彼方「エマちゃんにしかできないこと」
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
彼方「はい、と言うわけで!」
エマ「というわけでー♪」
彼方「お昼寝クラブ、第一回目の活動を始めちゃいまーす!」
エマ「いえーい!」
彼方「さてさて、では早速…」イソイソ
エマ「あ、もう普通に眠る感じなんだ」
彼方「そだよ〜。お昼寝とは寝ることと見つけたり〜」
エマ「じゃあ、私もお邪魔しちゃおう」イソイソ
彼方「エマちゃん?」
エマ「なぁに?」
彼方「……いや、何で同じベッド?」 保健室のベッドは、他にいくらでも空いてるんだが?
エマ「………だめ?」
ちょっと、甘えるような視線。
エマちゃんの珍しい表情に思わずキュンとする。
彼方「だめじゃないよ〜♡」ギュッ
エマ「えへへ…♡」
彼方「ふふふ♡」
エマ「あのねぇ」
彼方「ん?」
エマ「QU4RTZで日向ぼっこすること、よくあるでしょ?」
彼方「うん、あるね〜」 エマ「そういうときって、自然と3年と1年でくっ付いてることが多いと思うの」
彼方「……言われてみればそうだね〜」
この前ピクニックしたときも、私が璃奈ちゃん、エマちゃんがかすみちゃんを膝枕してあげてたっけ。
エマ「それもすっご〜く癒されて好きなんだけど、たまには……」
彼方「ん〜?」
エマ「その…」
少し口を尖らせて言い淀むエマちゃん。
エマ「たまには彼方ちゃんと、二人っきりでもおねんねしたいなぁって……」
彼方「…………」
………。 彼方「はっ!彼方ちゃんちょっと気絶してたかも!」
エマ「なんで!?」ガーン!
彼方「いや〜、エマちゃんがあまりにもあんまり、いじらしいことを言ってくれるからだよ〜」
エマ「? そ、そっかぁ」
彼方「よしよし、いくらでも、一緒に寝てあげるぜ〜」ギュー
エマ「えへへ、嬉しい♪」
今度、二人でお泊まりする約束をした。
寝る前にエマちゃんが子守唄を歌ってくれる約束もしてくれたから、今からすっごく楽しみだなぁ。
へへへ〜。
彼方ちゃんをこんな気持ちにさせてくれるのは、きっと、エマちゃんにしかできないんだろうな。 ◇◇◇
──────夢を見た。
卒業してからもう、何度目かの春。散る桜に、遠くの飛行機雲。聴こえない歌声。
エマちゃん。あなたと過ごした日々を、今でも思い出すの。
あの頃のあなたの後ろ姿を、今日も見つけた。隣にいるのは、あの頃の私。
人混みの中、つい見とれて、前も見えなくなる。
微睡みの中で、記憶の回廊に響く声は、紛れもなく、エマちゃんの優しい声色。
夢を見ていた。
だから私は、どうしようもないくらいに、泣きたくなったんだ。
止まった時の中で私は、交差点で立ち尽くして、わんわんと泣き喚いた。
やだ、やだ。行かないで。
心の中にしまい込んだ、確かな想いを。
私はきっと、吐き出してしまいたいと、思っていたんだ。 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています