0079名無しで叶える物語(しうまい)
2019/11/19(火) 22:47:38.14ID:Ma1XQ0m5なぜなら今、私たちは沼津国の内浦港に停泊しているからです。それぞれ、実家へと帰省しています。つまり、この船には、私とかすみの二人きり。
ドア「コンコン」
かすみ「夕ご飯出来上がりましたよ」
海未「いつもありがとうございます。今行きます」パタパタ
私は読んでいた本を閉じ、食堂へ向かいました。といっても、ほんのちょっとの距離ですが・・・
心なしかかすみの背中はウキウキしていたような気がします。
かすみ「今日は腕を振るって豪華に作ってみました!」
海未「中華ですか、おいしそうですね。いただきます。もぐもぐ・・・おいしいです。腕を上げましたね、かすみ」
かすみ「海未さんのおかげですよ。また教えてくださいね」
夕食の間は他愛のない話をしていたと思います。あの店がおいしいとか、あの店は値引きしてくれないだとか、函館の肉屋の海獺で散々な目にあったとか、そんな、どこにでもある普通の会話でした。
でも正直、この間のこともあり、かすみとは気まずい空気にはしたくなかったので、自分でも饒舌だと思うほど話過ぎたのだと思います。
それがあの言葉に繋がった。
かすみ「あのっ・・・きょ、今日は一緒に寝ませんか?」