんなさい……」

かすみ 「もう、本当ですよ! 歩夢先輩が大好きで独占したい気持ちはかすみんも分かりますけど、それでも今回のことは度が過ぎますって!!」 プンプン
0245名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2020/12/27(日) 03:12:26.18ID:TvvQHzex
歩夢 (えっ、かすみちゃんそれって)

歩夢 「……///」 カァァ

果林 (なんだか歩夢、嬉しそうね……)

侑 「謝っても許されないことは分かってます。でも本当にごめんなさい……」

かすみ 「……」

果林 「ねぇ? 一応聞くけど、もうタイムマシンを使ってかすみちゃんを消そうとなんてしないわよね?」

侑 「もちろんです。先程話した通りタイムマシンは元の時代に戻ったら二度と使えませんし、なによりかすみさんの笑顔を、お母さんの笑顔を、私が無くすわけにはいきませんから」

歩夢 「良かった……これでかすみちゃんは消えなくて済むんだね……!」

かすみ 「だけど」
0246名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2020/12/27(日) 03:13:31.07ID:TvvQHzex
侑 「!」

かすみ 「今あなたは謝っても許されないって言いましたよね? たしかにその通りです。謝ったらオッケーというわけでもありません!! だから……罰を受けてもらいます!!」

愛 「ちょっと! かすかす!? たしかに許せないけどさ、クローンゆうゆうにもクローンゆうゆうの事情があったわけだし、さすがに罰なんて……!」

侑 「いいんです愛さん……私は本当に重い罪を犯しました……だからどんな罰でも受け入れるつもりです」

歩夢 「そ、そんな……」

歩夢 (かすみちゃん……!?)

かすみ 「なら罰を言いますから覚悟してくださいね?」

侑 「はい……」

歩夢 「ま、待って、かすみちゃ……!」
0247名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2020/12/27(日) 03:17:44.50ID:TvvQHzex
かすみ 「罰として、かすみんにあなたのことを教えてください!! 嫌がるくらいたくさんのことを!!」

侑 「えっ?」 キョトン

歩夢 「……教える?」 キョトン

かすみ 「それで今回のことは帳消しにしてあげます!! いくらあなたが未来人だとしても、可愛いかすみんの魅力は伝わるはずです……だからそんなかすみんのお願いを、断るなんてありえないですよね?」

侑 「こ、断るつもりなんてありません……! で、でもそれって罰ではないんじゃ……!」

かすみ 「自分の個人情報を話すのって結構抵抗ありますし、十分罰ゲームですよ? かすみんもさっき、りな子に個人情報を伝えるのに一瞬戸惑いましたし。それに、歩夢先輩の大切な人であるあなたを罰したりなんかしませんよ……もちろんそれ抜きにしても罰したりなんかしません。だってあなた、悪い人じゃないから」

侑 「かすみさん……」
0248名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2020/12/27(日) 03:18:54.10ID:TvvQHzex
かすみ 「私たち、出会いとしては結構最悪な部類だけど、それでも大切な縁には違いないんです。だからこれから……そうこれから、仲良くなってください!!」

歩夢 「かすみちゃん……!」

侑 「本当に……本当にあなたは優しい人ですね……かすみさん……」 ポロポロ

かすみ 「って、ええっ!? ちょ、ちょっと!! せっかく泣き止んだのにまた泣かないでくださいよ!? 歩夢先輩に怒られちゃうじゃないですか!?」

歩夢 「かすみちゃん……?」 ニコッ

かすみ 「ひぃぃ!」
0249名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2020/12/27(日) 03:20:21.63ID:TvvQHzex
果林 「……」

愛 「……」

果林 「やれやれ……色々あったけど、これでようやく万事解決かしらね」 ホッ

愛 「あとはりなりーの方だけど……りなりー? 私たちは説得に成功したよ。そっちはどう?」

璃奈 「……頑張った。あと少しで波を正確にぶつけられる準備が終わる」 カタカタ

果林 「ふふ、本当に良かったわ……私、忘れたくないもの……か……って、あれ?」

果林 (か……なんだったかしら?)
0250名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2020/12/27(日) 03:21:17.05ID:TvvQHzex
かすみ 「ふふーん、それでまず何を教えてもらいましょうか?」 ニヤニヤ

侑 「えっと、私も何から教えればいいのか分からなくて……」

かすみ 「あっ! そうだ! じゃあ写真とかないんですか? 未来の歩夢先輩の姿が見れちゃったりして……!」 ワクワク

歩夢 「えっ……それはちょっと恥ずかしいよぉ……///」 カァァ

侑 「写真は……撮ってないんです。私たちは存在してる証拠を残さない方が良かったから」

かすみ 「あっ……」

侑 「すいません……」 ショボーン

かすみ (ぎゃぁぁぁーー!! 空気が最悪になってしまいましたーーー!!) アセアセ
0251名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2020/12/27(日) 03:22:40.76ID:TvvQHzex
歩夢 「あれ? でも胸ポケットにスマホが入ってるよ? それには写真入ってないの?」

侑 「これはお母さんのものなんです……私はそもそも携帯を持ってませんし」

かすみ 「ってそれ、見覚えのある機種ですよ!? たしか現在で最新の機種ですよね!? 未来なのに私たちと近い機種なんですか!?」

侑 「お母さんも私も、ほとんど携帯は使わなかったんです。だから、皆さんの前から去ったときに持っていた携帯を、思い出の品のようにずっとお母さんは持ってました。もちろん、連絡できないように携帯の通話機能やメール機能は使えなくしてますけど……」

かすみ 「なるほど……えっと、その携帯に写真やメールは残ってないんですか?」

侑 「おそらく無いと思います……。以前、この携帯から身元がバレないように大体のデータを消したと言ってたので」
0252名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2020/12/27(日) 03:24:14.55ID:TvvQHzex
かすみ 「えっと、ちょっと見てもいいですか?」

侑 「はい、どうぞ」 サッ

かすみ 「さてさて、歩夢先輩の携帯を探索しますか……」 ポチポチ

かすみ 「ん? メールに一件だけ受信メールがありますよ?」

侑 「ええっ!?」

かすみ 「……見てみます?」

歩夢 「で、でも、それって未来の私の携帯なんだよね? ちょっと見られるのは嫌だというか……」 アセアセ

かすみ 「ふふ、なら見てみましょう!」

歩夢 「ちょ、ちょっと!?」 ガシッ

侑 「えっ」
0253名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2020/12/27(日) 03:25:16.98ID:TvvQHzex
かすみ 「なっ!? 歩夢先輩も往生際が悪いですよ!!」 ググググ

歩夢 「だって見られたくないんだもん!!」 ググググ

かすみ 「別に見たっていいじゃないですか!!」 ググググ

歩夢 「さっきかすみちゃん、個人情報を話すのは抵抗があるって言ってたじゃん!!」 ググググ

かすみ 「未来の歩夢先輩の個人情報であって、歩夢先輩の個人情報ではないじゃないですか!!」 ググググ

歩夢 「未来の私だからってやっぱり個人情報は恥ずかしいでしょ!?」 ググググ

侑 「ちょ、ちょっと待ってください!! このままじゃお母さんの携帯が割れちゃいます!!」
0254名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2020/12/27(日) 03:27:53.45ID:TvvQHzex
愛 「取り合って二人で引っ張り合うなんて……なんかデジャブだね」

璃奈 「というより懲りもせず二の舞を演じてるだけかもしれない」 ヒョコ

愛 「あっ、りなりー!! えっと、波の準備は終わったの?」

璃奈 「あと少し。だけどここからはタイムマシンと繋がなくちゃいけない」 サッ

ピピピピピ

ピピピピピ

ピカーーーーーーン

愛 「おおっ! すごい眩しいや!」

璃奈 「さすがに未来の技術を借りない限りはここからはできない。でもこうして繋げてデータ情報を借りることができれば、無事波も作り終えることができる。もちろん繋ぐだけじゃなくてプログラムを組む必要があるけれど」 カタカタ
0255名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2020/12/27(日) 03:30:19.97ID:TvvQHzex
果林 「ほんと璃奈ちゃんの技術力はすごいわねぇ……」

かすみ 「あのぉ……今の光は何なんですか?」

愛 「あっ、かすかす! 今りなりーがタイムマシンと機器を繋いだんだよ。これで無事、波をぶつけることができて、過去改変の影響を消せるはずだよ」

歩夢 「それなら本当に良かったぁ……」 ホッ

侑 「みなさん、本当にありがとうございます……」
0256名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2020/12/27(日) 03:32:58.20ID:TvvQHzex
璃奈 「……!」

愛 (ん? りなりーの表情が少し変わった? なんだか不安そう?)

果林 「璃奈ちゃんも自信のある表情だし、頼り甲斐があるわね」

璃奈 「……」 アセアセ

璃奈 「まずいことになったかもしれない」

果林 「って、ええっ!?」

かすみ 「まずいことって何なんですか!?」

璃奈 「過去改変の波が来るスピードは一定で計算していた。でも、どうやら徐々に早くなってきているみたい」 カタカタ
0257名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2020/12/27(日) 03:34:44.96ID:TvvQHzex
歩夢 「じゃあ、間に合わないの……!?」

璃奈 「いや、それでも過去改変が完了するまでに間に合うといえば間に合う。でも問題がある」 カタカタ

侑 「問題ですか……?」

果林 「問題ってなによ!? 早く助けないといけないのよ、か……。あれ、えっと、か……」

果林 (えっと、あの子の名前は、か……か……なんだっけ?)

果林 「……!」 フラフラ

果林 (なんだか意識が遠くに……でも大切な後輩なのよ思い出さなくちゃ……!! だ、だけど……)

果林 「」 パタッ
0258名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2020/12/27(日) 03:35:58.09ID:TvvQHzex
かすみ 「って果林先輩!?」

愛 「ちょ、カリン!? 何が起きたの!?」

璃奈 「問題はこれのこと。過去改変が急速に進んだ影響で私たちのかすみちゃんの記憶はすぐ消えてしまうかもしれないし、この果林さんみたいに意識まで飛んで気絶してしまうかもしれない」 カタカタ

愛 「そ、そんな……! じゃあ、もし、りなりーがこのプログラムを完成させる前に気絶しちゃったら……!?」

璃奈 「そう。間に合わなくなる。このプログラムは私にしか組めないから」 カタカタ

かすみ 「ええっ!?」

愛 「じゃあ早くしないと!!」
0259名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2020/12/27(日) 03:37:23.07ID:TvvQHzex
璃奈 「今、全力で急いでる」 カタカタ

歩夢 「私たちにはなにか手伝えないのかな……?」

愛 「……多分できないと思う。りなりーを信じて待つことしかできない」

侑 「そ、そんな……!」

かすみ 「……」

璃奈 「……!」 カタカタ

かすみ (私は愛先輩ほど、りな子の表情の違いは分からないけど、それでも分かるよ……りな子は今、私のために本当に必死に頑張ってくれている。なのに私たちがここで弱気になっちゃダメだ!!)
0260名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2020/12/27(日) 03:39:24.98ID:TvvQHzex
かすみ 「頑張れーーー!! りな子ーー!!」

愛 「……! が、頑張って、りなりー!!」

歩夢 「頑張って!! 璃奈ちゃん!!」

侑 「頑張ってください……璃奈さん……!」

璃奈 「みんな……!」 カタカタ

璃奈 (ありがとう。頑張る)

愛 「絶対にみんなでかすかすを救うんだ!!」

愛 (ってあれ? かすかすって、本名はなんだっけ? えっと、あれ……思い出せない!! じゃあ他のあだ名は? たしかもう一つのあだ名の方が原型が残ってたはず……!!)
0261名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2020/12/27(日) 03:42:56.89ID:TvvQHzex
―――――

―――



かすみ 「使ってる文字の種類の数が多い方がダジャレのレパートリが増えますよ?」 ニヤリ

愛 「!?」



―――

―――――
0262名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2020/12/27(日) 03:44:29.04ID:TvvQHzex
愛 (ダメだ……思い出せない……こんなことなら素直にかすかすの言う通りにしておけばよかったな……まるで頭に霞がかかったみたいに)

愛 (意識が遠くなっていく……ってあれ霞って?)

愛 「……」 フラフラ

愛 (良かった……最後の最後に思い出せて……やっぱり愛さんはダジャレが大好きだ……)

愛 「」 パタッ

かすみ 「愛先輩!?」
0263名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2020/12/27(日) 03:46:12.39ID:TvvQHzex
かすみ (ってダメだ!! りな子を全力で応援することをやめちゃいけない!! 愛先輩のためにも、果林先輩のためにも!!)

璃奈 (愛さん……)

璃奈 (愛さんがいないとダメな私はもう卒業する。だってかすみちゃんを助けたいから!)

璃奈 「……」 カタカタ

璃奈 (意識が少しぼやけてきた……直前までは分かってた名前も出て来なくなった……私もついに影響が……)
0264名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2020/12/27(日) 03:47:43.31ID:TvvQHzex
かすみ 「頑張れーー!! りな子ーー!!」

歩夢 「頑張って、璃奈ちゃん!!」

侑 「頑張ってください!!」

璃奈 (どんなにつらくても、諦めない)

璃奈 「頑張る」 カタカタ

侑 「……っ!」

侑 (あ、頭が痛い……! まさかこれが影響……?? でもなんで私まで……!! まさか……)
0265名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2020/12/27(日) 03:50:13.59ID:TvvQHzex
―――――

―――



かすみ 「私たち、出会いとしては結構最悪な部類だけど、それでも大切な縁には違いないんです。だからこれから……そうこれから、仲良くなってください!!」

歩夢 「かすみちゃん……!」

侑 「本当に……本当にあなたは優しい人ですね……かすみさん……」 ポロポロ



―――

―――――
0266名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2020/12/27(日) 03:51:56.82ID:TvvQHzex
侑 (そっか……もう私はかすみさんにとって、他人じゃないんだ……)

侑 (ここで意識が飛んでしまえばとても悲しい。かすみさんを忘れるなんて絶対に嫌だ!! だけど……だけど……)

侑 「……」 フラフラ

侑 (今意識が遠のいても少し嬉しいのは……時間の修正の影響に私も含まれたから……。なんだか初めて友達ができたように……嬉しいなぁ……ごめんなさい、かすみさん)

侑 (だけど信じてます。どうか目が覚めた時も、あなたと友達でいさせてください)

侑 「」 パタッ
0267名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2020/12/27(日) 03:53:45.18ID:TvvQHzex
かすみ 「……!」

かすみ (そ、そんな……もう私と歩夢先輩とりな子の三人だけ……!?)

歩夢 「頑張って!! 璃奈ちゃん!!」

かすみ 「!」

かすみ (そうだ。まだだ。まだ諦めちゃダメだ!! 愛先輩もりな子も、そして倒れたみんなも、私を助けたくてこんなに頑張ってくれてる!!)

かすみ 「頑張れーー!! りな子ーー!!」

璃奈 「……」 カタカタ

璃奈 (もう周りの声も聞こえない。私の手もどうして動いてるのか分からない。ただ、助けたいあの人の笑顔は分かる。それなら頑張れる)

璃奈 「……」 カタカタ

璃奈 「…」カタ カタ

璃奈 「」 カタ

璃奈 「」 パタッ
0268名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2020/12/27(日) 03:57:12.32ID:TvvQHzex
>>267
すいません。修正します。
0269名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2020/12/27(日) 03:59:19.24ID:TvvQHzex
かすみ 「……!」

かすみ (そ、そんな……もう私と歩夢先輩とりな子の三人だけ……!?)

歩夢 「頑張って!! 璃奈ちゃん!!」

かすみ 「!」

かすみ (そうだ。まだだ。まだ諦めちゃダメだ!! 歩夢先輩もりな子も、そして倒れたみんなも、私を助けたくてこんなに頑張ってくれてる!!)

かすみ 「頑張れーー!! りな子ーー!!」

璃奈 「……」 カタカタ

璃奈 (もう周りの声も聞こえない。私の手もどうして動いてるのか分からない。ただ、助けたいあの人の笑顔は分かる。それなら頑張れる)

璃奈 「……」 カタカタ

璃奈 「…」カタ カタ

璃奈 「」 カタ

璃奈 「」 パタッ
0270名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2020/12/27(日) 04:01:09.12ID:TvvQHzex
歩夢 「……!」

かすみ 「りな子!?」

かすみ (キーボードを打ちながら気絶したんだ……)

歩夢 「そ、そんな……璃奈ちゃんが……」

かすみ 「……」

歩夢 「だ、だけど、まだ方法はあるはずだよね? だって、かすみちゃんが消えちゃうなんてそんなことありえないよ? そうだよね、かすみちゃん……?」

かすみ 「……」

歩夢 「かすみちゃん?」
0271名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2020/12/27(日) 04:02:49.69ID:TvvQHzex
かすみ 「りな子は言ってた」

歩夢 「!」

かすみ 「このプログラムはりな子にしか組めないって」

歩夢 「そ、そんな……なにか、なにか方法があるはずだよ……! かすみちゃん!! ねぇ……!」 ポロポロ

かすみ 「……」

かすみ (そうだ。もう、諦めた方が早いんだ。だってみんな頑張ってくれたけど、無理だったんだから。それに私は消えてもみんなが消えるわけじゃない……それだけが唯一の救いかな……)
0272名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2020/12/27(日) 04:04:33.44ID:TvvQHzex
歩夢 「かすみちゃん!!!!」 ポロポロ

かすみ 「!」

歩夢 「なんでそんな諦めた顔をしてるの!? そんなの、かすみちゃんらしくないよ!!」

かすみ 「……!」

かすみ (私らしくない……?)

かすみ (そうだ。なんだか、今の私は私らしくない)

かすみ (侑先輩と出会って、スクールアイドル同好会は再スタートした。そして自分の夢、そしてみんなの夢、それを背負って、ときに荷物をみんなで持って、とにかくがむしゃらに走ったんだ……!)
0273名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2020/12/27(日) 04:06:08.50ID:TvvQHzex
かすみ (私がいなきゃ、私の可愛さは誰も知ることがない……そんなのいいの? それで私は満足なの?)

かすみ (みんなで叶えようとした物語……みんなで叶える物語……そうだ。届け!ときめき――。いままた夢を、追いかけていこう! そう言ったはずじゃないですか!!)

かすみ (みんなの夢を叶える場所……そこにかすみんが立つまで、かすみんがそこに立ってみんなの夢を叶えるまで、かすみんは諦めません!!)

かすみ (考えろ、かすみん。ねばれよ、かすみん。諦めるな、かすみん!!)

かすみ (どうにかしてこの状況から抜け出す方法を考えるんだ! いつも学ぶことの大切さを学んでるじゃないか!)
0274名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2020/12/27(日) 04:07:47.15ID:TvvQHzex
歩夢 「……っ!」

歩夢 (えっ……今意識が飛びかけた……? もしかして、かすみちゃんを忘れようとしてるの?)

歩夢 (そんなの……そんなの……!)

歩夢 「絶対に嫌だ!! 私はかすみちゃんを絶対に忘れない!!」 ポロポロ

歩夢 「うっ……」 フラフラ

パタッ

かすみ 「歩夢先輩!?」

歩夢 「大丈夫だよ……かすみちゃん……! 立てなくなっちゃっただけで、私は大丈夫だから、かすみちゃんを忘れないから……!」 ポロポロ

かすみ 「歩夢先輩……」

歩夢 (意識が朦朧としてる……ってあれ? あそこにあるのは携帯? 落ちてる……。誰のかな? あれは……)
0275名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2020/12/27(日) 04:09:26.49ID:TvvQHzex
―――――

―――



かすみ 「えっと、ちょっと見てもいいですか?」

侑 「はい、どうぞ」 サッ

かすみ 「さてさて、歩夢先輩の携帯を探索しますか……」 ポチポチ

かすみ 「ん? メールに一件だけ受信メールがありますよ?」

侑 「ええっ!?」



―――

―――――
0276名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2020/12/27(日) 04:12:56.49ID:TvvQHzex
歩夢 (未来の私が唯一、残してた過去の証……一体誰からのメールなんだろう?)

歩夢 (意識が飛ばないように気をつけながら、少しずつ、携帯の方へ手を伸ばして……! そして携帯を開く!!)

歩夢 「!」

歩夢 (かすみちゃんだ……そうか、未来の私がいなくなる直前の……!)

歩夢先輩へ
最近お元気でしょうか?
歩夢先輩、単刀直入に聞きます。
何か隠してませんか?
もしつらいならいつでもかすみんに相談してください!! 私は歩夢先輩の力になりたいんです!!
いつまでも可愛い後輩……かすみんに隠し事をしたら損ですよ? かすみんボード『プンプン』
絶対にまた会いましょうね。歩夢先輩!

歩夢 「……」

歩夢 (これはさすがに未来の私でも消せないよね……)

歩夢 「ふふ、かすみんボードかぁ……璃奈ちゃんボードの真似かなぁ……」 ボソッ

歩夢 (ありがとう……かすみちゃん……)
0277名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2020/12/27(日) 04:13:52.43ID:TvvQHzex
かすみ 「?」

かすみ (今、歩夢先輩、璃奈ちゃんボードって言いました? 璃奈ちゃんボード……璃奈ちゃんボード……)

かすみ 「!」

かすみ 「あっ!! 『璃奈ちゃんカーナビ』!!」
0278名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2020/12/27(日) 04:14:24.39ID:TvvQHzex
―――――

―――



果林 「あっ、ちなみにそのときに使ったアプリがあるんだけど……これ『璃奈ちゃんカーナビ』って言うんだけど」 スッ

愛 「おおっ、同好会のみんなが道案内をしてくれるんだ!」

歩夢 「わぁ……みんな可愛くて、素敵だね」



―――

―――――
0279名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2020/12/27(日) 04:15:18.29ID:TvvQHzex
かすみ (そうだ!! これなら……!!)

かすみ 「かすみんは学びます!」

かすみ 「果林先輩、すいません!! 勝手にポケット漁りますよ〜」 ガサガサ

かすみ 「あった! スマホ! スイッチオン!!」

ポチッ

璃奈 『璃奈ちゃんカーナビを起動してくれてありがとう』

かすみ 「りな子!!!!」

璃奈 『って……急に大声出さないで! えっと、あなたは誰?』

かすみ (やっぱり忘れられてるか……でもAIだからか私を認識はできるみたい)
0280名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2020/12/27(日) 04:16:24.65ID:TvvQHzex
かすみ 「あなたってりな子の人格を反映してるんでしょ!?」

璃奈 『りな子……? それが天王寺璃奈のことを言ってるとしたら、合ってる』

かすみ 「ならこのプログラムの続き、できるよね!?」 サッ

璃奈 『……すごい精密で新しいプログラム。これの続きを作ればいいの?』

かすみ 「そう!!」

璃奈 『ならこのスマホを機器に繋いで。それと、キーボードで打たないといけないところは私が指示するからあなたがして』

かすみ 「分かった!! 時間がないからすぐにやるよ!!」

璃奈 『ラジャー』
0281名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2020/12/27(日) 04:17:46.02ID:TvvQHzex
カチャ

璃奈 『プログラム……構築中……』 ピピピピ

璃奈 『そこでEnter押して?』

かすみ 「了解!!」 ポチッ

璃奈 『プログラム……構築中……』 ピピピピ

かすみ 「……」

かすみ (あとどれくらいで時間の修正は完了してしまうんだろう。間に合うのかな)

歩夢 「……っ!」

歩夢 (意識が……! だけど絶対に目を閉じたらダメ!! 今、かすみちゃんのことを覚えてるのは私だけだから……私がかすみちゃんを忘れたら、誰もかすみちゃんのことを覚えてないから……!)

歩夢 「それだけは絶対にダメ……っ!」 ポロポロ

かすみ (歩夢先輩……!)
0282名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2020/12/27(日) 04:20:45.35ID:TvvQHzex
かすみ (なにが間に合うかな、だ。違う!! 絶対に!! 絶対に間に合わせるんだ!! 私は、私は!!)

璃奈 『プログラム……構築中……』

かすみ 「……」 ポロポロ

かすみ (歩夢先輩……侑先輩……愛先輩……果林先輩……りな子……)

璃奈 『プログラム構築完了。あとはEnterを押すだけ』

かすみ 「……!」 ポロポロ

かすみ (しず子……せつ菜先輩……エマ先輩……彼方先輩……みんな!!)

かすみ 「かすみんはここにいますよーー!!」

ポチッ





0285名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2020/12/27(日) 19:39:44.74ID:TvvQHzex
保守ありがとうございます。
0286名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2020/12/27(日) 19:41:01.00ID:TvvQHzex
かす……み……

かす……み……ち……

かすみちゃん……!!

かすみ 「はっ!?」

かすみ 「って」

歩夢 「むぅ!」 ダキッ

かすみ 「歩夢先輩なにしてるんですか!? なんでかすみんを抱きしめてるんですか!?」

歩夢 「うぅ……だって……だって……!」 ポロポロ

かすみ 「しかも泣いてるし!?」

果林 「良かった……かすみちゃん、目を覚ましたのね」

かすみ 「って果林先輩……えっと、あれからどうなったんですか? 私、少し記憶がなくて……歩夢先輩も泣いてるし……」
0287名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2020/12/27(日) 19:42:46.41ID:TvvQHzex
果林 「どうなったかは明白じゃない。見て分かるでしょ? 私もかすみちゃんのことを思い出せてるし、現にあなたは今ここにいるじゃない」

かすみ 「あっ……それってつまり……!」 パァァ

愛 「無事なんとかなったってことだよ!!」

かすみ 「本当ですか!? 本当にかすみんはもう消えずに済むんですか!?」

璃奈 「大変だったけど間に合ったみたい。璃奈ちゃんボード『一安心』!」

かすみ 「良かった……本当に良かったです……」 グスッ

歩夢 「うぅ……かすみちゃん……」 ポロポロ

かすみ 「で、なんで歩夢先輩は私に抱きつきながら泣いてるんです……?」
0288名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2020/12/27(日) 20:18:07.87ID:TvvQHzex
果林 「かすみちゃん、Enterキーを押した直後に気絶しちゃったのよ。多分、極度の緊張によるものね」

愛 「みんなも気絶しちゃったけど、歩夢だけは耐えて気絶しなかったから……いち早くかすみんの気絶に気付いて、それで不安になっちゃったらしくて……」

かすみ 「それでこんなに泣いてるんですか……って、そういえば愛先輩、かすかす呼びはやめたんですか?」

愛 「いや、うーん……やめるってわけじゃないけど、しばらくはかすみん呼びでいいかなって。もう懲り懲りというか」

かすみ 「あんなに頑固だったのに、何か理由でもあるんですか……?」 キョトン

愛 「えっ、いや、別に理由なんてないよ!」 プイッ

果林 (って愛が顔を背けた……? 目も泳いでるし……いつも純粋な気持ちで人と向き合ってる愛らしくないわね……そんなに理由が恥ずかしいのかしら?)
0289名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2020/12/27(日) 20:24:00.86ID:TvvQHzex
かすみ 「……」

かすみ (それにしても)

歩夢 「かすみちゃん……もう遠くに行かないでね……」 ギュッ

かすみ 「……」 ナデナデ

かすみ (みんな頑張ってくれたけど、それでも時間の力には勝てなかった。仕方ないと思った。だけど、歩夢先輩だけは私を最後まで忘れないでいてくれた……)

かすみ (最初は侑先輩を取り合ったり、決してそこまで仲良しって感じではなかったけど……だけど今は……今は……)

かすみ 「歩夢先輩……大好きですよ」 ボソッ

歩夢 「えっ? 今かすみちゃんなにか言った?」

かすみ 「別に……なんでもないですよ」 プイッ

歩夢 「?」
0290名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2020/12/27(日) 20:25:35.49ID:TvvQHzex
かすみ 「あっ、そういえば! クローン侑先輩はどこにいるんですか!? 私、まだまだ話したいことがたくさんあるんです!!」

愛 「クローンゆうゆうはタイムマシンの方に行ってたよ! タイムマシンが動かせるか、確認したいんだって」

歩夢 「えっ……?」

歩夢 (タイムマシンが動かせるか……? それって、未来に帰ろうとしてるってこと!?)

歩夢 「そ、そんな! えっと、タイムマシンは!? ……侑ちゃん!!」 タタタタ

果林 「えっ、歩夢!?」

かすみ 「ま、待ってください!! 歩夢先輩ーー!!」 タタタタ

果林 「ってかすみちゃんまで!? 二人とも行っちゃったわ……」

璃奈 「……」

愛 「どうする? 愛さんたちも行く?」

璃奈 「……あの三人だけで話せることがあると思う」

愛 「……そっか。なら愛さんたちはここで待っておこうか」 ニコッ

璃奈 「うん」





0291名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2020/12/27(日) 20:29:21.94ID:TvvQHzex
侑 (タイムマシンは無事に動いてる……)

侑 「これで帰れるね……」

侑 (未来に帰れば私はタイムマシンを盗んだ罪で捕まる……でも、ここは本来私のいる世界じゃない)

侑 「そう、帰らなくちゃ……」

侑 (大切な友達ができた……だけど、私たちは一緒に居れないから……!)

侑 「バイバイ、みなさん……」 グスッ

歩夢 「待って!! 侑ちゃん!!」

侑 「……! 歩夢お母さん……!」

かすみ 「かすみんもいますよ!!」

侑 「かすみさん……!」
0292名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2020/12/27(日) 20:30:33.16ID:TvvQHzex
かすみ 「ちょっと! どういうことですか!?」

歩夢 「ねぇ侑ちゃん……本当に未来に帰るつもりなの?」

侑 「……」

侑 「もちろんです。私は未来の住人なんですから」

かすみ 「で、でも、さっき言ったじゃないですか!? あなたのことをもっと教えてくださいって! それが罰ゲームだって!! 罰ゲームを破って帰るつもりなんですか!?」

侑 「それに関しては本当にごめんなさい……私ももっとかすみさんと喋りたかった、私のことをもっと知って欲しかった……でも、未来の住人がここに居続けるのは、きっと良くない影響が来てしまうから……だから、もうさよならなんです」

かすみ 「そ、そんな……!」

かすみ (せっかく友達になれたのに!! もうさよならなんてそんなの絶対嫌です……)
0293名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2020/12/27(日) 20:31:27.57ID:TvvQHzex
歩夢 「でも侑ちゃんは未来に帰ったら捕まっちゃうんでしょ……?」

侑 「……!」

歩夢 「それに一人ぼっちなんだよね……! だったら、ここで暮らしてた方が絶対楽しいよ!! 私もいるし、かすみちゃんもいるんだから!!」

侑 「お母さん……」

歩夢 「だからお願い……いなくならないで……!!」 ポロポロ

かすみ 「か、かすみんからもお願いです!! あなたにとって初めての友達なら、もっと大切にしてくださいよ!?」

侑 「かすみさん……」

かすみ 「かすみんはもっとあなたとたくさん喋りたいんです……! だからお願いです、帰らないでください!」 ポロポロ

侑 「……」

侑 (この人たちとずっと一緒に居たい……)

侑 (だけど)
0294名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2020/12/27(日) 20:32:25.37ID:TvvQHzex
―――――

―――



歩夢 「ふふ、侑ちゃんはいつも元気だね」

侑 「だって私……お母さんのことが大好きだから!! お母さんの笑顔が大好きだから、それを見れたらすごく元気になるんだ!!」 ニコッ

歩夢 「そっか……」

侑 「うん!!」

歩夢 「ありがとう、侑ちゃん……私もすっごく今幸せだよ!!」 ニコッ



―――

―――――
0295名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2020/12/27(日) 20:35:47.49ID:TvvQHzex
侑 「ごめんなさい……それは無理なんです……」

歩夢 「……」 ポロポロ

かすみ 「なんでですか!? 別に未来になんか帰らなくてもいいじゃないですか!!」 ポロポロ

侑 「気持ちは本当に嬉しいんです。そして、できることなら私もこの世界に居続けたい。歩夢お母さんと、かすみさんの隣にずっといたい」

かすみ 「ならどうして!?」 ポロポロ

侑 「……私はお母さんを忘れたくない」

歩夢 「!」
0296名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2020/12/27(日) 20:39:12.73ID:TvvQHzex
侑 「もうお母さんはいません。でも、お母さんと過ごした日々はずっと、この胸に残っているんです。そして、私たち二人の日々は、紛れもなく未来の……少し寂しい、だけど懐かしい、あの二人だけの家で、紡がれたものです」

かすみ 「……」

侑 「私はお母さんと過ごしたあの家を捨てたくない。それはここに残っていくら幸せになったとしても代えられないもの……お母さんと過ごした思い出を、私は捨てたくないから。今もずっと、心では一緒にいるから。だから……!!」

侑 「私は帰らなくちゃいけないんです……」

かすみ 「……」

かすみ (そんなことを言われたら……そんな顔をされたら……止められるはずがないじゃないですか……)
0297名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2020/12/27(日) 20:43:00.40ID:TvvQHzex
歩夢 「……侑ちゃん」

侑 「!」

歩夢 「ありがとう……そんなに未来の私を愛してくれて……」

侑 「……」

歩夢 「そうだね……侑ちゃんにはちゃんと、帰るべき場所があるんだもんね。それを私が止められるはずがないよ」

侑 「歩夢お母さん……」

歩夢 「でも最後に言わせて、侑ちゃん」

歩夢 (侑ちゃんはこれから、大変な道を歩くと思う。それは未来の私のせいであって、きっと今の私のせい。だけど、侑ちゃんは微笑んでくれた。こんな私を、本当に愛してくれた。そしてきっと未来の私も、本当にこの侑ちゃんを愛してくれたんだろう……だから)
0298名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2020/12/27(日) 20:44:02.75ID:TvvQHzex
歩夢 「これからも、つまずきそうになることは、あると思うけど……。あなたが私を支えてくれたように……」

歩夢 「あなたには私がいる!!」

歩夢 「だから、ありがとう、侑ちゃん。そしてさようなら、遠く離れても私たちはずっと一緒だからね」 ポロポロ

かすみ 「うぅ……かすみんも、少しの間でしたけど、あなたに出会えて良かったです……友達なのは永遠だからね!!」 ポロポロ

侑 「みなさん、本当に……本当に……ありがとう!! 大好きです!!」 ポロポロ

侑 (もしも……もしも神様がまたチャンスをくれたなら、私はあなたたちに出会いたい。そしてこの一瞬を、私は絶対に忘れないよ!!)

侑 「さようなら!!」 ポロポロ





0299名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2020/12/27(日) 20:46:24.40ID:TvvQHzex
ピピピピピ

ピピピピピ

ピカーーーーーーン

ドンッ

果林 「なにか機械音が聞こえるわね……」

愛 「きっと、クローンゆうゆうが未来に帰っちゃったんだよ……あーあ、少し、寂しくなるなぁ」

璃奈 「やっぱりクローン侑さんには帰ってほしくなかった?」

愛 「……いや、帰るべき場所があるなら、帰ったほうがいいよ」

璃奈 「……うん」

果林 「それにしても、璃奈ちゃん本当にすごいわねぇ。未来のタイムマシンをあそこまで使えるなんて……技術力が未来レベルってことでしょ?」
0300名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2020/12/27(日) 20:47:50.89ID:TvvQHzex
璃奈 「……違う。そこまで私はすごくない」

愛 「いやいや、りなりー謙遜しなくてもいいよ! 本当にすごかったんだから!」

璃奈 「なぜか分からないけど、あのタイムマシンのプログラムのクセが私にそっくりだった。相性が良かったから、スムーズに進んでなんとか間に合ったの」

果林 「へぇ……不思議なこともあるものねぇ……」

愛 「そういえばりなりー、どうなの? 未来の技術に触れてみて! タイムマシンとか作りたくなっちゃった?」

璃奈 「……タイムマシンはもう懲り懲り。作るのも使うのも、とても責任が伴う。だからやめておく」

果林 「そうね……もしかしたらかすみちゃんが消えてたかもしれないんだし、それが賢明よ。過去改変を止められて本当に良かったわ」
0301名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2020/12/27(日) 20:50:47.65ID:TvvQHzex
璃奈 「……過去改変はされてしまったかもしれない」

果林 「えっ?」

愛 「ええっ!? ってことはかすみんが消えちゃうってこと!?」

璃奈 「違う。かすみちゃんの過去が改変されたんじゃなくて、未来から見て過去である現在が、改変されてしまったかもしれない」

愛 「えっと、それはやっぱりクローンゆうゆうがこの時代に来たからってこと……?」

璃奈 「そう。クローン侑さんが過去を変えようとしたことで、私たちがクローン侑さんと出会った……そして今が変わった。だからクローン侑さんのいる未来は変わったはず」

果林 「どんな風に変わったのかしら……?」
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