梨子「わ、私と曜ちゃんの」曜「短編集だよ!」
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【朝】
梨子「曜ちゃん、朝だよ」
曜「んー……」
梨子「ほらほら、早く起きて」ユサユサ
曜「まだ眠いー……」
梨子「だめだよ、学校遅刻しちゃうから」
曜「はーい……」モゾモゾ
梨子「ふぅ」
曜「隙ありー!」
梨子「きゃっ!?」
曜「えへへ?梨子ちゃんいい匂い?」ギュー
梨子「もー……遅刻しちゃうよ」 曜「ねーねー!お菓子買おうよ!」
千歌「おー!いいねいいねー!」
曜「千歌ちゃんのおススメはー?」
千歌「うーん、全部!」
梨子「このお店……」
曜「どうしたの?」
梨子「昔、来たことがあるかなって」
千歌「え?梨子ちゃん昔内浦に来てたの!?」
梨子「うん。といっても、凄くのことだけどね」
千歌「ほえー、そうなんだ」
千歌「じゃあ今日はみかんでお祝いしないとね!」
曜「千歌ちゃんが食べたいだけでしょ!」 ダイヤ「おや、どうしたんですか梨子さん?」
ダイヤ「今日の練習は休みのはずですが」
梨子「えっと……」
果南「プールだよ」
梨子「え?」
果南「曜を探してるんでしょ?」
果南「飛び込みの大会も近いし、練習してるはずだよ」
梨子「ありがとうございます」ペコリ
ダイヤ「よくわかりましたわね」
果南「なんとなく、ね」 梨子「入り口まで来たけど、勝手に入ったらだめだよね」
梨子「どうしよう……」
梨子(あれ、なんで私、曜ちゃんに会いに来てるんだろう)
梨子(今日は練習もないのに)
「あれ、見学の人ですか?」
梨子「え?」
「入ってください!さ、こっちこっち!」
梨子「あ、ま、待ってくださ……」 梨子「入っちゃった……」
梨子「曜ちゃんは……あ、いた」
曜「…………」
梨子「……っ///」カァァァ
梨子(曜ちゃん、いつも笑顔でいるけど、あんな真剣な表情もできるんだ)
ドボンッ!
「きゃー!きゃー!」
「渡辺先輩カッコいい!」
梨子(曜ちゃん、凄い人気)
梨子(やっぱり、私とは住む世界が違う人、なんだ)
梨子(……ここにいても迷惑だよね。帰ろう)
曜「あ!梨子ちゃーん!」 曜「練習見に来てくれたの?」
梨子「う、うん」
曜「そうなんだ、嬉しいなぁ!」
曜「ねぇねぇ、どうだった?」
梨子「えっと、凄く、カッコよかった///」
曜「えへへ、ありがとう」
曜「梨子ちゃんにそう言ってもらえると嬉しいよ!」
曜「よーし、もうひと頑張りしちゃうぞー!」
梨子「///」 〜〜〜〜♪
梨子「…………」
曜「綺麗な音、だね」
梨子「よ、曜ちゃん!?」
梨子「練習は終わったの?」
曜「うん。梨子ちゃんがまだ残ってるかなと思って探しに来たの」
梨子「そう、なんだ///」
曜「私さ、梨子ちゃんのピアノ大好きなんだ」
曜「良かったら弾いてもらえないかな?」
梨子「……うん」ポロン
〜〜〜〜♪
曜「……綺麗」ボソッ
梨子「え?」
曜「あ、ごめんね。なんでもないよ」 〜梨子の部屋〜
梨子「今日もいっぱいお喋りしちゃった」
梨子「それに、音楽室で二人きりに……///」
梨子「なんで、こんなにドキドキするんだろう」
梨子「ピアノを弾いてる時も、曜ちゃんがいるだけで耳まで熱くなっちゃう」
梨子「赤くなってたの、バレてないよね?」
梨子「……やっぱり、好き、なのかな」
梨子「……曜ちゃん///」 〜部室〜
梨子「ねぇ、千歌ちゃん」
千歌「どうしたの?」
梨子「えっと、その……曜ちゃんのことなんだけど」
千歌「ほぇ?曜ちゃんがどうかしたの?」
梨子「曜ちゃんって、恋人、いるのかな?」
千歌「…………」
梨子「千歌、ちゃん?」
千歌「あ、ごめんね」
千歌「……いない、と思うよ」
梨子「そうなの?あんなにモテるのに?」
千歌「うん。まあ、ね」
千歌「だから、梨子ちゃんにも全然チャンスがあるよ!」
梨子「えっ!?そ、そんな……私なんて、地味なだけだよ……///」
千歌「そんなことないって!曜ちゃん、なんだか梨子ちゃんのことを特別に思ってるように見えるし」
梨子「そうなの……?」
千歌「うん。なんとなく、だけどね」
梨子「……そう、なんだ///」 果南「梨子ちゃんに、あんなこと言って良かったの?」
千歌「聞いてたんだ」
果南「梨子ちゃん、絶対フラれるよ」
果南「それは分かってるでしょ?」
千歌「……うん」
千歌「でも、予感がしたの」
千歌「梨子ちゃんなら、なんとかしてくれるんじゃないかって」
果南「そっか」
果南「それなら、上手く行くように祈ろう」
千歌「……頑張ってね、梨子ちゃん」 〜放課後・教室〜
曜「遅くなってごめんね、梨子ちゃん!」
梨子「ううん、練習お疲れ様、曜ちゃん」
梨子「今日もいっぱい頑張ったんだよね」
曜「うん。大会も近いからね」
曜「それじゃあ、帰ろっか」
梨子「……待って、曜ちゃん」
曜「どうしたの?」
梨子「曜ちゃんに、大切なお話があるの」
曜「大切な、話?」
梨子「…………っ」
梨子「私、曜ちゃんのことが好き!」
梨子「だから、私と、付き合って、ください」
曜「…………っ」
曜「……ごめん、梨子ちゃんとは付き合えない」 梨子「…………っ」
梨子「そう、だよね。私なんかが、曜ちゃんと釣り合うわけ……」
曜「違う!」
曜「梨子ちゃんは、凄く素敵だよ」
曜「梨子ちゃんと一緒にいるだけで、なんでか心が落ち着くの」
曜「私とは全然違う、綺麗で、清楚で……」
曜「一緒にいるだけで、どんどん、惹かれちゃう……!」
梨子「曜、ちゃん?」
曜「お願いだから、私のなかに、入ってこないで」
曜「私の約束を汚さないで!」
曜「これ以上、好きになりたくない……!」
梨子「……まっ、」
曜「もう、私に近付かないで」 梨子「…………」
千歌「駄目、だったんだね」
梨子「千歌ちゃん……」
梨子「曜ちゃん、どうしたの?」
千歌「曜ちゃんね、子供の頃、恋人がいたの」
千歌「県外から来た子でね、毎日二人で仲よさそうにしてたんだ」
千歌「その子は一ヶ月くらいしかいなかったんだけど、その時に約束したんだって」
梨子「なんて?」
千歌「……結婚しようって」
梨子「っ!」
千歌「曜ちゃんね、それをずっと覚えてるの」
千歌「だから恋人も作らないし、誰かを好きになることもない」
千歌「いつも、一歩引いたところからみんなを見てるだけ」 千歌「でも、梨子ちゃんにだけは違った」
千歌「びっくりしたよ、放課後に『梨子ちゃんが何処にいるか知ってる?』って聞かれた時はさ」
梨子「私を……?」
千歌「うん。だから、梨子ちゃんは特別なんだって思った」
千歌「もしかしたら、とも思ったの」
千歌「……でも、結果は違った」
千歌「ごめんね、梨子ちゃん」
梨子「……ううん、いいの」 梨子「……フラれ、たんだ」
梨子「分かってたけど、やっぱり辛いな」
梨子「約束を汚さないで、か」
梨子「やっぱり、転校生の私なんかじゃ、曜ちゃんに近づく資格は無かったんだ」
梨子「あは……は……なんで、だろ」
梨子「なんで、なみだ、が、」
梨子「……っ、」
梨子「曜、ちゃん」 梨子「あれ、ここ何処だろう」
梨子「ぼーっとしてたら、変な道に来ちゃった……」
梨子(でも、なんでだろ、見たことある気がする)
梨子(こっちの方、だよね)
ガサガサ
梨子「……わぁ」
梨子「綺麗……こんな景色……初めて……」
梨子「……初めて?」
梨子「違う……見たことある」
梨子「だって、ここ……」
曜「……誰?」
梨子「曜ちゃん……」
曜「梨子、ちゃん?」 曜「なんで、ここに?」
曜「私しか、知らないはずなのに」
梨子「曜ちゃ、」
曜「出てってよ」
曜「早く出てってよ!」
曜「ここは、私とあの子だけの場所なの!」
曜「他の誰も、入って来ちゃだめなの!」
曜「知られちゃ、いけないの!」
梨子「……なんで?」
梨子「だって、この場所を教えてくれたの、曜ちゃんでしょ?」
曜「え?」 梨子「思い出したの、昔のこと」
梨子「私ね、内浦に来た時に、仲良くなった子がいたの」
梨子「臆病で引っ込み思案な私の手を引いて、よくお外に連れ出してくれた」
曜「……うそ」
梨子「私がピアノの練習してる時も、隣に座りながら歌ってくれてたよね」
曜「……ぁ」
梨子「お母さんたちの指輪を勝手に使って、新婚さんごっこして怒られたっけ」
曜「…………」
梨子「ごめんね、忘れてて」 曜「……っ」ギュッ
曜「ごめん、ごめんね、梨子ちゃん」ギュゥゥ
梨子「なんで謝るの?約束を忘れてたのは私なんだよ?」
曜「私、気付かなかった」
曜「約束は覚えてたのに、梨子ちゃんのこと忘れてた」
梨子「仕方ないよ、子供の頃のことだもん」
曜「私、本当に梨子ちゃんのことが好きだったの」
曜「子供の約束だってことは知ってる。でも、それでも、忘れられなかった」
曜「だから、梨子ちゃんのことを好きになっていく自分が信じられなかったんだ」 曜「ねぇ、梨子ちゃん」
梨子「どうしたの?」
曜「もし、許してくれるなら」
梨子「待って」
梨子「今度は、わたしから言わせて」
梨子「……結婚を前提に、私とお付き合いしてください」
曜「……はい、喜んで」ニコッ 梨子「それにしても、嬉しかったな」
曜「え?」
梨子「だって昔好きになってもらえて、覚えてないのにまた好きになってくれたんだもん」
曜「……それは梨子ちゃんも同じでしょ」
梨子「ふふ、そうだね」
曜「約束思い出してくれたのなら、ちゃんと守ってよね」
梨子「……うん。曜ちゃんの重い愛、ちゃんと受け止めてあげるから」
曜「そうだよ。私の愛は重いんだからね」
梨子「……楽しみにしてるね」
梨子「ただいま、曜ちゃん」
曜「おかえりなさい、梨子ちゃん」
千歌「ほえー、あれ梨子ちゃんだったんだ」
果南「こういうの、なんだか運命感じちゃうよね」 「今日は台風が来るから早く帰れよー」
「「「「「はーい」」」」」
千歌「台風が来るんだねー」
梨子「うん。結構強いらしいから気をつけないとね」
曜「…………」
梨子「?どうしたの、曜ちゃん?」
曜「え、あ、べ、別になんでもないよ」
梨子「そう?それじゃあ私と千歌ちゃんは先に帰るね」
ギュッ 梨子「ん?」
梨子「どうしたの曜ちゃん、服の裾を掴んで」
曜「…………」ギュッ
千歌「曜ちゃん、台風苦手だもんね」
梨子「そうなの?それじゃあ家まで送っていこうか?」
曜「…………の」
梨子「え?」
曜「……今日、お母さん、いないの」
千歌「あちゃー……」
曜「どうしよう……」
梨子「じゃあ、私のお家に来る?」
曜「いいの?」
梨子「うん。いいよ」 曜「お邪魔します」
梨子「その辺、どこでも座っていいよ」
曜「うん」
曜「ごめんね、押し掛けて」
梨子「いいんだよ。曜ちゃんの力になれて嬉しいし」
梨子「飲み物、何か飲みたいものある?」
曜「なんでも大丈夫だよ」
ピシャァァァァァァァァァァンンン!
曜「きゃぁっ!」 梨子「大丈夫、曜ちゃん?」
曜「……大丈夫」
バチン
梨子「……あれ、停電?」
曜「っ!」
梨子「ごめん、下から懐中電灯取って来るね」
ギュッ
梨子「曜ちゃん?」
曜「……いかないで」ウルッ
梨子「っ///」キュン 梨子「大丈夫だよ、曜ちゃん」ナデナデ
梨子「ちゃんと側にいるからね」ナデナデ
曜「……ごめんね、梨子ちゃん」
梨子「なんで謝るの?」
曜「迷惑かけてるから」
梨子「そんなことないよ」
梨子「曜ちゃんの可愛い姿も見れたしね」
曜「……意地悪」 梨子「曜ちゃんにも、苦手な物があるんだね」
曜「……あるよ、そりゃ」
梨子「なんだか、安心したな」
曜「え?」
梨子「だって、曜ちゃんはなんでもできて、完璧な人に見えてたもん」
梨子「だから、こういう一面が見られて嬉しいな」
曜「……幻滅した?」
梨子「ううん。もっと好きになっちゃった」
曜「え?」
梨子「あ……///」 梨子「とにかく、台風が通り過ぎるまでは私に甘えていいからね」
曜「……ありがとう」
曜「でも、ずるいから、梨子ちゃんの秘密も教えて」
梨子「ふふ、だーめ」
曜「むー……」
梨子「はいはい、むくれないの」ナデナデ
梨子(こんなに可愛い曜ちゃんが見られるのは、私だけなんだよね)
梨子(ちょっとだけ、優越感、感じちゃうな)
梨子(……なーんてね、ふふふ)
花丸「善子ちゃん助けてずら〜!倉が飛んでったずら〜!」
善子『いや無理でしょ』 最早1日1ようりこが日課になってる
毎日ありがとう 千歌「そしたらしいたけがね、屋根から落ちちゃったんだ」
梨子「ふふふ、そうなんだ」
千歌「あ、曜ちゃんだ」
千歌「おーい!曜ちゃーん!」
曜「ああ、おはよう、千歌」
千歌「やば……また発症してる……」
千歌「梨子ちゃん、まかせたのだ」ポン
梨子「え?」 梨子「お、おはよう?」
曜「おはよう、梨子」
梨子「ふえっ?///」
梨子(呼び捨てにされた?///)
曜「今日も可愛いね」チュッ
梨子「はぅっ///」
梨子(ほっぺにキスされちゃった///)
梨子(ど、どうなってるの〜///) 曜「どうしたの、顔が赤くなってるよ」
曜「熱でもあるのかな?」
梨子(ぁ///おでこくっつけられた///)
曜「体調が悪いのなら保健室に運んで行こうか?」
梨子「だ、大丈夫///」
曜「そっか、じゃあいいね」スッ
曜「……ふふ、照れてる梨子も可愛いよ」ミミモトボソッ
梨子「っっっ///」ボンッ 梨子「千歌ちゃん、今日の曜ちゃんどうしたの?」
千歌「うーん、あれはね、イケ曜ちゃんモードだよ」
梨子「イケ曜ちゃんモード?なにそれ?」
千歌「よくわかんないんだけど、一年に一回くらい凄くカッコよくなるの」
千歌「言葉遣いも変になって、いろんな女の子を惚れさせるからいつも大変なんだよね」
梨子「そうなんだ……」
梨子(確かに……凄くカッコよかった///)
千歌「梨子ちゃん、今なら曜ちゃんにいろんなことしてもらえるよ」
梨子「いろんな、こと……」ゴクッ
千歌「曜ちゃんのお世話、任せたよ?」ニコニコ 〜放課後〜
千歌「梨子ちゃん生きてる?」
梨子「」
千歌「死んでる……」
梨子「ぅ……むり……」
梨子「もぅ……これ以上……かお……あかくならない……」
千歌「あー……あれは大変だったね」
千歌「愛の囁きゲームだっけ?」
千歌「千歌も昔やられたよ……死ぬかと思った」
曜『梨子、好きだよ』
曜『ほら、どんどん顔赤くなってるね。どこまで赤くなるか試そっか』
曜『梨子、愛してる。お前は私だけのものだ』
梨子「私も……死ぬかと思った///」
曜「梨子、だめだろ?」ギュッ
梨子「ひゃっ///」 曜「私以外の人と楽しそうに話すなんて、誰がいいって言った?」
梨子(っっっ///ど、独占欲強すぎるよぉ///)
梨子(って千歌ちゃん!待って!私を置いて逃げないで!)
カベドンッ!
梨子「ぁ……ぁぁぁ///」
曜「こういうの、好きなんだろ?」アゴクイッ
梨子「っ///は、はいぃ……♡」
曜「顔、蕩けてるよ」
曜「こんなので喜ぶなんて……ふふっ」
曜「変態」ボソッ
梨子「〜〜〜〜っ///」ゾクゾクゾクッ 曜「梨子ちゃん、可愛いなぁ」
曜「もっといっぱい虐めたくなっちゃう」
梨子「っ、はっ、ぁ///」
曜「今夜、暇だよね?」
梨子「そ、それは……///」
曜「暇なんだろ、梨子?」
梨子「そ、そうです///」
曜「じゃあ、帰りに遊びに行くから」
曜「梨子の部屋で、たくさん遊んでるよ」ミミモトボソッ
梨子「ひゃ、ひゃぃぃ……///」 〜次の日〜
曜「あ、あの……梨子ちゃん、怒ってる?」
梨子「…………」
曜「昨日はごめんね?その、私たまに変になっちゃうみたいで」
梨子「…………」
曜「まさか梨子ちゃんにあんなことするなんて」
梨子「…………」
曜「その、全部覚えてるから。梨子ちゃんが可愛い声でおねだりしてきたのとかも」
梨子「っ〜〜///」
梨子「も〜〜///曜ちゃんのばかばかばかぁ!///」 梨子「昨日は本当恥ずかしかったんだから!」
梨子「みんなの前で恥ずかしいこと囁かれて真っ赤にさせられたり!」
梨子「お姫様抱っこで廊下を歩かれたり!」
梨子「あ、挙げ句の果てにっ///わ、私の本を真似して///いろんなことっ///」
曜「ぅぅ、なんというか、その、可愛かった……よ?」
梨子「っっっ///」カァァァァァ
梨子「そういうことじゃないのー///」
梨子「曜ちゃんのばかー!」パシーン!
果南「あの状態の曜は本当に心臓に悪いよね」
千歌「たじたじな果南ちゃんも可愛かったからまたみたいんだけどねー」
果南「……千歌も同じ目に合わせてあげようか?」ドンッ 善子「最近、曜さんとリリーって妙に仲がいいわよね」
鞠莉「確かに。ネットでもラッブラブだもんね」
梨子「ラブラブなんてそんな……」
曜「あはは、ちょっと恥ずかしいね」
善子「で、実際はどうなのよ?」
曜「いやー、ちょっと梨子ちゃんの前では恥ずかしいというか」
曜「まあ好きかどうかで言われたら、好き、かな」
梨子「本当……?」
曜「うーん、嘘」
曜「やっぱり大好きだよ」
梨子「もー///」 鞠莉「ワーオ!曜ったら大胆ね!」
鞠莉「それで、梨子はどうなのよ?」
梨子「わ、私は……その」
梨子「一目惚れ、だったから」
曜「そ、そうだったの?///」
梨子「うん///」
善子「あー、はいはいご馳走さま」
鞠莉「それじゃ、二人の仲を邪魔しちゃ悪いしマリー達は帰りしょう」
善子「そうね」
パタン 曜「……きもっ」
梨子「は?」
曜「何が『一目惚れ』なんだか」
曜「よくそんな気持ち悪いセリフが言えるね」
梨子「あー、はいはい、田舎者(笑)には全く関係ないセリフだもんね?」
梨子「ロマンチックなことも思いつかないなんて一度人生やり直したら?」
曜「うっざ。なんでみんなこんな奴に騙されてるんだか」
梨子「はー?それを言うなら曜ちゃんも気持ち悪いんだけど」
曜「は?」 梨子「『嘘。やっぱり大好きだよ』」
梨子「何言い直して気取ってるの?吐き気がするんだけど」
梨子「そんな寒い方法で今まで口説いて来たの?」
曜「あはは、梨子ちゃん恋愛経験無いからわかんないんじゃない?」
曜「ああやって一度不安にさせてから上げると相手をドキドキさせられるんだよ」
梨子「全くしなかったんだけど、やり方下手なんじゃない?」
曜「梨子ちゃんは頭おかしいから仕方ないねー」
梨子「はぁ、猿と話してるの本当に疲れる」
曜「それはこっちのセリフなんだけど」 梨子「…………」ポチポチ
曜「…………」ポチポチ
曜
梨子ちゃんに「一目惚れした」って言われちゃった!
どうしよう、すっごく嬉しい。うー、こんな時なんて言えばいいんだろう。
♡8946 →8221
梨子「は?何呟いてんの?」
曜「え?何がいけないの?事実でしょ?」
梨子「えー?嬉しいの事実なんだ」
曜「そんなわけないじゃん、気持ち悪いこと言わないでくれる?」
梨子「はいはい、照れ隠しね」
曜「殴っていい?」 梨子
よ、曜ちゃん何言ってるの〜><
恥ずかしいからみんなには言わないでよ、もぉ〜〜〜〜!!!
♡8019 →7736
曜「相変わらず猫かぶり過ぎでしょ」
曜「今の姿みんなに見せてあげたら?」
梨子「それは曜ちゃんもでしょ?」
梨子「みんなの前ではあんなに裏表が無さそうなのに、ファンのみんな可哀想ね」
曜「どの口が言ってんだか」 梨子「それよりいいの?」
梨子「みんなから『付き合っちゃえ』って返事来てるよ?」
曜「いやだよ誰がこんなのと」
梨子「はいはい、曜ちゃんにはそんな度胸ないもんね」
曜「……決めた。絶対泣かす」
梨子「はぁ?どうやって?」
曜「ライブの時に告白の返事してあげるよ」
曜「逃げたかったら本性晒して逃げ出してね」
梨子「逃げる?私が?曜ちゃんから?」
梨子「こっちも過去最高にイラついたわ」
梨子「曜ちゃんに本物の百合営業見せてあげる」 曜「楽しみにしてるよ」
曜「楽屋裏で悔し涙流してる梨子ちゃんをさ」
梨子「それはこっちのセリフなんだけど?」
梨子「後から謝っても絶対に許してあげないからね」
曜「はいはい、一生夢見ててね」
梨子「帰るの?」
曜「当たり前でしょ」
梨子「じゃあ早く出でってくれる?」
曜「そうだねばいばい」
パタン 曜(ど、どどどどどうしよう!?)
曜(告白の返事!?さっきのやつのだよね!?)
曜(ら、ライブの時にするのって、そんな恥ずかしすぎるよ///)
曜(でも言っちゃったし、しないといけないよね)
曜(そうしないと梨子ちゃんに幻滅されちゃうし……)
曜(というか、いろいろ理屈付けちゃったけど、私の大好きって本音なんだよね///)
曜(梨子ちゃんは嫌がってたもんね……はぁ……) 梨子(い、言っちゃった)
梨子(一目惚れって言っちゃった///)
梨子(SNSでもみんなに言っちゃったし……は、恥ずかしい///)
梨子(それに曜ちゃんが大好きって……///)
梨子(嬉しくて頭の中真っ白になっちゃった///)
梨子(でもおかしいよね……)
梨子(本当は嫌われてても、嬉しいんだもん)
梨子(……本音だったらいいのになぁ)
善子「はぁ、いいわねリア充は」
鞠莉「あら、それならなってみる?」
善子「え?」 |c||^.- ^|| これは百合営業その3に期待ですわ 「私たちのクラスの催しは白雪姫に決まりましたー」
パチパチパチ
「それじゃあ配役を決めましょう」
「お姫様なんだけど、誰がいいかな?」
「やっぱり梨子ちゃん?」
「あー、確かにぴったりだよね」
梨子「え?」
「じゃあよろしくね、梨子ちゃん」
梨子「ま、待って、お姫様なんてそんな……」
「けってーい!」
パチパチパチパチパチパチ!!!
梨子「……ぅぅ」 「小人と魔女は決まって……王子様は?」
「渡辺さんで」
「はい」
梨子「っ!?」
曜「いや、ちょっとまって」
「他何か決まってないのは?」
「鏡とか」
曜「おーい……」
曜「まあいっか」 曜「よろしくね、梨子ちゃん」
梨子「よ、よろしく……お願い……します……」プシュゥゥゥ
曜「どうしたの?顔赤いよ?」
梨子「な、なんでもない///」
曜「そう?また決まっちゃったのはしょうがないよね」
曜「台本貰ったし、劇の練習でもする?」
梨子「うん……///」 梨子「ごほっ」
梨子「あれ、ここは?」
梨子「私は何処にいるの?」
曜「貴女がいるのは私の隣だよ」
曜「私は貴女のことを好きになってしまいました」
曜「私のお城に来てください。そこで、結婚しましょう」
梨子「……はい///」 梨子「ぅぅ///恥ずかしかった///」
曜「うんうん、梨子ちゃん演技上手だったね!」
梨子「ありがとう///曜ちゃんもかっこよかったよ」
曜「あはは、ありがとね」
曜「というかこの台本……」
梨子「どうしたの?」
曜「ああ、ちょっとおかしいところがあったからさ」
曜「劇までに直してもらうようにするね」
梨子「うん」 〜本番〜
梨子(そろそろ曜ちゃんの登場シーンだよね)
梨子(みんなの前で……ちょっと恥ずかしいかも///)
曜「ああ、なんて綺麗なお姫様なんだろう」
曜「悪い魔女のせいで永遠の眠りにつかされてしまったなんて……」
梨子(曜ちゃん、演技上手だなー)
梨子(衣装もさっき見させてもらったけど、かっこよかったし///)
梨子(あっと、そろそろ目を覚ます頃だよね)
曜「私が、呪いを覚ましてあげましょう」
梨子(えっ?)
チュッ 梨子「ふ、ふぇぇぇぇぇっ!?///」
曜「おお、目を覚ましたんですね、姫」
梨子「な、何して、えっ、ええっ///」
曜「落ち着いてください、姫」
曜「私も混乱しているんです。こんな美しい姫に出会えて」
曜「どうぞ私のお城に来てください」
曜「結婚しましょう」
梨子「……はい///」 梨子「ちょ、ちょっと曜ちゃんー!」
梨子「なんでキスなんてするのよー!」
曜「え?新しい台本もらったでしょ?」
梨子「本番の10分前に貰ったけど、見てる時間ないわよ!」
曜「そうだったんだ」
曜「白雪姫といえば王子様のキスだからね」
曜「お願いして直して貰ったんだ」
梨子「だ、だからってもー///」
曜「梨子ちゃんの唇柔らかかったなー」
梨子「ばかぁ///」
花丸「接吻するなんて未来ずらぁ///」
ルビィ「別に未来じゃないと思うけど……」 梨子「んー、今日も練習疲れた」
梨子「少しだけ作曲してから帰ろうかな」
〜〜〜〜♪
梨子「ここはこっちの方にして……」
梨子「次のパートは……」ウツラ
梨子「眠い……けどやらないと……」
梨子「ぁ……だめ……」
梨子「まだ……やらないと……」
zzz 〜〜〜〜♪
梨子「…………んっ」
梨子(私、寝ちゃってたんだ)
梨子(……ん?これ、さっき作ってた曲?)
梨子(だれだろう、歌ってるの)
曜「〜〜〜〜♪」
梨子(この声、曜ちゃん?)
梨子(……え、曜ちゃん!?)
梨子(あれ、この肌色って……もしかして膝枕されてる……?) 曜「うーん、次の曲もいい曲だなー」
曜「流石梨子ちゃん」
梨子(まだ未完成なんだけど……ちょっと恥ずかしいな)
曜「歌詞がないのに、聴いてるだけで心がぽかぽかしてくるもん」
梨子(褒められるとちょっと恥ずかしいな)
曜「確か恋の歌、だよね。次のテーマ」
曜「梨子ちゃんは、誰を思い浮かべて作ったんだろう」
梨子(曜ちゃん……?) 曜「本当、可愛いなぁ、梨子ちゃんは」
曜「髪もサラサラで、お化粧もできて……私とは違う、本物のお姫様みたい」
曜「肌も……なんでこんなに白くて、柔らかいんだろう」
梨子(どうしたんだろう、なんだかいつも違う?)
曜「鈍感で、無防備で、天然で……そんなんだから、いろんな人に好かれちゃうんだよ」
曜「でも、そんなんだと」
曜「いつか悪い人に……襲われちゃうよ」
…………チュッ 梨子(っ!?///)
梨子(い、今、ちゅって……え!?///)
曜「はぁ、本当卑怯だな、私」
曜「梨子ちゃんに直接言えないからって、こんなことして」
曜「でも、梨子ちゃんが悪いんだよ」
曜「梨子ちゃんが近くにいるだけで、ドキドキして、いろいろしたくなっちゃうのを抑えてるんだもん」
曜「それなのに、こんな風に無防備な寝顔晒されたら……我慢できなくなるよ」
曜「だから、これはお仕置きだよ、梨子ちゃん」
チュッ 梨子(う、うそっ///)
梨子(曜ちゃん、わ、私のこと、好きだったんだ///)
曜「梨子ちゃん、起きたらどんな反応するかな」
曜「きっと意識されてないし……普段通り、だよね」
曜「……こんなことしてても、迷惑かな」
曜「梨子ちゃんが起きる前に、帰ろう」
曜「また明日ね、梨子ちゃん」
曜「……大好き」
…………チュッ 梨子「…………」ムクリ
梨子「ずるい……」
梨子「あんなことされたら、意識しちゃうよ、曜ちゃんのこと」
梨子「キスされて、凄く嬉しかった」
梨子「気付きたく、なかったなぁ」
梨子「曜ちゃん、みんなにモテるんだもん」
梨子「……あーあ」
梨子「明日からどんな顔して会えばいいんだろう」
梨子「……そういうの、本当にずるいよ、曜ちゃん」
善子「なんか機嫌がいいけどどうかしたの?」
曜「ううん、なんでもないよ」 〜合宿〜
曜「梨子ちゃんお腹すいたー」
千歌「すいたー」
善子「赤く香る悪魔の実りはまだなの……?」
花丸「なんでもかんでも赤くしたらダメずら」
果南「匂いにつられてみんな来ちゃったよ」
梨子「まだ料理中だからもう少し待ってなさい」
曜「もう待てないよー」ソワソワ
梨子「全く。じゃあ料理手伝ってくれる?」
曜「うん!」 梨子「曜ちゃんあれとって」
曜「はーい!」スッ
梨子「ん」
曜「梨子ちゃん」スッ
梨子「ああ、ありがとう」
梨子「うん、スープは美味しくできた……かな」
梨子「……あ!曜ちゃん!」
曜「うん、すぐ買ってくるね!」 千歌「え、曜ちゃんどこ行ったの?」
梨子「コンビニよ。書い忘れたものがあったの」
善子「いや、リリー何も言ってないじゃない」
花丸「善子ちゃん。多分何を買ってくるのか料理を見ながら判断したんだと思うずら」
善子「ヨハネよ!……なるほどね、まあ曜さんならできてもおかしくないわね」
曜「買って来たよ!食後のデザート!」
梨子「ありがとう。冷蔵庫に入れておいてね」
善子「ってなんでよーー!!」 曜「どうしたの?」
善子「いやいや、なんでさっきのでデザートって分かるのよ!」
曜「なんでって、ねぇ?」
梨子「うん。普通じゃない?」
梨子「そうだ、曜ちゃん」
曜「うん、お風呂入れてくるね」
善子「いやだから待ちなさいよ!」
花丸「人間はついに話さなくても伝わるようになったずらね……未来ずら……」 曜「よく分からなけど、みんなびっくりしてたね」
梨子「そうね。このくらい普通だと思うんだけど」
曜「うんうん。私、梨子ちゃんのことなら何考えてるかほとんど分かるもん」
梨子「あら、本当?」
曜「うん、もちろん!」
梨子「じゃあ、今私が何を考えてるか当ててみてくれる?」
曜「うーん、曜ちゃんに意地悪してやるぞー!だね」
梨子「うーん、ちょっとだけ正解、かな」 曜「えー?じゃあ何考えてるの?」
梨子「さあね。ちゃんと当てて見て」
曜「えー、なんだろう、わかんないなぁ」
梨子「簡単よ?」
曜「うーん……なんだろうね」
梨子「……本当にわかんない?」
曜「わかんないよ、ちゃんと言ってくれないと」
曜「梨子ちゃんが、何して欲しいのか、さ」クスッ 梨子「……意地悪」
曜「あはは、ごめんごめん、拗ねないで」
梨子「だめ。怒ったから」
曜「もー、許してよー、梨子ちゃーん」
梨子「ふん」
梨子「曜ちゃんなんて嫌いよ」
曜「ごめんってー、梨子ちゃん」
曜「ほら、ちゃんとするからさ」
チュッ 梨子「…………///」
曜「機嫌治った?」
梨子「……まだ///」
曜「もー、梨子ちゃんは欲張りなんだから」ギュッ
曜「こんなことしてると、みんなにバレちゃうよ?」
梨子「……曜ちゃんは、我慢できるの?」
曜「ううん。梨子ちゃんがこんなに近くにいるんだから、我慢できないよ」
曜「もう少しだけ、このままでいよ」
梨子「……うん」
果南「うん、まあ知ってるけど」
鞠莉「かなーん!私たちも熱い愛の抱擁を!」
果南「しないって!ちょ、押し倒さないで!」 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています