えりちから電話が掛かって来たのは夜遅くだった。

希「亜里沙ちゃんが家出?」

絵里『そうなの。家出しますって置手紙が…』

希「心当たりはあるの?」

絵里『友達と泊まりで出掛けたいって言うから』

希「反対したん?」

絵里『だって…あの子はまだ中学生なのよ?心配でしょ?』

希「まあ…場所にもよるけど」

絵里『ねえ、どうしましょう?このまま帰ってこなかったら私…』

希「ちょっと、落ち着いて」

絵里『今までこんな事一回もなかったのよ?落ち着いていられると思う?外も暗いのに…あの子に何かあったら…私…』

希「だからこそ冷静にやろ?電話じゃあれやし今からそっちに行くから」

明らかにパニックになっているえりちを放っておく訳にもいかない。私はすぐに靴を履いて玄関の扉を開けた。