穂乃果「百年経ったらまたおいでッッ」千歌「ライタイ祭?」 2回戦
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善子「人間のレベルを………?」
ダイヤ「具体的に言えば二つに一つ」
ダイヤ「不死身紛いの超タフネスで耐え続けて三人の体力が尽きるのを待つか…………
月「………………」
ベキッ ガキッ ガッ ゴッ
ダイヤ「あるいは一瞬の―――本当に文字通り一瞬のスキをつき」
ダイヤ「一人でも即KOできるような異次元のスピードの攻撃でもできれば………」
千歌「そんな技…」
パアンッ
海未「!!」
ドッシャアアアアアアッ いつき「」
よしみむつ「……………ッッ」ボーゼン
曜「………ッ」
曜「………………ッッッ」
善子「い……ッ今の破裂音は………ッッ」ガチガチガチガチ…
月「いい音でしょ?」
曜「それ………私のやつ……ッッ」
月「達人が鞭を振るときにする強烈な破裂音、あれは…」
月「物質が音速を超えたことを知らせる音……音の壁を破る音なんだって………」 月「足の親指から始まる関節の連動を足首へ」
月「足首から膝へ膝から股関節へ股関節から腰へ」
月「腰から肩へ、肩から肘へ、肘から手首へ」
月「同時8ヶ所の加速の成功がこの奇跡を生む」
月「曜ちゃんは知ってるよね」チラッ
曜「マッハ突き…………ッッ」
月「そう」ニッコリ
よしみ「くッ……」ブンッ
曜「前ッ前ッ」
よしみ(よし当たるッッ) ふわ…
せつ菜「!!」
彼方「あれェ〜〜〜………」
よしみ(えッ……)
よしみ(殴った感触が無……羽毛!?)
月「おお…コレは良いね〜〜………」
タンッ
月「人が喋ってる時に殴っちゃダメだよ」アハハ
月「一人欠けちゃったケド……まだやるんだね?」
むつ「も…もちろんッッ」
月「OK!」スポッ よしみむつ「ッ!!」
『渡辺月、勝ち誇ったかのように上着のポケットに手を突っ込んだァッッ』
『いくらなんでもソレはナメ過ぎではないのかァ〜〜〜?』
よしみむつ「このッッ」ブンッ
『殴り掛かった―――ッ』
月「―――」
パパァンッ
果南「!」
ドッシャアアアア
よしみむつ「」 審判「勝負ありッッ」
『強い…ッ三人がかりでも全く問題になりませんでしたッッ』
『渡辺月、文句なしの三回戦進出だァッッ』
花丸「ポケットに手を入れた状態から相手より早く正拳を当てるなんて……」
ルビィ「速すぎるよぉ……」
善子「当然でしょッマッハよマッハッッ」
ダイヤ(イヤ……恐らくそれだけでは………)
梨子「流石…」
千歌「曜ちゃんのいとこ……ッ」
曜「……………ッッ」
月「みんな、応援よーろしくーッッ」ニコッ
特別試合 月〇 よいつむトリオ× ・医務室
ガチャ…
真姫「!」
凛「にこちゃん!」
にこ「花陽の様子はどう?」
花陽「……………」スヤスヤ
真姫「そうね………意識不明の患者にこんなことを言うのも変だけど」
真姫「状態は悪くないわ………もしかしたらもっと早く目が覚めるかも」
凛「ホント!?」
真姫「もっとも、万が一曜の試合前に眼が覚めても、闘わせるなんてことは絶対に許さないけど…」ジロッ
にこ「…ワカってるわよ」チェッ にこ「……ところで、そろそろ例の準備をお願いして良い?」
凛「例の?」
真姫「………」
真姫「本気なのね……」
にこ「モチロン」
にこ「小原鞠莉、そして高海千歌にさえ何もさせず秒殺――――」
にこ「あの優木せつ菜の実力はアンタらも理解るでしょう?」
にこ「ハンパじゃないわあの超肉体カンフー」
凛「にこちゃんじゃ逆立ちしたって勝てないんじゃないかにゃ?」
にこ「フンッ」 にこ「逆立ちで勝てないなら、逆立ちして飛び跳ねるだけよ」
凛「オオ〜〜〜」
真姫(イミワカンナイ)
にこ「何でもやってやるわ」
にこ「勝つためなら」キッ
凛「にこちゃん……」
真姫「………」クルクル
にこ「…私の試合までには、起きなさいよね………」
花陽「……………」スヤスヤ
にこ「この大銀河宇宙宇宙No.1アイドルが必ず優勝するんだからッッッ」 烈vs猪狩だと思うとあまりにも絶望的だがどうなるかな ・白虎側入り口前。
ズシンッ
聖良「―――」ス…
理亞「…………」
ズシンッッ
昂ぶりを収めるように四股を踏み続ける聖良。
理亞「いよいよ………」
聖良「そう」
聖良「いよいよですね………」スッ…
ズシンッッ 聖良「松浦果南………この私にとっても手に余る強敵です……」ス…
理亞「……姉様…」
ズシンッッ
聖良「しかし必ず勝ちます」
理亞「――ッ」
聖良「まずは海皇になるために」
聖良「そして…………」ス…
聖良「“その後”のためにッッ」ズシンッッッ
最強だと思いこんで 頂点へと We gotta go! 『三回戦第一試合!!!』
『“内浦最強の生物”、“鬼(オーガ)”こと松浦果南 VS』
『“スク姉”転じて “二代目スクネ”、鹿角聖良!!』
聖良「今回こそ、見せつけさせて頂きますよ、私の実力を」
果南「…………」
海未「ダイヤ」スッ…
海未「少しお話を伺っても良いですか?」
ダイヤ「唐突ですね」
海未「唐突は百も承知のうえで――」
海未「黒澤流柔術十段黒澤ダイヤ、稀代の柔術家が持つ“相撲”観」
海未「ぜひお訊きしたく……」ジッ
ダイヤ「………どうやら」
ダイヤ「きちんとお答えしなくてはならないようですわね」 ダイヤ「実はですね…」
ダイヤ「『相撲』という領域は見ないようにしてきたのですわ」
海未「ふむ」
ダイヤ「ぶっちゃけてしまえば、私ども武道家の『本番』は試合じゃありません」
ダイヤ「路上や酒場、日常生活で出し抜けに起こる闘争」
ダイヤ「これが武道家にとっての『ホンバン』というワケです」
海未「ハイ」クスリ
ダイヤ「一方相撲です」
ダイヤ「『世界(ジャンル)』が見事に完成している」
ダイヤ「路上の喧嘩を想定して汗を流す力士はいません」
ダイヤ「私ども武道家のように他ジャンル相手に立ち合い強さを証明する必要が無い」
ダイヤ「土俵という空間で全てが完結しています」 ダイヤ「それと……」
海未「…………」
千歌「なんか―――言いにくそうですね」
ダイヤ「まァ……強いってことですわ」
審判「両者下がってッ」
聖良「果南さん」スッ…
『!』
聖良「やはりここは一つ………」
聖良「一丁やりましょうよ」
聖良「スモウ」 『鹿角聖良、仕切りの構えだ―――ッッ』
『内浦最強の生物を相撲に誘っています聖良ッッしかし二回戦で既に使い古したこの作戦は…』
『柳の下のドジョウというものです!!!』
ダイヤ「いや…」
果南「……」ス…
聖良「はは…」
鞠莉「あの頑固オヤジは…」
『乗った〜〜〜〜ッ!?腰を落としました松浦果南ッッ』
『やるつもりですッ相撲対決、果南はやるつもりですッ』 審判「…………」
審判「はっけよい……」
聖良「いえ…」スッ
聖良が審判を制止する。
聖良「誤解されがちですが、相撲には『開始』の合図はありません……」
聖良「互いに呼吸を合わせて――」ダッッ
果南「!」
こんな感じですよ……?
ボゴォッ
果南「――――ッ」ズンッ…
ボタボタッ
聖良「アレ?」
聖良「今のは『待った』でしたね…?」ニヤア 『また不意打ち〜〜〜〜ッッ』
『果南の顔面を一発ブン殴りました聖良ッ』
ざわ ざわ ざわ
ルビィ「不意打ちって言っても…今の攻撃は正面からだよね………」
ルビィ「果南ちゃんなら避けられないパンチじゃなかったんじゃ……」
曜「姿勢だよ」
曜「立ち合いのためにしゃがみ込んだあの姿勢が果南ちゃんの動きを遅らせた」
ダイヤ「流石です曜さん」
ダイヤ「腰を落として膝をほとんど180度まで大きく開き、踵を浮かせるあの体勢―――」ダイヤ「正式な名称を蹲踞」
善子「ソンキョ…」
ダイヤ「慣れない果南さんにとっては中々辛い姿勢ですわ」
ダイヤ「先制攻撃成功………聖良さんとしては計画通りでしょうが………ただ………」
ダイヤ「二回戦に続いてのこの不意打ちは……」 観客「汚ねェぞ聖良」
観客「恥を知れ」
観客「卑怯者ッッ」
『客席から怒りの声が聞こえていますッッ無理からぬことでしょうッッ』
『自分が“相撲”対決に持ち込みながら……不意打ちに次ぐ不意打ちッッ裏切りに次ぐ裏切りッッ』
『相手を………そして相撲を冒涜しています鹿角聖良ッッ』
聖良「フフフ…酷い言われようですね………」
聖良「あなたもそう思いますか?」
果南「いや…」ムク…
果南「悪いのは合わせられなかった私の方だよ」ダラダラ
聖良「“最強”の自負故の余裕というやつですか…」フッ
聖良「あるいは“サバサバした性格”という嘘くさいキャラクターを守護ろうと必死なのか………」クスクス
果南「……………」
聖良「鼻血で血だらけのくせに――――爽やかさが消えてません」 果南「見苦しく命乞いでもすれば良かったかな…?」ヌグッ
聖良「バカを言わないでください」
聖良「『命乞い』とは気を利かせていただくものではありません」
聖良「追い詰めて追い詰めて、欲しくもないのに『お願』われる」
聖良「――――そういうものですよ」スッ…
『なッ』
聖良「さて、取り直しといきましょうか」
『聖良が再び仕切りの構えを取ったァ――』
果南「…………」
聖良「さァ」 聖良「お相撲しましょう」
聖良「私とッッ」
観客「フザケルなッッ」
観客「果南拒否しろォ」
果南「…………」
千歌「………どっちも………」ヤレヤレ
果南「……」ズン…
『果南が再び蹲踞を――――』
聖良「信じていました」ダッッ
ルビィ「ああッ」
花丸「また…」
聖良「必ず座ってくれると」ブンッ… 果南「……」ビュンッ
聖良「!」
スカッ
鞠莉「もう慣れたわね」
ダイヤ「果南さんに二度同じ手は通じませんわ」
聖良「……ッッ」クルッ
果南「…………………」
『攻撃を加えるでもなく、無言で仁王立ちの果南ッッ』
『その姿は姑息な戦法に頼る聖良と実に対照的でありますッッ』
聖良「スバラシイ……………」 聖良「果南さん…」
聖良「私と函館へ渡りませんか」
『!』
果南「――」
聖良「共にユニットを組みませんか」
善子「ハァ?」
『なんとッ』
『なんとここにきてヘッドハンティング!!』
『大会終了前にして異例の青田刈りだァッッッッ』
聖良「私は、卒業後もステージの上で闘いたい―――」
聖良「アイドルを続けたいと思っています」 聖良「そのために必要なんですッ」
聖良「高め合う仲間―――競い合うライバルが」
果南「………」
果南「悪いけど私は…」
聖良「あなたの意思は関係ありません」
果南「――ッッ」
聖良「敗者は勝者に従う―――」
聖良「原始の時代から変わらない唯一絶対の掟(ルール)ですよ」スッ…
『!!!』 『……ッッッ』
千歌「しつこ…ッ」
『もはや言葉もありません』
『2度にわたる立ち合いに隠されただまし打ち』
『よもや3度目の試みがあろうとはッッ』
聖良「果南さん」
聖良「座れますか」
観客「喰らわせろ果南ッッ」
観客「そのままブン殴れェェッッ」
聖良「座れる勇気はありますか」フフフ 『悪意に満ちた笑顔です』
『だまされるな松浦果南』
果南「…………」
ズン…
『オオオオオ〜〜〜ッと』
『座ってしまったぞ松浦果南』
『応じてしまったぞ松浦果南』
果南「……」ギロッ
『不意打ちなにものぞ』
『やれるものならやってみるがいいとでも………』
果南「――」ダンッ
『!!』 『果南から先に立った―――ッッ』
ブンッ…
『怒りの鉄拳だ〜〜〜〜』
聖良(信じていた――)タンッ
スカッ
果南「!」
聖良「再信(ビリーブアゲイン)していましたよ――」ぐるんっ
果南(上かッ…)バッ…
グワシイッ
果南「〜〜〜〜ッッ」ドシャアアッ
聖良「必ず座ってくれると」スタッ 『でッ出たァ〜〜〜〜〜ッッ』
『Saint Snow伝家の宝刀、バク転式胴廻し回転蹴りだァ〜〜〜〜ッッ』
聖良「残念でしたね……」
聖良「あなたの考えるようなレベルのことは私も想定済みですよ…」フフフ
果南「……………」
聖良「さァ」
聖良「起きてください」
果南「――」
聖良「起きてお相撲しましょう」
観客「ふ…」 観客「ふざけるなァッッッ!!」
観客「このインチキメロンがッッ!!」
ダンッ ザッ スタァッ
聖良の相次ぐ挑発にブチギレた客たちが闘技場になだれこむ。
観客「ブッ殺せッッ」
観客「それよりブロッコリーだァッ」
観客「ブロッコリー祭りにしろォッ」
ミシイ…
観客「!!?」ピタッ
果南「……………」
観客「なッなんだ!?」ビク…
観客「果南の背中が………ッ」オロオロ 果南「……………………」
果南「フウー……ッ」ス…
観客「…………ッッ?」
観客「なんとも………ない…………?」
果南「弱者が勝つために策を練るのは当たり前のことだよ」
聖良「………………」
果南「席に戻ってください」
観客「……ハイ…………」
ザッザッザッザ… 観客が去り、闘技場内は二人に戻る。
聖良「礼は言いませんよ」
聖良「『弱者』という言葉が気にかかっています」
果南「ああ」
果南「まあ私と比較べれば誰でも………」
聖良「………」スッ…
聖良が四度目の仕切りの構えをとる。しかしその眼には今までにないギラつきが。
聖良「いいですよ」
聖良「フリースタイルで来てください」
果南「………!」
聖良「遠慮なく」 にこ「人を煽る奴ほど、逆に煽られるとノセられやすかったりするのよね〜〜……」
真姫「まさににこちゃんね」
にこ「ハア!?」
凛「真姫ちゃんもそうだにゃ〜」
真姫「ヴェエ!?私のどこが…」
真姫「凛こそそのまんまじゃないッッ」
凛「凛は全然そんなことないし―――ッッ」
凛「シャ――ッッ」
ワーワーワー
花陽「………………」スヤスヤ 聖良「さァ」
果南「………散々好き勝手やっておいて……」
果南「今更『どうぞ遠慮なく』もないもんだよ………」スッ
ギチイ…
ダイヤ(なんと……)
ダイヤ(知ってか知らずか――いや知るワケないでしょうが――――)
ダイヤ(無知無学な果南さんが「金剛力士像」の構え!!!)
聖良(必然です)
聖良(全力(アウェイクンザパワー)での激突を決意するとき)
聖良(闘争いは――――――)ダンッッ
ダイヤ(立ったッッ) 聖良「―――」ビュンッ
果南「――――」ブンッ
必然角力(すもう)になる!!!
カッ
果南「ッッ!!」
ボキ…ッ
海未「!!」
ダイヤ「果南さんの鉄拳が額で砕かれたッッ」
聖良「ハッ」ドッ
ダイヤ「掌底打ちッ」 聖良「――――」ドドドッドッ
千歌「す…スゴイ突っ張りだッッ」
果南「………ッッ」
果南「―――」キッ
ガッ
聖良「!」
『ハグに成功――――』
ルビィ「やったッ」
花丸「これで果南ちゃんの……」 聖良「フンッ」クイッッッ
果南「ッ!」
善子「腰を引いたッ」
梨子「!」
千歌「あの体勢は……」
果南ちゃんがもろ差し!四つの体勢だ!!
『こッこれは気づかなかった……ッッ』
『相撲にもハグがあったのです!!』
果南「…………ッ」 ダイヤ「両腕が相手の脇の下に入ったもろ差し………基本的に差している側が優位とされますが…………」
聖良「ちょっと…深すぎましたね?」ニヤ
海未(あれでは腕が使えず力が出せません)
海未(それどころか……)
ギュチッ…
果南「ッッ」
聖良が抱えるように果南の腕を極めて締め上げる。
ダイヤ「閂(かんぬき)……ッ」
ダイヤ「立派な関節技ですわ」
聖良「おっしょいッッ」ガッ… 『こッ小手投げェ〜〜〜〜〜ッッ』
果南「……………ッ」
ザザザザザ
『なんとか残しているッ聖良の投げを果南がやっとしのいでいるッッ』
『内浦最強が防戦一方!!鬼のような強さだ鹿角聖良ッ』
海未「…………」
ダイヤ「倒れてしまいなさい果南さんッッ折れますわよッッ」
聖良「その通り―――」ギュチイッ…
善子「なんで無理にこらえてるのよ果南はッッ」
千歌「負けるのが嫌なんだよ……」
ルビィ「負けるって…これはお相撲じゃないのに………」
鞠莉「そう割り切れるほど、果南の頭はソフトじゃない………」 聖良「どうしたんですか果南さん」
聖良「汗が冷たいですよッ」
果南「…………ッッ」ギリ…
海未(試合開始から延々続けている聖良の煽りがここに来て効いていますね)
海未(少しずつ、しかし確実に溜まるストレスが知らず知らずのうちに果南を激昂 (クラッシュマインド)させ、自制(セルフコントロール)できなくさせている)
海未(鹿角聖良………本当に大した策士です)
聖良「このザマじゃ優勝は諦めた方がいいかもしれませんねッ」ググ…
聖良「ラブライブ決勝の果南さんの戦力を100とすると」
聖良「今の果南さんは30、いや20ぐらいと言って……」
果南「――――」ビリビリィッ
千歌「あッ!!!」
聖良「!?」ピタッ
聖良(なんですこれは!?) メキイッ…
『なんだァ―――――!!?』
『突然果南の服が背中から破れ、ダイビングスーツが露出しましたァッッ』
曜「!!」
善子「あ………」
ルビィ「出たぁ………ッ」
海未「“本物”のお出ましですか……ッ」
海未「しかし予定よりダイブ早いんじゃないですか……?」クス…
聖良「……………」ボーゼン
ガッ
聖良「あ……」 『脱出ッ果南は肘破壊から辛くも逃れ……………』
『!!!』
果南「……………」ミシイッ…
『なッ』
『なんだこの背中はァ〜〜〜〜〜〜〜〜!!?』
月「スゴいね」アハハ
にこ「人間じゃないわ……ッ」
せつ菜「――」カッ
穂乃果「おぉ〜〜〜〜」
観客「おッ」
観客「鬼の貌だァ〜〜〜〜〜〜〜〜ッッ」
果南「………」
聖良「…………………」
聖良「ナルホド……」 聖良「背面を構成する筋肉が鬼の貌を造り出す」
聖良「一度は見たいと思っていましたが」
聖良「ナルホド…………」
聖良「そういうことでしたか……」
せつ菜「違う…」
せつ菜「筋肉の形態(かたち)が私達と明らかに違います……ッッ」
果南「…………」ミシイ…
聖良「…………………ッ」
希「聖良ちゃんもついに黙っちゃった」
絵里「さぞかし………絶望を味わっていることでしょうね」ニヤリ
聖良(す……ッッ)
聖良(スバラシイッッ) 聖良(なんと感動的で豊潤な筋肉の持ち主なのですか!!!)
果南「もう十分でしょ………」
聖良(欲しいッッ)
聖良(なんとしても欲しいですッッ)
果南「終わらせるよ」ズチャ…
聖良(組みたいッッ)
聖良(この怪物を函館へッッ)
果南「――――」グニャア…
聖良「―――ッ」ヒヤ… 果南(全身――――)カッ
聖良「こッ」
果南(全霊で!)
聖良(怯(こ)わ〜〜)
果南(叩き潰す!!!)
ダッッッ
聖良「ッッ!!」
メリッ 『つッ掴んだッッ!?』
『果南が聖良の………どこか腰のあたりを………』
果南が両手で聖良の背中側のどこかしらを掴んで持ち上げ、ハグのような状態になっている。
千歌「ど…ッッ」
千歌「どこを掴んでるの!!?」
ダイヤ「骨……」
善子「ホネ…?」
善子「…………」
善子「えぇ!!?」
肋骨かい!!!
聖良「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」 真姫「間違いないわ………」
真姫「皮膚の上から肋骨を掴んでる………ッッ」
にこ「あり得ないでしょ…ッッ」
にこ「どんな握力があればそんな………」
真姫「例えばそう………」
真姫「石炭を超高圧でダイヤモンドに変えてしまうぐらいの……………」
凛「100トンぐらいかにゃ…」
真姫「こんな芸当…花陽でもできるかどうか………」
聖良「……………………」ダラダラ
聖良「『力』が…………入らないですね…」ゼーハー
果南「あなたの『命』を掴んでる」 果南「降参(ドロップアウト)してよ」
聖良「………………」
果南「ねぇ…」
聖良「………………」
にこ「…………」
にこ「スゴイわ、あっちも」
凛「え?」
にこ「……鹿角聖良、ね」
にこ「一筋縄じゃない……」 聖良「…………………オヤ…?」
果南「!」
聖良「攻撃が来ませんね…………」
聖良「試合放棄かなん?」
果南「――――――」
聖良「やったアアアアア」
聖良「勝ちましたァッ」バンザイ…
果南「――――ッ」ブチンッ…
聖良「―――」ニヤ…
ゴシャアッ 海未「がッ顔面に頭突きッッ」
ダイヤ「あの状態から………ッ」
果南「〜〜〜〜〜」ボタッ…
聖良「――――――――」バキボキボキッ…
ドシャアッ
果南「!」
聖良「」
海未ダイヤ「あ………」
理亞「姉様ァッッ」
審判「しょ…勝負ありッッ」 真姫「当然だわ………」
真姫「動ける状態じゃ……動かしていい状態じゃなかった…………ッッ」
真姫「下の方の肋骨が相当数イッてるわよ…」
ヒデコ「担架ァッ」
フミコ「担架くださいッッ」
果南「……私が医務室まで運ぶよ」スッ…
ミカ「!」
ミカ「ではお願いしますッッ」
ザッ…
果南が肩を貸すように聖良を担いで退場していく。
パチパチパチパチ
観客「エラいぞ果南ッッ」
観客「内浦ナンバーワン」 観客「聖良も最後までよく闘った―――ッッ」
観客「最高〜〜〜〜ッ」
観客「最高だァ―――」
観客「Saint Snow最高ゥ〜〜〜〜」
理亞「……………」グッ…
果南「………」ザッ…
果南「!」
果南が青竜側入り口に戻る。Aqoursと他一名がいる。
果南「海未さんッ」
海未「危なかった……は言い過ぎかもしれませんが」
海未「手こずりましたね」ニヤリ
果南「真姫さんはどこにッッ」
果南「この英雄に早急に手当てを」 海未「私が預かりましょう」
果南「お願いします」
海未「ズルくて………」
海未「卑劣で……」
海未「この上なく…………」
海未「美しくて………」ス…
ガバッ
海未果南「!」
聖良「ねェ果南さんッ」ガシッ
聖良「頼みます」
聖良「私と函館に渡ってください」 果南「……………………」
聖良「一緒に組みましょうッ」
聖良「組んでくださいッッ」
果南「――」ポイッ
海未「っと……」キャッチ
聖良「ケガ人にナニするんですか」
果南(なんて奴ッッ)クルッ
海未「………………」ジトー
聖良「あきらめませんからねェッッ」
三回戦第一試合 果南 〇 聖良 × ・静真高校。トロフィーの並んだ一室。
生徒「それにしても先生―――」
生徒「一人の人間がいったい何を思い―――――何を己に言い聞かせるとこれほどの偉業を継続けられるのでしょう」
教師「愛校心よ」
生徒「愛校心………………」
教師「月さんにはとても仲の良い従姉妹が一人いるの」
生徒「初耳ですねそれは」
教師「月さんはその従姉妹と一緒にこの静真高校に通いたがっていたのだけど」
教師「従姉妹の子の方はどうしても浦の星の方に行きたがって」
生徒「浦の星?」 生徒「浦の星って………あの浦の星ですか?」
教師「その浦の星よ」
生徒「なんでまた、あんな………」
教師「…そこまでは私も知らないけれど」
教師「とにかくそういうワケで従姉妹とは離れ離れになってしまった」
教師「……月さんは、本当は後悔してたんだと思うわ」
教師「2年前のことよ…………」
―
――
―――
月「これを私の手に……………」ジャラ…
月が抱えているのは巨大な手錠である………。 教師「理由を説明してください」
月「服従したいのです」
教師「……………………」
月「この静真に従いたいのです」
己が静真高校の支配下にあるという証が欲しいのです!!!
―――
――
―
教師「転校したい―――この静真を退学して浦の星に入学し直したいという切なる願いと」
教師「それを許さない周囲…………無慈悲な現実………」
生徒「まあ…あの浦の星になんて無理でしょうね………」
生徒「結局廃校になっちゃいましたし」 教師「理想と現実の狭間で生まれた歪んだ愛校心」
教師「それが彼女をこの大偉業に突き動かしているの」
生徒「なんか会長、カワイソウ…………」
生徒「!」ハッ
生徒「でも、良かったですねッ」
生徒「だって結局、四月から一緒に…………」
教師「そうね」
教師「そういえば、その従姉妹も“天才”と呼ばれているらしいわよ」
生徒「へえ、そうなんですか」
生徒「とはいえ、会長と比較べたら、全く………」
教師「そんなことは言うものじゃないわ」
教師「月さんと比較したら、この世の誰でも凡人になってしまうのだから」 果南(あれからもう12年も立つんだよね……)
―
――
―――
果南「怖くないって千歌!」
果南「ここで止めたら後悔するよ!」
千歌「う…うう……」
幼年時代。船乗り場から海に飛び込むのを躊躇する千歌とその千歌を元気づける果南。
果南「絶対できるからッ」
千歌「…………」
果南「さあッ」 千歌「…う……」キッ
千歌「たあッ」
ボチャーンッ
果南「ほら、気持ちいいでしょ?」
千歌「…ウン!」ニッコリ
千歌「次はよーちゃんだよッッ」
曜「……」スッ…
果南「曜ちゃんは運動できるから……」ニヤニヤ
果南「宙がえりで飛び込んでよ」
曜「え〜〜………」
千歌「果南ちゃん、それは流石に………」
果南「アハハ、冗談じょうだ………」 曜「――」ダッッ
果南「!」
果南(高………)
グルグルグルンッ
千歌「へ?」
ボッッチャーーーンッッッ
千歌果南「………………ッッ」
曜「本当だ」プハア
曜「とっても気持ちいいねッ」ニコニコ
天才渡辺曜 5歳 12年前の姿だよ 刃牙とラブライブネタが見事にシンクロしてる
スゴいね、作者♡ https://megalodon.jp/2019-0315-0032-39/https://www.jpnumber.com:443/numberinfo_0531_45_4900.html ・玄武側入り口前。
月(曜ちゃんが相手か………)
月(とっても楽しみではあるんだけど…ちょっと気がかりなのが………)
月「この組み合わせで僕を応援してくれる人っているんだろうか…」ウーン
亜里沙「ここにいますよッ」
月「!」
月(声に出てた……)カア…
雪穂「私たちのぶんまで、暴れまくっちゃってくださいッッ」
月「亜里沙ちゃん…雪穂ちゃん……」
よいつむ「私・達・も・忘・れ・て・も・らっ・ちゃ・こ・ま・る・な」
月「!」 よしみ「曜ちゃんは曜ちゃんで応援したいけど」
いつき「月さんにはまたしても出番を取られちゃったわけなので…」
むつ「いきなり負けたりしたら怒るぞ〜〜〜」ニシシ
よいつむ「応・援・し・て・ま・す・よ、生・徒・会・長ッ」
月「みんな………」
No.10「フーッ……フーッ………」グッ
月「うちっちー………君まで………!!」
月「……………でも…」
月「僕はまだスクールアイドルじゃないのに、本当に勝っちゃっていいのかな…?」
雪亜里「………」
雪亜里「………」ニイッ
雪亜里よいつむ10「ダイジョーブ!!」 『三回戦第二試合!!』
『Aqoursが誇る飛び込みの最高傑作、渡辺曜が!!!』
『静真の至宝、渡辺月と激突します!!!』
『空前の天才対決が今始まろうとしているッ』
月「…………」
曜「…………」
『静かな表情の両雄、しかしタダで済むハズもないッッ』
『天才並び立たず―――ッッ』
ワアアアアアア
審判「両者元の位置ッ」
ザッザッ… 千歌「曜ちゃん、頑張ってッ」グッ
梨子「落ち着いてね」
曜「ウン」
果南「この試合は…曜…」
果南「曜が私の後を継げるかどうかの試金石になるよ」
曜「………」
曜「バカを言ってもらっちゃ困るな」
果南「…………」
曜「私はね果南ちゃん」クルッ
曜「この試合で果南ちゃんを超えるんだよ」
審判「開始めいッッ」ゴワアアアンンンン 月「さて、と……」ス…
『両手を開いて低く構えました月』
『これはタックルを狙うアマレスの構えかッッ』
曜(月ちゃん……)
月「………」ズ…
『徐々に徐々に間合いを詰めていく』
曜(月ちゃんに究極の護身術というものを見せてあげるよ)
月「――」ザウッ
『一気に行ったァ―――ッッ』 曜「―――」シュタタタタタタタタ
『なんだ――――――!!?』
穂乃果「――」
果南「………」
海未「……」
月「………ッッ」ポカーン
『こッこれはいったいどうゆーことだァ!?』
『月のタックルに怖れをなすように背中を見せてしまいました』
『どうしたミス飛び込み道』
月「曜ちゃん…」
ダッ
『月がめげずに二度目のタックルッ』 曜「――」ピョンッ
月「!!!」
スウ…
曜は月のタックルをスルリと飛び躱す。
ダッ
『まさか!?』
『ミス飛び込み道の必殺技がッッ』
曜「アハハハハ」ダダダダダダダダ
『100mを10秒台で駆け抜ける脚力での逃走術だというのか―――!?』
月(同じ手が)
月(僕に二度通用すると―――)ダッ… 曜「――」ダンッッッ
月「!!!」
梨子「壁を蹴ったッッ」
ビュンッッ
『曜の体が月の元へ一直線―――ッッ』
千歌「地面と平行な飛び込みだッッ」
月「―――」
カッ ふわ…
『!!!』
曜「アレ………」
『こッ』
『これはッ!?』
せつ菜「間違いないですね…」
彼方「取られちゃった〜〜〜」
月「っと……」スタッ…
ダイヤ「あり得ないですわ…」ダラダラ
渡辺月がッ消力を駆使った!!! 月「オッケー……覚えた」ニコッ
真姫「“持っていた”じゃなく“覚えた”………」
真姫「あの一回戦―――花陽との試合で彼方が使用ったのを見ただけで真似たっていうの!!?」
にこ「……世の中には本当にいるのねェ………」
にこ「天才って奴が…………」
月「…………」スッ…
『オオッなんという振る舞いだァアアッッ』
鞠莉「ハハ…」
『渡辺月、ここで曜に向かって最上級の一礼だ―――ッ』
『まさしくこれぞ慇懃無礼ッッ』
曜「…………ッッ」 月「……」ズ…
『!?』
『月がそのまま前に倒れこ………』
月「――っと」ザンッ
グルングルングルンッ
『うッ腕立て前方転回ィィ連続ゥ〜〜〜〜〜〜〜ッッ』
千歌「…………………ッッッッ」ガーン
月「――」ザッ
ブブンブンッ
『げッ月面宙返りィィィィッ』
愛「月だけにィッッ!?」
かすみ「どうでもいいですよッッ」 月「――」スタッ
『そのまま曜の目の前に着地ッッ』
『僕っ娘の運動神経はハンパじゃな〜〜〜〜〜〜いッッ』
曜「くッ」ブンッ…
『曜が上段蹴りで迎撃………』
月「――」ブッ
ゴッ
曜「ッッ」グラ…
『いやッジャブだッッ月のジャブが先にヒットッッ』
ガガッ ガッ ガッ ガッ
『ジャブッジャブッジャブッ』 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています