梨子「そうそう、その時食べたはなまるうどんが美味しかったんだけど……」善子「……!」
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千歌「そういえば最近うどん食べてないな〜。食べたくなっちゃったかも!」
梨子「こう暑い日が続くと、冷たいうどんを食べると美味しく感じちゃうのよね」
善子(リリー……? ズラ丸が作った……うどん……?)
千歌「あっ! 今度みんなでうどん食べに行こうよ! 練習終わった後とか!」
梨子「そうね。土日の練習でお昼ごはんにするのもいいかも」
善子(ズラ丸……うどんなんて作れたんだ。私、食べたことないけど……)
善子(リリー、美味しそうって言ってた……)
……
………… 花丸「あっ、善子ちゃんいたずら」
善子「ん、あぁずら丸」
花丸「そうだ、オラ、今日は図書委員のお仕事で月末の棚卸があるから練習にこれないかも」
善子「……」
花丸「ルビィちゃんはダイヤさんと屋上に行くって言ってたから、善子ちゃんも――」
善子「ねえずら丸」
花丸「ずら?」
善子「私もズラ丸のうどん、食べてみたいわ」
花丸「は? うどんなんて作ったことないずらよ?」
善子「なっ……!?」
花丸「もー、善子ちゃんは突然何言い出すずら」
花丸(ていうか、マルは麺苦手ずら)
花丸「これならいつものヨハネのほうが、まだ面白いずら」
善子(嘘……)
花丸「よっと……この本も図書室に戻しておかないと。それじゃ善子ちゃん、ルビィちゃんのことよろしくね」
善子「あっ」
善子「そんな、どうして……ヨハネにうどんは、似合わないってこと……?」
……
………… 果南「はい最後、ターン! よーしオッケー、最後まで通したし10分休憩しよっか」
千歌「はぁー疲れたー!」
梨子「最後、上手く決まったわね。もう1回通して確認していいかも」
ダイヤ「どうしますか? ここが終わったらパート毎に分かれて練習する予定ですけど」
果南「うーん……結構躓いてたところだからね。もう1回くらいやっておいていいかも……」
善子「……」
善子(リリーにずら丸が作ったうどんのこと、もう少し聞いてみようかしら。でも……)
梨子『えぇ? 善子ちゃん、花丸ちゃんのうどん食べたことないの? 2人とも仲良しだから食べたことあるのかと思ってたけど……』
善子(くっ……! 何か、負けた気がして悔しい……! ていうか、何だか無性にずら丸のうどんが気になってきたわね……)
梨子「そういえば今日、花丸ちゃん来ていないわね?」
ルビィ「あっ……花丸ちゃんね、今日は図書委員のお仕事があるからって……」
善子「……」
……
………… ――夕方
善子「ねえルビィ」
ルビィ「なぁに善子ちゃん?」
善子「ルビィは、ずら丸のうどん、食べたことある?」
ルビィ「うぇっ? ううん、食べたことないよ……?」
ルビィ(花丸ちゃん、うどん作れたんだ?)
善子「そっか」
ルビィ「うどんかぁ……しばらく食べてないなぁ。今日の晩御飯、うどんにならないかなぁ」
善子(ルビィが食べたことあるなら、どんな味か聞こうと思ったけど……もしかして食べたことがあるのはリリーだけ……?)
……
………… ――夜
善子「はぁ、うどんが気になって仕方ないわね」ガバッ!
善子「……フッ、それでは、暗黒の海を彷徨う亡者の魂に話を聞いてみようかしら……この堕天使ヨハネの声を聞きなさい!」カタカタカタッ!
『友達がうどんを作れるらしいんだけど、私には作ってくれない(1)』カタッ……
1:名無しで叶える物語(善):ID:Y0HaNe
他の友達は食べたことあるみたいなんだけど、どうすれば作ってもらえるんでしょうか?
2:名無しで叶える物語(旅館):ID:sEnuTA
>他の友達は食べたことある
それが答えだ
3:名無しで叶える物語(チーズケーキ):ID:chch8
友達だと思っていたのはお前だけなんだよ
4:名無しで叶える物語(SB-iPhone):ID:MArcRy
友達はテメーの料理人じゃねーんだぞ
うどんくらい自分で作れ
5:名無しで叶える物語(白米):ID:G0HaaAN
クソスレ
善子「何よ! ずら丸は私の友達よ! 5chのスクールアイドル板の住人もロクな奴がいないわね!!」バンッ!!
善子「こんな奴らに頼ったのが間違いだったわ! もう寝てやるわよ!」ババッ!
善子(……友達だと思っていたのは私だけ、か)
……
………… ――翌日
ルビィ「花丸ちゃん、今日はレッスン来れて良かったね!」
花丸「昨日は本棚の棚卸大変だったずらよ」
梨子「図書室の本棚全部なら一苦労よね」
善子(何よ何よ! ずら丸、リリーとルビィとは仲良さそうに話して!)
善子「……」シュン
鞠莉「……?」
……
………… ――夕方
善子「……」トボトボ
鞠莉「ハァイ! 善子ちゃん」
善子「マリー……? 何よ、ダイヤたちと帰ったんじゃないの?」
鞠莉「ザーンネン! そうしたかったけど、ダイヤはルビィに取られちゃったし、果南は千歌っちの家に行っちゃったわ」
善子「そう」
鞠莉「……で? 何を悩んでいるのかしら?」
善子「別に」
鞠莉「あらー? おかしいわね、今日の練習、1人だけ身が入っていない子がいたからチェックしてたんだけど?」
善子「……」
善子(お見通しってわけ、か……まあ、ルビィには話しにくいし……それならいっそ……)
善子「……どん」
鞠莉「ん?」
善子「は……な、まる……の、うどん……」
鞠莉(はなまるうどん? どこかで聞いたことがあるような……) 善子「美味しいって、気になって……でも、私は食べたことないし……」
鞠莉(ああ、そういえば前に東京に行ったときに、ささっと夕食を済ませたくて仕方が無いから寄ったことがあるわね)
鞠莉「別に美味しくないわよ?」
善子「なっ!? ま、マリーも食べたこと……あるの?」
鞠莉「んー、まあ偶然だけど……そんな美味しい味でもなかったし、食べなくていいんじゃないかしら?」
善子「……」イラッ
鞠莉「うどんが食べたいならウチのシェフを――」
善子「なによ!」ガンッ!
鞠莉「ヒッ!? ど、どうしたの善子ちゃ――」
善子「アンタ、食べさせてもらってその言い方は最低よ! 私なんて食べたことすらないのに!!」
鞠莉「え、ええええ……? いや、食べたのも偶然で……」
善子「偶然だからってそんなこと言っていいと思ってるの!? 作った側の気持ちも考えられないなんて信じられない!!」タタタタタッ!
鞠莉「よ、よし……こ……」
鞠莉「何よ……チェーン店の味を批判したくらいで、そんなに……怒らなくてもいいじゃない……っ!」グスッ!
……
………… 善子(ずら丸は、友達……友達だから、私にも、うどんを……)
花丸「あれ、どうしたの善子ちゃん? なんか顔が堕天使どころかゾンビみたいになってるずらよ」
善子「……ずら丸が作ったうどんが食べたい」
花丸「何言ってるずら。うどんくらいおうちでお母さんに作ってもらえばいいずら」
善子「私は! ずら丸が作ったうどんが食べたいの!」バンッ!
花丸「わけわからないずら。マルはうどん作ったことないよ」
善子「どうして……どうして、そんなウソをつくの……?」
花丸「……嘘なんてついてないずら。善子ちゃん、夏の暑さで頭やられたんじゃないの?」イラッ
善子「私は、ずら丸のことを友達だと思っていたのに……」
花丸「友達だったらオラを嘘つき呼ばわりするはずないずら。善子ちゃんが変な妄想を拗らせているだけずら! 病院行けずら!」
善子「……もういい! ずら丸なんて!!」タタタタタッ!
花丸「ふんっ、善子ちゃんなんて頭の中まで堕天してアッパラパーになればいいずら」
……
………… ――3日後
ルビィ「善子ちゃん……今日も学校来なかったね」
花丸「うん……」
梨子「携帯も、こっちから連絡しても返事は返ってこないし、何かあったのかしら……」ピッ!
曜「善子ちゃんのお母さんに連絡してみたけど、本人は具合が悪いって言ってるだけみたいだし……」
鞠莉「……」
ダイヤ「ですが困りましたわね。次のライブも近い状況で、今練習しているダンス、まだパート毎の調整も終わっていないというのに……」
果南「そうだね……鞠莉、善子ちゃんに何かあったとか、心当たりとかない?」
鞠莉「……いえ」
鞠莉(もしかして善子ちゃんは、はなまるうどんの熱心なリピーターだった? もしそうなら、私があんなことを言ったせいで……)
千歌「あーもう! みんなで善子ちゃんのお見舞いでも行く!?」
果南「具合が悪いって話だし、この人数で行っても迷惑だよ」
千歌「だよねぇ……」
花丸(きっと、マルがあんなこと言ったから……善子ちゃん、それで……)
鞠莉「……ねえ、ルビィ、マル」コソッ
花丸「ずら?」 ルビィ「うゅ……ど、どうしたの、鞠莉ちゃん?」
鞠莉「2人とも、善子ちゃんが学校を休む前に、クラスで何か言ってたりしなかったかしら?」
鞠莉「同じクラスだし、私たちよりは何か知っているんじゃないかと思うけれど……」
鞠莉(もし善子ちゃんが2人に私のことを話していたら、全部私が悪いことになってしまう……大丈夫かしら……)ドキドキ
花丸「そ、そんなこと言われても……」
花丸(オラと喧嘩したから……なんて、言えないずら……でも……)
ルビィ「……あ、そういえば、善子ちゃんこの前言ってたよ。うどんがどうとかって」
花丸「えっ?」
鞠莉「えっ?」ビクッ!
花丸「ルビィちゃんにも言ってたの? 善子ちゃん、オラにも言ってたよ。うどんが食べたいって……」
ルビィ「もしかして善子ちゃん、うどん大好きなのかな……意外だけど……」
花丸「……でも、善子ちゃんがマルにうどんの話をしてきたとき、ちょっと酷いこと言っちゃったずら。なんだかしつこかったし」
鞠莉(!? 何だか分からないけど、もしかしたらチャンスよ、マリー!!)
鞠莉「……それなら、私に考えがあるわ」
ルビィ「え?」
花丸「ずら?」
……
………… ――翌日
花丸「小麦粉、お塩、それにうち粉用のも……」ゴトッ
花丸「……」
鞠莉『マル、明日の土曜日、善子ちゃんの家にお見舞いに行ってクダサーイ! これは理事長命令よ!』
鞠莉『お見舞いの品は……そうねぇ、うどんとかいいんじゃないかしら? 手打ちうどんだとなおいいわね!』
花丸「はぁ……どうしてオラがうどんコネなきゃならないずら……」パッ、パッ、パッ!
花丸「まあ、オラも善子ちゃんに酷いこと言っちゃったし、これで善子ちゃんが元気になるなら……えっと、塩水を作って……」
花丸「それにしても、ここ最近の善子ちゃんはうどんうどんって、食いしん坊にも程があるずら」コネコネ
花丸「ふんっ! ふんっ! なんだか、生地に弾力が出来てるような気がするずら……こねるのも大変ずら……」ハァ、ハァ……
花丸「……このっ、善子ちゃん!」パァーンッ!!
花丸「マルがっ! どうしてっ! こんな大変なことしてっ! うどんこねなきゃならないずら! 麺苦手なのに!!」パァーンッ! パァーンッ! パァーンッ! パァーンッ!
花丸「このうどんの生地は善子ちゃんずら! 聞き分けの悪い子は、こうして! こうして! こうずら!!」スパーンッ! スパパーンッ!!
花丸「反省していないみたいだから踏みつけてやるずら! このっ! このっ! いっつも堕天使とかヨハネとか! いい加減大人になるずら! ちゃんと学校来るずら!!」グニッ! グニッ! グニュッ!
花丸「はぁーっ! はぁーっ! 思い知ったかずら! ラップ巻いて1時間くらい寝てろずら!」ネカセーノ ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています