絵里「かいとうだんはじめました」
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「今日は?」
「今日はここのお宝をいただこうかと思ってるわ」
「下調べはちゃんとしてあるの?」
「もちろん万全よ」
「成程、たしかにこいつは悪徳なやつみたいね」
「まぁ、私達もいい人じゃないけどね」
「お留守番よろしくね」
「ヴェ!?また私!?」 ドーン!!!!!!!!!!!
「!!!!!!!!」
グラグラッ!!
希「な、なに!?」
絵里「っ...手が本当に早いわね」
にこ「私達の正体もわかったってことかしら?」
海未「まさか...」
絵里「教会まで攻撃してくるなんてね...」
にこ「バチが当たっても知らないわよ!」
絵里「私達もあんま言える立場でもないけどね」 真姫「全く、患者がいるってのに...こっちも大丈夫みたいね」
絵里「真姫、えぇ....今のところはね」
海未「あの....」
真姫「ん?なに?」
海未「上が攻撃されてもここは大丈夫なんですか?」
絵里「あー....まぁ、ここは相当地下だし」
真姫「今のところはね、今のところは」
海未「そうですか...」
にこ「でも...この調子じゃ、ここを嗅ぎつられるのも時間の問題かもね」 海未「ここで敵を迎え撃つってことですか?それとも」
絵里「それはナンセンスね、相手の出方もわからないし、情報が少なすぎるわ」
海未「では...どうするんですか?」
絵里「真姫」
真姫「あの子は移動させられるくらいには安定してるわ」
絵里「そう...」
希「ここから移動するん?」
にこ「まぁ、それが無難ね」
海未「でもどこへ?」
絵里「....真姫」
真姫「...もしかして、あそこ?」
絵里「えぇ、いいかしら?」
真姫「.......」 絵里「よし....」
にこ「設置完了っと」
真姫「こっちもデータは回収したわ」
凛「......」
希「凛ちゃん、ごめんね...」スッ
海未「大丈夫ですか?」
希「うん、凛ちゃんのことは死んでも守るから」
真姫「しばらくしたら普通の道になるからそれまではお願いね」
希「はい...凛ちゃん軽いなぁ....」
海未「.......」
絵里「よし、行くわよ」 にこ「全く、こんな下水道を移動することになるなんて」
絵里「そうね」
希「っ......」
海未「大丈夫ですか?希、少し変わりますよ」
希「大丈夫....」
海未「希....」
真姫「無理しなくていいわよ...ここまでくれば大丈夫ね」スッ
海未「?なんですか?」
カン!カン!!
真姫「折り畳み式の担架よ、しかもキャスター付き」
海未「すごい...まるで猫型ロボットみたいですね」
真姫「その言い方はやめて」 真姫「こんな見た目でも人を乗せて普通の運べるのよ、80キロくらいまではいけるわ」
にこ「相変わらず、すごいのを作るわね」
真姫「私、天才だから」
にこ「はいはい」
真姫「これでこの子を乗せて安全に運べるわ」
希「凛ちゃんはうちに運ばせてください、いいですか?」
真姫「どうぞ」
希「ありがとうございます」
海未「希....」
絵里(あの希って子、本当に凛って子から離れないわね...相当、責任を感じてるのかしら?)
希「........」 海未「一つ聞いてもいいですか?」
絵里「なに?」
海未「我々はどこに向かっているんですか?」
絵里「新たなアジトってところかしら?」
海未「アジトですか...しかし、そこも連中に割れているのでは」
絵里「それはないわ」
海未「随分と自信があるみたいですね」
絵里「えぇ、だって、私もちゃんと場所を知らないから」
海未「...え?」 絵里「真姫、そろそろお願いしていいかしら?」
真姫「はいはい」
絵里「そのアジトの場所は真姫しか知らないの」
海未「そうなんですか?」
絵里「えぇ、真姫のアジト...正確に言えば真姫のお母さんの」
真姫「エリー」
絵里「あ、ごめんなさい」
にこ「あんたはベラベラと喋りすぎ」
絵里「ごめんごめん」
真姫「はぁ...全く」 海未「すいません、私が余計なことを聞いたばっかりに」
真姫「いいわよ、エリーが悪いんだから」
絵里「真姫....」
真姫「まぁ、いいわ...どうせ、これから皆行くんだし」
にこ「.......」
真姫「ようは私のま...親が昔使っていたアジトよ」
海未「成程...」
絵里「だから真姫以外は知らないって訳」
海未「一旦、隠れるにはもってこいの場所ってことですね」
真姫「まぁ、そういうことね」 穂乃果「きょ、教会が!!」
穂乃果「一体なんなの?街で一体何が....」
花陽「穂乃果ちゃーん!!」
穂乃果「!花陽ちゃん!」
花陽「ここもすごいことになっているね....火は結構、消えてきたみたいだけど」
穂乃果「うん....」
花陽「絵里ちゃん...」
穂乃果「っ、救急隊の人達に聞いてみよう!!無事かもしれないし」
花陽「うん!!」 穂乃果「誰も見つかってない?」
花陽「そうですか....」
「〜〜〜〜〜!!!」
穂乃果「いや、取材じゃなくて!知り合いが!!」
花陽「穂乃果ちゃん」
穂乃果「視聴率?なんの話ですか?」
花陽「穂乃果ちゃん!!!」
穂乃果「は、花陽ちゃん?」
花陽「邪魔をしてすいませんでした、すぐに帰りますので」
穂乃果「え?」
花陽「行こう、穂乃果ちゃん」グッ
穂乃果「わっわっ!引っ張らないでよ!」
花陽「失礼しました」 穂乃果「花陽ちゃん?ど、どうしたの?なにかあったの?」
花陽「...無駄だから」
穂乃果「無駄?」
花陽「あの人達と喋っていても絵里ちゃん達の情報を得られそうになかったから」
穂乃果「あー...たしかにあの感じだと...そうかもね」
花陽「嫌な予感がするんです....」
穂乃果「...たしかに、ことりちゃんがいなくなって、ことりちゃんのお母さんも生死が不明の行方不明状態」
花陽「そして絵里ちゃん達も...これはなにか裏があるような気がします」
穂乃果「うん、あまりにもタイミングが重なりすぎだよね」
花陽「この街で何かが...見えない大きな何かが起こっている....」
穂乃果「...かもね」 花陽「状況を判断して、原因は市長かことりちゃん...特にことりちゃんにあるかなって思うの」
穂乃果「なんでそう思うの?」
花陽「ことりちゃんは警官、今まで色んな人達を捕まえてきてるだろうからね、恨まれないはずがないよ」
穂乃果「たしかに逆恨みって可能性はあるかもね」
花陽「だから周辺の人も復讐の対象にしているかもって話」
穂乃果「うーん...じゃあ、市長って可能性は?ことりちゃんは市長の娘だし」
花陽「でもそうだったらなんで絵里ちゃん達を襲うの?」
穂乃果「娘と...仲がいい知り合いだから」
花陽「ことりちゃんが狙いならまだしも、市長を狙って娘の知り合いの教会を爆破する?」
穂乃果「たしかにそれだと理由が薄いような気もするね」 花陽「あとは自分達の力を誇示したくて爆破した可能性もあるけどね」
穂乃果「とんだ宣戦布告だね」
花陽「まぁ、あくまで推測にすぎないけどね」
穂乃果「さすが!探偵だね、名推理!」
花陽「たいしたことじゃないよ、あくまで推測だし」
穂乃果「謙遜しなくていいよ」
花陽「あはは...」
穂乃果「探偵さん、次はどうする?ことりちゃんを探す」
花陽「探すって言っても手掛かりがないと」
穂乃果「そうだよね....」 花陽「........」
花陽(でも引っかかる点も何点かあるんだよね...)
花陽(ことりちゃんとよくペアを組んでいた私が現状、なにもされてないってことは...まさか狙いは別?)
花陽(それとも...これから?)
穂乃果「警察に行ってみよう!もしかしたらなんか情報が入ってるかもしれないし」
花陽「...そうだね」
真姫「着いたわ」
海未「え!ここですか?」
真姫「そうよ」
希「寂れた古そうな洋館....まるでお化け屋敷やん」
真姫「文句を言うなら入れないわよ」
絵里「さぁ!皆、行きましょう!」 真姫「アジトは地下にあるから....ここから降りて」
海未「はい、中は暗いですね...」
にこ「本当に雰囲気があるわね....」
真姫「しつこいと怒るわよ、にこちゃん」
にこ「真姫ちゃんは怖くないの?」
真姫「一人で何回も来てるし、余裕よ」
にこ「あ...そう」
絵里「.........」
にこ「ん?」
絵里「........」
にこ「絵里?」 にこ「絵里」
絵里「!な、なに?」
にこ「!いや、ぼーっとしてるみたいだったからどうしたのかなと思って」
絵里「あぁ...ちょっと、考え事をね」
にこ「考え事?」
絵里「大したことじゃないから」
にこ「ふ〜ん....」
真姫「エリー、にこちゃん早く」
にこ「!今、行くわ」
絵里「!えぇ、今、行くわ...っ....」
にこ「......?」 海未「教会の下のアジトもすごかったですが...ここもすごいですね」
真姫「まぁ、私のパパとママが作ったんだから当然よ」
希「パパ?ママ?」
真姫「!うちの親も昔は色々ってやっててね」
にこ(あ、話をそらした)
真姫「今は使ってないから、譲り受けたのよ」
海未「成程、ご両親もこっちの家業だったのですね」
真姫「まぁ、そうね...そんなところね」 にこ「で?これからどう動く?」
絵里「まずは敵の目的をちゃんと掴みたいわね」
真姫「そうね、私達を恨んで狙っているか...」
絵里「それともこれを狙っているか」
にこ「お宝の回収って訳ね」
絵里「可能性は一番高いわね、そして同時に私達の始末ってところかしらね」
にこ「敵は目的の為なら手段を選ばないやばい連中みたいだし」
絵里「やるしかないわよ、その為に手を組んだんだからわざわざ....ね?」
海未「そうですね」
絵里「....見てなさい、私達の本気を」 穂乃果「ま、待ってよ...花陽ちゃん、早いよ」
花陽「情報が少ないなら足で稼ぐ、時間もないから急がないと!」
穂乃果「探偵モードに入ってるよ、いつもより動きがよすぎ」
花陽「時間が惜しいんです、早く手がかりを!ことりちゃんを!」
穂乃果「!そうだね...頑張らないとね!!」
花陽「はい!!」
「..........」
花陽「!」
「..........」スタスタ
花陽「.........」
花陽(あの人、動きが普通の人と少し違う...怪しいです....) 希「えっと...その格好は...」
にこ「変装よ」
希「どういう仕組みになってるん?背丈だけじゃなくて体系まで変わってるやん」
にこ「にこは変装が得意だから」
希「得意ってレベルじゃないよ....別人やん」
にこ「これくらいできなければ仕事はできないわ」
花陽「.......」スタスタ
穂乃果「あ!待ってよ!花陽ちゃん!!」
花陽「!!」スッ
穂乃果「むぐっ!」
花陽「静かにして....お願いだから」
穂乃果「は、はい.....」 にこ「あれはたしか....」
希「どうしたん?」
にこ「!...いえ、なんでもないわ」
希「ふ〜ん....」チラッ
「........」
希「!」
にこ「さてと...どこから行きましょうかね」
希「見つけた...」
にこ「え?」 「.......」
穂乃果 花陽「........」
「........」スッ
穂乃果「あそこの角を曲がったよ」
花陽「どんどん人気のないところに向かってる...怪しいです」
穂乃果「よし、追いかけよう」
花陽「!」
穂乃果「あれ?いない?」
花陽「.......」
穂乃果「一体、どこにいちゃったのかな?」 「私になにか用か?」
穂乃果 花陽「!」
「...........」
花陽(い、いつの間に....)
穂乃果(背後に.....花陽ちゃんの読み通り、只者じゃない?)
花陽「あれ?」
「ん?」
花陽「穂乃果ちゃん違うじゃん!」
穂乃果「へ?」
花陽「もー...人違いだよぉ...恥ずかしい....」
穂乃果「!...あ、その...ごめん」
「........」 花陽「すいません、人違いだったみたいで....」
「人違い?」
花陽「ちょっと人を探してて...すいません」
「.......」
穂乃果(花陽ちゃんすごい...バレてからの切り替えが早い、さすが探偵)
花陽「実は...私、こういうものでして」スッ
「...探偵?」
花陽「はい、それでこの人は私のお友達でお手伝いをしてもらっているんです」
穂乃果「間違えてしまってすいませんでした....」
「.....ふむ....」
花陽「...........」 穂乃果「は、花陽ちゃん!早く仕事に戻ろう!依頼人の方に怒られちゃうよ!」
花陽「う、うん!」
穂乃果「本当にすいませんでした!」
花陽「なにかお話があれば番号がその名刺に書いてあるのであとでそこにご連絡をいただければ」
穂乃果「早く!」
花陽「ちょっと待ってよー!!!」
「.............」
穂乃果「お騒がせしました!!失礼します!」
花陽「失礼します!!」 「待ちたまえ」
穂乃果 花陽「!!」
「........」
穂乃果「な、なんでしょうか?」
花陽「今は急いでいるので、できればお話は後でお伺いできれば思ってるんですが」
「その必要はない」
花陽「は、はい?」
「見え透いた演技はもういい、わかっている」
穂乃果「え、演技?」
花陽「な、なんのことですか?」
「........」 穂乃果「え、えっと....」
「君は高坂穂乃果、たしか、TV局のリポーターだったな」
穂乃果「!」
「そっちの君はこの街の刑事、南ことりとよくペアを組んでいる探偵の小泉花陽」
花陽「.......」
「人のことをこそこそと嗅ぎまわるのは感心できないな」
穂乃果「こそこそなんて...」
「職業病か?それとも...」
花陽「それとも?」
「人でも探しているのか?」
花陽「!」 穂乃果「花陽ちゃん....」
花陽「もう無駄みたいだね、それにビンゴみたいだし」
「..........」
花陽「貴方、何者ですか?」
「知ってどうする?」
花陽「色々と聞きたいことがあります」
「ふむ...答えたくないと言ったら?」
花陽「貴方を警察に突き出すだけです!」
「何もしていないのにか?」
花陽「しているはずです」
「はず?推測か?なにを思ってそう思う?」
花陽「花陽の...私の探偵の勘がそう言ってるからです!」 「勘か....」
穂乃果「.......」
花陽「答えてください!この街の騒ぎは貴方達の仕業ですね!」
「弱々しい見た目に反して...中々、いい度胸と読みだな」
穂乃果「!...ってことは」
「ご名答だ、この騒ぎは我々の仕業だ」
花陽「やっぱり...」
「そして、それを知ったからには、君達にはご退場願おうか」スッ
穂乃果「!」
花陽「すぅ...ダレカタスケテー!!!!!」 花陽「この人やばいです!!誰か警察呼んで!!」
穂乃果「火事だー!!」
「........」
シーン....
花陽「あ、あれ?」
穂乃果「誰もいない...の?誰か!!!」
「無駄だ、この辺りには人払いをしているからな」
花陽「!」
穂乃果「なら電話を!...け、圏外?」
「時間がもったいない、すぐに終わらせてやる」
花陽 穂乃果「!!」 「!」
ドン!!
花陽「ぴやぁ!!」
穂乃果「な、なに?砂埃が...」
希「........」
「君は...」
穂乃果「だ、誰?」
希「見つけたよ....」
「全く...次から次へと...」 花陽「あ、貴方は?...」
希「危ないから下がっていて」
穂乃果「え」
希「怪我をしたくなかったらどっかに行ってって言ってるの」
穂乃果「!は、はい!花陽ちゃん!」
花陽「う、うん!」
「ターゲットの方から来てくれるとは探す手間がはぶけた」
希「こっちも探していたからね、あんたのことを」
「そうか....」
希「あんたのせいで...凛ちゃんは....」
「.........」 「周りには一応、見張りをつけておいたんだが...」
希「あぁ、片づけたよ」
「ふむ...一応はやれるようだな」
希「そして、今からあんたを倒す!!」
「そうか...」
希「やぁ!!!!!」
「........」
にこ「全く...完全に頭に血が上ってるわね」
にこ「連絡は...ここならなんとかできそうね...」 〜♪
真姫「!」
絵里「にこからの連絡?なにかあったのかしら?」
真姫「今、繋ぐわ...にこちゃん?どうしたの?」
にこ『いいニュースと悪いニュースがあってね、連絡したの』
絵里「いいニュースと悪いニュース?」
にこ『まず、いいニュースよ、連中の一人を見つけたわ』
絵里「さすがにこね」
真姫「で?悪いニュースは?」
にこ『見つけたのが凛って子を襲ったやつと一緒でね』
海未「!」
にこ『希って子が切れて突っ込んでいったわ』
海未「........」 海未「.........」ダッ
絵里「ちょっと、どこに行くの」
海未「今の希は...自分と相手に対しての怒りで心が支配されてます」
絵里「かもね」
真姫「........」
海未「だから止めないと、それに凛を破った敵です...加勢が必要かもしれません」
絵里「かもね」
海未「ですから!行かないと!これ以上仲間が...傷つけられるのは見たくないんです!!」
絵里「そう」
海未「だから行かせてください!」 絵里「だって、どうする?真姫?」
真姫「...私が行くなって言ってもエリーも行く気なんでしょ?」
絵里「そうは言ってないわよ」
真姫「顔がそう言ってるわ」
絵里「そんな顔をしてないんだけなぁ...」
海未「では、行っても!」
絵里「私も同行するけどね」
真姫「はぁ...留守番はしてるから、さっさと行ってきなさいよ、バカ」
絵里「馬鹿は余計よ」
真姫「ほら!さっさと行く!」
海未「....ありがとうございます!!」 絵里「そんな顔をしてないんだけなぁ...」 ×
絵里「そんな顔をしてないんだけどなぁ...」〇 真姫「にこちゃん聞いてた?」
にこ『えぇ』
真姫「熱血馬鹿が二人ほどそっちに行くから誘導よろしく、状況は?」
にこ『まだ、にらみ合いってところね』
真姫「一般人は?巻き込んだら面倒よ」
にこ『相手が人払いをしてて周囲にはいないわ』
真姫「そう、相手も手際がいいわね」
にこ『あ』
真姫「どうしたのよ」
にこ『その近くに花陽と穂乃果ってレポーターがいたの忘れてた』
真姫「は?」 絵里「じゃあ、急ぎましょうか」
海未「はい」
絵里「乗って、ヘルメットよ」スッ
海未「!バイクですか...」パシッ
絵里「私にしっかり掴まってて頂戴」
海未「わかりました」
絵里「さぁ、飛ばして行くわよ!」
海未「はい!」 希「.........」スッスッ
「その構えは拳法か?」
希「まぁね」
「忍者に....拳法家、中々に面白いグループだな」
希「余裕を言ってられるのも今のうちや!!」
「.........」
希「てやああああああああ!!」 にこ「あの希って子...いい動きをするわね、見た目に反して」
真姫『にこちゃん、呑気に実況してる場合じゃないわよ』
にこ「いや、下手ににこが入っても邪魔になるだけだし、にこは戦闘は苦手だから」
真姫『それは...まぁ、そうね』
にこ「いや、そこは違うとか言ってフォローしてよ」
真姫『だってにこちゃん、私よりも...』
にこ「にこはステータスがそっちに振られてないだけです」
真姫『まぁ、無茶はしないでね』
にこ「にこがすると思う?」
真姫『一応よ、一応』 ブロロロ.....
絵里「あと、もう少しね」
海未「..........」
「...........」スッ
絵里「!!」
プップー!!
「ふふふ....」
絵里「っ!!!しっかり掴まってて!!」
海未「は、はい!!」
キキッー!!! 絵里「...ふぅ....」
海未「一体、どうしたのですか....!」
「........」
絵里「...貴方ねぇ、人通りが少ない道でも道の真ん中に立ってたら危ないでしょ!」
海未「.......」
「.........」
絵里「貴方、聞いてるの?」
「うふふふ」
絵里「まぁ、人払いしてるからよかったけどね」
「貴方達...BiBi?それとも..」
海未「成程、新手ってことですか」 真姫「全く...いつもいつも私だけ留守番なんだから」
真姫「...まぁ、別にいいけど...あの子の手当てもしないといけないし」
真姫「様子でも見てきますか...」
真姫「ん?」
真姫「!!!」
〜♪
絵里「!」
「どうぞ」
絵里「.........」 真姫『エリー?』
絵里「真姫、ちょっと今取り込み中なんだけど」
真姫『それは悪かったわね、でも、緊急事態よ』
絵里「今度はなに?」
真姫『凛って子がいなくなった』
絵里「は?」
真姫『ベッドがもぬけの空だったわ、アジト内も探したけどいないわ』
海未「どうかしたんですか?」
絵里「...貴方のお仲間が脱走したみたいよ」
海未「!」 真姫『おそらく希って子の元に向かったんだと思うわ』
絵里「なんでそんなことがわかるのよ」
真姫『手紙が置いてあっての』
絵里「手紙」
真姫『希ちゃんのところに行ってきます、ごめんなさいってね』
絵里「........」
真姫『にこちゃんにも伝えようと思ったんだけど、急に通信が繋がらなくなって』
絵里「そう...なら、急がないとね」
真姫『すぐに行けそう?』
絵里「敵次第かしらね」 真姫『!まさか、エリー』
絵里「えぇ、こっちも別の奴と接触中でね」
真姫『.........』
絵里「まぁ、すぐに片づけていくから」
「随分となめられているみたいね」
絵里「真姫はにこに通信を続けて頂戴」
真姫『了解....』
絵里「頼んだわよ、真姫」
真姫『えぇ...わかったわ』 絵里「ねぇ、ここを通してくれないかしら?」
「それは無理な相談ね、引き返すっていうなら少しだけ見逃してあげてもいいけど」
絵里「それこそ無理な相談ね」
海未「貴方たちは何者ですか、何故私達を狙うんですか」
「色々あるのよ、こっちにもね」
絵里「........」
「それにしてもこっちは中々の当たりみたいね、そっちの金髪がBiBiの絢瀬絵里、そっちの方がlily whiteの園田海未ね」
海未「よくご存じのようで」
「下調べは大事よ」
絵里「その通りね」 海未「そうですか、それで貴方の名は」
「名前?名乗ってどうすんのよ」
海未「倒す敵の名前くらいは覚えておいてあげようかと思いましてね」
「あははは!!面白いわね、私に勝てると思ってるの?」
海未「はい」
「そう...じゃあ、自己紹介をしましょうかしらね」
絵里「.....」
「私はA-RISEのあんじゅよ」
海未「A-RISE?」
絵里「どこかで聞いたことがあるような...ないような」
あんじゅ「さぁ!始めましょうか!!戦いを!」 真姫「全くどいつもこいつも...好き勝手なんだから」
真姫「エリーの方はきっと大丈夫なはず....問題はにこちゃんの方ね」
真姫「丁度いい、新作を試してやるわ...見てなさいよ、天才の真姫ちゃんの本気を!」
希「はぁ....はぁ....」
「..........」
希「このっ...息一つ切れないなんて」
「君の動きは素晴らしい、しかしこの私を追い詰めるのには至らないってことだ」
希「減らず口を....」
「事実だ」
希「っ......」
「時間がもったいない、そろそろ終わらせてもらうぞ」 希「やぁあ!!!」
「そんな単調な動きでは、私には効かないぞ」スッ
ドン!!
希「がっ!!」
「..........」
パシッ!
「!」
希「油断したね...肉を切らせて骨を断つ!やあああああああ!!!!」
ボキッ!!
「!!」
希「はぁはぁ...腕一本もらったよ....」 「.........」ブラーン
希「はぁ...はぁ.....」
希(腕が折れたはずなのに、なんであんなに冷静でいるんや、あいつ)
「....ふむ.....」
希「.........」
「修復開始」
希「え?」
ゴキ!!バキ!!
「....修復完了」
希「なっ...腕が...戻った?」
「.........」 希「まさか....貴方!」
「.........」ダッ
希「!」
「...........」グッグッ
希「っ....ぁ.....」
希(息が....振りほどけない...なんて力)
「そろそろ終わりにしよう」
希「..あぁ...がっ...」
「........」
希(このままだと...まずい....) バン!!
「!!」
ドスン!!
希「はぁ...はぁ...っ....」
「スナイパー?...向こうの方角からか」
希「っ...はぁ....」
「君のお仲間か?」
希「さ、さぁね?」
「........」
希「さてと...抜け出せたのはいいけど、どうしたものか」
希(あれを使うしかもうないか...) にこ「回避されちゃったか....真姫ちゃんとも通信が繋がらないし」
にこ「にこがいったところで邪魔になるだけだし...あぁ!!もう考えるだけ無駄ね!!」
にこ「どうせ存在はバレちゃんったんだし、もうやってやろうじゃない」
希「.........」ゴソゴソ
「?」
希「貴方は強い、だから、もう何振り構ってられない」
スタッ
「!」
にこ「.........」
「新手か」
にこ「全く、面倒ね」 希「なんで」
にこ「黙ってあんたがボロボロになっていくのを見ていられるほど非情じゃないわよ」
希「そっか」
にこ「あんたのリーダーにも怒られそうだし」
希「ありがとう...でも、少し離れてて」
にこ「え?」
希「ちょっと危ないことをするから」
にこ「何をする気?」
「.........」
希「いいから!!」
希(海未ちゃん...凛ちゃん..ごめん、うち...約束破るわ) 希「.........」スッ
「ん?」
希「ん......」ゴクッ
「なにかを飲んだ?」
希「っ........」バチッ
「!」
希「あああああああ!!!」バチ!!バチ!!
「な、なんだ一体?」
にこ「あいつ、なにをしたのよ!」
希「ああああああああ!!!」バチ!!バチ!!!
にこ「っ...このままだと巻き込まれる!離れないと!」 希「っ...........」ダラン
「治まった?おい、何をしたんだ」
希「...........」
「聞いているのか?」
希「............」
「無視か...それとも話したくないということか」
にこ「あいつ、隙だらけじゃない...何を考えてるのよ」
にこ「...それにさっきの電撃みたいなやつは一体なんだったの?」 希「...........」
「よくわからないが、時間がもったいない」
希「.........」
「ケリをつけさせてもらう」ダッ
にこ「まずい!!今のあいつは隙だらけ!!」
「..........」スッ
にこ「あんた!!早くしゃきっとしなさい!!」
パシッ!!
「!!」
希「.........」 にこ「あいつ...攻撃を受け止めた?」
「っ........」ググッ
希「.........」
「さっきより力が上がっている?....」
希「.........」ギリギリッ...
「っ!!...この!!!」ブン!!
希「.........」フッ
「っく...一体、何をした!」
希「.........」
「答えろ!!」 希「....す.....」
「ん?」
希「!!.........」ダッ
「!」
ブン!!
「は、早い!!!」サッ
ドン!!
「しかも力もはるかに上がっている...」
パララ....
にこ「地面が粉々に!?コンクリートよ!?」
希「.........」ギロッ
にこ「!!」 「成程、さっき飲んだのはドーピングと言ったところだな」
希「!.......」ピクッ
「そして力を得る代わりに理性を失うと言ったところか」
希「..........」
「人を捨てて、私に挑むか...面白い」
にこ「あいつ...すごい顔をしてた....まるで狂人」
にこ「仲間の為?...自分の為?...その為に自分を捨てるっていうの?」
にこ「っ...大馬鹿者ね、あいつは」 希「.........」ドン!!
「動きも滅茶苦茶...だが」スッ
希「..........」ドン!
「...っ...故に動きが読めない....」
希「.........」
「この!!」スッ
ドン!!
希「!」
「手ごたえあり...さらに...」
ドン!!
希「!!!」 「しかし弱点がない訳でない...まず、避けることをしない」ブン
ドッ!
希「...っ.....」
「それは避ける理性がない為なのか、そして攻撃をして反応があるところを見るとこちらの攻撃によるダメージは通るようだ」ヒュッ!
ドン!
希「っ!」ガクッ
「膝をついたか...いくら力があがってもそれを上手く制御できなければ意味がない」
希「.........」
「少々驚かされたが、これで終わりだ!」
希「...っ....」バチッ
「!」
希「あああああああああああ!!!」バチ!!バチ!! 「また電撃みたいものが!!これは!」
希「.........」パシッ
「!し、しまった!」
希「....うち...たお....す..」グッ
「!!!!!!」
希「あああああああ!!!」バチバチ!!
ドン!!
「っ....ぐわあぁああ!!!」
希「ああああああああ!!」
ドン!!
「がっ...あぁ!!....」 にこ「まずい、このままだと...完全に歯止めがきかなくなってる」
希「あああああああ!!」
ドン!!
「がはっ!!」
にこ「完全に暴走をしてる....どうしたら!」
希「やぁ!!」ブン!!
「っ......」ズサー
にこ「!」
希「...........」フラフラ
にこ「っ!このままだとにこだけじゃなくて...街の住人にも被害が!」
希「っ.....!」ギロッ
にこ「!!ど、どうしたらいいのよ!!」 「はははは...」
にこ「!」
「暴走をして、自分も仲間も滅茶苦茶になるのか、滑稽だな」
にこ「あんた....」
「私はもう動くことも立ち上がることすらもままならないが、君達の最後くらいは見ることができそうだ」
にこ「このっ!....」
希「あああああああああ!!」
にこ「!!」
凛「希ちゃん?」
希「!」ピクッ
凛「なんで...どうしたの?」
にこ「なんで、あんたがここに....」
凛「.......」 希が一番仲間の事大事に思ってそうだな
何もない自分が唯一持ってる何よりも大事なものって感じ 希「!.........」ピクッ
凛「希ちゃん...まさか、あれを!?」
「見たことがあると思えば、この間の忍者か」
凛「!」
にこ「あれって、さっきの薬みたいなやつ?」
凛「!っ....」スッ
にこ「私はBiBiよ、変装をしてるのよ」
凛「その声は....成程....」
希「っ....あああああ!!!」
にこ 凛「!」 にこ「さっきからあの調子なのよ、敵、味方の見境がなくなってきている」
凛「......」
にこ「あの薬みたいやなやつのせい?」
凛「うん、あれは禁断の薬...」
にこ「禁断?」
凛「希ちゃんの親が薬に詳しかったらしくてね...まあ、主には治癒薬がメインだったらしいけど」
にこ「でも、あれは違うわよね、どう見ても」
凛「うん、あれは飲んだ使用者の身体能力を著しく向上させるものなの」
にこ「急激なパワーアップはそういうことね」
凛「そして副作用で理性が失われてしまう....危険なモノなの!」
にこ「成程、それで今は暴走をしているって訳ね」 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています