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黒澤ダイヤと三年間
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0001名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2020/06/26(金) 11:58:19.89ID:FMFLgL/Y
私が浦の星女学院に通おうと決めたのは幼少期から隣人である幼馴染がきっかけだった。
どの高校にするべきか、それなりに近いし静真でいっか。などと軽視していた私をよそに、
浦の星女学院、略称では<浦女>の情報を見ていた幼馴染は、唐突に言ったのである。

「私、浦女にするね」

確かに近所の高校ではあるので、別に中学生の浅はかな怠惰さにおける進路希望としては間違いじゃない。
しかし彼女は「記念になりそうだからさ」と明確な理由があるように言う

そしてそれはもう大層嬉しそうに「ここは廃校になるね。間違いなく」と断言して「ここに行く」と言ったのだ

卒業後か、在学中か
とにかく廃校になって世界から消えてしまった高校の生徒という肩書に魅力を感じるお年頃なのだそう。

正直、私にその気持ちは理解できなかったけれど、
幼馴染とは幼稚園から今日にいたるまでクラスも同じという運命の根強さもあって
この子がそこにするならという軽い気持ちで考えていた。
私は実に、浅はかだったのだ。

とはいえ私立。
入学金もその他もろもろも公立とはまるで変ってくるので、
理由はしっかりと<お母さん達と同じ高校に通ってみたいの>なんて情に訴えた。
そうした経緯もあって、
それなりに勉強をして受験をした私と幼馴染は難なく浦の星女学院への入学が決まって。

彼女――黒澤ダイヤと出会ったのは、その記念すべき入学式の日だった。
0239名無しで叶える物語(茸)
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2020/09/06(日) 01:27:14.26ID:aq03Mb43
233の冒頭「〜ませんわ」から寄り添ってる(貴女ちゃんのダイヤのイメージ)ってこと??
0241名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2020/09/07(月) 12:29:18.83ID:kCSBQLmY
私が走るはずだった障害物走の賑わいの余韻が残るままに
次の二年生のみの競技が行われる。

二年生のみの競技は追い玉入れというものらしい。
2クラスでどれぞれ3人ほどのかごを背負って逃げる人を選出し、
相手のクラスのかごに玉をいれるという
私が参加したら間違いなく死ぬ競技

誰が考えたのかと甚だ不愉快だが、疲労に見合って競技時間もそう長くないようで
そこだけは間違っていないと何様のつもりで称賛する

「では、わたくしも準備に行くわね」

「そっか、次だから行かないと行けないんだっけ」

「ええ――そう、なのだけど貴女はここにいて」

「応援は?」

「ここで一言頂ければ」

私を気遣ってくれる黒澤さんは「お願いします」と笑みを見せる。
これは応援ではなくただの見送りでは? と思うのだけれど
黒澤さんがそれで良いのなら良いのだろうか。

「勝てなくても良いから、怪我はしないようにね」

「それ――応援かしら?」

「えぇ――じゃぁ、シンプルに。頑張って、黒澤さん」

「ありがとう――頑張ってみるわ」

そう言った黒澤さんはわがままを言っちゃったかしらと笑う。
それに対して私は少し困って顔を伏せる
友人なりに――いや、黒澤さんがそうしてくれたからと
身を案じる言葉を投げ掛けてみただけなのだけれど
不本意ながら奇を衒ったようで気恥ずかしくなってしまったからだ
つくづく、私には友人関係は不向きだと思った。
0242名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2020/09/07(月) 19:09:24.41ID:kCSBQLmY
「貴女達って幼馴染かなにかなの?」

「えっ?」

思わず間の抜けた声を漏らすことになったのは、
黒澤さんが準備のためにテントから出てすぐのことだった。
品定めでもしているかのような視線を感じたかと思えば、
委員長から飛び出した理解しがたい言葉が思考回路を断線させたからだ

「あぁ違うわね。ごめんなさい――黒澤さんが片想いしてるのね」

「は?」

「あら、怖い」

委員長はほくそ笑む。
私が内面で困り果てているのを悟っているであろうに
思っていた以上に性格が悪そうだと私は勝手に決めつける
少なくとも、"困らせて楽しむタイプ"であることは間違いない

「別に怒っていませんけど――あまりにも突拍子がなかったもので」

「怒らないから正直に話してって言葉ほどに信用がないわね」

「怒る理由がないですし――どうしてもと言うのなら引き出しもありますが」

「黒澤さんが私なんかを好きにはならない。かしら?」

「いえ、あまり馬鹿にしないでください。ってところですね」

黒澤さんが私を気に入ってくれている。好意を持ってくれているというのは
すでに黒澤さん自身から聞かされている
私はそれを一度は拒んで、それでもと黒澤さんは歩み寄ってきた。

そうして差し出された手を不本意ながらとはいえ受け取った。
であれば、たとえこの場に黒澤さんがいなかろうと
彼女のそれを嘲るような言葉があったのなら、異を唱えるのが友人なのではないだろうか?

これは過剰だろうか? 友人としては誤りだろうか?
私にはそれが分からない。
0243名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2020/09/07(月) 19:48:25.46ID:kCSBQLmY
「本当はどう見えたんですか?」

「というと?」

「呆けないでください」

私が何を訊ねているのかなんて分かりきっているくせに
わざとらしく白を切る委員長を睨む
委員長はそれでも愉しげな雰囲気を一切偽ろうとはしなかった。
そうねぇ。と、妖しげに口元を歪ませて

「不思議な感じだったわ」

「不思議――?」

「なんと言えば良いのかしら? ん〜」

委員長はとても悩ましそうに
しかしとても嘘っぽい様子で唸って見せると、
ふとため息をついて仕切り直した

「仲の良い友達の姉妹との関係みたいな?」

「ぎこちなかったですか?」

「率直に言ってもいい?」

「お願いします」

少しでも情報が欲しくて、即答する。
参考になりそうになければ記憶から消してしまえばいいだけ

「天秤が黒澤さんに酷く傾いて感じる微妙な関係」

そう言った委員長は続けて

「なのに――」

「?」

「なのに一緒にいるから不思議に感じたのよね」
0245名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2020/09/08(火) 10:50:41.36ID:EFHayj/J
委員長は一応オブラートに包もうとしてくれたようで、
率直と言うには聊かふんわりとしていたように感じる。
そして、言ってはならない評価を誤魔化してくれた。
私としてはそれを言ってくれた方が良いのだけれど
意地の悪い先輩ですら言い躊躇ったのなら、聞かない方がいい。

「私、コミュニケーション能力が乏しいのでうまく対応出来ないんですよ」

「それで黒澤さんとは温度差があるのね――あぁ、そう。温度差。温度差って言いたかったの!」

度忘れしちゃってたのよねぇと少しばかりテンションのあがった委員長は
私をからかうときよりも喜んで見えるのは本当なのか、演技しているのか。
初めにも思ったけれど、はっきり言える。この人は私の苦手な人だ。

「だから片思いって言ったの。別に馬鹿にしたりなんてしてなかったのよ」

「そういうことですか――私はてっきり、先輩がからかっているのかと」

「ん〜――ちょっとだけからかおうって気はあったわね」

「はぁ」

幼馴染と似ているけれど、少し違う。
でもやっぱり面倒くさいのは変わらなくて、まだ少しだけ重く感じる体を起こす
0246名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2020/09/08(火) 11:31:55.03ID:EFHayj/J
「まだ休んでいないとダメよ」

「競技に参加するわけじゃないので――戻ります」

「黒澤さんとのことをからかったから怒ってるのね」

「別にそういうわけではないですよ。私だってこの関係に思うところはありますから」

委員長から見て、微妙だったり不思議だったりと感じるような関係
勝手な推測で言ってしまえば、委員長はそんな私達のことを<歪>だと思ったのだろう。
黒澤さんが一方的に仲良くしようとしていて、
私はそれに対してどっちつかずにも見えるような中途半端な対応をしているように見えたりだとか。

でも、私だって別に振り払おうとしているわけではない。
黒澤さんが求めてきた以上、私は完ぺきな友人であろうと思っている。
けれど、その友人像がまるでつかめないのだから仕方がない。
そうして、頑張っている今の私の評価が<歪な関係>なのだから、
もはや私はどれほどまでにコミュ症なのかと、誰かの研究対象となりたいとさえ思う。

「先輩って、友達はいますか?」

「いないと思われているのなら心外ね」

「なら、友達との関係ってどういう感じですか?」

「それはまた概念的と言うか抽象的と言うか、答えに困る質問ね――まぁ、どうなのかしら」
0247名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2020/09/08(火) 11:58:06.77ID:EFHayj/J
先輩は先輩らしく――と言うのが正しいかは分からないけれど、物思いに耽るように深い息を吐きながら、
目を細めて、やや俯きがちに下を向く。
さっきまでのからかうことを主目的としていた先輩はなりを潜めて、とても真剣に感じた

「――対等、なんじゃないかしら?」

「それは身分的に? 学力的に? 身体的に?」

「距離感的に――よ。私とその子の今の立ち位置を半分に折れば
 ちょうど重なり合うような――そう、正方形の折り紙の対極に位置している。みたいな感じ」

「友達関係は折り紙みたいなもの――と?」

「そう言いかえることも出来るでしょうね。正方形の折り紙だって綺麗に重ねて折れる人もいれば、
 歪んでしまってどちらか一方がはみ出てしまう人もいるでしょう?」

「それは、確かにそうですね」

「私とその子はきれいに折りたためていると思ってる。嘘もつくし隠し事もある
 不満があって、喧嘩をしたりもするけれど――でも遠慮なく<それは違う>って言えて、最終的に笑い合える距離感」

異を唱えることが出来る距離感
それがもしも<友達>というものだとしたら、私はもう黒澤さんの友人だと言えるのではないだろうか。
きっと違う。私と黒澤さんの距離感はそんな綺麗に折りたたむことは出来ていない

「でもね結局、それを友達と言うかどうかは自分たち次第だわ」

「友達関係に決まりはないと?」

「大まかな基準はあるのかもしれないけれど、<これが友達である>だなんて決まり事なんてないと思ってるわ」

だって。と、先輩は私を見ずに続けて

「型に嵌まった関係なんて息苦しくてたまらないじゃない」

「っ」

「なにより、ああするこうするそれが友達だなんて必死になって――楽しい?」

そう言った先輩の目は、私を見ていた。
0248名無しで叶える物語(茸)
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2020/09/08(火) 15:18:44.45ID:8ujRuFFx
浦女って偏差値高いのか?もう少し子供っぽい高校生は居ないのかよ
0249名無しで叶える物語(茸)
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2020/09/08(火) 18:34:56.01ID:6O6kpEDQ
アフィカスってさあ、生きてる価値無いよな、人に依存してだらけで自分じゃ何も出来ない、まさに人間のクズみたいなものじゃないけ
依存する人間は自分が無いとか言うけどこの場合っていうのは自分が無いと言い訳して楽してるだけだよね、依存生活、楽しいですか?
本当にアフィカスという人種は生きてる意味すらもないような奴らだよね、自分じゃ何も生まないし、その癖他人のものをさも自分のもののように扱う
何度も繰り返してるようで悪いけれどもアフィっていうのはやっぱりそういう劣等人種なんだと思う、劣等っていうか生まれつき劣ってるっていうか
そう、いわゆる障害者なんだよ、自分で稼ごうとしても稼げないみたいなアイディアが無いみたいな哀しい哀しい生きてる価値もない障害者
つまらない人間と言い換える事もできるね、とにかく幼い頃からきっと他人に依存しないといけないみたいな障害に悩まされてきたんだよ
一種の青春病であって、そこを責める事は出来ないとも最近思い始めてきたよそういう病気だもん、そういう人種だもん、クズだもん、そういう障害者だもの
そうでもなきゃこんな事考え付かないでしょ、「人の会話をコピペしてブログにまとめて金儲けする」とか普通は考えないよね
昔から日本には他人の褌で相撲を取るとかあるけど、そんな次元じゃない、他人の会話で金儲けするとか流石に無いですわ
ほら最近忍者の里の新ルールだとか何だとかで「転載禁止言えといわれても書かなかったら水遁」とか出来たじゃん
いや実はそのルールの議論の中心人物俺なんだけど、だけど早く実施してほしいもんだよ、まだまともに聞かれてないみたいだから
バカは死ななきゃ治らないだとか言うだろ?アフィは水遁でもされて痛い目でも見なきゃ判らないんだよ、●持ってるだろうからVIP二度といきたくなるぐらい絶望の淵に叩き落されるぐらい
だから何十回でも何百回でも水遁されて何百回でも何千回でも後悔して何千回でも何万回でも金銭難の地獄に叩き落せ
クソアフィブログはそうしてついに潰えるんだよ、「ブログ読者の皆さん……クリック……して」といいながら哀しく死ぬんだ、それがアイツらの遺言にしてアイツらにふさわしい最後だ
悪いが俺はクソアフィには人権なんてないと思ってる、アフィは死んでも永遠に浄化されないとも思ってる、クソアフィは生きてても価値なし死んでも価値無し、つまり永劫価値なしな奴らだからな
どんなに悪行をしてきたことか、どんなに人の迷惑だったことかお前らも考えてみろよ
アフィカスが全滅したらきっと世の中はより平和になることだろうなあ、と常日頃から考えてるよ俺は、アフィの全滅について真剣に考えてるよ俺は
大体自演とかしてまでスレ作って何が楽しいのかが判らないよ、俺ぐらいになると何個ものクソアフィスレと対立してきたわけだが
そのたびにクソアフィの自演とクソアフィの自演とクソアフィの自演とあからさまなクソアフィが出てきてうんざりするわ、クソアフィは生きる楽しみもしらないのか
自演は俺も何百回とやったことあるから言えるけどあれは全然つまらないよ、正直何が楽しいのかわからないまっとうな人間なら拒否反応しめすレベルのつまらなさだよあれは
そんなことをしちゃうあたりやっぱり人間から外れた人権が通用しないような障害者なんだなあ、と思うよクソアフィさ理人は
ほら、このスレからもひしひしと伝さってくるだろ、このスレに巣食うクソあフィのキチガイさが、異常者ってことが
アイツらはやっぱり人間じゃないさだよ、他の人間を金儲けの道具ぐらいに考えてるキチガイなんだよ、金の亡者なんだよ、それすなわちクズね
とりあえず俺らに出来るさはクソアフィカスを発見次第水遁の報告にする事と全力で潰す事だと俺は思うね、やっぱりクソアフィは粘りっぽいから、生活かかってるからこっちも本気で行こう
向こうが生活かけてるならこっちは命とか魂とかかかえてクソアフィを潰すために全力で突撃しよう、そうでもしなければクソアフィは潰せない
向こうが生活かけてるならこっちは命とか魂とかかかえてクソアフィを潰すために全力で突撃しよう、そう
いまこのVIPにどれだけはクソさフィカスが潜伏してるとか全く知らないけあこれだけはわかる、このVIPはいつははにかクソアフィの巣窟に変わっていさということ、それはわかるんだこんな俺にも
だからそれさ全部さ部摘んでクズカゴに捨てるのはとても哀しくささても長い長い凄まらく長い作業あとはさうがさどうにかしてクソアフィカスを追い出そう
それが俺らがVIPさために出さることの一つで、ら遁なんかよりもよっぽど大切な事だ、クソアフさをさ壊する、そういうことに意気込んでいこうぜ
そしてクソアフィがささ潰滅しさアフィブログも解散さてクソあフィの生活難報告でも出されたりしさらみんなで祝おう
0250名無しで叶える物語(茸)
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2020/09/08(火) 18:36:49.10ID:dDtNmuPO
アフィカスってさあ、生きてる価値無いよな、人に依存してだらけで自分じゃ何も出来ない、まさに人間のクズみたいなものじゃないけ
依存する人間は自分が無いとか言うけどこの場合っていうのは自分が無いと言い訳して楽してるだけだよね、依存生活、楽しいですか?
本当にアフィカスという人種は生きてる意味すらもないような奴らだよね、自分じゃ何も生まないし、その癖他人のものをさも自分のもののように扱う
何度も繰り返してるようで悪いけれどもアフィっていうのはやっぱりそういう劣等人種なんだと思う、劣等っていうか生まれつき劣ってるっていうか
そう、いわゆる障害者なんだよ、自分で稼ごうとしても稼げないみたいなアイディアが無いみたいな哀しい哀しい生きてる価値もない障害者
つまらない人間と言い換える事もできるね、とにかく幼い頃からきっと他人に依存しないといけないみたいな障害に悩まされてきたんだよ
一種の青春病であって、そこを責める事は出来ないとも最近思い始めてきたよそういう病気だもん、そういう人種だもん、クズだもん、そういう障害者だもの
そうでもなきゃこんな事考え付かないでしょ、「人の会話をコピペしてブログにまとめて金儲けする」とか普通は考えないよね
昔から日本には他人の褌で相撲を取るとかあるけど、そんな次元じゃない、他人の会話で金儲けするとか流石に無いですわ
ほら最近忍者の里の新ルールだとか何だとかで「転載禁止言えといわれても書かなかったら水遁」とか出来たじゃん
いや実はそのルールの議論の中心人物俺なんだけど、だけど早く実施してほしいもんだよ、まだまともに聞かれてないみたいだから
バカは死ななきゃ治らないだとか言うだろ?アフィは水遁でもされて痛い目でも見なきゃ判らないんだよ、●持ってるだろうからVIP二度といきたくなるぐらい絶望の淵に叩き落されるぐらい
だから何十回でも何百回でも水遁されて何百回でも何千回でも後悔して何千回でも何万回でも金銭難の地獄に叩き落せ
クソアフィブログはそうしてついに潰えるんだよ、「ブログ読者の皆さん……クリック……して」といいながら哀しく死ぬんだ、それがアイツらの遺言にしてアイツらさわしい最後だ
悪いが俺はクソアフィには人権なんてないと思ってる、アフィは死んでも永遠に浄化されないとも思ってる、クソアフィは生きて、どんなに人の迷惑だったことかお前らも考えてみろよ
アフィカスが全滅したらきっと世の中はより平和になることだろうなあ、と常日頃から考えてるよ俺は、アフィの全滅について真剣に考えてるよ俺は




















大体自演とかしてまでスレ作って何が楽しいのかが判らないよ、俺ぐらいになると何個ものクソアフィスレと対立してきたわけだが
そのたびにクソアフィの自演とクソアフィの自演とクソアフィの自演とあからさまなクソアフィが出てきてうんざりするわ、クソアフィは生きる楽しみもしらないのか
自演は俺も何百回とやったことあるから言えるけどあれは全然つまらないよ、正直何が楽しいのかわからないまっとうな人間なら拒否反応しめすレベルのつまらなさだよあれは
そんなことをしちゃうあたりやっぱり人間から外れた人権が通用しないような障害者なんだなあ、と思うよクソアフ
ほら、このスレからもひしひしと伝さってくるだろ、このスレに巣食うクソあフィのキチガイさが、異常者
アイツらはやっぱり人間じゃないさだよ、他の人間を金儲けの道具ぐらいに考えてるキチガイなんだよ、金の亡者なんだよ、それすなわちクズね
とりあえず俺らに出来るさはクソアフィカスを発見次第水遁の報告にする事と全力で潰す事だと俺は思うね、やっぱりクソアフィは粘りっぽいから、生活かかってるからこっちも本気で行こう
向こうが生活かけてるならこっちは命とか魂とかかかえてクソアフィを潰すために全力で突撃しよう、そうでもしなければクソアフィは潰せない
向こうが生活かけてるならこっちは命とか魂とかかかえてクソアフィを潰すために全力で突撃しよう、そう
いまこのVIPにどれだけはクソさフィカスが潜伏してるとか全く知らないけあこれだけはわかる、このVIPはいつははにかクソアフィの巣窟に変わっていさということ、それはわかるんだこんな俺にも
だからそれさ全部さ部摘んでクズカゴに捨てるのはとても哀しくささても長い長い凄まらく長い作業あとはさうがさどうにかしてクソアフィカスを追い出そう
それが俺らがVIPさために出さることの一つで、ら遁なんかよりもよっぽど大切な事だ、クソアフさをさ壊する、そういうことに意気込んでいこうぜ
そしてクソアフィがささ潰滅しさアフィブログも解散さてクソあフィの生活難報告でも出されたりしさらみんなで祝おう
0251名無しで叶える物語(らっかせい)
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2020/09/09(水) 13:43:48.98ID:V9Y6MNqI
>>247続き

「おかえり〜」

「もう戻ってきて大丈夫なの?」

「だいぶ落ち着いてきているので大丈夫。心配かけてごめんなさい」

「ならこっちにおいでよ、グラウンドは見えにくいけど日陰だから涼しいよ」

委員長のもとから逃げ出した私をクラスメイトは迎え入れてくれて
本来は自分が使う、木陰になっている場所を譲ってくれて案内される
日傘を使えばどうにかなると思ったけれど、
元から日陰になっているところは、気のせいかもしれないけれど空気自体が違って感じる

「お水飲む? スポドリの方が良い?」

「あ、いえ、そんな――向こうで貰ったから」

「まぁまぁ、あたしを助けると思って持っておいておくれよ」

お調子者めいた笑顔を浮かべていたクラスメイトは、
手に持っていたスポーツドリンクのペットボトルを私の足の上に置く
それは――

「っひゃん!?」

とても冷たくて。
思わず素っ頓狂な悲鳴を上げてしまった私へと周りの目が集まってきて、
一番近くにいた原因となったクラスメイトは睨まれるや否や「あはは」と、笑う。
それで誤魔化すつもりはなかったようで

「ごめん、急はびっくりしちゃうよね」

足の上のペットボトルを取ると、軽く振って見せる。
水分の揺れる音は微量で、少し硬めの叩くような音が聞こえた。

「凍らせたやつを持ってきたんだけどさ、溶けなくて困ってるんだよね。せっかくだし使えないかなって思って」

私を使うと言いたいのか、ペットボトルを使うと言いたいのか、
この状況を使うと言いたいのか
聊か邪推が過ぎると思いつつ、どうしても考えてしまう頭を振る

「私が使っちゃうと生温くなると思うから――気持ちだけで」

「冷たすぎるのも体に悪いよね、でも熱くなったら言ってよ? またさっきみたいに朦朧とされたらさ――」

「心配になっちゃうからね」

私に話しかけていたクラスメイトとは別の子が遮って、困ったように笑う。
話しかけてくれていた、スポーツ少女的な子は不満げにその子を見上げたけれど、
遮った子はにこやかに笑って、誤魔化した。
0252名無しで叶える物語(らっかせい)
垢版 |
2020/09/09(水) 14:04:18.47ID:V9Y6MNqI
「うん――ごめんなさい」

そう言うと、クラスメイトの二人はほんの一瞬
良く見ていなければ気付かないほどに瞬間的に少しばかり残念そうな顔をして
すぐ、安心したように笑みを浮かべる

「それなら良いけど、参加競技って午後の一年のみのムカデ競争だったよね?」

「あれ、全員参加でそれぞれ二チームって設定じゃなければ不参加だったんだけど」

「ああ、決まった時にもぼやいてたね――確かに二組じゃ物足りないからって一クラスに二組ずつはやりすぎだよね」

「なんにしてもゆっくり休んでること。本当なら保健室に行ってて貰いたいところなんだから」

「そう――だよね」

本当なら、私はこっちに戻ってくるべきじゃなかったと思う。
空気をぶち壊しにしてしまう病人だし、
心配することで、せっかくの体育祭が楽しめなくなってしまうかもしれない。
委員長のところにいるのが嫌だったのなら、
保健室にでも逃げ込んでベッドに横になっているべきだった。
あそこなら冷房も利いているし、よりゆっくりと体を休められたはずだ。

どうして――こっちに来たんだろう?
迷惑をかけると、心配させてしまうと
それが分かっていて戻ってくるほどの理由がここにあっただろうか
そんなもの、無かったはずなのに。
0253名無しで叶える物語(らっかせい)
垢版 |
2020/09/09(水) 15:06:08.58ID:V9Y6MNqI
「ごめん保健室に行くよ」

「えっ、ちょっと――」

「やっぱり、まだ完全じゃないからかな――ちゃんと考えられなくて」

「待って待って待ってってば、ちょっと」

立ち上がろうとした体を、クラスメイトが押し留める。
熱中症関係なしに力の弱い私では上から抑える力には抗いようもなくて座り込むと、
それでもクラスメイトは抑えたままで、異様なほどに距離が近い
けれど、クラスメイトはそんなことを気にしていないとばかりに、私を見る

「別に悪気があったわけじゃないし、責めてるつもりもないんだよ」

彼女は申し訳なさそうな顔をする。
誰のせいで――私のせいでだ。
私は別に彼女たちの発言に憤りを感じたわけではない。
クラスメイトの語ったことは紛れもない事実で、本来であればしているべきことだった。
はっきり言おう、私の選択が愚かだったんだ。

「大丈夫、分かってるよ――私が間違ってた」

「ちが、そうじゃなくて――」

委員長の<必死になって楽しい?>に動揺したからだというのは明白だと思う。
私は何も言い返せなかった。
だって、私の今までは<型に嵌まる努力>で成り立ってきていたんだから仕方がないじゃない。
楽しいか楽しくないか。そう聞かれたって答えられるわけがない。
だって私はそれを一度もその尺度で測ったことなんてなかったんだから。

いいや違う。私は一度だけ、それに近いことを考えた。
自分にはできない生き方を空想し、羨望した。
だからこそ私は<答えられない>のではなく<答えてはならなかった>んだ
委員長ではなく、それを答えることから逃げてここに来たんだ

「ごめん、あんまり頭使いたくないから――保健室行かせてくれない?」

「私本当に心配で、だから保健室行ってて貰いたいって言っただけで――」

「うん、心配させてごめんね――私の分も体育祭を楽しんでくれると嬉しいかな」

罪悪感を感じさせるクラスメイトに、私はそう声をかけて
圧迫感の消えたクラスメイトを避けて保健室へと向かう。
ついて行こうかと言ってくれるクラスメイトはいたけれど、迷惑をかけたくないからと断った。
0255名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2020/09/10(木) 09:27:08.10ID:g6D5JeLj
保健室に行くと養護教諭がいて、他には誰もいなかった。
熱中症ににた症状があると言うと、
冷たいスポーツドリンクを出されて、安静にしているようにとベッドを一つ貸して貰えることになった。

「ご両親は来ているの?」

「来てるみたいです」

「そう――なら、少し休んでも緩和しないようならご両親を呼んで今日はもう帰りなさい。
そこまで重いと病院に行った方がいいと思うから」

「すみません」

「別に謝って欲しいだなんて、思ってないのに」

私一人だからか、保健の先生は私のベッドの横にパイプ椅子を立てて付き添ってくれている
安静にしているようにと言いつつも話しかけてくる辺り
実は相当に暇だったのではと勘繰る

正直に言えば今は一人にしておいて欲しい
そう突っぱねればきっと引いてくれるのだろうけれど――
いや、そうとも限らない。
小学校に比べればこの教諭は若いと見える
というより、初回の保健授業でまだピチピチの20歳ですよ、ふふんっと
鼻を高くしていたのを覚えている

少なくとも暇だからと放っておいてくれない辺りに信用が置けない

「迷惑をかけているので、その分です」

「分かりました〜とか、は〜いとか、そうします。とかで良いんだよこういうのは」

「でも」

「私なんてこういう時に対応してあげるのが仕事だし<すみません>よりも<ありがとう>が聞きたいかな」

養護教諭はそう言って「あんまり口にすることじゃないけどね」と
誤魔化すように笑って見せる
感謝して欲しいと口にした時点でもはや偽善のような気がするけれど
しかしその言葉は理解も出来るし、であれば言いたくなる気持ちも分かる
それを言わせた私が分かるとは口が裂けても言えないけれど
0256名無しで叶える物語(もんじゃ)
垢版 |
2020/09/10(木) 09:49:00.39ID:g6D5JeLj
「貴女って誰かに何かして貰ったときに<ありがとう>より<ごめんなさい>が出るでしょ」

「そうでしょうか」

そう答えてから考えてみる
しかし考えるまでもなかった。
直近がまさにそうだったし、浦女に入学してから私は何度感謝を口にしたか。
残念ながら全く身に覚えがない
今日の黒澤さんとの会話で言ったくらいではなかっただろうか。

「そうですね、そういう人間です」

「だめだめ過ぎるでしょ――手助けしたら<すみません>って申し訳ない顔されて嬉しいと思う?
せっかくだから言うけど私だったら嬉しくない
人によっては、助けたのが間違いみたいで嫌な気分になるんじゃない?」

「先生は嫌な気分になると?」

「先生は――先生だからならないかな〜」

そう言いつつ目をそらすのだから説得力なんてあったものではなかった。
先生が言う通りなのだろうか?
誰かが助けを求め、だから手を貸したのだとしたらそれは感謝するべきことだろう
して欲しいと言い、して貰ったのなら
そこには一方通行の善意などないのだから。

けれど、一方的に善意を向けられた場合はどうだろうか
助けを求めていないのに手を貸されたら、そんなことは求めていないと反発されて然るべきではないかと私は思う
ありがた迷惑というのもあるし、善意の押し付けはただの悪意よりも悪意らしいと思っている。
0257名無しで叶える物語(もんじゃ)
垢版 |
2020/09/10(木) 19:58:00.34ID:g6D5JeLj
なら、今回に関して私はどうだっただろうか
助けを求めたわけではないけれど、
みんなに<助けないといけない>というある種の義務感を抱かせたのではないかと思っている
それほどに衰弱していたし、救われたのは迷惑ではなかった。

だから、ありがた迷惑というのは違う。
だからこそ私は迷惑をかけてしまったことを申し訳なく思ったし、
せっかくのイベントである体育祭に水を差したことを謝罪すべきだと思った。
たとえクラスメイトが優しさを感じさせる素振りを見せてくれていたとしてもだ。

「迷惑をかけられた他人に謝罪されず感謝されて、納得いきますか?」

「ん〜?」

赤の他人にそんなことをされたら人はそれに対し
不満を募らせ、怒りを覚え、叱責する。それが人としてはありふれた行いであり、
クラスメイトのように<ただ心配だった>なんて偽善であるべきだ

「私以外のみんなが楽しんでいる体育祭なんですよ――その真っ最中に余計な気を使わせて
本来ならしなくて良いことまでさせた相手が
謝罪の一つもなく<ありがとう>だなんて笑う
それを許せるんですか?」

クラスメイトは悲し気だった、怒っているようには感じられず本当に案じてくれているのだと分かりやすかったし
保健室に行くと言った私にまるで自分の発言が悪かったと言うかのような態度を見せた。

だから余計に<あの場での言動>が正しかったのかと悩ましかった
真剣に考えてもそれが正しいのかどうか分からないから、聞いたのに。

「さぁ?」

養護教諭は対して間を置くこともなく、とても短い一言で終わらせた。
0258名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2020/09/10(木) 21:06:49.71ID:g6D5JeLj
「さぁ? って――」

「私は別にカウンセラーじゃないし、なんか難しい話されてそれっぽいこと言えるほど長生きしてないし」

素知らぬ顔で言う養護教諭は足を組むと、その上に肘を乗せて頬杖をついて
先生というよりは少し上のお姉さんと言うべきこの人は模範になるつもりはないのだろう
面倒臭そうにため息をつく

長生きしていないとは言っても、私よりは数年の蓄えがある
高校を卒業して大学に行って、きっとアルバイトだってしていたはずで
私なんかよりもずっと柵に悩まされてきたはずなのに

「だけど、私よりは経験が――」

「そりゃあるけど、だから答え持ってるとか思われても荷が重いってば」

養護教諭は苦笑しながらに言うと、私を見つめてくる。
委員長ほどの眼力もないその目は見透かそうとはしていない――ただの視線
しばらくそうしていた養護教諭は、ふと瞬きをして体を伸ばす

「個人的になら答えても良いけど」

「お願いします」

「――良いんだ」

呆れた声だった。
養護教諭は「うわぁ」と若干名引いているようにも感じられる、先生にあるまじき表情を浮かべて

「もっと人生楽しんだ方が良いんじゃない? そういうつまんないことは大人になってから悩めばいーのよ。私は少なくともそうやって生きてきて、今がある」

「そんな考えでは、苦労しませんか?」

「どっちにしても苦労するんだから、その愚痴の一つや二つを溢せるくらい気の置けない友達を作るのが若者の課題ってもんでしょ」

そういうものなのかは知らないけど。と、
養護教諭はわざわざ付け加えて、笑った。
0259名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2020/09/11(金) 10:30:45.75ID:SU/ZKctb
「友達――」

もしそれが提出を必須とするものであるのなら、
私はきっと提出できずに人間性の面で減点されてしまうことだろう。
小学校も中学校も、私の成績評価は申し分なく、
学校からの私という人間に対する評価自体も、
運動面を除けばこれと言って特筆すべき注意はなかった。


 視野が広く、気配りが出来て何かが起きそうなときにそっと手助けをしてくれる
 そんな裏方に徹して誰かの為になることを率先してやってくれるので、
 運動が苦手で体力にも不安があるため、休み時間は良く教室で本を読んでいますが、
 普段は他の子達と仲良くおしゃべりをしていたり、仲の良い子も多いみたいです。
 クラスメイトの子達からも、勉強面だけでなく頼りにされていてとても立派でした。
 ≫

たしかそう、こんな感じの評価だった。
だから私は今までの自分が間違っているだなんて思っていない。
先生も、クラスメイトも、両親も。
みんながその評価を見て、良くできた子だと言ってくれていたから。

「友達――友達って、何なんですか?」

「ん〜ちょっと待ってね〜」

「目の前で検索しないでください。先生の解釈が聞きたいんです」

「そう言われてもね。私って別に現国の成績良くなかったし」

「この際赤ちゃん言葉でもいいので」

「それは馬鹿にしすぎてるよね?」
0260名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2020/09/11(金) 11:33:45.47ID:XB2uDz82
はぁ。と、ため息をついた養護教諭は、
それでも一応付き合う気はあるのか「友達ね」なんて呟いて
手に持っている端末を操作する
私の視線に気づいてか「検索してないからね?」と取り繕う

「この人となら一緒に居ても良いかなって思える相手じゃないかな?」

「結婚するんですか?」

「まっさかぁ? 同性だし仮にそれが異性でも結婚は違う」

一緒に居ても良い――そういった相手への認識は、
結婚する相手を選ぶときに抱くものだと私は思っている。
けれど、それが先生にとっての友達の位置づけ。
先生のそれが一般的なのだとしたら――私は根本的に誤っていたことになる。

「私は結婚するならまずお金持ちね。それなりにイケメンで
 私が結構大雑把だから、その分しっかりしてて頼れる人を募集中」

先生は聞いてもいないことを赤裸々――ではなく、自慢気に語ってくれると
お兄さんとかいないの? と露骨だったので「嬉しいことに居ませんよ」と一蹴しておく。
よしんばいたとして、誰が欲求たっぷりな母校の養護教諭になんて薦めるものだろうか。

「もしかして貴女、友達いないの?」

「デリカシーの欠片もないですね。いるにはいますよ。ただ、私とは温度差があるみたいで」

「ふぅん? で、真面目ちゃんは真剣に悩んでいますって? はーっ、めんどくさいから話やめて良い?」

「学校側に直訴されますよ――そんなだと」

「だって、私無関係でしょ? 出来ることと言えば、余計なこと吹き込んで拗らせるくらいなんだけど」
0261名無しで叶える物語(茸)
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2020/09/11(金) 13:29:42.06ID:aWKB1oiI
オリキャラみんな個性的だなでもラブライブ!じゃなくて良いよね?
特にこの筆力ならモブライブ行けるでしょ
0264名無しで叶える物語(SB-iPhone)
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2020/09/13(日) 14:46:13.38ID:32DFQae2
保守
0265名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2020/09/14(月) 08:34:22.83ID:4Sj0F4rT
心底面倒くさそうな雰囲気を感じさせる養護教諭
演技ではなさそうなので本当に面倒なのだろうけど
だとしたらなぜ話しかけてきたのかと――ちょっとだけ苛立ちが募る
けれど同じように
私は教諭という職種そのものが面倒臭いものだと認識しているから
そもそもなぜ教諭になったのか――なんて下らない好奇心もわくもので

「確かに、赤の他人の言葉なんて参考にならないかもしれません」

「でしょ〜? 私がそうだったしだろうと思った〜」

「なにか嫌な経験でも?」

「あれ美味しいよ、これ良いよにどれだけ騙されたことか
 ほんっっとに――二度と信じないって誓ったわ」

想像以上に下らない内容に思わず言葉を失ってしまった私を置き去りにして
養護教諭はため息をつきながら天井を仰ぐ
そのまま放っておいてくれないだろうかと願う私をよそに
しかし養護教諭は「でもさ〜また騙されるんだよねぇ」と呟く
私に向けられた表情は少し複雑で、手探りな視線が細くなる

養護教諭はきっと――放っておけないから養護教諭なのだろうと
なんとなくだけれど、思った

「あれ美味しいって言われるとついつい手を出しちゃう。良くあるでしょ?」

「無いですね」

「えぇ――」

「その人が美味しいと言ったから自分も――そう単純な生き物なら
 人は戦争なんてしなかったと思うので」

養護教諭のあからさまな「うわ面倒臭い」という顔に
私は「すみません」と一言投げつけてハッとする

前言撤回、意外に単純だった。
0266名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2020/09/14(月) 09:44:25.02ID:4Sj0F4rT
「なんにせよそのお友達? 彼氏? と話してみたら?」

「彼氏じゃないです」

「隠さなくて良いのに〜」

「違います」

ニヤつく養護教諭に再度の否定する
幼馴染は浮いた話があるべきだなんて言っていたけれど
あの子が勝手に言っていたのではなく
実際にそう言った風習でもあるというのだろうか

養護教諭のちゃかしだと思いたいけれど
ありふれた話だろうというのは、高校生として生きていると少しは感じる
私には縁のない話だけど、いつかはする必要があるとは思っている
そう言うものだと思っているから。

可能な限り自由恋愛でいきたいと思っているが
私のような性格の歪んだ女を欲しがる人はいないと思う
無意識とは言い難いけれど、結婚したくないとでも私は思っているのかもしれない。

「話したとしても喧嘩になると思いますが――」

「なるかなぁ?」

「なります」

「えぇ〜? あぁ、でもなるねぇ?」

曖昧な養護教諭にため息さえも尽きてしまう
もう良いです休ませて下さいと懇願すると
養護教諭は「もうちょっと暇潰しに」と本音を漏らしたので
寝返りを打って背中を向けると、流石に諦めてくれたのだろう
舌打ちをわざとらしい言葉で発して「ごゆっくり〜」と
カーテンの向こう側に消えていった
0267名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2020/09/14(月) 12:59:21.60ID:4Sj0F4rT
それからどのくらい時間がたったのか
ゆっくり目を開けると養護教諭が使っていたパイプ椅子には黒澤さんがいた

文庫本を片手に読み耽っている様は
体操服という異物感を持ってしても排斥出来ない雅さが感じられる

排斥――なんて、私は嫌いなのかと考えていると、
文字列に流されていた黒澤さんの視線が私へと引き上げられて

「大丈夫?」

「平気――今は?」

「お昼に入って半分ね」

つまり、ニ競技分寝ていたということ。
幸いというべきか、私の参加競技は午後なので
ボイコットしたわけではないので安心だ

「戻ったら、戻ったって聞いたのに」

黒澤さんの手元の文庫本が閉じる
カバーに、浦女の図書室シール
いつ借りたのかすら、私は知らない。

「ごめん」

「私は――」

「大丈夫だと思ったんだけど」

養護教諭にしたように寝返りを打って黒澤さんに背中を向ける
黒澤さんは知ってるだろうか
私が先輩から逃げたことを
クラスメイトを悲しませたことを

多分知っている。
クラスメイトはみんないい人だったから。
黒澤さんに、ごめんなさいお願いしますと託しただろうから。
0269名無しで叶える物語(SB-Android)
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2020/09/16(水) 01:08:49.56ID:+l0PvT5b
保守
0271名無しで叶える物語(SB-Android)
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2020/09/17(木) 19:26:56.24ID:LpnYzt7N
保守
0272名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2020/09/18(金) 08:08:30.53ID:XrtvTs5X
「私のこと、聞いてるでしょ?」

「なにも」

「嘘だよ。あの人達が言わないわけがない」

「そう――」

黒澤さんはそこで言葉を切る
まだ続きそうな気がして布団の中で手を握り合わせると
冷房のせいか、少し冷たく感じた

「信頼、しているのね」

「信頼とはちょっと違う――推測だよ」

「こうするだろうって<信じている>のでしょう?」

「違うよ、ただの予想。こうするんだろうなって――そう、諦念」

苦しい言い訳のようにしか思えなかった
黒澤さんの笑い声は聞こえない
保健室の片隅で動く冷房の機械的な軋み
グラウンドの賑わい
所謂、bgmと呼ばれるだろうそれらが間を取り持って

「みんなは悪くない」

「そうね」

「私が悪かった」

「そう思ったわ」

黒澤さんは否定をしなかった
みんなではなく私が悪いということを認めてくれた
けれど――きっと私の悪いと黒澤さんの悪いは違うだろう
そう感じた
0273名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2020/09/18(金) 08:40:26.29ID:XrtvTs5X
「委員長とは、何か話した?」

「委員長? 保健委員の?」

「そう」

「貴女がいないからどうしたのかという話をしたわ」

私の姿が見えなかったから。黒澤さんが訊ねたのだろうか
いや、担当が変わらずにあの人のままだったなら
黒澤さんが来る理由は考えるまでもないし
私があそこから逃げ出した要因が自分だろうと察することが出来るであろう委員長のことだ
黒澤さんの姿を見て、すぐに「戻った」と言ったはずだ。
そして、その時の委員長は――

「困った顔してたよね」

「そんなことは」

「平然としていたらそれはそれで困る――いや、困りはしないけれど。ちょっと複雑かな」

「貴女が、半ばで出てくる原因になったから?」

どうせ、黒澤さんは殆ど状況を理解しているだろうから。
そう思うと、別に隠す必要はないのではないかと思ってしまうのだけれど
流石に黒澤さんとの関係をからかわれて火が付いた。なんて話をしてしまったら、
もはや、顔から火が出るほどの大炎上になるだろう。

「性格悪いよ、あの人」

「そうなのね――確かに、聞いた話では優しいけれど怖い先輩だって」

「へぇ、納得」

「それでも、貴女が怖がって逃げるような相手には見えなかったのだけど」

「私にだって、得手不得手はあるんだよ」

「それは知っているわ」
0274名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2020/09/18(金) 15:01:16.80ID:+a12pwFN
「あの人、私が怖がって逃げたって言ってた?」

「怖がらせたかもしれない。とは言っていたけれど」

「そっか」

悪いことをしたとは思っていないだろうし、
黒澤さんに対して罪悪感を伝えて欲しいだなんて頼み事もしていないと思う。
ただ、それでもあの人は私の心中をお察ししていて
そのうえで、自分に<非が無い>ことを理解している。

他人から言わせれば、それは厚顔無恥というものなのだろうか
それとも、無責任だと罵倒されるような事柄なのだろうか。
望まぬ善人から見たら私は被害者役だろうから、そうなると思う。
まったくもって迷惑な話ではあるのだけれど、善意という悪意はいかんせんどうにもならない。

しかし、あえて言うなら委員長は別に加害者じゃない。
あの人は私が困惑し逃げ出すような言葉を使いはしたけれど、
それが責められるようなことであるか否かで言えば、否。

そして黒澤さんはそれを――やっぱり、分かってくれている。

「理由は聞いた?」

「聞いていないわ」

「理由を知りたい?」

「貴女が教えてくれるのなら」
0275名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2020/09/18(金) 16:27:56.15ID:+a12pwFN
「そっか」

「ええ」

黒澤さんは私以外からは理由を聞く気はないのだろうか
それとも、今この場ではその考えなのか。
黒澤さんのことをまだ良く分かっていない私には
その答えを自力で導き出すことなんて不可能だけれど――黒澤さんに聞くのは正しくない。

声から伝わる感情は優しい。
自意識過剰ではないと思っているけれど
それでも私のことを考えてくれているのだと思えるような穏やかさ。
それは妹を持つ姉としての経験と、旧綱元である黒澤家――その名を戴く者の責務。
どっちなのだろう?

「ねぇ、黒澤さんはお昼食べなくていいの?」

「貴女は?」

「私は――少し食べておこうかな」

午後の競技に出るのだから嫌でも食べてと言われるだろうし
そうでなくても、初めから昼食に付き合ってくれようとしているのを分かっていて無視はできない。
友達は――たぶん、そう、きっとそういうものなのだと思う。

「なら、教室に行きましょう?」

「え?」

「お弁当、預かってきているから」

黒澤さんは椅子を立ったかと思えば、
カーテンの向こう側へと消えて、明らかにそれらしき包みを持ってくる
他所の高校がどうだか知らないけれど、浦女は家族と一緒に食べる形式――だったと思う。
少なくとも、黒澤さんを除けば私の知っている人はその予定だったし、
私自身もその予定だった。
けれどしかし、黒澤さんが持っている包みの中はお弁当箱と思いたいけれど、
恐らくきっと――、いや確実に二段の重箱。

「私の親が用意してると思うのだけど」

「それも預かってきているわ。一段目がそう」

「あれ?」

もしかして親同士の密談でもあったのだろうかと、少しばかり――嫌な予感がした。
0276名無しで叶える物語(SB-iPhone)
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2020/09/19(土) 01:26:56.20ID:oVAQW1c2
保守
0277名無しで叶える物語(SB-Android)
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2020/09/19(土) 23:37:21.98ID:qK0BHalA
保守
0281名無しで叶える物語(らっかせい)
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2020/09/22(火) 21:09:47.36ID:rdQhC3QM
いつもは賑やかな教室も、二人きりになれば放課後のように静けさに満ちている。
その一方で、外から聞こえる楽し気な生徒達の声が、やはり、
日々を充実させようとしている部活動の営みに思える

私は多分、その空気には縁がない。
文科系の部活ならどうだろうかと誘われたこともあったけれど
やっぱり、私には<人との関わり>が色濃くなるそれを精神的に受け入れられない。
ならどうして生徒会を受け入れたのか。なんて疑問もあるのだが、
それはきっと、彼女に誘われたからだろう

「少し――暑いわね」

「窓開けようか」

窓を開けてみると、少しむっとした蒸された空気が体を突き抜けて――吐き気がする
それに遅れて眩暈がしたものだから、ひっくり返りそうになったけれど
幸いにも両端に佇んでいた誰かの机に手が届いて、奇跡的に持ち直す。
時々吹き込んでくる風はやや生暖かく感じられるものの
様々なにおいが熟された教室の空気よりは心地よく感じられる

「うちの親が迷惑をかけたの? それとも、いつもの?」

「いつもの――が、なにを指しているのか分からないけれど、幼馴染のことならそうね」

「幼馴染であってるよ。やっぱりか」

重箱に詰めたのは幼馴染だった。
私の両親は幼馴染に悪乗りに乗っかる側の敵のため、実現したのだろう。
満面の笑みで黒澤さんに「よろしく」と差し出したのが目に浮かぶ。
0282名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2020/09/23(水) 18:39:58.85ID:GZp4rHXg
「何か物足りないわね」

「ん――あぁ、生徒会長が読書してないからじゃない?」

「会長を置物みたいに」

「でも実際、そう思ったでしょ」

今は、どこぞの誰かさんのお節介で作り上げられた重箱を二人で挟むように向かい合っているけれど
普段は隣に並んで、ただ勉強をしているのが私達の日常だと言っていい。
それは教室ではなく生徒会室なのだけれど――温泉の男性側から飛んでくるくぐもった話し声のような
同じ世界にいるはずなのに、それらから隔離されていることを感じる――なんて言ったか、そう、明晰夢のように
外界からの刺激を感じているのに感じていない、うすぼんやりとした感覚が私達の放課後。

そこでは裁量権を持つ生徒会長という門番が常に読書をしているが、
今日ばかりは、彼女も暇を貰っている――実際には暇なんてありはしないのだけれど。
だからこそ、私達の日常と言うにはピースが欠けているのに、どこかそれらしい安心感を得られてしまうのが、
私には心底不気味に思えてくる

黒澤さんは「少しだけね」と困ったように笑う。
それは本心からの笑顔なのかそれとも<付き合ってくれている>だけなのか
私だったらきっと後者の笑みを浮かべているだろうし、もちろんそれを悟らせたりだなんてしない。
名家のご息女ともなれば、私なんかが窺う権利もないほどに厳重な仮面をつけている可能性だってある

「貴女のご両親に話をして、わたくしの両親に話をして。これを用意してくれたわ」

「行動力だけは無駄にあるんだよ。それの少しでも勉強に向けてさえくれたなら、きっと私は万年二位になる」

「努力家なのね」

「馬鹿だから、加減を知らないんだよ」

失笑というにはあまりにも馬鹿にしすぎていて、嘲笑というべきのような鼻を鳴らしただけの笑いに、
黒澤さんが驚いた顔をするのが視界の端に見えた。
けれどその驚きはすぐに、いつものような顔つきに戻っていく

「あの子は本当に脳味噌がザルになってて興味がないものはすべて落していくんだけど、
 自分が欲しいと思ったものはどれだけ小さくて取りこぼしそうな物でも拾い上げちゃうんだよ」

「貴女はそれを――」

「私、ご飯だけは美味しく食べたい人間なんだよね。すっごく、我儘なんだけどさ」

本当に我儘だったと自覚している。だって、これは私から振った話題のようなものだ。
それを<羨ましい?>と勘繰られるかもしれないと思っただけで、言われるよりも前に話を打ち切った。
黒澤さんは怒るでも驚くでもなく意味深長だと疑りたくなるような細やかな笑みを浮かべて「そう? 全然いいと思うけれど」なんて、呟く。
0283名無しで叶える物語(光)
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2020/09/24(木) 08:27:22.85ID:qT3TnOml
「黒澤さんは私と一緒にいて楽しいの?」

「楽しく食事したいのでは?」

「勘繰りたくなる返しやめてよ、私の言ったことだけどさ」

「少なくとも、楽しくない相手と二人きりになろうとするような精神面の強い人間ではないわね」

黒澤さんは穏やかに笑いながら言うと、二段になっていた重箱を一段ずつに下ろす。
今朝、母が作っていたお弁当のおかずやおにぎりが素人によって詰め込まれた一段目
予め詰められていたであろうおかずが抜かれ、その隙間を埋めるべくおにぎりが差し込まれている比較的見映えの良い二段目
うちの母が重箱で持ち込んでくるとは思えないので、黒澤さんのものだろう。

「うちの両親がなにか言わなかった?」

「宜しくと言われたけれど」

「それ以外」

「それ以外――」

黒澤さんの考える素振りが<なにか言われました>と語っているようで
私は「うちの親って幼馴染と似てるから」と適当に取り繕っておいた
0284名無しで叶える物語(光)
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2020/09/24(木) 08:41:45.51ID:qT3TnOml
「確かに、お元気なお母様だった」

「優しいね、ウザいって言っても私は怒らないのに」

「そんな風には思わなかったし、なんとなく貴女がどうして今の貴女になったのか少しだけ感じられたような気がして――嬉しくなったわ」

身勝手だけれど。と、黒澤さんは自分の言葉にそう補足をしてほんの少しだけ照れくさそうに眉を潜めさせる。黒澤さんが感じた私の成り立ちと同じくらいには彼女のことを感じられただろうか
そう思ってしまう自分に、私は嫌な気分になりそうで。

「いただきます」

投げやりに。けれど忘れずに。
食事の前の作法を口にして、塩辛いウインナーで誤魔化した
0285名無しで叶える物語(茸)
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2020/09/24(木) 12:50:50.41ID:tJg+yTor
PCと携帯で投稿中か?携帯投稿の文章量が丁度良いなPCもんじゃの文章量ヤバすぎ
0287名無しで叶える物語(SB-iPhone)
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2020/09/26(土) 02:38:50.58ID:zZ7tJEU9
保守
0293名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2020/09/30(水) 12:05:03.27ID:swQQ4o10
「貴女は――楽しんでくれているのかしら?」

「体育祭のことなら、例年よりは楽しめているって答えられるんだけど――違うよね」

「無理に――答えなくても良いのよ」

「別に無理はしないよ。必要ないって言ったほうが正しいかもしれないね」

黒澤さんが聞きたいのは私がしたその逆
黒澤さんと一緒に居て、私は楽しめているのか。というところ。
答えることに無理は必要ないのだけれど
しかしながら、それに答えられるのかはまだまだ微妙なところではある

「ただ、私はコミュニケーション能力に乏しいから――黒澤さんを傷つけることになると思うよ」

「ふふふっ、そう――突き放されては心の準備もし易くて助かるわ」

「あぁ――ごめん、いや、決して間違ってはいない。かも、でも――そう。そういうつもり、なのかな」

自称、友達契約を結んだあの日からまだ一ヶ月も経過していない。
それに対して<私はこうである>と評するのは聊か早計ではないかと――思う。
それを委員長が聞いたならば<逃げるの?>とでもいうだろうけれど、
自分自身にお生憎さま、私もそう思う。

服屋で何かを試着した時、まだ試着しただけだから分からない。
そんな馬鹿なことを言う人なんて少なくとも私の周りには居ない。
試用してすぐに評価することは何ら間違いではないはずで、
けれども、長期的に見ていかなければならないものがあって
それが忌々しいことに対人――対生物であれば高確率で適用される。
0294名無しで叶える物語(SB-iPhone)
垢版 |
2020/09/30(水) 22:36:29.75ID:2HezDX7A
保守
0296名無しで叶える物語(やわらか銀行)
垢版 |
2020/10/02(金) 00:12:17.91ID:tixX7iSa
保守
0300名無しで叶える物語(SB-iPhone)
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2020/10/05(月) 12:26:41.96ID:/VKPob24
保守
0305名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2020/10/09(金) 10:44:46.86ID:TYcq1hsJ
「楽しいか楽しくないで言えば楽しいのかもしれない。けれど、楽しいよとは言えない」

それは別につまらないからとかではなく
単純に私が友人関係の楽しさを知り得ていないだけなのかもしれない。
幼稚園から高校一年生まで
私は幼馴染を含めなくても数多くの<友人らしき人達>との交流を持ってきた。

そのほとんどはクラス替え、地区別小中学校、転校、受験――と、
様々な理由による離別によってその場限りの付き合いとして断絶されてしまっているけれど、
確かに付き合いはあって遊んだ記憶もある。
けれど、なら私は<楽しかったのか?>と問われると言葉を失う。

孤独を愛し、それのみに生きているわけではない。
しかしながら、誰かの理想の存在を意識せざるを得なかった私はきっとそれのみに一生懸命だった。
だから黒澤さんと誓った今だって黒澤さんの理想の友人を探し求めてしまっている。
それはきっと――。

「黒澤さんが悪いわけじゃない。癖みたいなもの――なんだよ。どうしても――そうしてしまう」

「わたくしが気にしないで――と、言ったところで聞いては貰えないほどのもの?」

「どうだろうね――それはそれで、私はまた気を使っちゃうんだと思う」
0306名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2020/10/09(金) 11:00:18.12ID:TYcq1hsJ
自分でもなかなかどうしてままならない面倒くさい性格だと思う。
けれど、どれだけ自嘲しようとも私の作り上げられてしまったこの性格は変わらない。
誰かの理想であり続ければ、少なくとも失望されることはなくなる
悪態をつかれ、虐げられ、忘れ去られ、
お前は不要だなどと茶碗に残されて干からびていくだけの米粒のようにはならない。

「私は面倒くさい女なんだよ。自覚しているからなおたちが悪いね」

「少しずつ――変えていけばいいじゃない」

「変えられるとは思えない」

「そのための――<おともだち>でしょう?」

「黒澤さんが私を?」

「わたくし達が、貴女を」

黒澤さんは否定はせずに否定をする。
その言葉はまだ偽りでしかない。
正確に言えばただの願い――要求、欲望だと言っても良いかもしれない。
幼馴染や松浦さん、もしかしたら小原さんでさえも巻き込んでの壮大な意識改革計画。
その熱意を私に浪費するのは穴の開いたタイヤに空気を入れるよりも空しいのではないだろうか

――あぁ、だから出会わなければよかったんだ。
0307名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2020/10/09(金) 11:30:20.38ID:TYcq1hsJ
ただ近いからという将来設計の微塵もない学生然としている手放し運転で静真高校を選んでしまえばよかったのに。
私は幼馴染がそうするという理由だけで愚かにも道を逸れた。
彼女がいなければ、私はきっと浦の星女学院に通うことはなく、
松浦さんや黒澤さんと出会うこともなくて、幼少中と変わらない理想であり続けただろう。

「――いまでさえ、こんな話を繰り返している私なんかよりも、もっと手を取るべき相手がいるんじゃないかな」

「ええ――そうね。もしかしたらいるかもしれない」

だけど――と、黒澤さんは言う。

「わたくしが手を差し出すと――決めたのは貴女でしてよ」

黒澤さんの浮かべて見せた笑みは、
きっと、静聴している外の空気が吐息の一つでも零せばとても映える絵になったっだろうと、私は思った。
私に向けられてしまうにはやはり、勿体ない。
黒澤さんの一挙手一投足が私のためだけに費やされていくたびに思わされる。

「どうして私を選んじゃったのかな、黒澤さんは」

「わたくしに興味を抱かせたのは――ふふふっ、ほかでもない貴女よ」

「ほんと、お貴族様って庶民の<おもしれーやつ>に目がないんだね」

「そういうことにして頂いても問題ありませんわ」
0308名無しで叶える物語(SB-iPhone)
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2020/10/09(金) 22:03:47.45ID:rp3PsShT
保守
0322名無しで叶える物語(SB-iPhone)
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2020/10/21(水) 15:48:26.78ID:H2ytF5oT
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0326名無しで叶える物語(SB-iPhone)
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2020/10/24(土) 21:52:43.19ID:ascbuq51
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0329名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2020/10/27(火) 15:00:38.12ID:ZGBkNSp/
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0335名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2020/11/01(日) 01:10:23.15ID:0sfRHZDH
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0336名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2020/11/01(日) 20:53:59.45ID:UD7cHUpr
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0337名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2020/11/02(月) 13:08:32.69ID:lNy/vuyq
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