まだヨチヨチ歩きの千歌ちゃんが家族が目を離した隙に向かいの海岸まで歩いていってしまう

そこで見つけた観光客が放置して帰ってしまったビニールボートで遊ぶ千歌ちゃん

遊び疲れてお昼寝してしまう千歌ちゃんをボートごと引き潮がさらっていく

その頃、部屋に千歌ちゃんが居ないことに気づいた家族が半ば半狂乱で辺りを捜すが、見つかるはずがない

ボートの底から伝わる海水の冷たさで目が覚めた千歌ちゃんは、遠くに見えるおうちのシルエットに心細くなって泣き出してしまう

「みとちゃ!しまちゃ!!」

もちろん聞こえようはずがない

いよいよ警察へ、と受話器に手をかける千歌パパ

「おん?」
まさにその時、垂れ下がった耳をピクリと動かしてから立ち上がり海に向かってひと吠えする高海家の飼い犬

ダッ

猛然と駆け出す犬
そのまま脇目も振らず海へ飛び込んで泳いでいく

ようやく事態を察した家族が目を凝らすと、沖の波間に黄色いビニールが見える

しばらくして犬はボートまで泳ぎ着くと、縁に掛けられたロープに咥えて岸に向かって引っ張り始める

やがてボートが岸に辿り着くと、犬はその場で力尽きて倒れ込んでしまう
ロープを咥えながら泳いだことで、しこたま海水を飲んでしまっていた
そのまま天国に行ってしまった

しいたけはその雌犬の忘れ形見

──というssを誰か書くんだ