せつ菜「三船さん、今度私のライブを見に来てくれませんか!?」

栞子「……どういう意味です?」

せつ菜「そのままの意味です。私のライブを見に来て欲しいんです!」

栞子「はあ。同好会の件で相談があると来てみれば、自分のイベントの宣伝ですか」

せつ菜「ち、違います! 私は……」

栞子「大方、スクールアイドルに無理解だった両親も自分のライブを見て考えを改めてくれたのだから、私もそうなるはず。そう考えたんでしょう」

せつ菜「そ、それは……」

栞子「自分のパフォーマンスで人の考えを改めさせることができる。それは傲慢だとは思いませんか?」

せつ菜「でもっ……」

栞子「あなたのしていることは自分の大好きを他人に押しつけているだけです」

せつ菜「私はそんなつもりじゃ……」

栞子「あなたの来週の土曜のライブを見に行ったくらいで私の気持ちが変わるとは到底思えませんね」

せつ菜「そうですか。ではこの最前列のチケットは捨てて……」

栞子「別に行かないとは言ってませんが」