男はそっと身を寄せて顔を近づけてきた
いくら和んだとはいえ、私は瞬間的に目をぎゅっと閉じ、身を固くする
これで唇を奪われてしまうのか、と思ったが
男は額や頬、おとがいなど、唇とは違う部分に唇を軽く当ててくる
一応、最低限の貞操は守ってくれるらしい
なまじ顔が良いだけに、こういうことをやらせると絵になっているのが
なんともモヤモヤする
口づけの雨は、顔から首筋、鎖骨へと降りていく
柔らかい人肌の接触と体温の上昇で、私の体は再びほぐれ始めている
『のう、もう一度乳を吸うてもよいか…?』
男が上目遣いに問いかける
私は一瞬惑ったが、ままよと肯定のうなずきを返した
『ホホッ』と、うれしそうな声を上げ、男は行為を続行する
唇がそのまま、鎖骨から下がっていき、乳房へと到達する
さっきの乱暴でねちっこい責めを思い出し
乳首とクリトリスの先へと、きゅっと神経が集まったような感じ
私の体は勝手に感じ始めていた