男の温かく湿った手のひらに
またこわばったからだがぼうっと解かされていく
「ほんとに…しないの…?」
『われらというか、わしの仲間内ではの、まぐわうよりも雅な遊びが流行っておるのだ』
『そなたほどの体でなければできん』
『わしはひとときおなごの体を楽しめたらそれでいいのじゃ』
『まぐわいそのものに執着しておるわけではない』
そう言いながら男は体をなでさすり続ける
また、体温が少しずつ戻ってきて、体が緩んでいくのがわかる
雅な遊びと私の体でなければできないというのが引っかかるが
少なくとも犯されて殺されるような危機が去ったことで
私は目の前の男をうさんくさい奴とは思いながらも、悪い人間には見えなくなっていた
男の手はなおも優しく体をなでさすりつづけ…
「…どこまでやるつもり…?」
いつの間にか下腹部に到達していたその手をやんわりと掴み
ニッコリと問いかける
それぐらいの余裕は戻ってきた
『ホォッ!』
『まぐわいはせんと言うたがちょっとほとを触ったり舐めたりするぐらいさせてもよかろう!』
そこまではやるのかよ!
「…さいってー…」
「プッ…ふふふっ…」
「まあ、いいわ、セックスはしないって言うんなら、少しぐらい許してあげる」
『ホッホ』
『そなた、初めて笑う顔を見せてくれたな』
この異常な環境から逃れたいという気持ちが勝ったのか
何故か私と男は妙に和んだ空気を作り出していた