梨子「ロストソングD.C.」
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一部地の文あり
オリ設定あり
それなりに長い
速報で書いたSSの加筆修正版
ストーリーの変更はなし
最後まで書き溜め済 ーー人生はいじわるだーー
ーー悪いことは何もしていないのにーー
ーー私から何もかも奪っていくーー ーーー
「長い間お世話になりました」
「いえ、娘さんとご両親の努力あってこそです。我々はその手助けをしたまでですよ」
「……ありがとう、ございました」
「これからも色々と大変かもしれないが、君ならきっと大丈夫だ」
「……はい」
「さ、ーー行きましょう」
今でこそそれが私の名前だと分かるものの、居心地の悪さ……不自然な響きは無くならない
「……はい」
余所余所しい私の返事に、少し悲しげな表情を浮かべるこの女性ーー私の母だということは頭では理解できても心がついていかない 「ありがとうございました」
私の主治医だった人にもう一度頭を下げる母
それに倣って私ももう一度頭を下げ、2人で病院を後にする
ーー私は
ーー交通事故により1年間を失い
ーー記憶喪失により過去の16年間も失い
ーー桜内梨子という空っぽの体だけが残った ーーー
梨子「……これが海」
母方の親戚を頼りに私は生まれ育ったらしい東京を離れ
、母と共に静岡県の片田舎へやってきた
梨子「……」
私の知らない私を知ってる街に居続ける事は精神的に良くないと考えた母の計らいである
梨子「……春の海って寒いのね」
私の事を知らない町なら私はきっと自然体でいられるだろうと
梨子「……」
「だめーーー!!」
梨子「えっ!?」ビクッ
「わっ!?わわわわ……わーー!?」
ザバーン
大きな声と共に、何かが私のすぐ側をすり抜けーー桟橋から海に落ちた ーーー
「いやぁ、てっきりよからぬ事を考えてるのかと思っちゃってーーへっくしゅ!」
梨子「大丈夫……ですか?」
私と同じくらいの世代だろうかーー海に落ちた彼女は砂浜でずぶ濡れのまま慣れた手付きで火を起こし暖をとっている
「へーきへーき♪こんなの慣れっこだかーーへっくしゅ!」
梨子「……」
「すびっ……えっとこの辺の人じゃないよね?観光?」
梨子「まぁ……そんなところです」
「どこから来たの?」
梨子「……東京」
「東京!?凄い!」 梨子「……凄い?」
「ねぇねぇ!東京のどこ!?」
梨子「……えっと、秋葉原……?」
確かそんな名前の街だった
「秋葉原!ってことはμ'sとかA-RISEとかやっぱり生で見たことあるの!?」
梨子「……えっと……ごめんなさい、それは知らないです」
「えー!?じゃあスクールアイドルは!?」
梨子「スクール……アイドル……」
彼女の口から出る言葉の響きに戸惑う
梨子「……ごめんなさい……聞いたことあるような気はするけど……私その、疎くて」
「なーんだー……残念」 梨子「その……スクールアイドル……がどうかしたの?……えっと」
「ん?……あっ!ごめんごめん!自己紹介してなかったよね!」
千歌「私、高海千歌!千歌でいいよ♪」
梨子「千歌さん……私は桜内……梨子です」
千歌「梨子ちゃんだね♪私ね!スクールアイドルをやってみたいんだ!」
梨子「……やってみたい?」
千歌「えっとね……これこれ!これがμ's!私のいっちばん好きなスクールアイドル!」
千歌さんがスマホの画面を向けると私達と同年代くらいの9人の少女達が華やかな衣装で歌い踊っている
梨子「……」
画面を見つめながらどう答えたらいいものか考えていると彼女が距離を詰めてきた 千歌「どう!?」
梨子「えっ?」
千歌「凄くない!?」
梨子「え、ええ……そうね……凄い、のかな?」
千歌「μ'sってねみんな高校生だったの!多分どこにでもいるような……いや東京だから内浦の女子高生よりかはおしゃれだけどさ!でも普通の女子高生なの!なのにね、自分達で歌を作って衣装も作って……自分達の学校が廃校にならないようにスクールアイドルになったの」
目をキラキラとさせながら語る彼女の言葉に引っかかる
梨子「高校生……だった?」
千歌「うん、この動画何年も前のでね、現実のμ'sはみんなもう卒業しちゃってるんだ」
梨子「そう……ですか」 千歌「でもね!今でも沢山ファンがいて、今でも沢山復活を望んでる人がいるくらい凄いの!」
何年経っても待ち続ける人がいる……私にはそんな人がいたのだろうか……
千歌「だから私もスクールアイドルになってこんな風にキラキラ輝いてみたいーーってうわぁ!こんな時間!?みとねぇにキレられるぅ!?」
スマホの示す時間に飛び上がった彼女はまだ生乾きであろう制服のまま鞄を掴んで駆け出した
千歌「梨子ちゃん!もしまた会えたらもっとスクールアイドルの話しようね!それじゃ!」
梨子「う、うん……さようなら……」
突然現れて突然消えていく彼女
でも…今の私の事しか知らない彼女に少しばかり安心感を覚えたのを自覚し、母の判断は少なくとも間違いではなかったんだと思った ーーー
浦の星女学院
今日から私が通う新しい学校
この学校は来年度からの新入生募集を止めるーーつまり廃校が決まっている
皮肉なことに過去のない私は未来のない学校に通うのだ
「桜内さん、どうぞ入って」
梨子「はい」
担任に促され古びたドアをくぐり、教室の広さに若干不釣り合いな少ない人数と対峙する
梨子「東京の音ノ木坂学院から来ました。桜内梨子です、これから2年間よろしくお願いします」
何度も練習したお陰か通った記憶のない学校名といまだに慣れない名前をスラスラと言えた 梨子「実は私は事故で1年間の休学をしており、また後遺症で事故以前の記憶がありません。年齢や知識等様々な点で皆さんにご迷惑をかけてしまうかもしれませんが、是非ともよろしくお願いします」
誤魔化していくことも考えた
でもいずれそれは綻びて明るみに出る時は来るだろう
その時に苦しい思いをするなら
いっその事初めから避けられた方がマシだ
そう考えて全てを打ち明けたものの、深く下げた頭を上げるのが怖かった
「奇跡だよー!!」ガタンッ
梨子「へ?」
その場にそぐわない言葉につい顔を上げてしまう
そこに広がる景色は私ではなく謎の言葉を発した彼女ーー高海千歌に注目するクラスメイトしかいなかった
千歌「梨子ちゃん!私と一緒にスクールアイドルやりませんか!?」
梨子「……はい?」 ーーー
今の私にとっては初めての学園生活がようやく終わりを告げ、クラスメイト達が帰り支度を始めるのに合わせて、千歌さんが私の机へと飛び込んできた
千歌「だーかーらー梨子ちゃんも一緒にスクールアイドルやろーよー」
梨子「あの……さっきから説明してますよね?」
千歌「あのμ'sと同じ音ノ木坂に通ってた梨子ちゃんが入れば百人力!」
梨子「……渡辺さんからも言ってください」
曜「曜でいいよー、千歌ちゃん、音ノ木坂から来たって言ってもなんにも覚えてないって言ってるんだし……」
千歌「もしかしたらスクールアイドルやれば思い出すかもしれないじゃん!」
曜「いや……音ノ木坂にいたからってスクールアイドルやってたとは限らないんだし……」
千歌「有り得ないよ!だって見て!梨子ちゃんこんなに美人なんだよ!?スタイルもいいし!声も綺麗だし!」 梨子「あの……千歌さん……」
曜「いや……思いっきり迷惑そうな顔されてるよ…」
千歌「これで3人!あと2人で部活申請も出来るようになる!」
梨子「……いつもこんな感じなんですか?」
曜「たまにね……」ヤレヤレ
曜「てかさー、やるのは良いけどまだ曲作れる人も衣装作れる人もいないんだよ?」
千歌「梨子ちゃん!楽器とかやってない!?裁縫とか得意じゃない!?」
曜「千歌ちゃん……記憶喪失って何か知ってる?」
千歌「ものすっごい物忘れ!」
曜「梨子ちゃん、うちの千歌が大変申し訳ありません」
梨子「いや、まぁ……」アハハ…
曜「とにかくやる気だけでなんとかならないんだから落ち着いて」 千歌「いや、なんとかなる!なんとかする!」
曜「そんなこと言ってなんとかなった事ないでしょ……」
千歌「グサァッ!!」
曜「もう……とりあえず頭冷やして、ね?」
千歌「はぁい……」ガクリ
曜「梨子ちゃんもごめんね?」
梨子「いえ、私は……」
曜「でもさ、もしほんの少しだけでも興味が湧いたら…私も梨子ちゃんとスクールアイドルやりたいかな」
梨子「……考えておきます」
曜「ありがと♪ほら千歌ちゃん!ぐだくだしてたら連絡船乗り遅れるよ!果南ちゃんのところ寄るんでしょ?」
千歌「やばっ!?そんな時間!?梨子ちゃんまた明日!」
梨子「うん、また明日」
曜「バイバーイ♪」
まるで嵐のような一日だった
ただ千歌さんがすぐに勧誘にくるものだから、物珍しそうに見てくる他の生徒達が近寄れなくなっていたのは、正直なところありがたかった ーーー
母「どうだった?学校?上手くやれそう?」
迎えに来た母の車に乗り、また少し居心地の悪さを感じながら帰路につく
梨子「……うん」
母「全部話したんだってね」
梨子「……うん」
母「……お母さん安心した」
梨子「……え?」
母「記憶が無くなっても梨子は梨子のままなんだなって」
梨子「……」
母「昔から大人しくて引っ込み思案だったけど……いざって時にはちゃんと立ち向かえる強い子だったから」
梨子「……」
母「挫けそうになったらちゃんと頼ってね、梨子の記憶があっても無くてもお母さんは梨子のお母さんなんだから」
梨子「……うん」 ーーー
新しい私の部屋
なんの思い入れもない私物の中でも最も目立つ場所に座る
梨子「作曲……」
かつての私なら出来たのかもしれない
そんな事を考えながら目の前の大きな箱ーーピアノの鍵盤蓋を開ける
ずらりと並ぶ白と黒に指を伸ばし一つ音を出す
梨子「今の私には無理ね……」
この音がドレミのどれかも分からない
上に平積みされた楽譜を開けても何も読めない
梨子「……?」
その中でふと気付く
題名の無い手書きの楽譜
何枚も何枚も何枚もある
梨子「……私が、作ったのかな……」
素人の私でも一つ一つが違う曲だという事くらいは流石に分かった
梨子「……これをあげれば……って千歌さんも楽器はやってないんだったっけ」
一心不乱に勧誘してくる彼女の顔を浮かべながら楽譜を戻す
何も出来ない私にはーー彼女達の力になれない ーーー
千歌「梨子ちゃん今日一緒に帰ろー?」
梨子「えっ……一緒に?」
曜「そういえば梨子ちゃんの家ってどの辺?沼津の方?」
梨子「いえ……えっと確か……十千万?とかいう旅館が近くにあった、かと」
曜「十千万?それってーー」
千歌「それってウチじゃん!?」
梨子「……えっ」
曜「そこ、千歌ちゃんの家族でやってる旅館なんだよ」
梨子「そうなんですか……?」
千歌「なーんだちょうど良いじゃん♪じゃあ今日から一緒に帰ろーよ♪」
梨子「今日……から?」 千歌「だってすぐ近くなんでしょ?だったら帰り道一緒なんだし」
梨子「え、ええ……まぁ……そう、なりますね」
曜「梨子ちゃん残念だったね」
梨子「えっ……何が?」
曜「こうなったらもう千歌ちゃんから逃げられないよー」ニシシ
梨子「逃げるってそんな……」
千歌「よしっせっかくだから果南ちゃんにも紹介しよう!」
曜「今日もいくの?」
千歌「もちろん!」
梨子「あの……その果南さん……とは?」
千歌「会えば分かる!」
曜「私達の幼馴染み、歳は一つ上だけどね」 ーーー
千歌「とーちゃーく!」
曜「よっと、梨子ちゃん足元気を付けてね」
梨子「はい」
千歌「果南ちゃーん!」タタタッ
「お?千歌、今日も来たの?なんかあったっけ?」
千歌「新しい友達紹介しに来た!昨日話してた梨子ちゃん!」
梨子「は……はじめまして、桜内梨子です」ペコリ
果南「あー、はじめまして、私は松浦果南、早速千歌に振り回されてるみたいだね」クスッ
千歌「もーなにーその言い方ー」
果南「これ片付けたら終わりだし、デッキで待っててよ」
曜「りょーかいでありまーす」ビシッ
千歌「梨子ちゃんこっち」
梨子「あ、はい」 梨子「その……松浦さんって学校は?」
千歌「今休学中〜お父さんが怪我しちゃってお店回らないんだって」
梨子「お店……?」
曜「ここ、連絡船の船着場兼ダイビングショップなんだ」
梨子「そうなんですか……」
果南「おまたせ、何の話?」
千歌「果南ちゃんが学校行ってない話ー」
果南「言い方に悪意があるなぁ……私だって行きたくない理由じゃないんだから」
梨子「すみません……私が余計な詮索をしたせいで……」
果南「あーいいよいいよ、別に責めたりしてるわけじゃないから」アハハ 果南「それよりメンバーは集まった?」
千歌「昨日今日で集まるわけないじゃーん」
曜「相変わらず2人のまま……」
果南「梨子ちゃんだっけ?はやらないの?スクールアイドル」
梨子「いえ……私はそういうのは……」
果南「ま、転校してきていきなりスクールアイドルやれーって言われても困るよねー」アハハ
千歌「これじゃあ果南ちゃんが入る前に卒業しちゃうよー」グデェ
果南「そんな事言ったって約束は変えてあげないよー」
梨子「約束?」
曜「メンバー5人集めて正式に部活になったら果南ちゃんが入ってくれるって約束してるんだ、休学中だから設立の頭数には入れられなくって」
梨子「そうなんですか……」 果南「1年生とかは?そろそろ部活勧誘始まるでしょ?」
千歌「部活になってないからおおっぴらに出来ないよー……誰か知ってる人入学したっけ?」
曜「知ってる人だとルビィちゃんとマルちゃんくらいかなぁ」
千歌「んむむ……」
果南「どっちもそういうのあんまり好きじゃないかもねー」
梨子「……?」
果南「今言った2人も幼馴染みでね、今年1年生なんだけど私らと違ってお堅ーい家柄なんだ」
曜「ルビィちゃんは昔からこの辺りの大地主のお家だし、マルちゃんはこれまた古ーいお寺の一人娘なの」
梨子「そう……」
千歌「とりあえず聞くだけ聞いてみよーっと」
果南「マルって携帯持ってたっけ?」
曜「私たちが中学卒業した時はまだだったけど?」
果南「……やっぱり勧誘は難しいかもね」 千歌「これで……よしっ!ルビィちゃんから返事来たら教えるね!」
曜「ヨーソロー!私そろそろバス来るし帰るね」
千歌「梨子ちゃんはどうする?」
梨子「私は別に……いつでも……」
千歌「じゃー帰ろっか」
梨子「曜さんはこの辺りに住んでないんですか……?」
曜「私の家、中学の時に沼津の方に引越したの、まぁギリギリ沼津って言える程度だけどね、それじゃまた明日」フリフリ
千歌「バイバーイ」フリフリ
果南「梨子ちゃん」
梨子「はい……?」
果南「千歌から聞いたよ、色々大変なんだってね」
梨子「……」 果南「千歌って結構バカだし色々面倒臭いなぁって思うかもしれないけどさ」
梨子「……?」
果南「結構寂しがり屋でいい子なんだ、だから仲良くしてあげてね」
梨子「……はい」
千歌「梨子ちゃん、私たちも帰ろー」
梨子「あ、はい」
千歌「じゃーねー果南ちゃん」
梨子「お邪魔しました」ペコリ
果南「いつでもおいで、大体ここにいるから」
千歌「なんか今のおばさんくさーい」クスクス
果南「……なんだってー?」
千歌「わわっ!梨子ちゃん逃げるよー!」ダッ
梨子「えっ、千歌さん!?」アワアワ ーーー
モブ「千歌ちゃーん、なんか1年生が呼んでるよー」
千歌「んん?」
曜「あれ、ルビィちゃんだ」
梨子「あの人が……?」 ーーー
曜「どうしたの?」
ルビィ「昨日千歌ちゃんからメールもらって…」
千歌「わざわざ会いに来てくれたのー!?相変わらずかーわいーなぁ」ギュー
ルビィ「うぎゅっ!?ち、千歌ちゃん……くるし……!」
曜「ちーかちゃーん」グイ
ルビィ「あの……それで……」チラッ
梨子「……」
ルビィ「……この人はどちら様ですか?」
千歌「色々手伝ってくれてる友達の梨子ちゃん」
梨子「えっ!?」
ルビィ「本人が一番びっくりしてますけど……」
曜「気にしないで、千歌ちゃんの最近のお気に入りだから」
ルビィ「あぁ……なるほど」
梨子「それで納得しちゃうんですね……」 千歌「で!で!スクールアイドルやってくれるの!?」
曜「千歌ちゃん近いから」グイ
ルビィ「あの……マルちゃんはやっぱりそういうのよく分からないからって断られちゃったけど、私はやってみようかなぁって……」
曜「梨子ちゃん」ガシッ
梨子「えっ、あっ!」ガシッ
千歌「ルビィちゃーーぐぇっ!?」
曜「ふぅ……危ない危ない」
ルビィ「あはは……ルビィね、誰にも言ってなかったんだけど実は昔からアイドルにちょっと憧れてて……」
曜「そうだったんだ、全然知らなかった」
ルビィ「部屋で動画みたり雑誌読んだりしてるだけでライブとかはまだ生で見たことないんだけどね、あと衣装とか自分で真似て作ってみたり……」
千歌「衣装作れるのっ!?ぃよっしゃー!これで3人!」
ルビィ「3人?」
曜「千歌ちゃんから聞いてない?私と千歌ちゃんとルビィちゃんで3人、あと2人で晴れて正式な部活になれるんだ」
ルビィ「えっ、部活まだ無いの!?」 梨子「どんな勧誘してたんですか……」
千歌「とにかく!ルビィちゃんはもう決まり!後は梨子ちゃんが入ってくれればあと1人!」
梨子「いや……だから私は……」
「なら私が入ってもいいかしら?」
曜「んっ?」
千歌「へ?」
「ハロー♪貴女達よね?スクールアイドルをスタートさせようとしてるのは」
千歌「そう……ですけど」
梨子「……どちら様?」ヒソヒソ
曜「知らない……三年生みたいだけどこんな人いたかなぁ」ヒソヒソ
鞠莉「はじめまして、私は小原鞠莉♪マリーって呼んでね♪私も貴女達と一緒にスクールアイドルをしてもいいかしら?」 千歌「えっと……大丈夫です……けど、誰から聞いたんですか?」
鞠莉「果南から♪」
千歌「果南ちゃんから?」
鞠莉「イエース♪実は私、1年の途中から留学しててね、この学校の思い出ってあんまり無いの。だからとっても楽しそうな事してる貴女達に惹かれちゃって♪」ウインク
ルビィ「留学……すごい……!」
鞠莉「それにちょっとくらいなら楽器も出来るわよ?」
千歌「よろしくお願いします!」ガシッ
曜「決断早っ!?」
千歌「これで5人!」
梨子「だから私は……」 ーーー
ルビィ「マルちゃん、やっぱり一緒にスクールアイドルしない?」
花丸「うーん……歌うのは好きだし憧れる気持ちも分かるけど…マル踊ったりはやっぱり……」
ルビィ「大丈夫だよ!ルビィも運動は苦手だけど好きなアイドルの振り付けとかいっぱい練習したら出来るようになったし!」
花丸「うーん……」
ルビィ「やっぱり……だめ?」
花丸「ルビィちゃんごめんズラ……マルにはやっぱりアイドルは無理だよ」
ルビィ「そっか……ごめんね無理に誘ったりして」
花丸「ううん、おらは平気♪その代わりルビィちゃんがスクールアイドルになったらいっぱい応援するから♪」
ルビィ「……うんっ♪」
花丸「じゃあまた明日」フリフリ
ルビィ「バイバーイ♪」フリフリ ルビィ「……一緒に出来たらもっと楽しいと思ったんだけどなぁ……難しいなぁ……」
ルビィ「……はぁ」
「お待たせ、ルビィ」
ルビィ「あ、お姉ちゃん」
ダイヤ「どうかした?」
ルビィ「ううん、何でもないよ」
ダイヤ「そう……」
ルビィ「そうだ、お姉ちゃんは小原鞠莉さんって知ってる?」
ダイヤ「……何故ルビィがその名前を?」
ルビィ「今日千歌ちゃん達と喋ってたら……その人とあって」
ダイヤ「そう……」 ルビィ「……お姉ちゃん?」
ダイヤ「ルビィ、その人とはあまり関わらない方がいいわ」
ルビィ「どうして……?」
ダイヤ「……あんな無責任な人と付き合っていたらルビィに悪影響よ」
ルビィ「……」
ダイヤ「まぁ……三年と一年だから、そう関わる機会もないと思うけど」
ルビィ「……」 ーーー
千歌「果南ちゃん」
果南「何?」
千歌「小原鞠莉さんって知ってる?」
果南「……」
千歌「知ってるよね?」
果南「……なんでその名前が出てくるのさ」
曜「その、小原先輩もスクールアイドルに参加することになって」
果南「なんでそんなことに……というか戻って来たの?」
梨子「えっ……小原さんは松浦さんから聞いたって……」
果南「待って、私は鞠莉が戻って来てることも今初めて聞いたんだよ?」
曜「えっ」
千歌「どーゆーこと?」
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