弟「ねーちゃん……おれ学校行きたくない……」 かすみ「…………」
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かすみ「そっか……」
弟「…………」
かすみ「…………」
弟「……あの。やっぱいまの」
かすみ「じゃ、あたしも今日は学校サボるから、映画でも見に行こっか?」
弟「えっ」
かすみ「丁度見たいのあったし、良い機会でしょ」
弟「ねーちゃん、でも……」
かすみ「終わったら美味しい物食べよう。それでちょっと話そう。そうしよう」
弟「…………」
かすみ「制服、着替えてくるから。ちょっと待ってて」
弟「…………うん。ごめんなさい」
かすみ「何で謝ってんの」 愛「ちょっとニュースがあってさ……」
愛「部活に誘われたんだよね、アタシ」
愛「ほら、憶えてるでしょ? 歩夢と……その彼」
愛「バスケは……ちょっとお休みしようかなって思ってる。うん」
愛「それがさ、新しく立ち上げるつもりみたいで」
愛「なんとなんとアイドル活動するんだってさ。虹ヶ咲だよ? 名門の。笑っちゃうよね」
愛「でも……うん、楽しそうだし受けるつもり」
愛「どうなるか分からないけど、アタシは笑うことやめないから」
愛「だからパパも……安心して、見ててください。アタシのこと」
愛「…………」
愛「…………」
愛「パパ……じゃあ、また来るね」 果林「何で居んのよアンタ」
姉 「双子でも姉に対してアンタはないでしょ」
果林「言っとくけど、母さんに言われてきたなら、話すコトなんて無いから」
姉 「…………」
果林「…………」
姉 「あんたの気持ちは痛いくらい解るけどね」
姉 「1回くらいは実家に連絡入れたらどうなの、いい加減」
果林「…………」
姉 「今日ココに来たのは私の独断だよ」
姉 「家の人達には、友達と旅行に行くって言ってるから」
果林「……バレたらどうするの」
姉 「別に」 虹ってそんなに重い設定あるの?
あるなら興味わくわ ────おひさしぶりです 先生 エマです
この度 私の日本への留学が決定しました
まだ出発は先ですが 今の内に先生には話しておきたかったので 連絡しました
でも 御留守のようで 残念です
あの国のことは 先生から 沢山教わりましたけど……
こうして いざ その地へ自分が向かうと思うと……
緊張もするし 何より 故郷の皆と暫くお別れなのは 寂しいですね…… でも 先生に教わった日本のこと これから沢山 知っていけること 嬉しくも思います
碌に会話も出来なかった私に……とても良くしてくれて……
もし先生に会っていなかったらと思うと 私……
先生には 感謝の気持ちでいっぱいです 本当にありがとうございました
……
……
……その
……あの、わたし……前から言おうと思ってたんですけど……
……あのですね、わたし……前から
……っ
……あのッ! 私、前から先生のこと
ガチャッ
「やーゴメンゴメン、ちょっと手がはな」
キ ャ ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ! ? ! ?
……
……
プー……プー…… from:ママ
件名:おめでとう
璃奈ちゃん
15歳の誕生日おめでとう
大事な年なのに、家に帰れなくて、本当にごめんなさい
璃奈ちゃんも今年は受験生。なんとかして帰りたかったけど……
プレゼントは今日の夕方、宅配で届くことになっています
来年こそは、何とか家に帰れると思います
本当に、ごめんなさい
璃奈「…………」
璃奈「間違い探しみたいな文面だよ……」
璃奈「…………」
今朝、起きたら鏡を見た
それは天王寺璃奈の顔だった
昨日も私は、起きたら鏡を見た
それは確かに天王寺璃奈の顔だった
明日もきっと、私は起きたら鏡を見る
きっとそれは、天王寺璃奈の顔なんだと思う
私の周囲には物がある
パソコン、数々の賞状、優勝杯、作り上げた模型、趣味で描いた絵
それらは全て、天王寺璃奈の思い出だった
ここは私のこれまでの思い出の記憶が詰め込まれた、そんな部屋だった 明日も昨日も今も……私は天王寺璃奈だった
私には、それが、たまらなく嫌だった
この部屋で全てを語れてしまう存在に落ちこぼれるのが、とても嫌だった
私は、新しい私が、欲しくてたまらない
気安めの誕生日プレゼントなんか要らない
ただ、小さな幸福が欲しかった
パパやママと一緒に、週末に出掛けられる程度の幸せで良い
高価な品なんて、無くていい
しょうもない冗談で笑い合って、一緒に美味しい物たくさん食べて……
……私は、そんな小さな幸せがあれば、幸せになれた
「……たすけて」
それだけで、わたしはよかった
わたしに、どうか、笑顔をください ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています