真姫「オカルト先輩と見えていた私」
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真姫「人間には元々五感、視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚が備わっているわ」
真姫「これは古来から人や動物が外界を感知する為に備わっている感覚よ」
真姫「...けどね、私にはそれ以外にもう一つ、シックスセンスがあるの、ようは幽霊が見えたりする霊感が備わっているのよ」
真姫「他には直感が鋭かったりするわ...え?これじゃ6個以上あるんじゃないかって?....細かいことは別にいいじゃない!」
真姫「このお話はそんなシックスセンスを持った私とちょっと変わった先輩や友達とのお話よ」 #13
真姫「」スー....
希「!!」
凛「!真姫ちゃん!!」
花陽「真姫ちゃんが消えていく!?」
絵里「何が起きてるの....」
希「真姫ちゃん!!」スッ
スカッ....
希「...え、なんで?」
フッ...チャラン...
凛「真姫ちゃんが....」
花陽「消えた?....」 まき「〜♪」
にこ「...ねぇ、貴方」
まき「なぁに?」
にこ「何をしたの?」
まき「??」
にこ「......」
絵里「この子は味方...それとも....」
希「....真姫ちゃん.....」チャラン
凛「希ちゃん....」
希「......!!」 希「っ.......」ガシッ!!
まき「!!」ビクッ
凛「希ちゃん!?」
海未「掴めるということは実体はあるみたいですね...幽霊とかではないということでしょうか?」
希「真姫ちゃんを....」
まき「?」
希「真姫ちゃんを元に戻して!!!返して!!!」
まき「!!!」
にこ「希....」 希「.......」
まき「...ふぇ....」ウルッ
希「!」
まき「うぇーん!!!こわいよぉー!!!」
絵里「ちょ、ちょっと希、泣かしてどうするのよ」
希「あ...えっと.....」
まき「うわああああああん!!!!!」
穂乃果「あわわ...泣いちゃったよ、ど、どうしよ?」
ことり「........」スッ
海未「ことり?」
ことり「ことりに任せて?」 まき「ひっく....ひっく....」
ことり「よしよし...怖かったね」ナデナデ
まき「ぐすっ....」
ことり「大丈夫...大丈夫...あのお姉さんはちょっと間違えちゃっただけから」
まき「...そ、そうなの?...ひっく....」
ことり「うん、だから泣かないで」
まき「うん...まき、泣かない....」
ことり「真姫ちゃんは強いんだね」
まき「うん...まきちゃん、強いもん!」
ことり「そっか....」なでなで
まき「えへへ....」 穂乃果「ことりちゃんすごい...」
海未「あっという間にあの子を泣き止ませました...」
ことり「真姫ちゃんの小さい頃は知ってるからねー」なでなで
にこ「ふーん、幼馴染ってやつね、おかげで助かったわ」
まき「〜♪」
ことり「この頃の真姫ちゃんはことりの後にいつもついてきてたんだよー」
にこ「へー...あの子にもそんな時代があったのね」
ことり「可愛かったよー、今も可愛いけどねー」 希「..........」
絵里「希」
希「!...なぁに?エリチ?」
絵里「取り乱す気持ちはわかるけど冷静にね、貴方が冷静じゃなくなったら西木野さんを助けられないんだから」
希「うん.....」
絵里「今はあの子から色々と聞いてみましょう、今の状況がわかるかもしれないわ」
希「そうやね....」
にこ「.........」 ことり「ねぇ、一つ聞いてもいいかな?」
まき「なぁに?お姉ちゃん?」
ことり「ここってどこなの?」
まき「うーん...学校!!!」
凛「それは凛でもわかるにゃー」
まき「だって、まき、屋上から出られたの初めてなんだもん」
花陽「屋上?」
まき「うん、まきね、ずっーと学校の屋上にいたの」
絵里「なんで屋上にいたの?」
まき「わかんない!」
ことり「そっか...でも、今は屋上から出られるようになったんだね」
まき「うん!!」 穂乃果「がおー!!」
まき「あはは!お姉ちゃん面白い!」
ことり「可愛い〜♪」スリスリ
まき「お姉ちゃんくすぐったいよぉ...」
絵里「あの小さい西木野さんは一体なんなのかしら?」
海未「屋上にずっといたって言っていましたね」
にこ「そういえば...こんな噂があったわね、屋上に赤い髪をした女の子の霊が出るって」
凛「ってことはあの女の子がその噂の霊ってこと?」
花陽「でも触れていたよね?...それにあれって真姫ちゃんだよね、多分」チラッ
まき「あはは!」
絵里「自分のことをまきって言ってるし、多分そうでしょうね」
にこ「そういえば....魂がうんたらかんたらってさっきのやつが言ってたわね」
絵里「そうだったね、えっと...なんて言っていたのかしら?」 希「半分の魂だったからかしら、力が不十分ね....」
絵里「希」
希「多分、うちが推測する限りではあの子は真姫ちゃんの魂の半身だと思う」
凛「魂の半身?」
希「うん、ようは真姫ちゃんの魂の片割れってことかな?」
海未「魂の片割れ?...つまり西木野さんの魂は二つあると?」
にこ「そんな馬鹿な話がある?二つも魂があるとかそもそも人間じゃなくない?それって」
希「二つある理由はうちにもわからない、でも...そうじゃなかったらあの小さい真姫ちゃんはどう説明するっていうんよ」
花陽「もしかして....いや、でも...」
凛「どうしたの?かよちん?」
花陽「!ううん!な、なんでもないよ」
絵里「........」 絵里「気になるじゃない、もしかしたらヒントになるかもしれないわ、話してみて頂戴」
花陽「でも...全然違うかもしれないですし」
にこ「いいから話してみなさいよ」
花陽「は、はい...えっと...実は真姫ちゃんは入学前くらいに交通事故に遭ったらしくて」
海未「交通事故ですか?」
花陽「はい...それでその事故から目覚めたら幽霊とかが見えるようになっていたらしいんです」
希「....もしかして....」
凛「どうしたの?希ちゃん?」
希「花陽ちゃんが言いたいことがなんとなくわかった気がしてね」
花陽「........」 希「真姫ちゃんは事故に遭った、そして生死の世界をさ迷った...ようは生と死の間に立っていた訳」
絵里「まさか、死に近い体験をしたから見えるようになったってこと?」
希「可能性は高いと思う...そもそも真姫ちゃんの立ち位置自体が死寄りの生の位置だったのかもしれない.....」
にこ「え?じゃあ、あの子は幽霊だったってこと?」
希「違う!!!!」
にこ「!!」ビクッ
絵里「の、希?」
希「!...ごめん、だから...もしかしたらなんやけど、その事故が原因で真姫ちゃんと小さい真姫ちゃんの二つの魂ができてしまったんじゃないかなって思って」
海未「まぁ...可能性は否定できないですね、かなり非現実的ですが...」
にこ「今の状況自体がそもそも非現実じゃない」
海未「たしかに...先輩の言う通りですね」 絵里「じゃあ、あの小さい西木野さんを元の西木野さんに戻せば元に戻ったりするのかしら?」
海未「多分、ダメだと思います」
凛「え?なんでですか?」
海未「元々、西木野さんに入っていた魂はさっきのやつに奪われてしまっているはずです」
凛「あ...そっか....」
希「そうやね...」
海未「あの子に協力をしてもらっても元のように戻るとは思えません」
絵里「たしかに...さっきのやつから奪い返さないといけないわね」
花陽「...逃がさないって言ってたってことは...多分、あの小さい真姫ちゃんも狙われちゃうんじゃ」
にこ「そうね、逃げ出せないように学校を変えるって言ったしね」
凛「じゃあ、皆で守ってあげないと!!」
絵里「そうね、あの子が鍵なのは間違いないわね」チラッ
まき「?」 『見つけたわよ』
海未「!」
絵里「この声は.....」
『成程、仲間に吸い寄せられたって訳ね』
まき「??」
ことり「穂乃果ちゃん!」
穂乃果「う、うん!わかったわ」スッ
まき「どうしたの?」
ことり「なんでもないよ、ちょっとね」
まき「?」 希「真姫ちゃんは....」
『ん?』
希「真姫ちゃんは絶対に渡さない!!!」
絵里「希....」
『全く、どこまでも邪魔をしてくれるわね』
海未「西木野さんを返してもらいますよ」
凛「姿を隠してないでさっさと出て来るにゃ!!」
『そう...あくまで抵抗するっていうのね』
絵里「えぇ、返してもらうまでは諦めないわよ!」 『ならこっちにも考えがあるわ』
にこ「考え?」
『今はこの空間を作ったばっかりだから私自身の力は弱くなってしまっているけど』
海未「.......」
『代わりにこの私が作った空間の私の僕達が相手をしてあげるわ』
絵里「僕達?」
『ふふふ....この学校にはいいポイントがたくさんあって助かったわ』
凛「一体、何を...」
『あははは!!貴方達の相手をするのはこの学校の怪異達よ!!』
穂乃果「怪異?」 希「まさか...この学校の?」
『守れるっていうなら守ってみなさい』
凛「上等にゃ...返り討ちにしてあげるよ!」
海未「そうですね....とことんまでやってやりましょう」
『面白い、精々足掻けるだけ足掻いてみなさい!』
絵里「.........」
『あはははははあ!!!』
まき「な、なに?...」
ことり「大丈夫だよ、真姫ちゃん」
穂乃果「うん、皆が守ってあげるから」 にこ「相手はやる気満々みたいね」
絵里「って言っても...こっちはどうすればいいのかしら?」
凛「ふふふ....」スッ
花陽「凛ちゃん?」
凛「凛にはこれがあるにゃ」ブン!
穂乃果「!竹刀....」
海未「私も護身用に持ってきてましたので」スッ
ことり「海未ちゃんも!?一体どこから出したの?」
海未「細かいことは気にしないでください」
にこ「随分と頼もしそうじゃない、これは期待してもいいのかしら?」
凛「もちろん」
海未「まかせてください」 凛「次は絶対に勝ってみせる....」
花陽「凛ちゃん?」
凛「だって、凛はこれも持ってきてたのに真姫ちゃんを助けることができなかったから...」
海未「それは私も一緒ですよ」
凛「先輩...」
海未「気にするなとは言いません、しかし気にするなら前に前進して後悔と悔しさを無くしましょう」
凛「....はい!!先輩!!」
にこ「あそこは一体何をやってるの?」
絵里「青春っぽいけどね、なんか部活的な」
にこ「にこはあーいうのは苦手だわ、パス」
絵里「もう...にこったら後輩達が頑張ろうとしてるっていうのに」
希「........」
絵里「希、ちょっといいかしら?」 すり寄んなデブ
また愛されのんたん()やってんのか
嫌われのんたんの間違いだろ 希「なに?エリチ?」
絵里「さっき怪異ってあいつが言っていたけど、それについて教えてくれない?」
希「ええよ、そうは言ってもうちも全部それがなにかわかるかはわからないけど」
絵里「助かるわ、敵の正体を知っていればこっちも手が打てるから」
海未「聞いておいて損はないですね」
凛「聞かせて希ちゃん」
希「うん、わかった」
穂乃果「穂乃果も聞くよ!!」
まき「まきも!!」
ことり「真姫ちゃんはだーめ」
まき「えぇー...なんで?」 ことり「お姉ちゃん達はこれから大切なお話をするの、だからまきちゃんはことりとあっちで遊んでよ?」
まき「まきも皆とお話聞きたいー!!」
凛「この真姫ちゃんは完全に子どもなんだね」
穂乃果「そうだねーでも、可愛い」
海未「しかし、困りましたね...」
絵里「本当の話をしたら怖がらせちゃうかもしれないし」
にこ「試しに聞いてみたら?怖い話を聞いても大丈夫かって?案外、いつもみたいな感じでこの状態でも平気だったりして」
花陽「いやー...でも、さっきの感じだと...」
凛「絶対に泣きそうにゃ」チラッ
まき「?」 ことり「真姫ちゃん?」
まき「なぁに?」
ことり「...言う事を聞かない悪い子は」
まき「!まき、いい子だもん!!」
ことり「本当?」
まき「本当だもん!!」
ことり「じゃあ、お姉ちゃんと一緒にあっちで遊んで待ってよ?」
まき「うん!」
ことり「偉い!サンタさんもきっと真姫ちゃんのことをきちんと見てるからね」
まき「えへへ...そうかな?」
ことり「うん、絶対に見てるよ...ね?」チラッ
希「?」
まき「うん!!」 海未「さすが幼馴染だったってところでしょうか...上手く手懐けていますね」
絵里「心強いわね」
希「.........」
にこ「...それよりも怪異だっけ?早く教えてくれない?」
穂乃果「そうですね、敵の情報は大切だよね」
凛「弱点とか知ってたらすごく有利になれますしね!」
花陽「で、でも...怖い見た目とかだったら嫌だなぁ...」
凛「かよちん、凛がいるよ!それに先輩達もいるから大丈夫にゃ!!」
絵里「そうよ、皆で協力をして乗り切りましょう!」
「「おー!!」」
まき「!...おー!」
ことり「ふふふ....」 希「じゃあ、まずは...そうやね、あれから話そうかな?」
絵里「.......」
希「ここの学校って意外と歴史があって....この話は校舎がまだ」
海未「.....!」
穂乃果「海未ちゃん?」
海未「........」
希「ん?」
絵里「どうしたの?園田さん」
海未「....すいませんが、少し静かにしていただけますか」
にこ「え?」
海未「静かに....」
にこ「??.....」
海未「........」 花陽「.....!」ゾクッ
凛「かよちん?」
穂乃果「...どうしたの?海未ちゃん」
海未「...気配を感じます」
穂乃果「気配?」
海未「はい....」
花陽「なにか...来ます...」
絵里「小泉さんもなにか感じるの?」
花陽「嫌な感じがします....」
にこ「まさか...もう?」
凛「!」スッ
海未「.....」スッ カラ...カラン....
穂乃果「なに?この音...」
にこ「なにか金属みたいなものを引きずってる音?」
まき「??」
ことり「...真姫ちゃん、抱っこしてもいい?」
まき「まき、子供じゃないよ?」
ことり「お願い!真姫ちゃんー」
まき「うーん...わかった」
ことり「ありがとう♪」
絵里「..........」 カラン
絵里「暗くてよく見えないけど...あれって人?」
海未「どうやら上の階から降りてきたようですね」
希「....もしかして」
にこ「希、知ってるやつなの?」
希「あれは...多分、ゴートマンや」
にこ「ゴートマン?」
カラン
花陽「っ.......」
凛「かよちん?」
花陽「あれはダメ...逃げた方がいい!!」 希「皆、逃げるんや!!」
絵里「え!?」
希「追いつかれたらまずい!!早く!!」
絵里「わ、わかったわ!」
ことり「真姫ちゃん、行くよー?それ!」ダッ
真姫「え?なに?なに?かけっこ?」
凛「っ.......」
希「凛ちゃん、早く!!」
凛「!う、うん!!」ダッ
海未「...........」タッタッタッ 希「ふぅ...どうやら...まいたみたいやね...」
にこ「はぁ...はぁ...」
絵里「さっきのやつ...なんなの?」
海未「ゴートマンって言ってましたよね」
希「暗くてよく見えなかったけど...そうやと思う...」
にこ「なんなのよ、それ」
希「昔の話なんやけど、昔ここにいた生徒なんよ」
絵里「生徒?」
希「うん、うちも昔の話やから噂くらいしか知らないけどね」
にこ「いいから詳しく話しなさい」
希「...OK」 希「いつの話かは具体的にはわからないけど、たしか五十年以上前の話だったかな?」
穂乃果「結構、前の話なんですね」
希「そうやね、今はないけど、その当時は化学室って教室があってそこに色んな動物の剥製が置いてあったらしいんよ」
にこ「今は剥製なんて一つにないわよね、なんか胡散臭いわね」
希「話は最後まで聞いて、ある生徒がいじめられていてね....当時の校舎は今の校舎と作りがちょっと違ってね、旧校舎ってのがあったらしいの」
花陽「旧校舎?」
絵里「!おばあ様から聞いたことがあるわ、昔は木造の校舎があったって」
希「その化学室は旧校舎にあって、でも、その当時には今の新しい方の校舎もあったから旧校舎はそんなには使われていなかったらしいんよ」
海未「成程、その人気のない旧校舎でいじめが行われていたんですね」
希「そう...そして事件が起こったんよ」
にこ「事件....」 希「その日も同じようにその生徒がいじめられていて、その日は化学室でやっていたらしいんよ」
絵里「......」
希「しかもその日は化学室の剥製を壊したりしてその仕業もその生徒に押し付けようとしたんよ」
海未「なんて下劣な....」
希「それで犯人にする為に山羊の剥製の壊して、それをその生徒に無理矢理被せたんよ」
にこ「犯人にするにしてもなんでわざわざ剥製なんかを破壊して被せたのよ」
希「当時は世間ではオカルトブームで...ゴートマンってのがいたんよ、頭は山羊、身体は人間の姿をしているUMA、それがゴートマン」
花陽「UMAって希ちゃんがよく言ってるあのUMA?」
希「うん...それで悪ふざけでその生徒にゴートマン風にした」
絵里「成程...それがさっきのやつってことね」
希「おそらくはね....」 にこ「それで、その生徒はどうなったのよ、あの感じだといい話の終わり方はしなそうだけど」
希「.......」
絵里「どうしたの?希」
希「あくまでこれはうちが聞いたっていうか...噂なんだけど...」
にこ「随分と濁すわね」
希「その生徒はその剥製を被った途端に様子がおかしくなって」
穂乃果「おかしくなって?」
希「その時にいじめていた生徒の一人が持っていた金属バットを奪って、全員を殴り倒したらしいんよ」
凛「!」
希「見回りの先生が気付いた時には化学室は異様な光景が広がっていたって」
にこ「......」
希「剥製を被った生徒の周りには叫ぶことも動くこともできなくなった血まみれの生徒達が転がっていたんだって」
花陽「っ!」 希「そしてその生徒は精神に異常をきたしたってことになって病院に送られたって話なんよ」
海未「嫌な話ですね」
希「でも、この話にはまだ続きがあってね」
絵里「まだあるの?」
希「病院を脱走したらしいんよ、その生徒が」
凛「え」
希「そして、その後行方がわからなくなったって....」
穂乃果「え?じゃあ、今でも見つかってないってこと?」
希「そうやね、でも..この話が事実だとしては相当昔の話になる訳だからね、どこまでが本当かわからないし」
にこ「仮に五十年以上も前なら最低でもそいつは70代に近いってことよね、もういい歳じゃない」
花陽「違う....」
希「.........」
花陽「あの人はそんな感じじゃなかった....そんな歳がいってるような感じじゃなかった....」
絵里「........」 海未「小泉さんでしたっけ?なんでそう言えるんですか?」
花陽「さっきのあの人を見た時...姿が見えたんです」
絵里「姿?私にははっきりとは見えなかったけど....」
にこ「にこも見えなかったわよ...そんなに目がいいの?貴方」
希「!そうだった、真姫ちゃんが強すぎてそこまで皆知らないと思うけど、花陽ちゃんも霊感があるんよ」
海未「!本当ですか?」
花陽「は、はい....そこまで強いわけではないんですけど...」
絵里「...驚いたわ、学校にそんな能力を持った子がもう一人いたなんて」
花陽「私は真姫ちゃんみたいに強く見えるとかわかるとかってほどじゃないですけど...なんとなく感じたり、強いとたまに見えたりするんです」
凛「かよちん、どんな姿だったの?」
花陽「...学生服に頭にはなにかを被ってました...多分さっきの剥製だと...」
穂乃果「ってことは...あの話は本当の話だってことなんだね」
花陽「あと...多分、バットを引きずって歩いてました」
にこ「あの金属音みたいな音はバットを引きずってる音だったのね」 絵里「武器を持ってる得体の知れないものを相手にしないといけないなんて厄介ね」
凛「希ちゃんなんか弱点とかないの?」
希「うちにもわからん....あと知ってることはその事件があった日の犯行時間になると旧校舎にゴートマンが現れるって話くらいしか」
海未「そうですか....」
希「ごめん皆、役に立てなくて」
絵里「何言ってるの希、相手の情報が少しでもわかってたんだから大活躍よ」
にこ「そもそも今は旧校舎もないからその噂自体も風化してるでしょ、仕方ないわ」
穂乃果「でも...あれが多分、西木野さんを狙ってるってことは」
海未「相手をしないといけないかもしれませんね」
凛「竹刀じゃ...さすがに金属バット相手にはきついかな?」
海未「そうですね...なにか、対抗策を考えておいたほうがいいかもしれません」 希「これは余談なんやけど...山羊はというか山羊の頭はよく悪魔に使われたりすることもあるんよ」
穂乃果「悪魔?...それってあの悪魔ですか?」
希「うん、頭が山羊のような悪魔がいて、バフォメットって呼ばれているんよ」
凛「なんか融合しそうな名前にゃ」
にこ「今なんて実際に融合してるようなもんでしょ、人間と山羊が」
凛「なら融合解除をすればいいにゃ」
にこ「そう簡単にできてればこうはなってないっての」
絵里「...貴方達...今は真面目な話をしてるのよ?」ギロッ
凛 にこ「!!」
絵里「...........」
にこ「わ、悪かったわよ...絵里....」 ガチャ!ガチャ!
海未「....ダメです、やはり開きません」
絵里「こっちもだめだわ、開かないわ」
にこ「はぁ...完全に校舎の中に閉じ込められたみたいね」
穂乃果「これからどうするんですか?早く西木野さんを助けないと」
希「あれを倒すしかないよ、多分」
にこ「やっぱりそうなる?」
希「今の感じだとそうするしかないと思うんよ」
花陽「でも倒すってどうやって....」
希「..........」 希「悪魔っていうなら聖水とかが効くかなって思ったりしたんやけど」
にこ「いや、そんなものはないわよ」
絵里「...十字架とかは効くのかしら?」チャラ
希「うーん...どうやろ?そもそもあれが悪魔なのかもわからんし」
にこ「随分と洒落たネックレスしてるわね、さすが生徒会長」
絵里「生徒会長は関係なくない?」
海未「...!元が剥製なら燃えるのでは?」
穂乃果「成程、そうだ!燃やせばいいんじゃないの?」
凛「えっと、お焚き上げだっけ?...効果があるんじゃないの?」
絵里「いやいや、そんなの学校が火事になるわよ!洒落にならないわ!!」 希「いや、いい考えかもしれない」
絵里「希?」
希「火葬じゃないけど...倒すにはいいかもしれない」
絵里「...え?」
希「そもそもこの学校がうちらがいつも通ってる学校かどうかもわからないし」
凛「?どういうこと?希ちゃん?」
希「ここは異世界、いつもうちらがいる学校の世界とは違うってこと」
にこ「確証はあるの?」
希「あそこを見て」
にこ「ん?」
海未「これは.....」 穂乃果「なにこれ?」
花陽「文字が裏返しになってる?」
希「ここはおそらくさっきのあいつの世界」
絵里「!鏡の世界ってこと?」
希「そこの教室の看板を見る限りだとそう考えるのが一番納得できるんやないの?」
海未「たしかに納得はしやすいですね」
希「だからあいつを倒せば真姫ちゃんも世界も元に戻る」
にこ「だからさっきのやつも倒すってこと?」
希「可能ならね、おそらくはあいつが力を与えてる存在のはずだし」
穂乃果「なんとかなりますよ!!だってこんなにいるんですから!皆が!!」
希「...そうやね!」 アニメのバフォメットはよく融合解除されてた記憶がある 良く覚えてないけど、今まで普通の攻撃が効いた相手っていたっけ?
ファブ○ーズや破魔矢は効いたけど、海未凛の竹刀は意味あるのかなぁと にこ「まず燃やすなら火が必要よね」
絵里「だれかライターとかなんて持ってないわよね?」
海未「仮に誰かが持っていたらそれはそれでどうなんでしょうか」
絵里「...さすがに誰も持ってないみたいね...なら、どこかで確保しないと」
穂乃果「うーん.....」
花陽「!....あ....」
希「どうしたの?花陽ちゃん?」
花陽「でも危険かも....」
絵里「危険かどうかは皆で判断するわ、なにか思いついたなら遠慮なく話して頂戴」
花陽「は、はい....」 にこ「たしかに危険だけど....いい考えかも」
凛「かよちんさすがにゃ!!」
海未「では、行きましょう」
絵里「そうね....」
希「真姫ちゃん.....」
まき「皆、どこかに行くの?」
ことり「そうみたいだねー、真姫ちゃんも行く?」
まき「うん!!」
ことり「足元が暗いから気をつけてねー」
まき「はーい」 凛「........」キョロキョロ
花陽「凛ちゃんどう?」
凛「大丈夫にゃ、誰もいないにゃ」
にこ「よし、じゃあ作戦通りに分かれましょう」
絵里「不幸中の幸い、携帯に関しては外部はだめだけど、私達同士の場合は連絡が取り合えるようにはなっているみたいだから...なにかあったら連絡を頂戴」
希「OK」
絵里「くれぐれも無茶はしないでね...」
希「エリチもね」
にこ「行くわよ、絵里」
絵里「!ちょっと、待ってよにこ」
希「...さて、うちらも準備をしようか?」
花陽「はい」
凛「凛にお任せにゃ」 絵里「..........」
にこ「...ねぇ」
絵里「なに?」
にこ「あの子達はいないんだし、そんなに無理をしなくていいんじゃないの?」
絵里「....なんのこと?」
にこ「あんた暗いのだめでしょ?大丈夫なの?」
絵里「あぁ...」
にこ「あぁ...って前、あんなに怖がってたのに...平気なの?」
絵里「...平気じゃないわよ」
にこ「やっぱり」
絵里「でも、私が怖がって足がすくんでいたりでもしたら皆も怖がってしまうでしょ?」
にこ「...あんたって本当に不器用なんだから」
絵里「にこだってそうでしょ?」
にこ「え?」 絵里「にこだって、私が怖がってるのを知ってるから私とペアを組んでくれたんでしょ?」
にこ「...たまたまよ、絵里と付き合いが長いのは私と希くらいだし」
絵里「じゃあ、なんで希を誘わなかったの?」
にこ「希は離れないでしょ、あの子から」
絵里「...たしかにそうね」
にこ「はいはい、お喋りはおしまい、今は自分達の仕事をするのよ」
絵里「わかったわ」
凛「....よいしょっと.....」
海未「準備体操はバッチリですか?」
凛「はい、いつでもいけますよ?先輩、凛についてこれますか?」
海未「ふふふ...どうやら自信満々みたいですね」
凛「自信がなければ何事もできませんよ、特に今回は」
海未「....それもそうですね」 花陽「えっと....」ゴソゴソ
穂乃果「あったよー」
花陽「あ、はい!!えっと....」
穂乃果「穂乃果でいいよ」
花陽「はい、穂乃果先輩」
穂乃果「頑張ろうね、花陽ちゃん」
花陽「はい!」
まき「ここ、なんか変なお部屋」
希「ここは普通の教室じゃないからね」
まき「....ふーん....」
ことり「真姫ちゃんここは色んな実験をするお部屋なんだよ」
まき「へー!!じっけんってなぁに?」
希「...うちと南さんとの対応の仕方違い過ぎない?」 穂乃果「ことりちゃん、子供の扱い上手いからねー...前に幼稚園行った時も大人気だったし」
希「そ、そっか....」
花陽「あとはもしかしたら...最初に泣かせちゃったからかも?」
穂乃果「あー...それもあるかもね」
希「.......」
ことり「真姫ちゃん」
まき「なぁに?」
ことり「お姉さん達、皆ね、真姫ちゃんのことを大切に思ってるんだよ?」
まき「そうなの?」
ことり「うん、だから仲良くしようね?」
まき「うーん.....」チラッ
希「!」
まき「..........」 ことり「真姫ちゃん?」
まき「あのお姉さんはまきのことをいじめるからきらい!!」
希「!!!!」
花陽「!」
穂乃果「あ、あちゃー.....」
希「うち....真姫ちゃんに嫌われた?」
まき「........」
花陽「の、希ちゃん!本物の真姫ちゃんに嫌われた訳じゃないから!」
穂乃果「そ、そうですよ!!」
希「」
花陽「し...死んでる.....」 穂乃果「...どう?...特に音は聞こえないけど」
花陽「....嫌な気配も得には感じないです」
穂乃果「OK...鍵は....」スッ
スー...
穂乃果「開いてるね」
花陽「中に誰もいなければいいんですけど....」
穂乃果「....一応、覗いてみるね...」
花陽「はい....」
穂乃果「.........」キョロキョロ
花陽「...ごくっ.....」
穂乃果「...うん、大丈夫そう」
花陽「了解です....」 穂乃果「薄暗くて不気味だよねー」
花陽「そ、そうですね....」
まき「〜♪」
花陽「真姫ちゃんは全く怖がってないけど...」
まき「なんか変なお部屋ー」
ことり「そうだねー」
穂乃果「ことりちゃんのおかげかもしれないけどね」
希「........」
花陽「の、希ちゃん?元気出して?」
希「うん....」
穂乃果「さてと...あれを探さないとね」
花陽「そうですね」 コン!コン!
穂乃果「!」
花陽「.........」
希「誰?」
『私よ』
希「合言葉...かしこい?」
『かわいい?』
『「エリーチカ」』
ガラ...
希「お疲れにこっち、例のものはあった?」
にこ「ちゃんと調達してきたわよ....地味に重くて大変だったわ」
絵里「...ちょっと、人を合言葉に使わないでよ」 希「よし、後は凛ちゃん達に連絡をして...」
絵里「そもそも、なんでさっきのを知ってるのよ」
にこ「そうね、そっちの準備は?」
希「バッチリ」
絵里「あ、さてはにこの仕業ね、にこ?」
にこ「じゃあ、むこうに連絡を」
希「OKー」
絵里「........」イラッ
ギュッ!
にこ 希「いたたたた!!!」
絵里「........」 ブルッ!!
凛「....!」スッ
海未「どうしました?」
凛「向こうは準備できたみたいです」
海未「わかりました...では、我々の番ということですね」
凛「そうですね」
海未「しかし...相手の姿が見えないですね...一体どこに」
凛「たしかに....」
海未「.......」
ヒュ!!!
凛 海未「!!!!」 バン!!!
海未「大丈夫ですか!?」
凛「大丈夫です!」
カラン!...カラン!カラン!!
凛「...どうやら先にこっちが見つかってしまったみたいですね」
海未「いつの間にか背後を取られていたとは...うかつです」
カラン...カラン...
凛「それにしてもよく飛んできたバットを気付きましたね」
海未「貴方も気付いて避けたじゃないですか」
カラン....
凛「....見えます?相手の姿....」
海未「はい...ここまで禍々しいものを見るのは初めてです」
凛 海未「.........」 海未「作戦通りに行きましょう」
凛「了解です....」
ダッ!!
海未「....さてと....相手方はどう出ますか?..」
ダッ!!
凛「!」
海未「やはり追ってきますか...」
ドス!!ドス!!
海未「星空さん!!全力疾走です!!」
凛「はい!!」 ヒュン!!
海未「!!」サッ!
バリン!!!
凛「なっ!!また、バッドを投げてきた!?何本持ってるの!?」
海未「当たったら洒落にならないですよ、上手く曲がったりして避けましょう!」
凛「はい、当たったらバッドなことになりますもんね、バットだけに」
海未「..........」
凛「....あれ?」
海未「...何を言ってるんですか?貴方は」
凛「いや、少しでも場の雰囲気を和ませようと思って」
海未「和んでる場合ではありませんよ!!!」
凛「あ、はい」 ヒュン!!!
バリン!!
凛「ひえー...硝子を割りすぎにゃ!!校舎を破壊しすぎにゃ!!」
海未「あと...もう少しです...」
凛「はい!」
海未「.........!」
穂乃果「海未ちゃん!!」
海未「穂乃果!!危険です!!早く教室の中に!!来ます!!!!」
穂乃果「!う、うん!!」
ヒュン!!
凛「!皆!!!扉から横に離れて!!」
海未「!....!!」
凛「にゃあああ!!!!」 ズサー!!!
バリン!!
花陽「ぴゃあ!!!」ビクッ
海未「扉を閉めてください!!!鍵を!!!」
穂乃果「OK!!!」
バタン!!ガチャン!!
希「皆、準備を!!」
凛「まさか、スライディングで教室に入ることになるとは思わなかったにゃ」
海未「まるで野球みたいでしたね」
絵里「あれで避けていなかったらあのバッドが当たっていたのよね...ぞっとするわね」
ことり「海未ちゃん怪我は!?ない!?大丈夫!?」
海未「大丈夫ですよ、ことり、ご心配なく」 ドン!!!ドン!!!
穂乃果「うわぁ!!!」
にこ「今にもドアが破壊されそうよ!!!」
希「作戦通りに行くよ、皆」
絵里「上手くいけばいいんだけど...」
花陽「........」シュー....
まき「!なに?なに?」
希「大丈夫だよ、まきちゃん」
まき「.......」
希「む、無視...?」 ドン!!!ガラン!!!
絵里「!!」
にこ「扉が...なんてやつなの!?」
『.........』
花陽「っ!!」
凛「.....」スッ
花陽「凛ちゃん.....」
凛「大丈夫...凛も....皆もいるから」
海未(...成長しましたね...)
穂乃果「うわ....これはインパクトがすごいかも...怖っ...」 希「大きいね....」
絵里「っ......」
にこ「いくわよ!!」
凛「てりゃあ!!!」ヒュン!
『........』スッ
バリン!!ビチャ!
凛「あ、あれ?」
穂乃果「瓶が体をすり抜けた!?」 にこ「ちょっと!どういうことよ!!」
希「....!!頭や!!頭が本体!!頭を狙って!!」
凛「OK....にゃあ!!」フッ
『!』
パリン!!ビチャ!!
絵里「当たったわ!!」
凛「もう一丁!!」ブンッ!!
バリン!!
穂乃果「ナイスコントロール!!」
希「花陽ちゃん準備は!!」
花陽「OKだよ!!」
シュー....シュー....
にこ「今よ!!絵里!!!!希!!!」
希 「これでも!」
絵里「くらいなさい!!!」
プシュー!!!
『っ.....』 穂乃果「うわっ!!周りが消火の粉まみれでよく見えない」
ことり「穂乃果ちゃん!!こっち!!皆も早く!!」
絵里「皆!急いで!!...この!!」ブン!!
ガン!!!
希「エリチ、消火器を投げつけるなんてバイオレンスー」
にこ「ふざけてないで急ぐわよ!!」
海未「早く外へ!!!」
凛「うー、ガス臭いにゃ」
穂乃果「けっほ!粉っぽい!!消火器ってすごいんだね...」
花陽「皆さん!急いで離れてください!!!」
絵里「全員教室からは出たわね?」
希「OKや!!エリチ!!!」
絵里「全速力で走るわよ!いい!?」
絵里「サイキック....」カチッ
希「皆!伏せて!!!」
絵里「ファイアー!!!」ブン!!
『!!』
ドーン!!!!!
海未「っ.......」
花陽「あ...アパマンショップ....」 乙です
ヤバイ状態なのにギャグ入れるなんてみんな余裕だな これは>>1がまきちゃんの様に消える可能性が・・・? パチ.....パチ....
絵里「皆!怪我はない!?」
にこ「なんとか....」
花陽「す、すごい爆発でした...」
凛「まるで映画のワンシーンだったみたいにゃ...」
希「ひゃー....教室の扉と壁の一部がなくなってるよ....」
穂乃果「さっきのやつはどうなったのかな?倒せたのかな?」
海未「...確認をしましょう、あの爆発ですからおそらくは倒したとは思いますが」
希「よし、行こう!」 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています