栞子「付き合ってほしい?」2スレ目
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栞子「はい、どうぞ」
栞子「熱いから気をつけて下さいね」
栞子「......」
栞子「ほら、私が言ったそばから...」 栞子「口の中に火傷とかは...」
栞子「...そうですか。お互い大丈夫そうですね」
栞子「冷めるまで少し待ちましょう」 栞子「次は何処に行きます?」
栞子「あなたの方で特に無ければ行ってみたい所があるんです」
栞子「えぇ、そこの屋台にしましょう」 ................................
栞子「やってみたかったんです。金魚すくい」
栞子「子供の頃に一度やったきりなので...」
栞子「その時はすくい棒がすぐに破れてしまったんです」
栞子「でも、流石にあの時よりは上手くいくと思います」
栞子「はい、ではさっそく...」 栞子「......」
栞子「金魚が...思ったよりも素早いですね」
栞子「それでは端の方で止まっているのを...」
栞子「あっ...!」
栞子「棒を近づけたら逃げてしまいました...」
栞子「これは意外と...」 栞子「あ、また...」
栞子「ではこうして...」
栞子「...あぅ」
栞子「破れてしまいました...」
栞子「結局一匹も取れませんでした...」 栞子「はぁ...」
栞子「...?どうしました?」
栞子「今度はあなたが...?」
栞子「...なるほど、昔取ったことがあるんですか」
栞子「それでしたら...」
栞子「はい、頑張って下さい」 ................................
栞子「すごいですね」
栞子「まさか一回で取ってしまうとは...」
栞子「久しぶりに見直しました」
栞子「えぇ、久しぶりです」 栞子「その金魚は家で飼うんですか?」
栞子「...?私に?」
栞子「良いんですか?」
栞子「...それなら」
栞子「ありがとうございます」
栞子「大切に育てますね」 栞子「......」
栞子「それにしても...」
栞子「この金魚、随分間の抜けた表情をしてますね」
栞子「あなたにそっくりです」
栞子「...ふふっ、怒っても怖くないですよ」 ............................
栞子「もうかなりの数の屋台を回りましたね」
栞子「次はどこに行きます?」
栞子「...時間?」
栞子「...あっ」
栞子「もう少しで花火が打ち上がる時間ですね」
栞子「何処か座れる所を探しましょう」 ................................
栞子「そう謝らないで下さい」
栞子「私は別に座れなくても良いですから」
栞子「ベンチの数も少なかったですし仕方がないです」 栞子「それに運良くこんな眺めの良いスポットが見つかって良かったじゃないですか」
栞子「人も余りいませんし最高の場所です」
栞子「...そろそろですね」
栞子「あっ、上がりました」 栞子「大きいですね」
栞子「色もカラフルで綺麗です」
栞子「私の家からもこのお祭りの花火が見える場所があるんです」
栞子「なので毎年遠くから見てはいますが...」
栞子「やはり近くで見た方が迫力があります」 栞子「あなたも花火は毎年見ているんですか?」
栞子「...毎年家族と一緒に?」
栞子「そうなんですか」 栞子「...つかぬことを伺いますが...」
栞子「今年は私とで良いんですか?」 栞子「...ありがとうございます」
栞子「でも...」
栞子「いつかあなたの家族と私の家族と一緒に見たいですね」 栞子「......」
栞子「!」
栞子「い、いえ何でもないです...」
栞子「教えてって...」
栞子「......」
栞子「本当は聞こえていたんでしょう...?」
栞子「その表情を見れば分かります」
栞子「まったく...」 栞子「......」
栞子「幼い頃から花火は見ているのですが...」
栞子「毎年同じ景色を見せてくれますね」
栞子「何も変わらないです」
栞子「おそらく、これから先何十年も、私達が年を重ねても変わらないんだと思います」 栞子「嬉しいような、寂しいような気持ちになります」
栞子「...でも」
栞子「私はこのしみじみとした感覚が好きなんです」 栞子「......」
栞子「お願いがあります」
栞子「あなたに渡したいものがあるんです」
栞子「今出しますので目を閉じて頂けますか?」
栞子「はい、すぐ用意しますのでそのままでいて下さい」 栞子「...やっぱり目を開けて下さい」
栞子「ごめんなさい。驚かそうと思って目を閉じて頂いたのですが...」
栞子「やはり最初はちゃんとしたいです...」 栞子「...分かりませんか?」
栞子「では今度は私が目を閉じます」
栞子「......」ギュッ
栞子「いつでも良いです」 栞子「...そんなに慌てなくて大丈夫です」
栞子「いつまでも待ってますから」
栞子「はい...」 栞子「......」
チュッ
栞子「......」 栞子「なんだか...」
栞子「想像していた感じではありませんね」
栞子「もっとロマンチックなものかと思っていました」 栞子「相手があなただからでしょうか?」クスクス
栞子「...いえ、嫌ではないです」
栞子「何と言えば良いか分かりませんが...」
栞子「私の中にふわふわした暖かいものが流れてくるんです」 栞子「えぇ、とても心地よくて落ち着きます」
栞子「...もう一回?」
栞子「駄目です。こういうのは軽々しく何回もやると価値が下がってしまうんです」 栞子「...拗ねても駄目です」
栞子「ほら、もう花火も終わりましたし帰りましょう」
栞子「...そうですね、また来年も来ましょう」
栞子「はい、再来年もその次も...」
栞子「ずっと、あなたと一緒に行きたいです」 これで本当に終わりです。
始めは練習で書き始めたSSですがこんなに愛着が湧いたものになるとは思いませんでした。
長い間読んで頂きありがとうございました。 お疲れさまでした
スクスタのしお子も好きですが、しぃちゃんも負けないくらい好きになれたのはあなたのおかげです
長い間ありがとうございました 付き合うまでを約1スレ使って丹念に描いて、その後は焦点を絞って時間経過を描いていて、まるでずっと見ていたかのような感覚になれたよ。ずっと見ていたいくらい好きだわ
最後のお話も1スレ目を思い出すような感覚もありつつ時間の経過も感じられて本当に良かった 最後の花火に今年もなったな
何年経っても思い出してしまうな
素晴らしいSSでした このSSが毎日の癒しでした
素晴らしい作品をありがとうございました 素晴らしいSSだった
ほんとにありがとう
またなにか書いてくれるのを楽しみに待ってる 乙、素晴らしい作品だった
平和にここまで完走できて良かった
心からありがとう 読んでてニヤニヤできるいいSSだった
最後はホロリとしたよ 終わってしまったかぁ
最後まで楽しませて貰いました お疲れ様です
素晴らしいお話だった
出会いから最後の別れまで描かれる作品ってなかなかないので、いつも最終話の後を知りたいと思う身としてはすごく嬉しいssでした お疲れ様です
しぃちゃんの人生が幸せで本当に良かった…
素敵な作品と楽しい時間をありがとうございました ありがとう、まだスレが残っててよかった…
直接感謝を伝えられてよかった…
ありがとう… 乙です
憂鬱なニュースが続くなかここに来ると幸せな気分になれた ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています