穂乃果「廃校は異能で阻止するんだよっ!」
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
深夜の秋葉原,大通りから2,3本外れた裏路地。 ───ザアァ その上空では不自然に雨雲が集まり、 ビルの間では雨が音を立てて激しく降っていた。 「このっ…」キィンッ 単調に降り続ける雨の中で、暗闇に紛れ不規則に動く二つの人影。そこからは刃物がぶつかり合うような音が聞こえる。 「当たらないわぁ」ザッ 「はあぁっ!」 夜道のアスファルトは雨水に濡れ、 道端に出来た水溜まりの波紋は、微かな街頭の光によって広がっていく様を照らし出される。 「…その程度なの?」シュッ 「こいつっ…」バシャッ 暴力的な雨音に混じり、水場を踏む足音がかすかに聞こえる。 「…そろそろ良いかしら」 「は…何が?」 そう問う、雨水にぬれた猫耳を付けた女と対峙しているのは、水色の仮面をつけたブロンドの少女。 離れては近づき何度も切り合う。 一息もつけない攻防の中で、 「…終わらせてあげる」ピチャ… 仮面をつけた少女はしびれを切らしたのか、腰をかがめて水たまりへと手をついた。 コオォォ…────── 地面についた手を中心にし、一瞬にして地表が冷気で包まれていく。
にこ、穂乃果よりも速く移動できる凛は、ことぱな の話を聞いてからは全力疾走。二人よりも速く目的の二人がいるはずの階へと足を踏み入れた。 凛「まきちゃーん」ぱっ 真姫「…ふ」ググ… 凛が目にしたのは壁際で足を氷漬けにされて身動きがとれなくなっている真姫だった。 この様子を見ると、体力を使い果たし能力を使用するエネルギーも無いように思えた 「お仲間かしら?」 その向かいには仮面の女が細長く、氷で出来た棒状の大きな矢じりを右手に構えていた。 長さは一メートルほどで、氷塊の両端は鋭くとがり、先端は真姫の方向を向く。 凛「真姫ちゃんになにしてるのっ」シュイン それを見て直ぐに女の方へと素早く迫ってタックル 「この子も能力者?」 凛からのタックルを受け氷槍を手から放してしまうが、女は倒れる事はなく、そのまま氷剣を形成し、すぐさま近距離で凛に切りつける。 「氷の剣?」サッ それを凛は直ぐに後ろへと下がり避け、 真姫「凛…あまりスピードは出しすぎないで…」 凛「まきちゃんっ大丈夫?」 真姫「まぁまぁよ、ねぇ…凛。高速移動で水に当たったらまずいわよ」 凛「何となくわかった、任せて!」 真姫からのアドバイスを受けて攻撃態勢になる凛、最低限のスピードで女へと迫って正面から顔面を殴る、 凛「…」シュッ 「…」パキッ 女は一瞬、濡れていた仮面表面の水を凍らせて迫る拳に合わせて滑るようにさけ、 「…」シュッ 凛の顔へ直ぐ殴り返すが避けられる。 凛「あたんないよっ」サッ 攻撃に当たらない為と様子を見るために、距離を取る凛。 そこへ女は距離が出来た所で氷を放ち、飛び放たれた氷塊を凛は身を低くして高速でよける。そして、そのために標的を逃した塊は、後ろの壁へとめり込む。 ─────ビシビシッ 凛「このっ」ピョンッ 凛はさっきの身を低くしたままの体勢で、女へと正面から迫り、両腕で胴にしがみつく、抵抗は少なく そしてそのまま一緒に女の後方に倒れ、動きを封じる 「」バタン 凛は女の体を腕で固定したまま、倒れた女の頭の先にある机の引き出しへ、 頭部を叩きつけようと床を滑るように足で地面を蹴る。 「…」ググ… 床に押し付けられるように頭上の方向へ動かされた女は、凛の腕と自分の体の間へと手を潜り込ませて、体を捕らえている腕をはがすように上へと押し上げる、 すると仮面女は凛の拘束から抜け出し、横へと体を転がすようにして脱出! 女は立ち上がるとさっと右手に剣を形成し、立ち上がりきれていない凛へと一気に寄る。 凛「う…」ヨロッ しかし距離が近づいた所で、狙っていたのか屈んでいた凛の高速の足払いが女のくるぶしに命中して上体が傾く 「…」グラッ 横へころんだ拍子に女はとっさに右手で倒れ込んだ受け身をとるが、 そこへ立ち上がった凛が迫り、下向きの腹へと思い切り蹴りあげた 「うっ」 女は腹を蹴られ上半身が上へとぐらつき、小さなうめき声をあげる。 凛「このっ」バッ そのまま凛は後ろから羽交い締めにしようとし掴みかかる、 が凛はわき腹を女の右肘で突かれてしまい、伸びた手を引っ込めて少しだけ距離をとった────── 「…」サッ 立ち上がった女は目をつけていたのか、机の上に置き去りにしてあった鉄製の水筒を左手に持って、蓋を外す。 凛「何するのっ!?」 女は空いた水筒を手に持ったまま、身構えていた凛へと走って右手で殴りかかり、凛が横へ避けた所に液体を掛けて足付近を凍らせ、 「…」ビシャッ 凛「…あっ!」 凛の少しの拘束時間に女はフロア奥へと駆け出し、奥へ駆けていくと通路の横に曲がって姿が見えなくなる。 「待つにゃ!」?? いつの間にかシャワーのような音はなくなっており、スプリンクラーからの放水はとまっていた。 その中で凛はスピードをだんだんと高めながら、女を追いかける。 まだ纏まった分量書けてないんで、今日は読み直して、少し改良したのを。 ここじゃ無くても読み辛い所とかあったら、ぜひ教えて。 にこ、穂乃果よりも速く移動できる凛は、ことぱな の話を聞いてからは全力疾走。 その二人よりも速く、真姫がいるはずの階へと高速で足を踏み入れた。 凛「まきちゃーん」ぱっ 真姫「…ふ」ググ… 初めに凛が目にしたのは壁際で足、手を氷漬けにされ、身動きがとれなくなっている真姫だった。 この様子を見ると、体力を使い果たし能力を使用するエネルギーも無いように思えた 「お仲間かしら?」 その向かいには仮面の女が細長く、氷で出来た棒状の大きな矢じりを右手に構えていた。 長さは一メートルほどで、氷塊の両端は鋭くとがり、先端は真姫の方向を向く。 凛「真姫ちゃんになにしてるのっ」シュイン それを見て直ぐに女の方へと素早く迫り、タックル 「この子も能力者?」 凛からのタックルを受け氷槍を手から放してしまうが、女は倒れる事はなく、何事もなかったかのよう、 そのまま氷剣を形成し、すぐさま近距離で凛に切りつける。 「氷の剣?」サッ それを凛は直ぐに後ろへと下がり避け、真姫に少し近づく、手を貸そうと行動するが。 それを真姫に手で制止される。 凛「大丈夫なの?」 真姫「そのうち溶けるでしょ…それよりも聞いて、注意点って言うか」 真姫「凛…あまりスピードは出しすぎないでね…」 凛「なんで?」 真姫「…凛。高速移動で水に当たったらどうなると思う?」 凛「……ん…まぁそこまで出さなくても、十分早いから大丈夫っ、任せるにゃ!」 真姫からのアドバイスを受けて攻撃態勢になる凛、 最低限のスピード、それでも速いが…で女へと迫って正面から顔面をとりあえず殴る、 凛「…」シュッ 「…」パキッ 女は一瞬、濡れていた仮面表面の水を凍らせて迫る拳に合わせて滑るようにさけ、 「…」シュッ 凛の顔へ直ぐ氷の剣で切り返す が─────── 凛「あたんないよっ」サッ 普通に避けらてしまう 凛「…にゃ」ジリ… 攻撃に当たらない為と様子を見るために、一旦、距離を取る凛 しかし、 そこへ女は距離が出来た所でここぞとばかりに氷を放ち、 凛はその飛び放たれた氷塊を、反射神経と自らの能力を活かして、足を折り畳むように身を低くしてよける、 幾つかの鋭い氷が、頭上を過ぎ去っていく。 氷塊は標的を無くしたため、当然、後ろの壁へとめり込んだ ─────ビシビシッ 凛「このっ」ピョンッ 凛は先ほどの身を低くしたままの体勢で、女へと正面から迫り、両腕で胴にしがみつく、 凛「…フシャーッ」ガシッ そしてそのまま一緒に女の後方に倒れ、床上で動きを封じ 「」バタン 凛「このままっ…」 凛は、女の体を自らの腕で、覆い被さるように体の下に固定したまま、 倒れた女の頭の先にある机の引き出しに、相手の頭部を叩きつけようと床を滑るように、足で地面を蹴った! 「…」ググ… 床に押し付けられるように頭上の方向へ動かされた女は、 凛の腕と自分の体の間へと手を潜り込ませて、体を捕らえている腕をはがすように上へと押し上げる、 「甘いわ…」ゴロ… すると仮面女は拘束から抜け出し、横へと体を転がすようにして脱出! 女は立ち上がると、さっと右手に水をまとわせて、剣を形成 立ち上がりきれていない凛へと一気に寄る 凛「う…」ヨロッ しかし距離が近づいた所で、 凛は狙っていたのか、屈んでいた状態からの高速の足払いが女のくるぶしに命中! その上体を傾けさせ────── 「…」グラッ 横へころんだ拍子に女はとっさに右手で倒れ込んで、受け身をとるが、 凛「…にゃぁっ!」 そこへ立ち上がった凛が迫り、下向きの腹へと思い切り蹴りあげた 真姫「凛!落ち着いて」 「うっ」 女は腹を蹴られ上半身が上へとぐらつき、小さなうめき声をあげる。 凛「このっ」バッ そのまま凛は後ろから羽交い締めにしようとして掴みかかる、 が… 凛の脇腹を、仮面女によって右肘で突かれてしまい、 その伸ばした両手を引っ込め、少し距離をとった────── 「…」サッ その隙に立ち上がると、 女は机の上に置き去りにしてあった鉄製の水筒を左手に持つ、女は蓋を外し、 凛「何するにゃっ!?」 空いた水筒を手に持ったまま、身構えていた凛へと走って右手で殴りかかり、 「…」ビシャッ 凛が横へ避けた所に、中身に残っていた液体を掛けて足付近を凍らせ、 凛「…あっ!」 少量でしかないため、その拘束時間は短かかったのだが… その少しの女はフロア奥へと駆け出し、奥へ駆けていくと通路の横に曲がって姿が見えなくなった 「待つにゃ!」😾 気がつくと、シャワーのような音はなくなっており、スプリンクラーからの放水はとまっていた そのために一旦逃げ出したのだろうか… 湿気が段々と下がるオフィスの中を、 凛はスピードをだんだんと高めながら、女を追いかけて行った───────── >>354 訂正 凛「このっ」バッ そのまま凛は後ろから羽交い締めにしようとして掴みかかる、 が… 凛の脇腹を、仮面女によって右肘で突かれてしまい、 その伸ばした両手を引っ込め、少し距離をとった────── 「…」サッ その隙に立ち上がると、 女は机の上に置き去りにしてあった鉄製の水筒を左手に持つ、女は蓋を外し、 凛「何するにゃっ!?」 空いた水筒を手に持ったまま、身構えていた凛へと走って右手で殴りかかり、 「…」ビシャッ 凛が横へ避けた所に、中身に残っていた液体を掛けて足付近を凍らせ、 凛「…あっ!」 少量でしかないため、その拘束時間は短かかったのだが… その少しの間に女はフロア奥へと駆け出し、奥へ駆けていくと通路の横に曲がって姿が見えなくなった 「待つにゃ!」😾 気がつくと、シャワーのような音はなくなっており、スプリンクラーからの放水はとまっていた そのために一旦逃げ出したのだろうか… 湿気が段々と下がるオフィスの中を、 凛はスピードをだんだんと高めながら、女を追いかけて行った───────── 第8話「相手は誰だ?」後編 ことり「うみちゃん肩を貸すからっ、ほら」 花陽「気にし無くていいですよ」 海未「…ありがとうございます」 車の上で横の状態になっていた海未は、ことり、花陽の肩へと両腕を回して場所を移動しようと動き出していた。 海未「しかし、この霧ではどちらの方向に進んでいるのかわかりませんね」 花陽「なんかぐるぐる回っているような」 ことり「風も結構強いのに霧は晴れないし…」 海未「どこかで行動を変える必要がありそうですね」 ことり「ねぇ…あそこになんか高くて白いのが見えない?動いてるような」 花陽「ぼんやりとですが見えますっ」 海未「あれは…?……霧を巻き込んだ竜巻ですっ!速く逃げましょう」 ことり「竜巻っ!?」 花陽「…」 ことり「花陽ちゃんどうしたの?」 花陽「あっちの方向に行ってきます」 海未「何故?」 花陽「能力耐性があるので…この霧も関係してると思うから、近くに行ってきて調べてきますっ」 海未「そんなの危険です。逃げましょう」 花陽「能力者耐性があるから大丈夫ですっ行かせてくださいっ」 花陽「…」ジ 海未「………耐性ですか…無理しないで下さいね、」 ことり「何かあったら直ぐに戻って来てね」 花陽「はい、見てくるので、怪我もしてるし先に逃げててください」 海未「申し訳ありません」 ことり「気を付けてねっ」 … 海未「竜巻とは逆に進んだものの、霧が全く晴れませんね」 ことり「先もあい変わらず見えないし」 海未「…視程も短か過ぎます。」 ことり「そういえば怪我大丈夫?」 海未「さっきまでかなり痛かったのですが、段々治ってきた気がします」 ことり「よかったぁ、そんなに酷くなかったのかな?」 海未「あれで軽いという印象は受けませんでしたがね…」 ことり「本当に大丈夫なの?」 海未「…ことりといれば、あんな傷大したことありません」 ことり「うみちゃ〜ん」ギュッ 海未「す、少し痛いですよ、ことり//」 ことり「えへへ、ごめんねっ」 海未「…また風が……今までよりも強くなっている気がしませんか?」ビュオォ ことり「確かにそうかも」 二人が歩いていく中、ことりはついと前方へ目を凝らした。 すると、漂う霧の中に黒い人形のシルエットが見え、 段々こちらへと近づいてくるのに気が付く ことり「うみちゃんっ」 ことりの海未を掴む力が少しだけ強くなる。 海未「様子を見ましょう」 海未もそちらへ目を向けると、霧の奥にある怪しげなシルエットの輪郭が少しずつはっきりし、ユラリと姿を表す。 「なぁ、用事があるんやけど」 現れた人物は顔にピエロの面をかぶり、紫色の髪は後ろで二つに大きく分けて結んでいた。 海未「…何ですかっ」 ことり「…」ゴク 「…頭にトサカがついてる子、ちょっとついてきて貰うで」 海未「ことりのことですか?」 ことり「…なんで?」 「なんでもや」 ことり「…え?」 ことり「理由を教えて欲しいな〜」 海未「絶対に渡しませんよ、力ずくでも…」ギラッ 「えー、うち痛い事とか嫌いなんよ」 海未「私も嫌いですがね」 「じゃあ渡してくれてもいいんやない?」 海未「…ダメです」 「……ふーん」 海未「では帰らせて頂きますので」 ことり「ごめんなさいっ♪」 「帰れるん?」 海未「…この霧もあなたが?」 ことり「ほんと?」 「ん、まぁそうやね」 「どうするん?、…」 海未「ならば…やるしかありませんね」 ことり「うみちゃんっ、怪我してたじゃん…」 海未「…まぁ、動けますよ」 ことり「ことりが闘うっ!」 海未「ことりに怪我させるわけにはいきません、身を低くして静かにしていてください」 ことり「でもっ──── 「…行くよ?」 海未「では…」 脇に差した木刀を握り締めてから、地面を足で強く蹴りつけ超筋力で一気に斬りかかる しかし、迫る刀が女にふれる直前に海未の進行方向とは逆向きに突風が吹き、進む勢いが落ち───── 結果、 届くと想定していた刀の軌道は女のかなり手前を薙ぎ、当たらない。 「どこを狙ってるん?」 それに対して反撃する事なく、女は後ろへと下がると霧に隠れた。 海未「消えた?」 海未は周りを見渡す。 海未「…」 海未「ぐっ」ドス わき腹をふいに蹴られて体勢を崩し、蹴られた方向を見る。 海未「隠れて奇襲と、そう来ますか…」 海未(…五感上昇) 霧の中で目をつぶり、神経を張り巡らしていく。 海未「…」 海未「…」 ───ビュオ 海未「ここですっ」ス 急激な風の流れの変化を肌で感じとり、その方角に刀をつきだす。 「えっ!?」グワン 海未の刀は女の胴をかなりの勢いで掠め、動揺を誘う。 そこへ海未は突いた体勢のまま、刀を横に薙ぎ払い、女の横腹に当て、 「いった!」 女は鈍い痛みを感じ仮面の中の顔をしかめる。 逃げるように霧に隠れると、女は今度も様子をうかがうようだった 海未(…また隠れましたか、しかし迎え撃つだけです) 海未「…」 海未「…」 海未「…」(動きがない…) 海未「…」 海未「逃げましたか?」 立ち止まって音沙汰のない霧の中に問いかける。 (答えるわけないやろ。まぁ逃げてもいいんやけどね。本来の目的やないし…) (でもこの状況で理事長の娘を見つけたんよ、こんな良い機会逃すのもなぁ) (…うーん、普通に動いただけでも見つかりそうやね、やっぱり能力一気に使ってみるしかないかな。) 海未「まだ霧は晴れませんね…」 海未は霧の中にまだ女がいると推測し、また耳を澄ませる。 海未「…」ジ 「は…」 ───────ゴオオオオォォ… 海未「!」 その耳に轟音が聞こえるとたちまち猛烈な風が吹きすさび、 海未は身を低くして備える、 しかし今までとは桁違いの風量であり、今の海未に踏ん張るに足りる力はなかった。 洋服の裾はたなびき、バサバサと音を立てる 海未「うぁっ」ヒュウ 海未は遮蔽物のない中、 風によって盛大に後ろに吹き飛ばされ、体を大きく地面に打ち付けられる 海未「……」 見ると、落下地点で海未は未だ動いていないようだった。 先ほどの落下の怪我もあるのだろう、その衝撃は海未が気絶するには十分であった。 「…これめちゃくちゃつかれるんよなぁ」ゼエゼエ ことり「うみちゃんっ!、さっきのでも怪我してたのに…また。…ひどいよっ」タッタッ 「ごめんなぁ…うちもやることがあるんよ。」 「約束は約束やし、ついて来てもらうよ、とさかちゃん」 ことり「そんなの知らないっ」 「これはあんたのためにもなるんよ?」 ことり「イヤだよっ」 「はぁ…」 「眠っといてや」 女はことりの鳩尾に下突きを打つ。 ことり「」ドサッ 女はことりを抱えあげ、 意識をなくし力の抜けた四肢を支えながら、地面に横たわる海未のそばを通りすぎていく。 「…たまたま霧展開しとったからよかったものの、なかったらやられ───── 花陽「待って下さいっ!」 「ん?…」 「さっきの竜巻の方から来た子やん、どうしたん?」 花陽「…その抱えている女の子です、どうするつもりですか?」 「え?倒れてたから助けてあげようと…」 花陽「…じゃあ、もう一人女の子近くにいまたと思うんですけどその子は助けないんですか?」 「他にもいたん?…はは」 花陽「あの、その子私が助けるので気にしなくてもいいですよ?」 「えーでもせっかく見つけたんだし、うちが助けたいな」 花陽「私こっちに来れたのは結構大きい風音が聞こえたからで…もしかして竜巻とか起きたのはあなたのせいですか?」 「どうやろなぁ?」 (能力使って逃げようにもさっきのでかなり体力消耗したし、なんとかできないんかな) 花陽「…もし、ここで私に渡してくれたらこのことは黙っていてあげます」 「脅してるん?」 花陽「いや、私はその子を返してほしいだけで…」 「うーん…」 「でも、…そんなことしたくないんよな」ビュオッ 残り少ない体力を消費して、花陽に強めの風を吹かせる 花陽が後ろへ転倒するだろうとおもい、 女はその隙をついて逃げ出す体勢をとったが、 「え?」 花陽「今、何かしました?」 (風、効いてないん?) 「……いや、なんもしとらんよ。」 花陽「でも今、能力使いましたか?」 「…ん、まぁ」 花陽「じゃあ私には効きませんよ」 「どんな能力なん?」 花陽「教えませんっ、ていうか早くことりちゃんを放して下さい」 「そんな悪役みたいに…うちべつにこの子に悪いことなんてせんよ」 「ちょっとだけ預かりたいってことで、な?」 花陽「ダメですっ!」 「じゃあ、あんたは何でUTXに来たん?」 花陽「いきなりなんですか?」 「いいから、いいから」 「言ったらこの子放してあげるかもしれんよ?、うちとバトルとか嫌やろ?」 花陽「放してくれるなら……。」 「うちに話して」 花泉「うーん……実はUTXの事を、ライブついでに調べに来たんです」 花陽「でもA-RISEのライブが無くなっちゃって……。…ほら話しましたよ?」 「ふーん、うちも実はUTXに用事があってここに来てるんよ」 花陽「ほんとですか!?」 「そうそう、で。うちらとあんたらの目的は多分同じ方向を向いてる気がするんよ」 花陽「それで、なんですか?」 「だからこの子を預からせて欲しいと」 花陽「ダメに決まってますっ」 (まぁダメよなぁ) 花陽「私、ことりちゃんを返して貰うためなら…」ズ… 「あぁっ!。待って待って、うちが悪かったわ」 花陽「…分かってくれるならいいです」 「ごめんな、この子は返すんよ」スッ (もう風はおこせそうにないし…闘う体力もさっきので尽きちゃったしなぁ) 花陽「良かったです、ありがとうございます」 「別にいいんよ」 (この状態で捕まるよりはましや) 花陽「それでは」ペコリ 「ほな……でも、また会うような気がするんよ、そん時はよろしくな」 花陽「…えっ?会うんですか?」 「そうやな、案外すぐに会うかもしれへん」 花陽「そうなんですか…」 「んー…あんま気にせんでいいよ、じゃ」 (はーぁ疲れたぁ、少し休憩したら予定通り迎えにいこかな) ───────── にこ「ちょっとまちなさいっ穂乃果。行きすぎ、多分ここの階よ」 穂乃果「通り過ぎちゃった?、ここだねっ」 にこ「そうよ」 穂乃果「扉、開けるよ?」 にこ「早くしなさい」 穂乃果「おーい!」バタン 穂乃果が扉を開けると真姫が壁際に屈んで、何やら足に手を当てていた。 足には氷の塊が付着しており、足首に手を当てて溶かしているようだった 穂乃果「真姫ちゃんっ、足凍ってるの!?」 にこ「能力者?」 真姫「ええ、足を氷で拘束されちゃったから、溶かしてるの」 穂乃果「凛ちゃんは!?」 真姫「凛が途中で助けに来てくれたんだけど奥の方に行っちゃったわ、一応見てきてあげて」 にこ「わかったわ」 穂乃果「真姫ちゃんはいいの?」 真姫「私はもうちょっとで多分終わるから行ってて」 にこ「あっちの方?」 真姫「そう、走って言ったわ」 穂乃果「良しっ、行こう!」 穂乃果「ここを左に曲がったっぽいね」 にこ「所々壁、床に氷とか水がついてない?ここら辺」 穂乃果「やっぱり能力者なのかなぁ」 にこ「さっき真姫が能力者って言ってたわよ?」 穂乃果「そうだっけ?」ハハ 『んしょ、んしょ……ああっ!…やっぱり動けないにゃーっ』 『おーいっ』 『近くに誰かいたら来てー…』 『…』 『…にゃあー』 にこ「いま凛の声聞こえなかった?」 穂乃果「私も聞こえたよ、近くにいる?」 『にゃあー』 にこ「あっちのトイレの辺りから聞こえない?」 穂乃果「確かにそうかもっ!」 凛『にゃー…』 にこ「りんー、どこにいるの?ー」タッタッ 凛『あーにこちゃん来てくれたのっ!?、トイレにいるにゃー』 穂乃果「凛ちゃーんっ何かあったの?」オーイ 凛『穂乃果ちゃんもっ?冷たいから早く助けてー』 にこ「ここの女子トイレね、」 凛『真ん中の個室のなかだよ!」』 にこ「今行くわ」 凛『あと、中入ってもあんまり見てほしくないにゃ』 穂乃果「どう言うこと?」 にこ「…ねぇ、個室の鍵閉まってるじゃないの」ガチャガチャ 凛「そんなー」 穂乃果「あっじゃあ、私がドア壊すよ。凛ちゃんちょっと気を付けてね」ザッ 凛「…気を付けるってな──── 穂乃果「はっ」 トイレ個室から数歩離れたところで、穂乃果の手から個室のドアへ衝撃波が射出される。 バキィッ 扉が壊れる音が聞こえて破片が飛び散り、見事衝撃波は命中した。 にこ「……そういえば、個室に上から入れば良かったわね」 穂乃果「凛ちゃん大丈夫?」 凛「まぁ…」 にこはドアの真ん中の、穂乃果によって作られた大きな穴から中へ入る。 個室内はトイレットペーパーや壁に氷や水が付着しており、その上さっきのドアの欠片が床などに散乱していた。 凛はというと にこ「…うん」 正面で膝をついて、両手を清みきった便器の氷の中に突っ込み動けなくなっていた。 その上、凛の体には穂乃果が壊したドアの破片がもろにふりかかっていたのである。 凛「…」 穂乃果「どう?……あっ…」 穂乃果「凛ちゃんごめんね…」 凛「別にいいよ…それより早くここから手を抜きたいんだけど」 にこ「ちょっと抜けそうにも無いわね…」 穂乃果「真姫ちゃん呼んでこよっか」 真姫「…皆こっちにいるのー?」 穂乃果「おおっ!」 凛「真姫ちゃんっ」 にこ「凛が氷で動けなくなっちゃったの、溶かしてあげて」 凛「はやくー!」 真姫「分かったわよ、」 にこ「ドア壊れてるでしょ?そこにいるわよ」 真姫「ああ、あそこね」スッ 凛「ここだよっ」 真姫「凛、あれ?手が…」ジッ 真姫「……ドンマイよ。凛」b 凛「そういうのいいにゃ」 真姫「…じゃあ溶かすけど…これ、結構時間かかるかもしれないわね」 凛「結構かかっちゃうの?」 真姫「まぁ待ってなさい」 にこ「そうだ、凛の追いかけて来た人って?」 凛「追いかけてたら、その人にこんな風に捕まっちゃって」 凛「そしたらまたトイレから出ていったと思う」 穂乃果「どんな人だったの?」 凛「仮面被ってたにゃ!」 にこ「なるほど他には?」 凛「あんまり覚えてないにゃー」 真姫「私も会ったけど、髪型はポニーテールだったわ」 穂乃果「仮面でポニーテールだね!」 にこ「まだいると思う?」 凛「それは分からないなー、でもまだいるかも」 穂乃果「そっかー、」 真姫「じゃあ、二人とも探して来たら?」 凛「しっかり見つけて懲らしめてほしいにゃ」 穂乃果「任せてよ!」 にこ「…じゃあ凛、真姫。探して来るわね。探しに行くわよ」タッ 穂乃果「にこちゃん了解だよっ!」ダッ 真姫「便器に手突っ込むなんてね…」 凛「わざとやった訳じゃないって…」 真姫「知ってるわよ」 凛「汚いよ、早く帰って手洗いたいにゃぁー」 真姫「でも、多分そんなに汚くなってないわよ?」 凛「本当?」 真姫「ここ作られたの最近みたいだし、新品同然でしょ」 凛「でも使った人いるんじゃないの?」 真姫「掃除も行き届いてるみたいだし、気にしないでいいのよ」 凛「ほんとっ?」パアッ 真姫「もちろん」(保証はできないけどね…) にこ「凛が仮面つけた女って言ってたけど、かなりイタくない?」 穂乃果「ん〜仮面つけたくなる気持ちも分からなくもないけどね」 にこ「そういうの好きなの?」 穂乃果「まぁね。でも海未ちゃんも好きだよ、ああいうの」 にこ「意外とそういうとこあるのね」 にこ「…それで、どこいったのよ仮面の奴」 穂乃果「じゃあ、さっき来た道行ってみない?」 にこ「まぁ、どこというあても無いしね」 穂乃果「いるかな〜?」ヒョイッ にこ「いた?」 穂乃果「あの人かな…?」 にこ「……なるほど、凛から聞いた通りだわ…。仮面つけてるじゃない。ほらっ!穂乃果行くわよっ!」 第9話「相手は誰だ?」終編 穂乃果達は通路を戻りながらあの女はどこかと探し、 今日最初に真姫に会ったルームとトイレの間にある通路の奥に、凛が言っていた仮面の女が見えた…… https://i.imgur.com/K0fJ5kO.jpg 外の様子が見えるガラス壁を後にして颯とほのにこに振り返る女、仮面の中の瞳が二人を捉える。 にこ「あいつね!」 穂乃果「間違いないよっ」 「…っ」ダッ しかし、女はほのにこへ襲いかかると思いきや奥にある横へ進む通路へと足先を向けるが 穂乃果「逃がさないよっ」ブワッ 穂乃果は通路と女の足の間に衝撃波をすぐさま放ち、逃走を阻んで牽制! 「…」クル… ならばと女は体の向きを変え、にこと穂乃果の間を俊敏に通り抜けようとする。 しかし にこがすぐに反応、 両手の中指と薬指を折り曲げてそれ以外の指を伸ばす。 にこ「にこっ!」 ユラァ… するとにこの身体の輪郭が揺らぐように見えた後、元あった体を真ん中の位置にして全く外見が同じのにこが二人現れ、 にこ「「逃げ道は塞がせてもらうわ!!」」ダンッ 仮面の女が通れる廊下のスペースを、ほのにこにこで封鎖する! 女は逃走経路をふさがれ、少しだけ狼狽えるような様子を見せた。 穂乃果「いけるかな…」 その様子を見ながらジリジリと三人で横に並び、仮面の女に距離を詰めていく それに伴いながら仮面の女はほのにこに向かいながら後ろをチラチラと見やり、窓際へ下がる 「…」ジリ… 女は3人と一定の距離を保ちながら後ろへと移動するが、体は三人の方をむき、様子を用心深く観察する 仮面の女がほのにこに体を向けながら右手に、先ほど穂乃果に通過を阻まれた通路を通りすぎる。 にこ「今よっ穂乃果!」 穂乃果「うん!」 仮面の女が通路を通り過ぎ、逃げ道がなくなったところで穂乃果は右手を構え ─────フオオォッ 衝撃波が穂乃果の手から放たれると、女に向かった! 「…」サ 女は衝撃波を右肩ギリギリ、すんでの所で体を傾けて避ける だが、 にこ、2「「はっ」」バッ 衝撃波が女に一直線に向かったと同時に、 にこ、にこ2は地面を一斉に蹴りつけ、仮面女に飛びかかっていた。 「…」グ しかし、その攻撃に対して、 女はにこが飛びかかってきた勢いを利用してそちらに足を上げ────────── 膝げりをかます! にこ「うげっ」 もろに腹に食らったにこは呻き、少しの間動きが停滞 にこ2「こっちもいるわよっ」ダッ にこ2は、女がにこ対して行った膝蹴りの一連の動作を終える前 にこ2「はぁっ!」ブンッ 体勢が不安定な間に一気に迫り、女の顔面に右フックを振り抜く。 「フッ」ガシ その視界の端で捉えた拳は、 女は避けることは出来ずに、辛うじて左手を上げて腕の外側で顔面をガード! だが殴られた多少の衝撃は、顔に伝わって仮面女の視界を揺らし 「…ック」グワン 穂乃果「食らえっ!」ゴオ そこへ穂乃果が二発目の衝撃波を連続して撃つ。 女はその状態ではかわせず右肩に被弾、!、フラつく。 にこ「もらったっ!」ブンッ そして先ほど受けた膝蹴りのダメージから、 立ち直っていたにこは、その隙を逃さずに仮面女の胴体に蹴りを入れ、 にこ2「…」ガシッ 止めとして、移動していたのか…にこ2は後ろから羽交い締める。 仮面女は、にこ2に後ろから掴まれ、前にはにこ、と穂乃果。完全に拘束されたようだ。 穂乃果は女に近づき、女の左肩に右手を突きつける。 穂乃果「…」サッ にこ「穂乃果、UTXについて何か知ってるのかも」 穂乃果「分かったよ!うん、…取り合えず。、UTXについて、何か知ってるんですか」 「…」 仮面の女はにこ2に掴まれた状態のまま動こうともせず、 何もしゃべらない。 そこでにこが女に問いかける。 にこ「…あんたがここで暴れてた理由は?」 「…」 これに対しても何も答えず。 穂乃果「…」 「…」 にこ「…もう仮面はずしちゃう?」 穂乃果「確かにそうだね」 にこ「はずすわよ?」 にこ「…」ト… にこは女の付けている仮面の顎の部分に手をかけ、 穂乃果「…」ゴク その手を手前に引き顔から離れる!! と思った瞬間 ────パッ ビシャアアアァァッッッ!!! 女の背後にある窓越しに突然大きな雷が落ち 瞬刻、目が覚めるような光に階一帯が白く照らし出され、雷鳴が鳴り響く にこは突然の雷に驚くと共に、拘束する手を緩め、 穂乃果も同様に注意力が散漫になり、女への注意を逸らしてしまった 仮面の女はというと、 「…」ビク… 彼女自身も雷にビクッと一瞬だけ身体が反応する。 しかし、 仮面の女は穂乃果とにこの一瞬の動揺を見逃さなかった 「…」サッ 雷鳴を合図かのように動き始め、しゃがむように、緩んでいたにこの拘束から抜け出す にこ2「あっ」 穂乃果「にこちゃんっ」 「…」ヒュッ 女はしゃがんだ状態のまま振り向き様に、にこ2の腹に肘打ちを食らわせた にこ2「…っ」 穂乃果「えいっ」ブン 穂乃果は逃さまいと女に殴りかかるが、あえなく避けられ にこ「にがさないわよっ」グワッ にこが飛びかかって、女に迫る 「…」 それを迎え撃つように、にこに向かいあう女、接近し互いに両手の平をあわせて指を絡めるようにつかみ合い にこ「…ふぬぬぬ」ガシッ 「……」ググ にこ「ぬぬぬ…」グググ 倒れぬようにと、両足に力を込め、踏ん張る! にこ「……」グッググ 「…ふぬぬ……ふんっ」ブンッ 女と力を掛け合うが、体格差によって、にこは横の壁際に投げ出され、 にこ「って」ゴン にこを振り払った女は後ろの窓壁に向き直り、そちらへ一気に駆け出し、 「…」ダッ 穂乃果「待てっ!」 穂乃果も同じ方向に駆けていく! 女は窓までの4メートルほどの距離をダッシュし、窓壁に当たる寸前に両腕をクロスするように顔前に掲げ、 「…」サッ ──────パリイイィィィン 女はその状態のままスピードをゆるめることなく、窓をぶち破って外に飛び出した! 「…」フワッ にこの耳に、ガラスが割れる音が聞こえ、 にこ「…は?」 穂乃果「穂乃果もっ!!」ダン 穂乃果も追う様にして行動していたため、女と同じところから外にジャンプして飛び出し、 穂乃果「ハッ!」バッ 体を空中に投げ出した!! にこ2「ちょっと!…あんた何やってんのよ!!」シュバッ 急いでにこ2は穂乃果の落ちかけている体の足首を、前にスライディングするように外に体を乗り出して掴む。 にこ「あぶなっ」ガシッ そして、にこは穂乃果を掴んだ「にこ2」の腰辺りをつかみ、 その姿勢のまま、ビルの内側へと力をかけるように足で踏ん張る。 にこ「…ふっ」ズリ…ズ…… 穂乃果「落ちちゃうよっ!」 にこ2に足を捕まれながら、空中で頭を下にして、ビルの側面で宙ぶらりんになる穂乃果。 にこ「あんたが勝手に落ちていったんでしょうがっ」 穂乃果「いやだってさ〜、あんな自信満々に外に出てくから何かあると思うじゃん」プラプラ にこ「確認してから外に出なさいよっ!」 穂乃果「確認してたら逃げられちゃうような気がしちゃって、」 にこ「実際もう逃げられちゃったじゃないっ」 そうこうしているうちにずりずりと、にこは窓の外側へと吸い寄せられていく。 それに比例し、穂乃果も段々と下に降りていく。 穂乃果「…それよりさ、早く引き上げてくれない?」 にこ「……ちょっと今考えてるから待ってて」 穂乃果「えっ!?、ほんとに落ちちゃうよーっ」 にこ「うっさいわね、引き上げるのって結構力いんのよっ」 穂乃果「うぅー」プラーン にこ「…真姫と凛が来てくれれば、」 穂乃果「来たのっ?」 にこ「待ってるだけよ」 穂乃果「えぇー」 にこ「おとなしくしてなさい」 穂乃果「了解っ!」 にこ(まずいわね、掴む力も段々なくなって来たし。っていうか真姫と凛早く来なさいよ) にこ2の穂乃果の足を掴む手が、汗で少しずつ滑りはじめて来る。 穂乃果「まだ来ないの?」 にこ「まだよ」 にこ(うーん……そうだ、この状態なら使える?) にこ「にっこにっこにー!!」 すると腰を掴むにこの右隣にまたも同じ外見のにこが一人ぼやぁと姿を現した。 穂乃果「ちょっと!にこちゃんふざけてる場合じゃないでしょ?」プンプン にこ「こっち見えないでしょ?真面目にやってんのよ、待ってなさい」 すると先ほど現れたにこは二人がきた道を戻り、真姫、凛がいるトイレの方に急いで向かった。 にこ「穂乃果、そういえば女を追って出ていったけど、そいつどこ行ったか見えた?」 穂乃果「ごめん、外出たときには見えなくなっちゃってた」ハハ にこ「意味無いじゃない全く。……ってことは協力者がいたって事かしら?」 穂乃果「まぁ確かに氷系の能力だったもんね」 にこ「あの状況じゃ、その能力はあんまり関係ないわよね」 穂乃果「だよねっ」 にこ「…今凛と真姫呼びいってるから、もうちょっと待ってて」 穂乃果「はーい」 穂乃果「…」 穂乃果「ねぇ、にこちゃんの能力ってどんなの?良く分かんないんだけど」 にこ「…この状況で聞く?」 穂乃果「知りたいし…」プラーン にこ「いいわ、教えてあげる。」 にこ「見て分かるように、私は分身が作れるわ。でも無限に作れる訳じゃなくて、」 穂乃果「それで?」 にこ「基本は2人、にしかなれないわ」 穂乃果「えーっ!そんだけにしかなれないの?」 にこ「基本…よ。集中加減によるわね。分身を作ると、にこ自身が二人になるんじゃなくて、にこが使える体が増えるってことなの」 穂乃果「…?」 にこ「…まぁ分かりやすく言うと、にこと外形、身体能力が全く同じ操り人形を作れるって言うこと」 穂乃果「それならわかるかも…」 にこ「だから、分身を使うときは体を2つ同時に使ってるみたいな感じね。喋ってるのが分身でも本体でも、それは同じ『にこ』が喋ってるのよ」 穂乃果「ふむふむ…」 穂乃果「…うーんと……本体がやられたらどうなるの?」 にこ「全部消えるわ」 穂乃果「ん……じゃあ、今、穂乃果の足を外に半分出て掴んでる方(にこ2)は?」 にこ「…本体よ」 穂乃果「えぇーっ!!」 ─────── 真姫「穂乃果、あなた無茶しすぎよ」 凛「追いかけて外出てくなんて、バカだにゃー」 穂乃果「凛ちゃんも同じだよっ、定期テストの事で呼ばれてたじゃん!」 凛「それは関係ないにゃ!」 真姫(にこちゃんもじゃない?) にこ「はいはい、もう穂乃果を引き上げたんだし。さっさと帰るわよ?」 真姫「人来る前に帰った方がいいわね」 凛「今日はもう疲れちゃったよー」 穂乃果「じゃあ帰ろっか!」 凛「うんっ」 真姫「でも、こんなに荒らしちゃったのに大丈夫かしら…」 にこ「大丈夫でしょ、大体あの女のせいだし」 凛「そうにゃそうにゃ!」 穂乃果「なんとかなるでしょ」 真姫「…はぁ」 「…もう今日はクタクタや、」 「ごめんね、かなりこき使わせちゃったみたい」 「本当や、もう今までで一番多く能力使ったかもしれんよ」 「でもあなたの協力で今回のことは、世間の注目を集められたみたいなの」 「なら、よかったやん…」 「感謝してるわ」 「…今日な、あの状況で理事長の娘と会ったんよ」 「ほんと?」 「まぁな」 「で、どうしたの?」 「うちらが見守とった方がええと思うし、捕まえようとしたんやけど能力者がいて出来んかったわ」 「やっぱり、こっちもあったわよ?5人もね」 「!?能力者結構いたみたいやな」 「…ちょっとこれからの行動がやりづらくなりそう」 「そうやね、…でも。今日あった子達と話はしたん?」 「してないわ」 「協力…とかは考えないの?」 「なんで協力なんかするのよ」 「…目的とか利害は一致してそうだったし、」 「それだけ?」 「…また会う。そんな気がしたんよ」 「そんな気がするって…」 「だって、今日あった中に知り合いもいたやろ?」 「……まぁ、否定はしないけど」 「なんでさっき通信した時に隠してたん?………ええわ。協力、考えてみたら?」 「知りあいだからって協力する理由にはならないわ、私には私の目的があるもの」 「…うちらだけでこの先、進むのは難しいって知ってるやろ?」 「今まで通りの私たちのやり方で問題無いわ」 「…」 「とりあえず、今日はありがとう。助かったわ」 「疲れたんでしょ?今日はどこか行って奢ってあげるわよ」 「…ほんと?」 「ええ」 「じゃあっ焼肉さんで良いん?」 「もちろん、」 ───────── 真姫「結局、海未は大丈夫だったの?」 穂乃果「あのあとことりちゃんから連絡来てとりあえず大丈夫だって」 にこ「さっき見てきたけどあの高さから落ちてたのね」 凛「結構高かったよね、あそこ」 穂乃果「うん、まぁ無事だったし良かったよ」 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
read.cgi ver 07.5.5 2024/06/08 Walang Kapalit ★ | Donguri System Team 5ちゃんねる