ダイヤ「並行世界に行ける装置?」
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〜部室〜
鞠莉「イエース!オハラグループの総力を結集した夢の装置!」
鞠莉「そのプロトタイプがついに完成したのでーす!」
ダイヤ「そうですか」スタスタ
鞠莉「Oh!反応が薄いわよダイヤ!」
ダイヤ「まだわたくしたちだけしか来てないとは言え、もうすぐ練習ですし準備なさい」
鞠莉「はーい……って違うわよ!」
ダイヤ「何ですの、騒々しい」
鞠莉「ダイヤが話を聞いてくれないからでしょ!」
ダイヤ「はいはい。それでその平行四辺形がどうしたのですか?」
鞠莉「並行世界!んもー、疲れるわねぇ」
ダイヤ「それはわたくしの台詞ですわ」
鞠莉「こほん。それでね、ダイヤにお願いがあるの」
ダイヤ「お断りします」
鞠莉「まだ何も言ってない!」
ダイヤ「どーせその胡散臭い装置の実験台になってくれとでも言うのでしょう?」
鞠莉「ぎくっ」 千歌『だってそうすれば最後の瞬間もみんなで居られるじゃん!』
ダイヤ『それはまぁ、確かにそうですが』
千歌『それに何だかカッコよくない?地球最後の日のライブって』
千歌『これぞまさにグランドフィナーレって感じで』
善子『アンコールなんて無いライブになりそうね』
ダイヤ『縁起でもない事言わないで下さいな』
梨子『でもとっても千歌ちゃんらしいね』
千歌『そういうダイヤちゃんは?』
ダイヤ『わたくしは……でも、千歌さんと似ているかもしれませんわね』
千歌『私と?』
ダイヤ『大切な人たちと、最後を迎えたいですわね』 千歌『大切な人たち……』
善子『一体誰なのかしらねぇ』
梨子『気になるなぁ』
ダイヤ『教えませんわ♪』
善子『ダイヤのケチー、石頭、頑固者ー』
ダイヤ『そこまで言われる筋合いは無いのですが!?』
梨子『あははっ。そんなこんなで番組もそろそろお別れの時間になりました』
ダイヤ『では最後にわたくしたちからの告知をさせて頂きます。千歌さん、どうぞ』
千歌『あ、うん!学園祭のステージでAqoursのライブをやります!』
千歌『最高のステージにするので、是非観に来て下さい!』
梨子『今ライブに向けての練習真っ只中だもんね』
善子『お陰で毎日筋肉痛よー』
ダイヤ『鍛え方が甘いのでは?果南さんに相談ですわね』
善子『それだけはダメー!』 千歌『それではこの時間のお相手は、高海千歌と』
ダイヤ『黒澤ダイヤと』
善子『津島善子と』
梨子『桜内梨子でした!』
4人『ラディオ〜ス』
〜〜〜〜〜
ダイヤ「ふぅ、やってみると放送部の方の大変さが身にしみますわね」
梨子「でも結構楽しかったかな」
善子「何かいつもの休み時間みたいなノリだったけどあれで良かったの?」
千歌「だいじょーぶだいじょーぶ!」
善子「これほど安心出来ない大丈夫は無いわね」
ダイヤ「何はともあれ、ライブの告知もしましたし」
ダイヤ「あとは最高のステージを届けられるように、わたくしたちも準備をしていきましょう」
千歌「うん!」 〜学園祭前日〜
果南「じゃあ今日はここまで!明日に向けて今日は早めに上がろう」
鞠莉「最後の通しリハもパーフェクトだったし、あとは本番を待つのみでーす!」
曜「衣装の調整もバッチリだったね!」
花丸「ルビィちゃんと曜ちゃんが頑張ったお陰ずら」
ルビィ「ルビィたちだけじゃないよ。花丸ちゃんも手伝ってくれたから」
花丸「ううん、おらはそんなに力になれてないよ」
曜「そこは遠慮するとこじゃないぞ〜うりゃうりゃ〜」
花丸「もー!曜ちゃんくすぐったいずら〜」
ルビィ「あははっ」
善子「1年生は楽しそうね」
千歌「だね〜」
ダイヤ「さ、わたくしたちも早く帰りましょう」
千歌「よし!遊びに行こう!」
ダイヤ「話聞いてました?」 千歌「いやー何かこのまま帰るのも勿体ないじゃん?」
ダイヤ「じゃん?と言われましても」
梨子「でもその気持ち分かるな」
ダイヤ「梨子さんまで」
梨子「お祭り前のソワソワした気持ち、誰かと共有してたいもの」
千歌「そうそう!それだよそれ」
善子「まぁ景気付けみたいなのがあっても良いかもね」
ダイヤ「あぁもう分かりましたわ。こうなるとわたくしが不利になるのは目に見えてますもの」
千歌「やたっ!」
ダイヤ「その代わり!明日は大事な本番ですし、羽目を外しすぎないこと!」
千歌「はーい」
梨子「ふふっ、何だかんだダイヤちゃんもノリが良いんだから」
ダイヤ「なっ!」
善子「そのくせして真面目ぶってるからねダイヤは」
ダイヤ「ぶってる!?」
千歌「ほらほら早く行こーよー!」
善子「早くしないと千歌に置いてかれるわよ」
ダイヤ「あ、お待ちなさーい!」 〜〜〜〜〜
千歌「んー!楽しかったー!」
善子「やっぱダイヤは将来走り屋になる素質あるわね」
ダイヤ「ゲームの中の話じゃないですか!」
千歌「梨子ちゃんもガンシューティング上達してたよね」
梨子「うん♪密かに練習してたからね」
善子「それでも回復アイテム横取りするのは変わってなかったけどね」
梨子「言わないで!」
千歌「あははっ。……そうだ、最後にプリクラ撮らない?」
千歌「4人の友情の記念として!」
梨子「……うん、良いと思う」
善子「……そうね」
ダイヤ(……?)
千歌「ダイヤちゃんも一緒に撮ろーよー」
ダイヤ「え、えぇ。構いませんわ」 ダイヤ(千歌さんたちの振る舞いから)
善子「ほら、詰めなさいよ」
梨子「あぁちょっと、押さないで」
ダイヤ(ふと、感じてしまった事がありました)
千歌「善子ちゃん全然フレームに収まってないよ?」
善子「ちょっとー!」
ダイヤ(他愛もない、友達同士でプリクラを撮るという行為なのに)
梨子「はい、笑って笑って」
善子「ダイヤ、表情固いわよ」
ダイヤ「あ、はい」
ダイヤ(どうしようもなく胸が締め付けられてしまったのです)
千歌「じゃあいくよ、みんな」
千歌「これが、私たちがここに居た、証なんだ」ボソッ
<ハイ、チーズ
パシャリ
ダイヤ(まるで、別れが迫ってきているかのような) 今日はここまで!
分割になってしまいますが明日には最後までいける、はず! 引きが絶妙すぎて
|c||^.-^||わくわくAqoursですわ! ダイヤ主人公作品に名作が多い法則がまた証明されてしまうのか ダイヤさんSSは軽率に時空越えたり別次元混ざったりするから好き 〜学園祭当日〜
果南「やっほーダイヤ」
鞠莉「遊びに来たわよー!」
ダイヤ「果南さん、鞠莉さん」
鞠莉「んーそれにしても」
ダイヤ「な、何ですか?」
鞠莉「ダイヤのメイド姿ベリーキュートでーす!」
ダイヤ「ま、まじまじと見ないで下さい!」
果南「いやぁでもほんとよく似合ってるよ。梨子ちゃんの案なんだっけ?」
ダイヤ「えぇ。最初は喫茶店のはずだったのですが、いつの間にかメイド喫茶に」
鞠莉「あ、メイド喫茶なんだからアレやってよアレ!」
果南「お約束のやつだね」
ダイヤ「うっ……し、仕方ありませんわね」
ダイヤ「……い、いらっしゃいませご主人さま」
鞠莉「よし、録音完了よ」
ダイヤ「消して下さい!」 善子「ダイヤ、何遊んでんのよ」
ダイヤ「善子さん」
鞠莉「Oh!善子もダイヤに負けないくらいキュートでーす!」
善子「おだてても何も出ないわよ」
果南「そんなんじゃないって」
善子「で、何か飲んでくの?サービスするわよ、ダイヤが」
ダイヤ「わたくしなのですか!?」
果南「んー魅力的な提案だけど、様子見にきただけだから大丈夫だよ」
鞠莉「ダイヤと善子のメイド服を拝むのがメインでーす」
鞠莉「本当はチカっちと梨子のメイド服も拝みたかったけどね」
ダイヤ「あの2人はもうシフトを外れて自由行動中ですわ」
善子「私たちももうすぐ交代だから後はライブに向けて集中するだけよ」
果南「せっかくの学園祭なんだしもうちょっと楽しめば良いのに」
鞠莉「じゃあ次は1年生の様子を見にレッツゴーでーす!」
果南「2人とも、また後でね」 善子「何だったのよ全く」
ダイヤ「そういえば果南さんたちのクラスの出し物って何だでしたっけ」
善子「えぇと……確かお化け屋敷ね」
ダイヤ「あぁ、そういう事ですか」
善子「ま、私たちは私たちの仕事をしましょ。もうすぐ交代なんだし」
ダイヤ「そうですね。それにしても……」
善子「どうしたの?」
ダイヤ「いえ。善子さんはいつも通りだなと思いまして」
善子「いつも通り?」
ダイヤ「この後ライブを控えていますのに、特に浮き足立つ事もなく落ち着いているので」
善子「まぁね。今更あーだこーだやったところで意味ないでしょ」
善子「いつも通りの日常を過ごして、ステージに立つ。それだけよ」 ダイヤ「なるほど、それが善子さんの矜持というわけですね」
善子「そんな大層なものじゃないけどね。それより梨子どこ行ったか知らない?」
ダイヤ「梨子さんですか?特に聞いていませんが」
善子「そっか。いやね、ライブで流す音源を梨子が持ってるんだけど」
善子「そろそろ放送部に渡さなきゃなのに、電話にも出ないしメッセージも既読付かないのよ」
ダイヤ「なるほど。ではわたくしが探しに行きましょうか?」
善子「ごめんお願い!こっちは私がやっとくから」 ダイヤ「とは言えどこを探したものでしょうか」
ダイヤ「1年生と3年生の教室に居るのなら他のメンバーから連絡がありそうですし」
〜♪
ダイヤ「おや?この音は……」
ダイヤ「音楽室の方から聞こえますわね。という事は……」
ダイヤ「……」ソー
梨子「〜♪」
ダイヤ「やはり梨子さんのピアノでしたか」
ダイヤ「それにしても、本当に優雅に、そして楽しそうに弾きますわね」 梨子「ふぅ……」
パチパチパチパチ
梨子「えっ?」
ダイヤ「素晴らしい演奏でしたわ」
梨子「あ、ダイヤちゃん」
ダイヤ「よほど夢中で弾いていたのでしょうね。スマホ、ご覧なさいな」
梨子「スマホ?うわっ善子ちゃんから電話とメッセージがいっぱい来てる!?」
ダイヤ「今日のライブで使う音源を放送部の方に渡したいそうですよ」
梨子「あ〜そうだった。すっかり忘れてたなぁ」
ダイヤ「ところで何故音楽室に?」
梨子「うん、何となく足が向いちゃってね」
梨子「ここでみんなで練習したなぁって」
梨子「私がピアノを弾いて、みんなが周りで歌ってくれて」
梨子「その光景を思い出したら、居ても立っても居られなくなって」
ダイヤ「ピアノを弾き始めたと?」
梨子「善子ちゃんには悪いことしちゃったけどね」 ダイヤ「でも、わたくしは得した気分ですわ」
ダイヤ「梨子さんの演奏会を少しだけ、独り占め出来ましたし」
梨子「言ってくれたらいつでも弾いてあげたのに」
ダイヤ「あら?それは何だか損した気分ですわね」クスッ
梨子「もう、ダイヤちゃんったら。……あ、善子ちゃんからまたメッセージが」
ダイヤ「そろそろ戻った方が良いかもしれませんね」
梨子「うん、そうする」
ダイヤ「ところで千歌さんは一緒ではなかったのですね」
梨子「千歌ちゃんなら多分体育館かな。早くライブしたいしたいずっと言ってたし」
ダイヤ「何ともまぁ千歌さんらしいこと。仕方ありません、わたくしが迎えに行きますわ」
梨子「私も音源渡したら善子ちゃんとそっちに行くね」 〜〜〜〜〜
ダイヤ「全く、どの世界の千歌さんも世話が焼けるんですから」
ダイヤ「……」
ダイヤ「結局、元の世界に戻れぬまま過ごしてしまいましたわね……」
ダイヤ「このまま、一生こっちの世界で過ごす事になるのでしょうか」
ダイヤ「誰も……助けに来てくれないのですね」
ダイヤ「はぁ……」
???「いたーーーーーーーー!!!」
ダイヤ「えっ?」 千歌?「はぁ……はぁ……探したよ」
ダイヤ「あぁ、千歌さんでしたか。って探したはこっちの台詞でs」
千歌?「帰ろう!ダイヤさん!」
ダイヤ「はっ?えっ……?」
千歌?「あれ、えっと……ダイヤさん、だよね?」
ダイヤ「そ、そうですが……。あの、千歌さん?」
千歌?「並行世界に行く装置!」
ダイヤ「!」
千歌「鞠莉ちゃんに頼んで私も使ったの!ダイヤさんを連れ戻す為に!」 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■
SIDE CHIKA
■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 〜現実世界〜
千歌「ダイヤさん随分ぐっすりだねぇ」
善子「疲れ溜まってんじゃない?どっかの理事長がこき使うせいで」
梨子「あはは。でもダイヤさん起きないと練習始められないよね」
千歌「そうだねぇ。鞠莉ちゃーん、ダイヤさんまだ起きないの?」
鞠莉「……」
千歌「鞠莉ちゃん?」
鞠莉「……しい」
千歌「鞠莉ちゃん、どうしたの?」
鞠莉「おかしいのよ」
善子「おかしい?」
鞠莉「マリーが実験した時、こんなにも長くは続かなかった……」
千歌「あの、鞠莉ちゃん。何を言って」
鞠莉「いくら適正が高いからって、おかしいのよ」
梨子「それって……」
鞠莉「本当なら、ダイヤはとっくに目が覚めてるはずなの……!」
千歌「えっ……」 果南「ちょっと鞠莉!どういうこと!?」
ルビィ「おねぇちゃん、どうしちゃったの……?」
鞠莉「バイタルは安定してるから命に別状は無いわ」
鞠莉「脳波の乱れは……乱れがない……?」
千歌「鞠莉ちゃん?」
鞠莉「何で脳波に乱れが無いのよ……これじゃまるで……」
曜「よく分からないけど、無い方が良いんじゃないの?」
鞠莉「並行世界に干渉するのは、摂理に反してることなの」
鞠莉「だから本来は並行世界から拒絶されるのよ」
鞠莉「マリーが実験した時もそうだった」
千歌「拒絶されるとどうなるの?」
鞠莉「並行世界から弾き出されてしまうの。それによって意識が現実世界に戻ってくるわけ」
鞠莉「その経過が脳波の乱れとして現れるはずなのよ」
鞠莉「それなのに、ダイヤの脳波には全く乱れが無い」
鞠莉「脳波がマッチしすぎてる、それこそ現実世界と変わらないくらいに」 花丸「つまり、どういうことずら?」
鞠莉「あくまでも推測よ。ダイヤは並行世界に受け入れられてしまった可能性が高いわ」
千歌「並行世界に受け入れられる……?」
鞠莉「もっと言えば、並行世界がダイヤを手放してくれないの」
ルビィ「そんな……!おねぇちゃん!」
鞠莉「ストップよルビィ!無理矢理に起こそうとすると危険よ」
鞠莉「向こうに行ったダイヤとのリンクが切れて、最悪向こうの世界に置いてけぼりになるかもしれないわ」
果南「じゃあどうすんのさ!」
鞠莉「……方法はあるわ」
千歌「本当!?」
鞠莉「この装置、2人までなら同時に使える設計になってるの」
千歌「えっ?」
鞠莉「だから、ダイヤがたどり着いた並行世界に行って、連れ戻すのよ」
鞠莉「ダイヤのことを手放さない理由を解決してね」 梨子「でも、それって危険なことなんじゃ」
善子「それに、誰が行くのよ」
鞠莉「そんなの、マリーに決まってるでしょ!」
鞠莉「マリーのせいでこんなことになったんだから……!」
果南「鞠莉……」
鞠莉「それに、自分で実験は何度もやってまーす」
鞠莉「ダイヤみたいになることはないはずよ」
鞠莉「だから」
千歌「待って!」
鞠莉「チカっち?」
千歌「私が行くよ」
鞠莉「何ですって!?」 千歌「実験してるからって、ダイヤさんみたいにならない保証は無いでしょ?」
鞠莉「それは……」
千歌「この装置をどうにか出来るのって鞠莉ちゃんだけなんだから」
千歌「鞠莉ちゃんに何かあったらもう私たちに出来ることが無くなっちゃうよ」
鞠莉「でも、でも……」
千歌「それに、困ってる仲間に手を差し伸べるのが、リーダーの役目じゃないかな?」
鞠莉「チカっち……」
曜「……もうこうなった千歌ちゃんはテコでも動かないね」
果南「そうだねぇ。こういう時に限って頑固になるんだから」
千歌「えぇ〜?何か言い方酷くない?」 鞠莉「……分かったわ。チカっちに全てを託します」
千歌「ありがと!」
善子「でもそもそもの話、同じ並行世界に都合良く行けるわけ?」
鞠莉「ダイヤの脳波とシンクロさせれば、理論上は行けるわ」
梨子「千歌ちゃん、気をつけてね」
ルビィ「おねぇちゃんを……助けて……!」
千歌「任せて!」
鞠莉「それじゃチカっち、準備は良い?」
千歌「いつでも!」
鞠莉「これをかぶって。だんだん眠くなるから」
千歌「……んん」ウトウト
千歌「……Zzz」
果南「行った?」
鞠莉「そうね。あとはチカっちを信じましょう」 〜〜〜〜〜
千歌「んっ……」
千歌「ここは……部室?」
千歌「そうだ、並行世界に来たんだ」
千歌「でも見えてる景色は全然変わらない、本当にここが並行世界?」
ワイワイガヤガヤ
千歌「何か外が騒がしい……」
千歌「一体何が……えっ!?」
千歌「が、学園祭……?」
千歌「元の世界では学園祭なんてやってなかった……ってことは」
千歌「本当に並行世界に来たの……?」
千歌「と、とにかくダイヤさんを探さないと」
千歌「先ずは3年生の教室から探そう!」 〜3年生の教室〜
千歌「お化け屋敷……」
千歌「さ、流石にお化け役で楽しんでたりなんかしてないよね……?」
千歌「教室の周りには居ないみたいだけど」
モブ先輩「あれ?高海さん?」
千歌「は、はいいいい!?」
モブ先輩「わっ、びっくりしたぁ」
千歌「あ、あはは。ごめんなさい」
千歌(あんまりこっちの世界の人と関わっちゃいけない気がするけど、こればっかりは仕方ないよね)
モブ先輩「さっき2年生の子が高海さんのこと探してたよ?」
千歌「そ、そうですか」
モブ先輩「誰だっけ、えぇっと……」
千歌(梨子ちゃんかな、それとも曜ちゃん?)
モブ先輩「そうだ、黒澤さん!」
千歌「ダイヤさんが……んっ?」
千歌(おかしいな、聞き間違いかな) 千歌「あの、さっき2年生って言いましたよね?」
モブ先輩「うん」
千歌「ダイヤさんって2年生じゃなくて3年生じゃ」
モブ先輩「またまた〜。同じ2年生でしょ、高海さんと黒澤さんって」
千歌「は?え?」
モブ先輩「それに、Aqoursの3年生は果南と鞠莉だけでしょ?」
千歌「!!??」
千歌(そんな……これが並行世界ってこと……?)
モブ先輩「高海さん?」
千歌「……あ、ごめんなさい。それで、ダイヤさんはどこに?」
モブ先輩「体育館の方に行ったかなぁ」
千歌「あ、ありがとうございます!」 タッタッタッタッタッタッ
千歌(ダイヤさんが2年生の世界が存在したなんて……)
千歌(もう、鞠莉ちゃん何てもの作ってくれたの!)
千歌(でも変な世界じゃなくて良かった)
千歌(これならまだダイヤさんを見つけやすいよね!)
千歌(……着いた!体育館!)
千歌「はぁ……はぁ……」
千歌「ダイヤさんは……」キョロキョロ
千歌「……あっ!」
千歌「いたーーーーーーーー!!!」 ダイヤ「えっ?」
千歌「はぁ……はぁ……探したよ」
ダイヤ「あぁ、千歌さんでしたか。って探したはこっちの台詞でs」
千歌「帰ろう!ダイヤさん!」
ダイヤ「はっ?えっ……?」
千歌「あれ、えっと……ダイヤさん、だよね?」
千歌(そっか、そもそもこの世界が私の世界のダイヤさんがたどり着いた世界だって確証は無いんだ)
千歌(んー、えーっと、そうだ!)
ダイヤ「そ、そうですが……。あの、千歌さん?」
千歌「並行世界に行く装置!」
千歌(この反応で、分かるはず!)
ダイヤ「!」
千歌「鞠莉ちゃんに頼んで私も使ったの!ダイヤさんを連れ戻す為に!」 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■
SIDE CHIKA 〜END〜
■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ダイヤ「千歌、さん……?助けに来てくれたのですか……?」
千歌「その反応、やっぱりダイヤさんだ!」ギュー
ダイヤ「もう、何て無茶をするんですか」ナデナデ
千歌「えへへ〜、でも会えて良かったです!」
千歌「さ、帰りましょう!と言いたいところなんだけど」
ダイヤ「帰り方が分かってればとっくに帰ってましたけどね」
千歌「それなんだけどね、この世界がダイヤさんを手放してくれないみたいなの」
ダイヤ「世界が手放さない……」
千歌「だからその理由を解決すればダイヤさんも元の世界に」
???「だめーーーー!ダイヤちゃんを連れて帰らないで!」
ダイヤ「!?」
千歌「えっ……」 現実千歌「私がもう1人……目の前に居る……」
現実千歌「も、もしかして……この世界の私……?」
千歌「……」
現実千歌「あの、えっと、その、私は……」
千歌「ダイヤちゃんを連れ戻しに来たんだよね?」
現実千歌・ダイヤ「えっ…?」
梨子「こうなった以上、もう隠せないよ千歌ちゃん」
善子「いずれこうなるだろうとは思ってたけどね」
ダイヤ「梨子さん?善子さん?」
梨子「2人に説明してあげよ?」
ダイヤ「説明?」
千歌「うん。理解してもらえないかもしれないけど」
千歌「2人は知る権利があるもんね。この世界について」 千歌「実はね、ダイヤちゃんが別の世界の人間だって事は、私たち知ってたんだ」
ダイヤ「はい?」
梨子「そっちの千歌ちゃんも、そうだよね?」
現実千歌「う、うん」
善子「ま、どういう原理でこの世界にやって来たのかまでは分からないけどね」
ダイヤ「そうだったのですか……。仰る通り、わたくしはこの世界の人間ではありません」
ダイヤ「わたくしの世界の鞠莉さんが作った“並行世界に行ける装置”を使った結果」
ダイヤ「こちらの世界にやって来たというわけです」
現実千歌「私も」
梨子「並行世界に行ける装置って……」
善子「とんでもないもの作ってくれたわね、そっちの鞠莉は」
千歌「あははっ。じゃあ並行世界の存在については今更説明する必要も無いね」 千歌「ダイヤちゃんたちの世界もね、言ってしまえば並行世界の1つなんだ」
千歌「ある1つの大きな世界からいくつも枝分かれして」
千歌「それぞれがそれぞれの世界として存在し続けてる」
千歌「ダイヤちゃんたちの世界は、その数ある世界のうちの1つなの」
ダイヤ「そういう意味では、この世界も並行世界の1つなのでしょう?」
千歌「う〜ん、厳密にはね、並行世界に“なるはずだった”世界かな」
現実千歌「はずだった?」
善子「私たちの世界は、存在することを許されなかった世界なのよ」
ダイヤ「それはどういう……」
梨子「ダイヤちゃんたちの世界はある1つの世界が元になってる、って話は千歌ちゃんがしたよね?」
ダイヤ「えぇ」
善子「私たちの世界にも、元になる世界が存在したの」
梨子「一瞬だけね」
現実千歌「えっ?」 千歌「無くなっちゃったんだ」
ダイヤ「無く……えっ?」
善子「正確には、上書きされたってのが正しいわね」
現実千歌「上書き……?」
梨子「そっ。何の前触れもなくある日突然世界は姿を変えてしまったの」
善子「私たちの世界は、その上書きされる前の世界から生まれるはずだったから」
千歌「元の世界が無くなったことで、この世界は存在させてもらえなかったんだ」
ダイヤ「そんな……」
現実千歌「でも、それじゃ何でダイヤさんはこの世界に来れたの?」
現実千歌「今私たちが居るこの世界は何なの!?」
現実千歌「鞠莉ちゃんは並行世界に行ける、って言ってたんだよ?」
現実千歌「存在しない世界に、どうして……」
善子「それはこっちの千歌のせいかしらね」
現実千歌「えっ?」
千歌「せいって言わないでよ!私だけじゃないでしょ!」 ダイヤ「あの、詳しく聞いても?」
千歌「うん。私ね、ずっと願ってたの」
千歌「何も出来ないまま、私たちのAqoursは始まることなく終わっちゃって」
千歌「この9人でAqoursって言いたかった」
千歌「この9人で輝きたかった」
千歌「だからずっと願ってた。私たちも、輝きたい!って」
梨子「千歌ちゃんだけじゃないよ。私も、善子ちゃんも」
善子「他のメンバーだって、同じことを願ってたはずよ」
千歌「ふふっ、そうだね。そしたらね、神様が1回だけ奇跡を起こしてくれたんだ」
梨子「生まれるはずのなかった、存在することを許されなかった」
善子「私たちが生きるはずだった世界が創られたのよ」
梨子「でも、それだけじゃダメだったの」
善子「誰かがこの世界を“観測”しないと、並行世界として成り立つことが出来なかった」
千歌「そこに現れたのがダイヤちゃんだったんだ」 善子「何の因果か、ダイヤはこの世界を“観測”することが出来た」
梨子「観測者が現れたことで、この世界は並行世界として存在するようになったの」
ダイヤ「なるほど……。何となくですが、少しは理解出来たと思います」
千歌「良かったぁ、私の下手な説明でも理解してくれて」
ダイヤ「ですが、分からない部分もあります」
千歌「ありゃりゃ」
ダイヤ「それは、この世界の本来のわたくしについてです」
ダイヤ「千歌さんは2つの世界の千歌さんが存在しているのに、何故わたくしは1人だけなのでしょうか?」
ダイヤ「この世界のわたくしはどこに居るのですか?」 千歌「う〜ん、何て言ったら良いか」
千歌「私としてはね、ダイヤちゃんの方がイレギュラーだと思うんだ」
ダイヤ「わたくしが?」
善子「この世界の本来のダイヤは、今私たちの目の前に居るわ」
ダイヤ「は?」
梨子「こっちの世界の本来のダイヤちゃんは、貴女を通じて存在し続けてるの」
ダイヤ「わたくしを通じて……?すいません、言っている意味が……」
千歌「あはは。たまに知らないはずの光景なのに知ってる、みたいなこと無かった?」
ダイヤ「えぇ、何度か」
善子「この世界のダイヤの想いを共有出来てる証拠ね」
梨子「今ここに居るダイヤちゃんは、2つの世界のダイヤちゃんが共存してる感じに近いかな」
千歌「でもそれこそがイレギュラーなんだよ」
ダイヤ「どういう事ですか?」 善子「本来は共存出来るものではないの」
善子「だからそっちの千歌みたいに、別個の存在になるはずなのよ」
千歌「何でかダイヤちゃんはこっちの世界のダイヤちゃんと同化しちゃったんだよねぇ」
ダイヤ「そういえば鞠莉さんに言われましたね」
ダイヤ「わたくしだけ装置への適性が異様に高いと」
善子「あぁ、そういうこと」
ダイヤ「心当たりがあるのですか?」
善子「いや、心当たりというか、ほら」
善子「並行世界を股にかけると言えばダイヤみたいなところがあるじゃない?」
ダイヤ「えぇ……何ですかそれ」
梨子「まぁそういう体質なのかもしれないね、ダイヤちゃんは」
ダイヤ「そんな……」 現実千歌「う〜何だか壮大な話になってきて頭ゴチャゴチャだよ〜」
千歌「それはそっちの世界の鞠莉ちゃんのトンデモ技術に言ってよ〜」
善子「そもそも並行世界に行ける装置なんて世紀の大発明よ」
現実千歌「た、確かに……あ、そういえば」
ダイヤ「どうしました?」
現実千歌「ダイヤさんが戻れなくなった理由、鞠莉ちゃんが言ってた」
現実千歌「ダイヤさんは並行世界に受け入れられて、元の世界に戻れなくなったって」
現実千歌「それってもしかして……」 千歌「まぁそうなるよねぇ」
善子「この場合、手放さなかったのは世界って言うより千歌になるけどね」
千歌「あはは、ごめんごめん」
千歌「もちろん、学園祭ライブが終わったら元の世界に帰すつもりだったよ」
千歌「この世界が消える前に」
現実千歌「世界が、消える?」
梨子「運命はね、変えられないの」
千歌「この世界は私たちの願いから作られた奇跡の世界」
善子「でも、本来は存在してはいけない世界」
千歌「ダイヤちゃんはこの世界でやたら地震とか異常気象が多かったの知ってるよね?」
千歌「それはこの世界が消えかかってる証拠、もうこれ以上はまともに世界を保てないんだ」
ダイヤ「……」 千歌「だから世界が消える前に、奇跡が続いてる間に」
千歌「私たちの輝きを残したかった」
千歌「他の世界の私たちに比べたら、ちっぽけな輝きかもしれない」
千歌「でも!この世界にもAqoursがいた証を刻みたかった!」
ダイヤ「それが、学園祭でのライブ……」
千歌「新曲を作った理由もそう。この世界にしか存在しない曲を作りたかったんだ」
千歌「だからお願い、あと少し……あと少しだけ私たちに時間を下さい」ペコリ
ダイヤ「千歌さん……」
現実千歌「はぁ……そんなの聞いちゃったら、断れるわけないよ」
現実千歌「ていうか元々ダイヤさんが帰れない理由を解決する気でいたんだからね!」
千歌「なんだぁ、それ先に言ってよ〜!」
現実千歌「あんな話されたら言うタイミング無いよ!」
ダイヤ「ふふっ、千歌さん同士で喧嘩しないで下さいな」クスッ
グラ・・・
千歌「……大きい」 ガタガタガタガタ
ダイヤ「今までで1番大きいですわね……」
善子「この世界に残された時間も、あと少しってとこね」
オーイ、チカー
千歌「あ、果南ちゃんだ」
梨子「そろそろ時間よ」
現実千歌「……ほら、行った行った!」
ダイヤ「ちょ、千歌さん!?」
現実千歌「どの世界のAqoursも、Aqoursなんだよ」
ダイヤ「千歌さん……」
現実千歌「ダイヤさんがこの世界に来た意味、分かった気がする」
現実千歌「精一杯輝いてきて、それで、一緒に帰ろ?」
ダイヤ「……えぇ!もちろん!」 〜ステージ裏〜
千歌「いよいよだね」
ルビィ「緊張してきたよぉ……」
花丸「あれだけ練習したんだから、大丈夫ずら」
曜「もしルビィちゃんが失敗しちゃったら、私も一緒に失敗するよ!」
果南「こらこら、コントみたいにするんじゃありません」
鞠莉「いっそコメディアンにでもなってみる?」
梨子「も〜緊張感あるんだかないんだか」
善子「これくらいの方が私たちらしくて良いんじゃない?」
千歌「あはは、確かに!」
千歌「……ダイヤちゃん、ありがとね」
ダイヤ「わたくしは特段お礼して頂けるようなことは何も……」
千歌「ううん。ダイヤちゃんがここに居るお陰で、私たちは輝きを残せるんだよ」
ダイヤ「千歌さん……」
ダイヤ(そう、これが……わたくしがこの世界に来た意味なのですね)
ダイヤ(この9人の輝きを……見届ける事が、観測者としてのわたくしの務め)
ダイヤ(ならばその務め、しっかりと果たさせて頂きます!) 千歌「よーし!みんな、準備は良い!?」
8人「……」コクッ
千歌「精一杯、全力で、最後まで輝き続けよう!」
千歌「Aqours!」
サーーーーンシャイーーーーン!!! 〜♪
現実千歌「凄い……」
現実千歌「Aqoursのパフォーマンスって、こういう風に見えるんだ」
現実千歌「それに、これがこの9人での初めてのライブだなんて全然感じない……」
現実千歌「あっ……そっか」
現実千歌「これがこの9人での、最初で最後のライブなんだ……」
千歌『他の世界の私たちに比べたら、ちっぽけな輝きかもしれない』
現実千歌「全然ちっぽけじゃないよ」
現実千歌「眩しすぎて、よく見えないや」グスッ ワァァァァァァァァァ!!!
千歌「はぁ……はぁ……」
9人「ありがとうございました!」
千歌「やった……やったんだ!」
梨子「やったよ、千歌ちゃん!」
善子「これが……この9人で、この9人だけの」
ダイヤ「輝き……!」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
梨子「きゃっ!」
ダイヤ「な、なにが」
善子「……始まったみたいね」
現実千歌「ダイヤさん!」
千歌「……行って!2人とも、早く行って!」
千歌「もう、この世界はこれ以上保たないよ」 ダイヤ「そんな……」
現実千歌「でも行けって、どこに行けば」
千歌「ダイヤちゃんにとって、この世界の始まりの場所はどこだった?」
ダイヤ「始まり……」ハッ
ダイヤ「部室!」
善子「始まりと終わりは、いつだって表裏一体なのよ」
現実千歌「行こう!ダイヤさん!」
ダイヤ「は、はい!」 果南「……行っちゃったね」
鞠莉「良いの?チカっち」
千歌「……」
鞠莉「それに、梨子と善子も」
梨子「……」
善子「……」
鞠莉「このまま黙って見送るだけの良いの?」
千歌「……よく、ない!」
梨子「行こっ!」
善子「承知!」
タッタッタッ!
鞠莉「全く、最初からそうすれば良いのに」 〜部室〜
現実千歌「着いた!」
ダイヤ「本当に、部室に入るだけで元の世界に戻れるのでしょうか……」
現実千歌「分かんないけど、とにかく開けてみよう!」
ガチャ
現実千歌「うわぁ!?」
ダイヤ「真っ暗……電気が付いてないとかそういう問題ではなく」
現実千歌「何もない……無って感じがする」
ダイヤ「ほ、本当に大丈夫なんですか?」
現実千歌「私に言われても分かんないよ!」
千歌「大丈夫だよ!」
ダイヤ「えっ?」
千歌「はぁ……はぁ……」
ダイヤ「千歌さん、それに」
梨子「間に合った……」
善子「ライブ終わりに全力ダッシュはきついわよ……」
ダイヤ「梨子さんと善子さんまで」 千歌「部室に広がってる空間は、時空の狭間って感じかな」
千歌「本当は見えないようになってるんだけどね」
善子「もうこの世界はそれだけ崩壊してるってことよ」
梨子「だから、そこに飛び込めば元の世界に戻れるよ」
ダイヤ「そうですか……」
ダイヤ「……」
千歌「ダイヤちゃん?」
ダイヤ「いえ、その……」
現実千歌「……よし!じゃあ先に戻ってるね!」
ダイヤ「千歌さん?」
現実千歌「少しの間とは言え、一緒に過ごしてきた仲間なんでしょ?」ボソッ
ダイヤ「……!」
現実千歌「元の世界で、待ってるから!」
現実千歌「ていっ!」
ダイヤ「あぁ、千歌さん!」 千歌「……行っちゃった」
梨子「こういう所はどこの世界の千歌ちゃんも変わらないのね」クスクス
千歌「むぅ、それ褒めてる?」
ダイヤ「……」
千歌「ふふっ。どうしたの?ダイヤちゃん」
ダイヤ「……どうしてでしょうね、急に別れるのが辛くなってきました」
千歌「ダイヤちゃん……」
ダイヤ「元の世界では、わたくしは3年生なのです」
ダイヤ「2年生は千歌さんと梨子さんと曜さんで」
ダイヤ「1年生は善子さんと花丸さんとルビィ」
ダイヤ「だから、この世界に来た時は戸惑いました」 ダイヤ「後輩だった子が同級生で、同い年の幼馴染が先輩になって」
ダイヤ「わたくし、千歌さんたちと遊んだ事なんて無かったんですよ?」
千歌「そっか」
ダイヤ「どう接して良いのかも手探りで……」
ダイヤ「でも、千歌さんたちと過ごす毎日はとても新鮮で、刺激的でした」
ダイヤ「今まで見たことのない景色がたくさん見れました」
ダイヤ「本当に、楽しかったんです」 ダイヤ「善子さんとチョコレートを食べた事も」
善子「……」
ダイヤ「梨子さんとお洋服を買いに行った事も」
梨子「……」
ダイヤ「千歌さんとお家でまったりした事も」
千歌「……」
ダイヤ「全部、全部……忘れられない、忘れたくない思い出になりました」
ダイヤ「だから、絶対に忘れません。千歌さんたちの事……この世界の事を」
千歌「うん……ありがとう、ダイヤちゃん」
千歌「私たちも、ダイヤちゃんと過ごせて楽しかったよ」
梨子「ダイヤちゃんが覚えててくれる限り、私たちはずっと生き続けられるよ」
善子「本当はまだまだやり足りないことあったんだから」
千歌「私たちが紡げなかった物語は、あっちの“千歌たち”と紡いでいってね」
ダイヤ「千歌さん、梨子さん、善子さん……勿論ですわ」 ダイヤ「ところで、ふと気になったのですが」
千歌「どうしたの?」
ダイヤ「わたくしがこの無の空間に入った後、この世界の本来のわたくしはどうなるのでしょうか」
梨子「う〜ん、どうもしないというか」
ダイヤ「どうもしない?」
善子「そこが無の空間に見えるのはダイヤだけなのよ」
千歌「私たちにはダイヤちゃんが部室の中に入るようにしか見えないんだ」
ダイヤ「なるほど……」
千歌「だからダイヤちゃんの意識が切り離されたら、こっちの世界のダイヤちゃんとして目が覚めるはずだよ」
ダイヤ「それで……その後は」
千歌「……ご想像どおりだよ」
ダイヤ「そうですか……」
善子「ほら、シャキッとしなさい!」
梨子「最後は、笑顔でお別れしよ?」
ダイヤ「……はい!」 ダイヤ「では、行きますね」
千歌「うん、元気でね!」
梨子「身体には気をつけてね!」
善子「抹茶チョコ食べすぎるんじゃないわよ」
ダイヤ「そんなに食べませんわよ!なんなんですかもう!」
千歌「あははっ……あっちの千歌にもよろしくね」
ダイヤ「えぇ、分かりましたわ」
ダイヤ「それでは」
ダイヤ(さようなら) 〜〜〜〜〜
果南「千歌ー!」
千歌「果南ちゃん。みんなも」
曜「行ったんだね?」
千歌「うん」
鞠莉「それで、こっちのダイヤは?」
千歌「もう少しで目が覚めると思う」
ルビィ「おねぇちゃん……」
花丸「良かった、何とか間に合ったずら」
善子「……アンコールは、無さそうね」
梨子「全部出し切ったもん」
千歌「あははっ、そうだね」
千歌「……この9人で、Aqoursで良かった」
千歌(最後は、みんなで……) ====================================================================
ダイヤちゃん……
ありがとう……
==================================================================== 〜現実世界〜
ダイヤ「んん……ここは」
千歌「ダイヤさん、おかえり」
ダイヤ「……千歌、さん」
梨子「ダイヤさん」
善子「調子はどう?」
ダイヤ「梨子さん、善子さん……」
ダイヤ「すいません……!」ギュウウウ
千歌「わわっ!」
梨子「ちょ、ダイヤさん?」
善子「く、くるし……」
ダイヤ「今は、少しだけ……こうさせてください……」
千歌「ダイヤさん……」 ダイヤ(わたくしは無事に元の世界に戻ってこれました」
鞠莉「ほんっっっっっっっっとうにごめんなさい!」
ダイヤ(原因を作った鞠莉さんは責任を感じていたらしく)
ダイヤ(しつこいくらいに謝り倒してきました)
ダイヤ(本当なら一生口を利かないレベルですが)
ダイヤ(あの世界での出来事を考えると、この装置にも意味があったと思うので)
ダイヤ(“千歌さんたち”に免じて水に流しました)
ダイヤ(ちなみに、あの装置はもう廃棄したそうです)
ダイヤ(人知を超えた技術力の結晶である事に間違いはありませんでしたが)
ダイヤ(その技術をもっと他のものに使うべきではないですかね)
ダイヤ(そして、わたくしはと言うと) 善子「この面子で遊ぶなんてねぇ。どういう風の吹き回しなんだか」
梨子「私は新鮮だし良いと思うけど?」
千歌「ねぇねぇ、どこで遊ぼっか!」
ダイヤ「……」
ダイヤ(初めてのはずなのに、どこか懐かしさを感じてしまいますね)
ダイヤ(……)
善子『またゲーセン行くの?』
梨子『善子ちゃんの銃さばき、もう1回見たいなぁ』
千歌『ほら!早く行こうよー!』
ダイヤ「……」クスッ
梨子「どうしたんですか?ボーッとして」
ダイヤ「いえ、何でもありませんわ」
善子「誘ってきたのはそっちなんだからしっかりしてよね!」
ダイヤ「えぇ、勿論ですわ」
千歌「ほら、行こっ!ダイヤ……ちゃん!」
ダイヤ「……はい!」
ダイヤ(わたくしたちの物語は、ここから紡がれていくのです)
END 以上、「初期設定のまま話が進んでたら〜アニメ風〜」でした
3日間に渡りお付き合いありがとうございました
初期設定の特に2年生はロマンがあるのでたまにでも思い出してやって下さい 存在が消えた世界とAqoursらしさの組み合わさった設定が秀逸で、切なくも感動的で面白かった
こういう仮面ライダーでも割と扱われてた、死に切れない存在的な話に弱い 乙!
めちゃくちゃ良かったです
やっぱパラレルワールドといえばダイヤさんなんだよなぁ 乙!面白かった!!
俺たちも観測したんだからあの世界も存在し続けるんじゃないかな… いいパラレル設定でした。こんな並行世界もいいなって素直に思える
おつ! おつおつ良かった!
パラレルAqoursの行く末を考えると切なくなるね やはりクロスものは堪らないなぁ、丁寧に仕上げて読み応えあった!
RPGのクリア出来なかった世界とか、ドラえもんのもしもボックスのとか類似の話題が好きなんでハマった ちょうどいい長さで楽しかったです
書いてくれてありがとう
曜ちゃん一年生だったらすごく可愛かったんだろうなあ
活発な後輩... ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています