桜坂しずく(27)
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元スレ
書こうとしてたら落ちてたので
しずくちゃんが将来アーティストデビューするとして
https://fate.5ch.net/test/read.cgi/lovelive/1579787929/
ピピピッ
ピピピッ
ピピピッ
あなた「んん…………うるさいな」カチッ
あなた「ん、もう昼過ぎか……昨日何時に寝たっけ。いい加減昼夜逆転直さなきゃ」 >>851
欧米は屋外喫煙を規制してないところが多いけど、スイスの路上喫煙は特に有名
コロナで今後変わるかもしれないけどね エマかり編どのくらい続くんだ…?
間が空いてるのもあるだろうけど長く感じる あなた「ちょっと!エマさんいるよ!?」
果林「はっ!!!」
エマ「え、私がどうかした?」
あなた「なっ、なんでもないよ!!何でもないから!!」バタバタ
果林「そ、そうよ!なんでもないのよ!別にタバ──」
あなた「ちょっと果林さんは黙って!」バッ
果林「んっ……」ギュム
エマ「んー?2人とも変なの」
あなた「あはは。はー……」パッ
果林「ぷはっ……」
あなた「果林さん、エマさんには内緒にしてって言ったの誰だっけ」ボソッ
果林「ごめんなさい、つい……」ボソッ 吸ってるところ見たことなくても臭いで喫煙者ってわかること多い エマ「とりあえず歩いて疲れただろうしお昼にしよう。この近くにお勧めのお店があるんだ。そこでいいかな?」
あなた「賛成!地元民お勧めのスイス料理のお店なんて今から楽しみだよ!」
果林「メニュー読めるかしら……」
エマ「私が読むから大丈夫だよ、果林ちゃん」
果林「あ…………。そうね、読めないものは仕方ないしお願いするわ」 ーーーー
あなた「ふぅ……やっと座れたぁ……」
果林「当たり前だけど周りの人皆外国の人で緊張するわね。私達だけ浮いちゃったりしてないかしら……」キョロキョロ
エマ「果林ちゃんは外国でもスタイルいいほうだと思うし、心配しなくてもいいよ〜」
果林「あらそうかしら?ありがとうエマ」
あなた「私は?」
エマ「あなたは…………」
エマ「あなたは可愛いよ?」
あなた(はぐらかされた。子どもみたいってことかな) エマ「さ、メニュー頼もう!」
果林「何かお勧めはある?」
エマ「やっぱりチーズを贅沢に使ったピザやパスタかな」
エマ「実はね、このチーズうちのを使ってるんだよ」
あなた「うちの?」
エマ「うん!」
あなた「エマさんの仕事って、ひょっとして牧畜みたいな?」
エマ「あ、あなたには言ってなかったっけ?そうなんだ」 エマ「私達家族が動物の世話をして、それを色んな所に買い取って貰ってるんだ」
エマ「あ、今の旦那さんとは流通の関係で知り合ってね」
あなた「へぇ、そうなんだ……。それってエマさんがしたい仕事?」
エマ「うん!昔から動物のお世話するのは好きだったし、毎日楽しいよ!」
あなた「そうなんだ……。やっぱり好きなことを仕事にできるっていいね」 『やぁエマちゃん。いらっしゃい』
エマ『あ、店長さん。こんにちは』
エマ「こちらこの店の店長さん。いつもよくして貰ってるんだ」
『この子達はエマちゃんの友達かい?』
エマ『はい!』
『スイスの子じゃ無いよね。えーと……』
エマ『日本だよ』
『ニッポン!通りでこんなに美人で可愛らしいわけだ!』スッ
果林『えっ』ギュッ 『きっと今ここで遭えたのも運命に違いない!この後予定はあるかい?もしよかったら』
エマ『もー!店長さん!この子私の友達なんだから!』
『えー……こんなに美人とご対面できる機会なんて滅多に無いって言うのに、それでもエマちゃんは僕に諦めろっていうのかい?』
エマ『今街を案内してる途中だから!この後も私と一緒に回るの!』
『うぅ……エマちゃん手厳しい……』
果林「え、えーと……」
エマ「果林ちゃんナンパされてたよ」
果林「あ、やっぱり?」 果林「ナンパ自体は慣れてないわけじゃ無いのだけれど、やっぱり外国語で畳み掛けられると萎縮しちゃうわね……」
あなた「流石元モデルやってただけあるね」
果林「ありがと。でも私より美人な人なんて幾らでもいるわよ」
『彼女は何て言ってるの?OKて?』
エマ『言ってないから。ナンパする暇合ったら早く注文取って』
エマ「皆は何にする?私はさっき言ったピザとパスタにしようと思うけど。考えてからもう一回呼び直す?」
あなた「私も同じのでいいよ」
果林「私もそうするわ」
〜(間)〜 ドンッ
果林「ってこれは……」
あなた「量多っ……」
エマ「ん?食べないの?」
果林「ピザがこんなに大きいとは思わなかったわ……」
あなた「パスタも量多いし、食べきれるのこれ……」
エマ「大丈夫。余ったら私が食べてあげるから!」
果林「えっ」
あなた「いくらエマさんでもそれは……」 エマ「ふー、ごちそうさま!」ペロッ
あなた「かなりの量だったのに、ホントに私達の残した分まで全部食べちゃったよ……」
エマ「次はデザート頼もうかな」
果林「え!?」
エマ「えーっと、今日は何にしようかなー」ペラッ
あなた「エ、エマさん……」
エマ「冗談で言ったことはあるけれど、ホントに栄養胸にいってるんじゃないかしらこれ……」 ーーーー
エマ「そろそろ家に戻ろっか」
あなた「はーい。あっという間だったね」
果林「今日は街を案内してくれてありがとうエマ。ショッピングはもちろん、洋風の街中を歩くだけでも楽しかったわ!」
エマ「気に入ってくれてよかった〜」
あなた「海を見ながらの食事も凄く良かったよ!スイスの海はホントに綺麗だね!」
エマ「海……?」
あなた「え?海じゃないの?」 エマ「あれは湖だよ〜」
あなた「えっ、そうなの?」
エマ「スイスの地形を思い出してみて。色んな国に囲まれてるでしょ?」
あなた「そう言われてみればそうだね。何か勘違いしてたよ……。でもホント綺麗だよね」
エマ「私も好きだよ。また時間があるときに皆で遊覧船に乗るのもいいかもね」 エマ「それじゃあ帰るよ」
あなた「あ、ちょっと待って」
エマ「ん?」
あなた「またあの山登るんだよね」
エマ「うん、そうだけど……」
あなた「うぅ……そっか」
果林「少し思ったのだけれど、ケーブルカーとかは無いのかしら」
エマ「有名な観光地でも無い田舎だからそういうのは無いんだ。ごめんね」
あなた「とりあえず、時間かかるから先にお手洗い行ってくるね!」
エマ「お手洗いならすぐそこの建物だよ」
あなた「ありがとう!」バッ
エマ「果林ちゃんは行かなくて大丈夫?」
果林「私はさっき行ったから大丈夫よ」
エマ「そっか」
果林「…………」
エマ「…………」 果林「ねぇエマ、嘘をつく人って……どう思う?」
エマ「え?」
エマ「うーん……そうだなぁ。その人にも色んな事情があるのかも知れないけど、私は素直に話してくれた方が嬉しいかな」
果林「そう……」
果林「…………」 果林「あ、これはあくまで一般論よ!別に誰かの話とかじゃなくて!」
エマ「え、うん」
あなた「お待たせー」ダッ
果林「あ、ほら!あの子も帰ってきたし、すぐ出発しましょう!暗くなると危ないものね!」
エマ「うん……」
あなた「ん?何かあったの?」
エマ「ううん、果林ちゃんの言う通り、早めに戻ろっか」 >>869最後果林です
エマ「えーっと、今日は何にしようかなー」ペラッ
あなた「エ、エマさん……」
果林「昔冗談で言ったことはあるけれど、ホントに栄養胸にいってるんじゃないかしらこれ……」 ーーーー
エマの家
マリア「……」ジーッ
HAHAHA!!
果林「何言ってるか分からないけれど、外国のテレビって見てるだけで面白いものね」
あなた「雰囲気が日本と違ってて面白いよね」
エマ『マリアー、ママ今洗い物で手が離せないから、下の子達シャワーに入れてあげてー』ジャーッ
マリア『はーい』
エマ「果林ちゃん、ちょっとお願い聞いてもらっていい?」
果林「何?何でもやるわよ」
エマ「マリアがちゃんと下の子達のお世話できてるか、見ててくれない?」
果林「え?」 果林「それはいいけど……私に出来るかしら。色々不安だわ」
エマ「基本あの子1人で出来るから、見てくれてるだけでいいよ。何かあったら呼んでくれればすぐにかけつけるから!」
果林「…………そうね、分かったわ。それじゃあ私も行ってくる」
エマ「よろしくね〜」
バタン
エマ「…………」 エマ「ねぇ」
あなた「え、呼んだ?」
エマ「果林ちゃん、私に話してくれるかな」
あなた「どうしたの?急に」
エマ「実は山に登る前、あなたがお手洗いに行ってる間に果林ちゃんから話があったの」
エマ「でも果林ちゃん、何か話しにくそうで結局話は聞けなかったんだ」
エマ「やっぱり果林ちゃんは私に話したくないのかな?それなら無理に話してくれなくても……」
あなた「話しにくいのはそうだと思う」
あなた「でも果林さんだってエマさんと話をするためにここに来たんだよ」
エマ「話をするために……?」 あなた「私もだけど、果林さんもこれからどうしていいか迷ってる途中なんだよ」
あなた「そこから抜け出すためにもエマさんと話をする必要があると思ったからスイスに来たんだ」
エマ「そうだったんだ。私の地元を見てみたいって訳じゃ無かったんだね……」シュン
あなた「い、いや!もちろんそれもあるよ!1度行ってみたかったし!それも嘘じゃないから!」
エマ「そう?よかった」ホッ
あなた(嘘って訳じゃ無いけど、エマさんに隠し事するのは良心が痛むな……!) あなた「だからそのうちちゃんと話してくれると思う。今は果林さんを信じて待ってて」
エマ「……うん。分かった」
エマ「果林ちゃんが勇気を出して話せるように、心の中で応援してるね」
あなた「ありがとう」
エマ「お礼を言うのは私と果林ちゃんの方だよ!」
あなた「え?」
エマ「やっぱりあなたは、誰かのために行動できる優しい人だよね。ありがとう」
誰かのため……?いや、果林ちゃんに関しては私がスイスに行くついでみたいなものだったんだ。そんな大層な物じゃない。
かすみちゃんや彼方ちゃんやせつ菜ちゃん、そしてエマさんも果林さんもそれぞれもう自分の人生を生きているんだ。そこに今更私なんかが皆のために何かしようなんて。
ならなぜ果林さんの件は口を挟んだのか。
果林さんの嘘が見過ごせなかったから?
果林さんが可哀想だったから?
何とか出来そうだったから?
たまたま気が向いたから?
分からない…………。 でもこの感覚。
久しく忘れていた感覚。
〜〜〜〜
歩夢(17)『私達のサポートをしてくれて、ありがとう!』
〜〜〜〜
誰かのために行動して役に立てるというのは
やっぱり悪くないと思った。
・ しずくちゃん、虹の中でもダントツにエロ園多くないですか? ーーーー
果林『さぁマリア、お休みの時間よ。あなたの妹達はもう夢の中よ』
マリア『えぇ〜今日も果林ちゃんと全然お話できなかった……』
果林『それもそうね……。じゃあ、ちょっとだけよ』
マリア『やった!』
果林『何か聞きたいことある?』
マリア『えーっとね、えっとね……。あ、そうだ!』
マリア『果林ちゃんって今何のお仕事してるの!?』
果林『っ!』 果林『えっと……それは……』
マリア『やっぱりまだアイドルしてるの?あ、モデルさんもやってたって言ってたからそれかなー?』
果林『今はその……お洋服を作ったりしてるの』
マリア『そうなんだ!凄ーい!!』
果林『そ、そう?ありがとう』
果林(…………) 果林『それよりマリアは嘘とかかくしごとをしたことはある?』
マリア『無いよ。なんで?』
果林『そう…………』
果林『そうよね、嘘はいけないわよね。マリアはそのままお母さんみたいに素直な子でいてね』
マリア『うん!』
マリア『ねぇ、果林ちゃん。いい子にしてたら、私も果林ちゃんみたいなスクールアイドルになれるかな?』
果林『ええ、もちろんよ。なれるわきっと。マリアはエマの子なんだし、なにより私が保証する』
マリア『やった!』 果林『ねぇ、なんでマリアはスクールアイドルになりたいの?』
マリア『果林ちゃんに憧れてるから!』
果林『私に?』
マリア『うん!果林ちゃんのライブ。格好よかったし、見ていて私すっごくドキドキしたの!』
マリア『それでいつかこんな風に、私も歌とダンスで皆をドキドキさせられるようなスクールアイドルになりたいなって!』
マリア『お母さんにはまだ秘密だし、歌もダンスもまだまだこれからなんだけどね……』
果林『そう、頑張ってね』
果林『さ、大きくなるためにも今日も早く寝ましょう?』ナデナデ
マリア『はーい。お休みなさい、果林ちゃん』
果林『お休み、マリア』
. あなた「あ、果林さん。マリアちゃん達寝た?」
果林「ええ、素直でいい子達よ」
果林「ねぇ、エマは?」
あなた「エマさん?エマさんは今シャワーかな」
果林「そう……」
果林「…………」
果林「エマに本当の事を話そうと思う」
あなた「決心ついた?」
果林「実を言うとまだ怖いわ」
果林「でもずるずる先延ばしにするわけにはいかない。わざわざスイスにまで来たんだから」
果林「それで、キミにも付いていてもらえないかしら」
あなた「私もいていいの?」
果林「やっぱり1人だと中々勇気が出なくて」
果林「それに、キミにも聞いていて欲しい」
あなた「分かった。一緒にいるね」
.
エマ「ふー、温まったぁ」
果林「ねぇエマ」
エマ「?」
果林「この後、ちょっと話いいかしら」
エマ「…………うん、ちょっと待ってて。すぐに準備するね」
エマ「外出たところにベンチがあるの。そこで先に待ってて」
果林「分かったわ」 果林「はぁ……」
あなた「緊張してる?」
果林「してない……って言いたいところだけど、かなり緊張してるわ」
あなた「果林さんが緊張なんて珍しいね」
果林「そうかしら?ライブ前とか結構緊張していたと思うのだけれど」
あなた「そうだったかな。果林さんはいつも自信満々な印象があったから」
あなた「たとえ勉強するのが嫌って言ってる時でもね」
果林「もう、からかわないでよ」
あなた「あはは、ごめん」
果林「でもあなたならもう分かってるでしょ?私は今も──」
あなた「あ、エマさん来たよ」
果林「!」 果林「あらエマ、思ったより早かったわね……」
エマ「もうちょっと遅かった方がよかったかな」
果林「いえ、そういうわけじゃ……」
果林(本当はもうちょっと落ち着かせる時間が欲しかったけど)
果林(いえ、きっといくら時間があっても足りないでしょうね)
エマ「はい、ホットチョコレートどうぞ。リラックスできるよ」
果林「ありがとう」
エマ「あなたもどうぞ」
あなた「あれ。2つしか無いけど、それエマさんの分じゃないの?」
エマ「私はいつも飲んでるから、気にしないで」
果林(ほんとだ。ちょっと落ち着いた気がする) エマ「どう?落ち着いたかな?」
果林「ええ、ありがとう」
果林(私が反応を切り出した時の反応といい、エマも何となく察してるのかしら)
果林「その、何から話していいか……」
果林「1つ確認しておきたいんだけど」
エマ「何かな?」
果林「どんなことを言っても、私の事軽蔑とかしたりしない……?」
エマ「え?」
果林「いや、やっぱり、今の無しで!」
果林(って何今更格好悪く予防線なんて張ってるのよ!)
エマ「軽蔑、されるようなことしたの?」
果林「その、人によってはそう思うかも……?」
エマ「まさかひ、人でも殺しちゃったの!?それならちゃんと自首しないと……」
果林「どんな想像してるのよ!違うわよ!」 エマ「じゃあ軽蔑するような事って?」
果林「それは……」チラッ
あなた「!」
ベンチの後ろで見守っていた私の方をチラッと見る。
あなた「大丈夫だって。私ですら軽蔑なんてしてないんだから、エマさんなら尚更しないって」
あなた「それに、ちゃんと言うって決めたんでしょ?応援してるから」
果林「……」クルッ
うぅ……分かったと言わんばかりの表情で果林さんは前に向き直した。 エマには服飾の仕事してるって言ってるでしょ?あれ嘘なの」
エマ「え?」
果林「それで今はキャバクラ──エマには分かるかどうか分からないけど、男性相手こういう事するお仕事」ギュッ
エマ「わっ……///」
そう言って果林はエマの手を自分の腰にやって引き寄せ、露骨に自分の胸を押し付ける。
果林「何となく分かった?」
エマ「う、うん……」 果林「とにかくそういうお仕事。嫌々働いてるわけじゃないけど誇れるものじゃないし、軽蔑されてもおかしくはないとは自分でも思う」
果林「それに、服飾の仕事してるってずっと嘘つき続けてきたんですもの。流石にエマでも──」
エマ「果林ちゃん、話してくれてありがとう」
果林「…………え?」
エマ「それが果林ちゃんが言いたかったことなんだよね。今まで気付いてあげられなくてごめんね。辛かったよね?」
エマ「もう無理して強がらなくてもいいからね」
果林「なんで……」 果林「なんであなたはそんなに優しいの!?」
果林「私ずっとあなたを騙してたのよ!?なんでそんな平気でいられるの!?もし私がエマの立場ならきっと……いいえ、絶対軽蔑してる!」
エマ「何でって……」
エマ「きっと何か事情があったんだって、私には分かるから」
エマ「だって、果林ちゃんは意味も無く騙したりするような人じゃ無いから。ずっと一緒にいたんだもん。それくらい分かるよ!」
果林「っ!」 果林「ほんと、お人好しねエマは」
果林「なんだか笑えてくるわ。予防線まで張ってたのがバカみたいじゃない……」
果林「もしよければだけど、このまま続けて聞いて欲しい」
エマ「うん、分かった。聞いてるね」 果林「まず虹ヶ咲を出てからモデルのお仕事に就いたけど、芽が出ずそのまま辞めたって話はしたわよね?」
エマ「うん。こんなにスタイルいいのに残念だったよね…」
果林「ありがとう。でも私が思ってた以上に厳しい世界だったってだけよ
果林「それでその後何をしようか迷ってた時、ファッションについて考えるのは好きだったし服飾の仕事にしようと思って大学に行くことにしたの」
果林「それで受験の勉強をしながら学費を稼ぐために何かアルバイトをしようと探してた所にキャバクラの人に声をかけられたの」
果林「最初はあまり乗り気じゃ無かったし、慣れてからも並行して勉強していくつもりだったのだけれど、キャバクラで入るお金があまりにも大きすぎてね」
果林「それでわざわざ勉強してまた何年も学校行ってまで他の仕事に就く意味あるのかなって思っちゃったの」 果林「それに気付いちゃってからはもう勉強なんてやめちゃって入学願書も出さずにひたすらキャバクラ一本」
果林「モデルやスクールアイドルのノウハウもあってお客が求めていることは何となく分かってたから、結構出世は早かったかしら」
果林「それでもっと大金が入ってくるようになって、大学の事なんてすっかり忘れてた頃」
果林「エマから『大学入試どうだった?』ってメッセージが来て、そこでエマには服飾のお仕事をするって伝えてることを思い出したの」 果林「エマには勉強頑張るって言っちゃってて。まさか勉強やめてこんな仕事に就いてるなんて話すわけにもいかないから、とっさに嘘をついちゃったの」
果林「丁度その時期にママになったかもって連絡も聞いて、こんなことでエマに余計な心配かけるわけにはいかなかったから」
果林「エマがスイスに帰っても心配しないように……立派な大人になるって……言ったから。立派になってるように見せなきゃって……思ったから」
果林「それもあって……余計に弱いままの私を知られたくなくて……」
果林「それで、それで……」
エマ「もういいんだよ果林ちゃん。嘘つかなくたって」 エマ「私はそのままの果林ちゃんが好きなんだし、昔からお世話するのが好きで私が勝手に心配してただけなんだから」
果林「エマ……」
エマ「うん、寧ろ果林ちゃんの心配毎が無くなっちゃって困ってたくらい!」
果林「うっ……うっ……」
果林「うわぁぁぁぁぁぁ!!!!」
エマ「…………」ポンポン あなた「…………」
果林さんがあそこまで感情を吐き出す姿は初めて見た。
その様子は普段のクールだったりちょっぴりお茶目だったり。今まで見てきたどの果林さんとも違っていたけれど。
これもまた果林さんの顔の1つなんだとすぐに飲み込めたので、そこまで大きな驚きはなかった。
それよりも寧ろ、私以外にもあんなに弱い自分を見せることがあるんだと少し嫉妬のようなものを感じた程だ。 これからも果林ちゃんの面倒も見てあげてくれよあなたちゃん 果林「取り乱してごめんなさい。もう大丈夫よ。全部吐き出せたから」
あなた「果林さんがあんな風に泣いちゃうなんね」
果林「みっともないところ見せちゃったわね」
あなた「そんなこと無いって!」
エマ「果林ちゃんが頑張ってるのはちゃんと知ってるから。私達にくらいは無理せずに素をみせてもいいんじゃないかな?」
あなた「素の果林ちゃんは可愛いしね!」
果林「可愛いなんてそんな……」 果林「勝手に自分で理想像を創って、本当のことを言う勇気が無かったからそれを維持するためにずるずると嘘をついて」
果林「滑稽よね。嘘を付き続けるなんて、立派な大人からほど遠いのに そんなことにも気付かないでいたなんて」
あなた「果林さんはこれからどうするの?今のお仕事続ける?」
エマ「果林ちゃんが本当にやりたいことなら私は応援するよ」
果林「それは……分からないの。本当にやりたいことが」
果林「とりあえず今のお店をやめて、やりたいことを探してみるつもり。このままだと抜け出せなくなりそうだし」
果林「もう一度ゆっくり自分を見つめ直して、時間がかかってでも探してみる」 果林「一度きりの人生、こんな所でくすぶってあきらめるなんて私らしくないわ。もっと上を目指さなくっちゃね!」
あなた「そうなんだ……」
あなた「私もやりたいことを探してる途中だからさ、一緒に探そうよ」
果林「ええ。どっちが先に見つけられるか勝負よ!負けないんだから!」 果林「そうだ。エマ、お願いがあるの」
エマ「私に?何かな」
果林「もうキャバクラに戻ったり色々挫折しないために、週に1度テレビ電話して見守っててほしい」
果林「それから他にも悩んだら相談したりするかも。とにかく、今度は嘘なんてつかずにちゃんと伝えるから」
果林「もちろんエマがよければだけれど……」
エマ「勿論いいよ!お世話する人が1人増えたくらいどうってことないから気にしないで!」
果林「ありがとう。でもエマったら、あんまり子ども扱いしすぎるのは嫌よ?」 あなた「誰かを頼らないことが一人前じゃないものね。頼れる人がいるなら遠慮無く頼ることにするわ」
エマ「うん、嬉しい!いっぱい頼ってね!」
あなた「ふぁぁ」
あなた「あ、ごめん……」
果林「…………もう寝ましょうか」
エマ「……そうだね」
あなた「わ、ごめん!私のことなら気にしなくていいから続けて!?」
果林「大丈夫よ、もう話は終わったから」
エマ「私もそろそろ寝ようかなって思ってたところだったし」
あなた「うぅ……ホントにごめん」 ーーーー
果林「エマに本当の事を言えて良かったわ。あなたのおかげよ。ありがとう」
あなた「言えたのは果林さんの力だよ。私は何もしてない」
果林「それだけじゃなくて、私をスイスまで連れてきてくれたじゃない。凄く感謝してる」
果林「今でもあなたは私の理解者で、最高の友達よ」
あなた「最高の友達、か……」
あなた「えへへ、すっごく嬉しい!」
あなた「ところでさっきの話なんだけど」
果林「さっき?どの話かしら」
あなた「エマさんに見守ってて欲しいって言うの」
果林「ああ、あれね。それがどうかしたの?」
あなた「その、自分から言うのも何だけど、私のことも頼って欲しかったなってちょっと思ったり……」
果林「…………」
果林「キミって頭はいい方なのよね?」
あなた「えっ、どういう意味?」 果林「分からない?キミ今の私と同じ状況じゃない。人の心配してる余裕なんてあるの?」
あなた「あっ……」
果林「そりゃ今回の件は優しさに甘えて頼ってしまったけれど、流石にもうキミに迷惑かけるわけにはいかないわ」
あなた「迷惑だなんて──」
果林「キミがそう思ってても、絶対キミにとって足枷になる。まず自分の事を心配しなさい」
果林「エマと仲直りしてくれるキッカケをくれただけで私は感謝してるんだから。キミはキミの人生を生きて」 果林「それにエマとはもう10年以上もずっと連絡しあってるから。私の事を理解してくれてるし安心かなって」
あなた「…………そっか」
あなた(そうだよね。そりゃあ高校卒業以来連絡してなかった私なんかよりエマさんの方がよっぽど頼りになる)
あなた(そこまで言われちゃこれ以上は何も言えないな)
あなた(まずは自分の事を何とかしないといけないのは事実だし) 果林「それじゃあ私はそろそろ寝るわ。おやすみなさい」
あなた「おやすみなさい」
あなた(私もエマさんに会えて、果林さんもちゃんとエマさんと話をできて、新しい道を歩み始めて……)
あなた(あれ、もしかしてもうスイスにいる意味無くなった?) ースイス3日目ー
あなた「というわけで明日帰ることにした」
エマ「え?」
果林「は?」 目的を果たすために地球の裏側に行って、果たしたら翌日帰る
この子フットワーク軽すぎない?
>>931の冒頭はあなたじゃなくて果林の台詞かな >>943
果林ですね……登校前に確認はしてるんですがすみません
このスレ内でキリのいいところまでは終わらせます 微修正部分から
果林「それにエマとはもう10年以上もずっと連絡しあってるし気軽に頼れるかなって」
あなた「…………そっか」
あなた(そうだよね。そりゃあ高校卒業以来連絡してなかった私なんかよりエマさんの方がよっぽど頼りになる)
あなた(そこまで言われちゃこれ以上は何も言えないな)
あなた(まずは自分の事を何とかしないといけないのは事実だし) 果林「それじゃあ私はそろそろ寝るわ。おやすみなさい」
あなた「おやすみなさい」
あなた(果林さんとエマさん、仲直りできてよかった)
あなた(私もエマさんに会えて、果林さんもちゃんとエマさんと話をできて)
あなた(めでたく新しい道を歩み始めることができて……)
あなた(…………)
あなた(あれ、もしかしてもうスイスにいる意味無くなった?) ースイス3日目ー
あなた「というわけで明日帰ることにした」
エマ「え?」
果林「は?」 果林「いや、ちょっと待って。そんな急に!?」
あなた「あ、果林さんは残ってて大丈夫だよ。私が勝手に帰るだけだから」
果林「キミが帰るなら私も帰るわよ!昨日約束したじゃない。後れを取るわけにはいかないわ!」
エマ「えぇ〜2人とも急だね……。あなたらしいと言えばあなたらしいけど……」
エマ「でもごめんね。ちょっと明日は空港まで送ってあげられそうにないの」
あなた「気にしないで!この山は夜じゃなかったら迷ったりはしないだろうし、降りて駅に着いたら空港までは電車に乗るだけだし。私達だけでも大丈夫!」
エマ「ごめんね?後で空港までの行き方をメモに書いて渡しておくから」
あなた「ありがとうエマさん!」
果林「私を一人にしたら嫌よ?」
あなた「外国で迷子はシャレにならないから、果林さんははぐれたらすぐに連絡してね……」 あなた「それにしても今日も楽しかったー!やっぱりスイスといえば自然だよね!」
果林「森林浴や水浴び。正に絵に描いたようなアルプスって感じだったわね」
エマ「スイスの自然っていいでしょ?」
あなた「うん。エマさんがどうやって育ったか何となく分かったよ」
あなた(そんなスイス旅行も今日で終わりか。自分で言い出したとはいえ、ちょっと寂しいな)
エマ「今日はこのまま自然の中でお昼寝しちゃおうか」
エマ「果林ちゃん、はい、膝枕」
果林「……恥ずかしいわ」
あなた(あ、いいな)
エマ「そういいつつま膝枕させてくれる果林ちゃん好きだよ〜」
果林「もう、からかうなら一人で寝るわよ!?」
エマ「からかってないよ〜」
あなた(まぁでも今日の所は空気を読んで果林さんに譲っておくか)
あなた(膝枕はまた今度エマさんに会ったときの楽しみに取っておこう!) レス数が950を超えています。1000を超えると書き込みができなくなります。