善子「ずら丸&リリーとの幸せマタニティライフ」
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
从c*•ヮ•§ 前回の!
ノcリ,,^o^,,ル `¶cリ^ヮ^)| メイ*^ _ ^リ ボテライブ! 産シャイン!! \デデーン!/
从c*•ヮ•§ 【ヨハネの生き血】なる薬を飲んだ善子は、花丸や梨子と″えっちなこと″をしたせいで、なんと二人を妊娠させてしまう
ノcリ,,//o//,,ル できちゃった、ずら♡
メイ*// _ //リ 責任、取ってくれるわよね♡
从c*;ーヮー§ そんな二人がつわりのせいでイベントに出場できなかったり、善子の一番を巡って口論になったり、お互いの陰口を言ったりで、徐々にaqours全体の空気が悪くなってしまう
メイ*#` ◇ ´リ ムッキー
ノcリ#,,`o´,,ル ずっらー
从c*^ヮ^§ 千歌や謎の人物【ディアマンテ】の助言によって真実の愛に目覚めた善子は、自らのエゴを懺悔した上で「二人に仲良くしてほしい」と訴え、無事花丸と梨子は和解したのであった
`¶cリ˘ヮ˚)| リトルデーモンの二人くらい、このヨハネが幸せにしてみせるわよっ!
从c*^ヮ^§ もうすぐ四人になるけどねっ!
从c*•ヮ•§ それから二ヶ月が過ぎ、わたし達は夏休みを迎えたのであった 七月末、津島さんのお宅
ピンポーン
善子「来たわね」
花丸(インターホン)『もすもす』
善子「鍵なら開いてるわよ」
ガチャッ
花丸「おはようずら、ヨハネちゃん♡」
善子「ごきげんよう、我が″黄昏の理解者″よ。ってずら丸一人でここまで?」
花丸「ううん、梨子ちゃんと千歌ちゃんもバス停まで一緒だったんだ」
善子「そう、あの二人も……ってなんで千歌さんもっ!? 『何でも協力する』とは言ってたけど、まさか──」 花丸「ヨハネちゃん、もしかして『梨子ちゃんを千歌ちゃんに取られた』とでも思ったんじゃ」
善子「ギクッ!? 前々から思ってたけどずら丸ってもしかしてテレパス?」
花丸「マルはヨハネちゃんの″黄昏の理解者″ずらよ」ズランッ
善子「だからって──」
花丸「冗談だよ。ヨハネちゃんが顔に出やすいだけずら」
善子「ぐぬっ!? それは気を付けなくちゃね」
花丸「千歌ちゃんはベビー用品の買い出し、その付き添いだよ」
善子「リリーの荷物持ちって訳? まあ、あの歩くたまごクラブならアドバイザーとしてうってつけかもね」
花丸「そういうこと。それに千歌ちゃんには曜さんがいるし」
善子「それもそうね。浮気なんてしようものなら曜さんに刺されてもおかしくないわね」
花丸「とにかく今日はマルと一日よろしくね♡」
善子「ええ」 屋外、バス停付近
花丸「エレベーターがあって助かったずらぁ〜」
善子「たかだか四階なのに?」
花丸「むうっ」
善子「しっかし……文字通りまるまるっと丸くなったわね」
http://q2.upup.be/f/r/HIdyFzTWmA.jpg
花丸「うん。つわりが終わったら、また前みたくたくさん食べたくなってね……そうしたら毎日少しずつ大きくなっていったの」お腹ナデナデ
善子「良かったわ、経過は順調みたいで」
花丸「でもこんなに大きくなるなんて思わなかったなぁ」
善子「恥ずかしくないの? そのタヌキの置物みたいなお腹で」 花丸「デリカシーのない例えはやめるずらぁ// 『太ったね』って何回からかわれたことか。……本当は『おめでとう』って祝ってもらいたかったのに」
善子「お腹が大きくなったこと自体は恥ずかしくないのね?」
花丸「うん。だって大好きなヨハネちゃんの子どもなんだよ♡」お腹サスサス
善子「ずら丸// ちょっと照れるじゃないの」
花丸「前に教えてもらった【認識阻害】のせいなんだよね? お医者さん以外は誰もマルが妊娠したのを信じてくれないのって」
善子「ええ。例外もあるけどね」
度を超えた妊婦フェチの千歌さんとか
花丸「そうなんだね。人の理を無視して産まれてきた子でも、マルは大切に育ててあげるからね」お腹ナデナデ
善子「人の理を無視……確かにそうなるわね。だけどエコーとかでも異常は見つかってないんでしょ?」
花丸「うん、問題ないよ」
善子「なら平気ね。とにかく半年分の埋め合わせはするわ! まずはどこへ行きたい?」
花丸「つわりを乗り越えたら、ヨハネちゃんと一緒に行こうって決めていたところがあるんだ♪」
善子「わかったわ、地獄の果てだろうが付き合うわよっ!」 沼津駅前でバスを降り、私達は真新しい喫茶店の前まで歩いた
花丸「ここずら」
善子「なんていうか……普通の女の子が入るのを躊躇いそうな雰囲気ね。このヨハネが言うのもアレだけど」
【ナイトメアスイーツ】ねぇ
花丸「でもヨハネちゃんとしては好きそうな店でしょ?」
善子「ま、まあね」
花丸「じゃあ行くずら♪」 カランコロン♪
店員「よくぞお戻りになられました、魔王閣下に女皇陛下!」グルル
花丸「うむ、くるしゅうないぞ。リトルデーモン諸君!」
善子「ええー!? 狼男ぉーっ!?」
花丸「あれ? ヨハネちゃん、こういうの好みじゃなかったの?」
善子「メイドカフェとか執事喫茶の亜種なの!? ここって」
花丸「そうみたいずらね」
店員「では魔王閣下と女皇陛下のお席はこちらでございます」
花丸「うむ」 善子「和洋折衷過ぎでしょ、この店! 吸血鬼にフランケンどころか、雪女に河童みたいなのもいるし」
花丸「でもヨハネちゃんの堕天使設定も、結構多方面の神話や宗教から取り入れているし」
善子「うそっ!? もしかして元ネタ把握してたりする訳?」
花丸「何度も言うけどマルは″黄昏の理解者″ずらよ。ほらっ♪」つメモ帳
善子「ええと【堕天使ヨハネ語録】っ!?」
花丸「うんっ♡」
善子「……なんか言った覚えのある言葉と、その解説がズラリと」
店員「魔王閣下、それと女皇陛下。我々は何を捧げればよろしいでしょうか?」
善子「えーと、魔王閣下ってのは私で、女皇陛下はこっち?」ずら丸ユビサシ
店員「さようでございます、閣下」グルル
善子「ううーむ、人間界の共通語で頼む」
他人がそういうモードで話しかけてくるとむず痒いものね 店員「かしこまりました。では……ご注文はお決まりですか?」
善子「あー、そこからなのね」
花丸「はい、【愛の双頭巨人パフェ】をお願いします」
善子「何を頼むかも決めてたのね」
にしても微妙なネーミングセンスね
店員「【愛の双頭巨人パフェ】ですね、かしこまりました。お飲み物は何にいたしますか?」
花丸「オレンジジュースで。ヨハネちゃんは?」
店員「彼氏さん? もしもし、彼氏さーん?」
善子「って私のことっ!?」
店員「他に誰がおります?」
【認識阻害】の同性間恋愛を隠匿する効果のせいで、私は男性に見えてるって訳ね
善子「すみません」
店員「こちら【愛の双頭巨人パフェ】は、お二人で食べられる用のメニューでして」
善子「ああ、そういうことね。じゃあ私はエスプレッソで」
店員「オレンジジュースにエスプレッソですね。かしこまりました」 善子「そういうメニューなら最初に言ってよね」
花丸「ごめんね、ヨハネちゃん。でも気になっていたでしょ?」
善子「ま、まあね」
花丸「しかもカップルで入店しないと注文できないんだよ」
善子「だからなのね、『一緒に』って決めてたのは」
花丸「うんっ♡ それにこれね、30分で完食できたら半額になるんだよ」
善子「タダじゃないのね、ケチ臭い」
花丸「だから一緒に頑張ろうねっ♪」
善子「別に頑張る必要は──」
花丸「あるよっ!」クワッ
善子「どうしてよっ! ゆっくりでいいじゃないのっ!」クワッ 花丸「これ、欲しいんだ」ユビサシ
善子「副賞として黒猫のストラップ、ねぇ」
花丸「駄目、かな?」
善子「わかったわよ、そういう理由なら一肌脱ぐわ。にしてもずら丸ってホント猫好きよね〜、練習着といいストラップといい」
花丸「うんっ、にゃ〜ん♡」
善子「ふふっ、あざといっての。案外ずら丸が猫派だったから、犬派のリリーと険悪だったのかもね」ニコッ
花丸「流石にそれは関係ないと思うなぁ」 店員「お持ちいたしました」つパフェ
善子「でっか」
http://q2.upup.be/f/r/s7J5WDrMup.jpg
※イメージです
これは東京武蔵小山の某ケーキ喫茶のものであり、重さ約3.5kg、高さ約50cmもあるそうです
店員「では、カウントを始めますね」
よしまる「「いただきます」」ペコッ
花丸「はむっ……んん〜っ、うまいじゅらぁ〜♡」
善子「いい食いっぷりね〜」
花丸「ヨハネちゃんも早く食べるずらぁ」モグモグ
善子「わかってるわよ。はむっ」
花丸「どう?」
善子「んん〜っ♡ ヨハネ、昇天しちゃう〜っ♡」
花丸「よかったぁ」ニコッ
善子「これなら毎日でもイケるわね」
花丸「もっとゆっくり食べた方がいいよ」 15分後
善子「うっぷ」
花丸「ほらね、言わんこっちゃない」
善子「でも……2/3は胃の中に納めたわよっ、げふっ」
花丸「そうだね、あと一息ずら」
善子「っていうかずら丸は平気なの?」
花丸「うん。マラソンと同じだよ、自分のペースを崩しちゃ駄目ずら」
善子「この量ならもう、ずら丸一人でいけるんじゃ──」
花丸「駄目だよ、ヨハネちゃんもあとちょっとは食べないと」
さくらーふぶーきのー♪
善子「ううっ、サライが聞こえてきた……」
花丸「うん、実際に流しているからね」
善子「ノリいいわねー、このお店!」 残り3分でなんとか完食できた
よしまる「「ごちそうさまでした!」」ペコッ
善子「どーよっ! ヨハネの胃袋は天界より広いのよっ!」
花丸「お疲れ様、ヨハネちゃん♪」
善子「食事で『お疲れ様』ってのはどうなのよ?」
店員「おめでとうございます! 今景品をお持ちいたしますね」
花丸「お願いします」
花丸「美味しかったね♡」
善子「……しばらくはイチゴもチョコも視界にすら入れたくないわ」
花丸「ごめんね、ヨハネちゃん。無理なお願いして」 善子「気にすることないわよ、たまにはイイとこ見せたいしねっ!」
花丸「ヨハネちゃん//」
店員「どうぞ」つストラップ
花丸「はい、ありがとうございます」ペコッ
花丸「ヨハネちゃんもありがとね」ニコッ
善子「どういたしまして」
花丸「ヨハネちゃんだと思って大事にするね、この子」
善子「それはまた大層なことで」
まあずら丸の喜ぶ顔が見られたなら頑張った甲斐があったというものか 会計を終え、【ナイトメアスイーツ】を後にした
善子「しかしケロっとしてるわね、ずら丸は。一人で2/3は食べたでしょうに」
花丸「うん、もうちょっとなら食べられそう」
善子「時間制限がなかったら一人でもイケてたんじゃない?」
花丸「ふふっ、かもね」
善子「やっぱりつわりが終わってから食べる量増えたの?」
花丸「そうだね、いつもの倍くらいになったかも。気が付いたらおせんべいとか、一人で一袋丸々食べちゃったこともあるし」
善子「妊娠してるからって食べ過ぎちゃ駄目よ。産後太りで体型が戻らないって人も多いみたいだから」
花丸「……気を付けるずら」 10分ほど腹ごなしに歩いて、目的地の公民館へ着いた
善子「児童図書館なんていつぶりかしらね」
少年「あべっく〜」
花丸「アベックだって、ヨハネちゃん♡」
善子「無視よ無視。っていうか本の配置、相当変わったのね」
花丸「10年以上前だからね、最後に来てから」
善子「そうなの? 私は中学の時、神話とか調べに来てたから」
花丸「そうなんだ。ヨハネちゃんって勉強熱心だよね」
善子「一応ママが先生だしね、調べ物自体は嫌いじゃないわ。というか意外だわ、ずら丸こそよく利用してそうなのに」
花丸「マルの場合は欲しくなったらすぐに買っちゃうからね」
善子「ルビィが呆れてたわよ。『お金は大丈夫なの?』ってね」
花丸「だからまずは借りて読んでみてから買うって決めたんだぁ。この娘が産まれてきたら、たくさんお金が掛かるから」お腹ナデナデ
善子「……そうね、今度の資金繰りも考えておかなくちゃね」ハァ 絵本コーナー
善子「うっわー【はらぺこあ○むし】とか懐かしー」
花丸「うーん、これと、あとこっちも借りていくかなぁ?」
善子「って何冊借りるつもりよっ! 持つの私なのにっ!」
花丸「借りられるだけだから……10冊ずら」
善子「そんなにっ!? 一度に借りてく必要あるの?」
花丸「うん、ちょっと参考にしようと思ってね」
善子「参考? 何の?」
花丸「絵本作り、始めようと思っているんだ」
善子「絵本作り? 今だって4コマ描いてるのに?」
ずら丸が月一で描いてるaqoursの活動記録を兼ねた4コマ漫画は、メンバー全員の間で好評なのよね
花丸「うん。将来絵本作家を目指すのもいいかなー、ってね」
善子「悪くはないけど小説とかと比べてレベル下がるんじゃ──」 花丸「甘く見ちゃいけないよっ!」クワッ
善子「ずら丸っ!? 大声出しちゃ駄目でしょ」
花丸「あっ……ごめんね、ヨハネちゃん」
善子「……まあ他に人いなかったみたいだし、気を付けなさい」
花丸「うん。だけど子どもはね、ガワだけ繕っている薄っぺらい話はすぐ見破るんだからね!」
善子「具体的には?」
花丸「女の子をいっぱい出してきゃっきゃうふふ〜♡ させておくだけのお話とか、格好いい男の子にそれっぽいキザな台詞を言わせるだけのお話とか」
善子「その発言、多方面に喧嘩売ってるわよ」
花丸「そうかな?」
善子「そうよ。で、どんな話にするつもり?」 花丸「マルがスクールアイドルをしていて思ったこと、感じたことを伝えていくお話」
善子「抽象的過ぎない?」
花丸「いっぱいいっぱいあるからね、伝えたいことって。でもまずは梨子ちゃんと喧嘩して、仲良くなるまでのことをお話にしたいの」
善子「リリーとの喧嘩ねぇ。確かに私達三人とも、色々考えさせられたものね」
花丸「でしょ? マル達みたいな悩みを抱えている人にこそ読んでもらいたいなぁ、って思っているの」
善子「ガチな三角関係の話なんて、それこそきゃっきゃうふふ〜♡ なライトノベルでも滅多に見ないと思うけど?」
大概ヒロインが雪だるま式に増えていくから、三角どころでは済まないからなのよね
花丸「別に二股がどうとかってだけじゃないずら」
善子「そうでしたね、悪かったわ。で、どんな風にしたいって考えてるの?」 花丸「主人公は二人のネズミさんで、題名は【りりとずら】」
善子「まんま【ぐりと○ら】じゃない! 元ネタの作者から訴えられるわよっ!」
花丸「……それもそうだね」
善子「著作権侵害の賠償金ってかなりの額になるみたいだからね、そのタイトルで出版社に持ち込もうとだけはしちゃ駄目だからねっ!」
花丸「う、うん。それじゃあヨハネちゃんなら、どんなお話にするの?」
善子「ククク、そうね【かいけつヨハネとゆかいなリトルデーモン】なんてのは──」
花丸「それも【かいけつゾロ○】のモロパクずら」
善子「いいでしょ! そんな咄嗟に浮かぶもんじゃないし、持ち込むつもりもないし」
花丸「それで、どんなお話なの?」
善子「一応聞いてはくれるのね」
花丸「うんっ」
花丸「だいたい想像はつくけれどね」ボソッ 善子「決まってるでしょ? クールでチャーミングな堕天使ヨハネ様が──」
花丸「キツネの」
善子「だから元ネタから離れてっ! 部下のずららとりりりを従えて共に──」
花丸「マルと梨子ちゃんずらね、やっぱりイノシシの」
善子「だーかーらー! どうして話の腰を折ろうとするのよっ!」
花丸「いや、だってヨハネちゃんから『どうぞご自由に突っ込んで下さい』オーラが出てたから」
善子「えっ!? ずっとそんなの出てたの? だからずら丸やリリーを始め、誰も彼もが親しくなるとどんどんツッコミが激しくなるのね」ウルッ
花丸「冗談ずら」
善子「わかってましたよ、ふーんだっ!」ムスッ
花丸「それで続きは?」 善子「ヨハネとずららとりりりの三人組が、行く先々で起こるトラブルをズバッと解決していく愉快痛快ファンタジーなの!」
花丸「ふむふむ」
善子「で、助けられた人達はみーんなヨハネに魅了されてリトルデーモンになっちゃうのよ!」
花丸「改悪乙ずら」
善子「しつこいっての!」
花丸「だって元ネタだと吹っ飛ばされてもオナラでUターンしたり、崖から落ちても霜焼けで鼻が膨らんだおかげで木に引っ掛かったりするんだよ」
善子「今思い返せばくっだらないを通り越して、よくそんなネタが浮かんだって感心するわね」
花丸「でしょ? こういうセンスを出せるようになりたいなぁ」
善子「プロ目指すつもり?」 花丸「やるからにはね。でも今は『この娘達のために』って考えているけどね」
善子「確かにいきなりってのは厳しいものよね」
花丸「でもいつかはちゃんと本屋さんに並んで、ここや図書館でも貸し出されるような絵本を作って、一人でも多くの人に読んでもらいたいなぁ」
善子「なかなか大層な夢ね」
花丸「うん。スクールアイドルやっているうちに、欲が出るようになったのかなぁ?」
善子「別にいいんじゃない? 夢はデカくなけりゃつまらないでしょ?」
花丸「○たま乱太郎?」
善子「そうよ、アレも昔はよく観てたものよ」 花丸「ヨハネちゃんって案外、小さい子向けの漫画やアニメ好きだよね?」
善子「そうかもね。たまにドラ○もんとかクレヨン○んちゃんとか見ると結構面白くない?」
花丸「うん、あるある」
善子「今度映画のDVD借りてきて一気見でもするかしら?」
花丸「いいかもね、そういうのも。小さい子が何に惹かれるのかの勉強になるかも」
善子「ずら丸も相変わらず勉強家なのね」
花丸「そうかも。でも欲張りなマルもこれで、ヨハネちゃんや梨子ちゃんと一緒に地獄行きずらね」
善子「って私とリリーは地獄行き確定な訳ぇ!?」
花丸「だって堕天使なんだから神様が受け入れてくれる訳ないずら」
善子「クックックッ、まあねっ☆」 善子「ずら丸ってさ、おっとり屋さんの割には案外負けず嫌いなとこあるわよね?」
花丸「そう……かもね」
善子「実はaqours一番だったりして」
花丸「流石にそうではないよ」
善子「どうして?」
花丸「だってマル、みんなと違ってまだなんにも凄い結果、出せていないんだから」
善子「ラブライブで優勝したってのに?」
花丸「それはあくまで九人みんなで、でしょ? マル一人の功績じゃないよ」
善子「まあね。でもそれじゃ納得いかないっての?」
花丸「うん。だってみんなそれ以外でも色々と結果残しているんだから」
善子「そうかしら?」 花丸「そうだよ。ヨハネちゃんは動画サイト上にいっぱい応援してくれる人がいるし、梨子ちゃんはピアノコンクールで入賞しているし」
善子「言われてみれば確かにね。曜さんだって高飛び込みの天才だし」
花丸「でしょ。aqoursは元から出来る人達の集まりだったんだよ」
善子「って千歌さんとルビィは?」
花丸「千歌ちゃんはスマ○ラの世界ランキング上位に入っているんだよね? そこかなぁ」
善子「凄いと言えば凄いけど、『その努力をもっと他に向けなさい!』ってのが個人的な意見ね。で、ルビィは?」
花丸「ルビィちゃんはかわいさランキング一位だし」
善子「しれっと何言ってるのよっ!? あくまで『ずら丸の中で』だけでしょ!」
花丸「まあね。でも『友情と恋愛感情は別物』なんでしょ?」
善子「ま、まあそう言ったわね」
リリーと千歌さんの間に友情があるように、ずら丸とルビィの間にだって友情はあるのよね 花丸「ルビィちゃんなら函館のイベントを主催したって実績があるずら。忘れていないよ」
善子「理亞と二人でとはいえ、アレも相当なものよね」
花丸「だからね、悔しいんだよ。マルだけがまだ、そういう世間から認められる賞を取ったりしたことがないから……」
善子「ずら丸……アンタから『悔しい』なんて言葉が出るなんてね」
花丸「マルだって……ヨハネちゃんや梨子ちゃんに並びたいんだよ」
善子「なれるわよ。このヨハネの″黄昏の理解者″なんだから」肩ポンッ
花丸「ヨハネちゃん//」
善子「まあ別にそういう公の場で賞を取ることだけが絶対、って訳でもないと思うけど。一人一人歩く速さも選んだ道も違うんだし」
花丸「それじゃあマルの気が済まないずらっ!」 善子「ずら丸……だったら全力で挑みなさい! 人生何事も挑戦あるのみよっ!」
花丸「うんっ!」
善子「もしダメだったとしても、このヨハネが慰めてあげるから」
花丸「ありがとうね、ヨハネちゃん♡」
善子「ずら丸は何度も立ち上がれる? 胸に手を当て──」
花丸「Yesと答えるずらっ!」ガッ
善子「そういうことよ。それに統廃合の件と違って、失敗したって『後がない』って訳でもないんだしね」
花丸「そうだよね、がんばルビィ! ずら」 善子「さてと、もう行きたいところはないわね?」
花丸「うん、少し早いけど帰るずら」
職員「ちょっとそこの旦那さん」チョイチョイ
善子「旦那って……私?」
慣れないものね、【認識阻害】の効力って
職員「そうそう。今ね、二階でこういう企画やってるんだけど、どう?」つボード
善子「えっと『奥さんの気持ちになってみよう、妊娠体験講座』?」
花丸「ヨハネちゃん、『何事も挑戦あるのみ』だよねっ」ニコッ
善子「そうね、やるしかないじゃないの。妊婦さん直々に勧められたなら」 二階講堂
参加者は私を含めて三人だけ、しかも女性は私だけだった
職員「という訳で、妊娠されている方にとっては、何をするのにも一苦労な訳です」
以前千歌さんから講義を受けていたのもあって、その辺の知識はほとんど頭に入っていたので割愛する
本当にあの人は歩くたまごクラブよね
職員「ではこれからが、本日の講座のメインとなります。皆さんどうぞ立って下さい」
善子「こ、これって……」
青年「妊婦さんの胴体みたいな形状ですね」
職員「マタニティウェアっていうんですよ。しかもオハラグループがアメリカから輸入した高性能版なんです」
善子「へ、へぇー。……こんなこともやってたのね、オハラグループって」 職員「まずは腰を痛めないようにベルトを巻いて下さい」
善子「はい」マキマキ
職員「ではウェアを着けるので『バンザーイ』して下さい」
善子「はーい」バンザーイ
係の人が上からウェアを被せてくれた
善子「うっ……おっも」
鏡を見ると妊婦さんの大きくなった胸やお腹を象ったウェアが胴体を覆い、すっかり臨月の妊婦さんを思わせる容貌になっていた
※イメージです
http://q2.upup.be/f/r/X256pvcKS8.jpg
善子「それにきっついわね」
ゴムによってお腹と腰がぎゅっと締め付けられる感触がする
職員「アメリカでは一月の間、それを着たまま生活したパパさんもいるんですよ」
善子「ええーっ!? コレ、どれぐらい重いの?」
職員「合計10キロですね、大きめの米袋ぐらいです」
善子「ふふふ、それはなかなかしんどくなりそうね」 職員「まずは階段まで歩きます」
善子「はい」
50メートルもない距離だが、一歩一歩が重かった
青年「はぁ、はぁ、キツいですねぇ」
中年「ふぅ、ふぅ、だなぁ」
善子「ふぅ、確かにね。新手の筋トレって感じだわ」
残りの二人は20代前半と30代後半ぐらいかしら
意外と私がこの中だと一番体力があるのかもね、スクールアイドルやってる身だし
花丸「ぷぷっ、ヨハネちゃんもまるまるっと丸くなってお揃いずらね〜」パシャッ
善子「ってずら丸、撮らないでよっ!」
花丸「せっかくなんだから、きちんと目に見える形で残しておくことが大切ずら」
善子「いや、だからってさ──」
花丸「それじゃあさっそく……ポチっとずら♪」ピロリン
善子「って何したのよっ!」
花丸「何って、梨子ちゃんに送っただけだよ」
善子「ええーっ!? 絶対笑われるわよね、リリー達に」グスッ 職員「それでは、階段を下ります」
善子「はい」
職員「手すりを掴んでいいので、一段ずつゆっくり下りて下さいね」
善子「じゃあ私から行くわね」
青年「おう、頑張って」
善子「ってげげっ!? 足下見えないじゃないのっ!」
まん丸に突き出たお腹が見事に視界を遮っているわね
職員「大丈夫です? やれそうですか?」 善子「ここまで来た以上、やるわよ!」
職員「わかりました。足下の感触を確認しながら、慎重にお願いしますね」
善子「はい。……よし、次は左足ね」
まずは右足を下ろし、地に付いた感じがしてから今度は左足を恐る恐る下ろす
善子「ふぅ。一段だけでもおっかなびっくりね」
職員「14段あるんで、本当にゆっくりお願いしますね」
善子「ふふっ、骨が折れるわね」
本物の妊婦さんはお腹にゲルじゃなくて赤ちゃんがいる以上、転倒したら一大事よね
もしも手すりがなかったり、あるいは両手が荷物で塞がっていたら……と考えるとゾッとする 一階講堂
職員「では次は椅子に座って靴を履き替えます。足のサイズは?」
善子「えっと、23です」
職員「はい、どうぞ」つ靴
善子「ってやっぱりお腹が邪魔になるのね」
青年「ははっ、そうですね」
中年「このまま紐も縛るのかい?」
職員「もちろんですよ」
善子「ううっ……つっかえるわね」
お腹の部分に詰まったゲルは弾力性が強く、前傾姿勢を取る妨げになってしまう
仕方なく足を地面から浮かせた状態で紐も縛ってみせた
善子「ふぅ、なんとかってところね」
青年「よしっ!」
中年「とても立ったままじゃできそうにないな」 職員「皆さん出来たみたいですね。では立ち上がってください」
善子「はい、よっこらせっと」フゥ
花丸「ぷぷっ、おじさん臭いずらぁ〜」ニヤニヤ
善子「笑うなー、どうせずら丸も言ってんでしょ」
花丸「うん、まあね//」
職員「では今度はベッドで横になります。腰掛けて靴を脱いでください」
善子「はい、ってまた靴が相手ね」
青年「屈まないで済むならまだ楽ですね」
中年「うむ」 職員「あお向けに寝てください」
善子「あお向けね」ゴロンッ
善子「って……おっも!?」
10キロ分の重みがお腹にのしかかってくることで、内臓が圧迫されている感じがする
職員「重いですよね、それが赤ちゃんと羊水の重さなんです」
青年「自分は普段あお向けで寝てるんですが、このお腹じゃとても無理ですね」
善子「そうね、抱き枕とか欲しくなるわね」
青年「ところでお兄さん、『わね』とか『よ』とか女性っぽい口調ですよね」
善子「そうかしら?」
青年「ええ、今だってそうでしょ。もしかして『そっち系』のお仕事とか?」
善子「してないわ……です。まだ高校生で──しまった!?」 青年「そうなんですか。いやー自分も一人目は高校の時に出来ちゃったんですよ」
善子「大変でした……よね?」
青年「ええ。自分と家内、両方のオヤジからぶん殴られましたからね。『ガキがいっちょまえに″やることだけやって″養ってけるのか!』って説教込みで」
善子「でもやってけてるんですよね?」
青年「まあ一応は。家内の実家が洋菓子屋で、色々勉強中の身ではありますが」
善子「いいですね、仕事をしながら奥さんと一緒に居られるなんて」
青年「本当に助かってますよ。んで二人目が出来たんで、せめて少しでも家内の苦労をわかってあげたいなぁ……って感じです」
善子「そうですか」
中年「お前らみてえな若い子達がそう他人想いなのばっかだったら、もっと世の中良くなんだろうによぅ」
青年「仕方ないッスよ。ガキの頃はみんな自分のことでいっぱいいっぱいで、とても相手のことなんて考えてる余裕なんてないんスよ」
中年「だな。そんで『俺ガー俺だけガー』って声ばっかでっかくて、周りの迷惑なんざぁお構いなし」
青年「認めたくないものッスね、若さ故の過ちは」 善子「お兄さん、もしかして○ンダム詳しかったりしない?」グイッ
青年「まあ一応。映像化されたヤツは一通りレンタルで観ました。そっちは?」
善子「鉄血で興味持って……とりあえず初代から順に追ってってUCまで」
中年「V観ろよV」
青年「Vはいいッスよね。お禿様が『見られたものではないから買ってはいけません』って言ってますが、観てください!」ウラゴエ
中年「シャ○ティか?」
青年「ええ。でも家内と観るのは……」
中年「だな、『母さんです』とかあるし」
なんかえげつないシーンでもあるのかしら? 善子「まさかこんな形でガノタのお兄さんやおじさんがリトルデーモンになろうとはね」
花丸「むうっ、ヨハネちゃんが二人と仲良くなってるずらぁ」ムスッ
善子「ってずら丸、何も男の人にまで嫉妬しなくても」
花丸「ヨハネちゃんっ! 今度マルもガン○ム観るずら! 梨子ちゃんと一緒に」
善子「いや、そうまでして話についてきたい訳!?」
花丸「うん、ヨハネちゃんがマル達の大変さを分かろうとしてくれたように、ねっ♡」ニコッ
善子「ずら丸……わかったわ。UC辺りがいいかしら、映像が綺麗だし」
中年「やっぱり1stからに決まってるだろ。全てはここから始まったんだからな」
青年「自分のオススメは00ッスよ。人間ドラマに戦闘シーン、どれを取っても一級品ッス!」
中年「一期はまだ認める。だが二期は戦闘シーンが真っ赤でひたすら見辛いだけじゃねえか!」
青年「初代は作画崩壊が酷くて、アレを最初に見せるのはナンセンスッス!」
中年「んだとぉ!」
青年「やるッスかぁ!」
花丸「以前のマルと梨子ちゃんを見ているみたいずら//」カァー
善子「ほんとよね、人は争いを止められないのかしら?」 こんな感じで私達は二時間ほどの間に、日常生活で行う様々な動作を行った
そして、そのどれもこれもに四苦八苦したのだった
職員「では本日の『奥さんの気持ちになってみよう、妊娠体験講座』はこれにて終了です。お疲れ様でした」ペコッ
善子「はい、ありがとうございました」ペコッ
職員「どうですか皆さん、少しは奥さんの日頃の苦労が分かりましたか?」
よしせいおじ「はい!」
青年「いい経験になりましたよ」
中年「だな、色々勉強させてもらったよ」
職員「でしたら、こちらとしてもやった甲斐があったというものです。にしても、最近は若い子が参加されることも増えてきて嬉しいです」
青年「月一ですよね? 前もそこの彼みたく10代の子がが?」
職員「ええ。しかも女の子が」
善子「女の子!? まさか……」
職員「印象に残ってますよ。一つ一つにえらく感動してましたからね、あのみかん頭でお下げの娘」
善子「ってやっぱり千歌さんじゃないの!」 花丸「お疲れ様、ヨハネちゃん♪」つスポーツウォーター
善子「ありがとね。というかずら丸こそお疲れ様よ、それにリリーも。毎日こんな大変な思いしてたのね」ハァ
花丸「うん、そうだよ。6月に学校に来た時だって、手すりがなくて怖かったんだからね」
善子「そりゃ学校は基本生徒と先生しか利用しないからね。でも公共施設や商業施設はみんなが来るから必要って訳ね」
花丸「なるほど……そうずらね」
善子「朝は悪かったわ、無神経なこと言って」
花丸「ううん、何のことかなぁ?」
善子「ほら『たかだか四階でしょ』みたいな。それでも十分キツいでしょうに」
花丸「ああ……ありがとね、ヨハネちゃん」ニコッ
善子「どういたしまして。ほんと『若い時の苦労は買ってでもしろ』とはよく言ったものね」
花丸「ふふっ、ヨハネちゃんも大概『ババ臭い』こと言うよね」
善子「いいでしょ別に!」 公民館を出ると、入り口に選挙のポスターが貼られていた
花丸「そういえば一昨年から18歳で投票できるようになったんだよね?」
善子「そうね、私達も来年には18になる──」
花丸「酷いずらぁ、妻の誕生日も覚えていないなんてぇ」グスッ
善子「あっ……ずら丸は3月だから再来年になるのよね。すっかり忘れてたわ」
花丸「うん、紛らわしくてごめんずら」
善子「なんでそれで謝るのよ」
花丸「なんとなく」
善子「投票日は8/15だから千歌さんと曜さんは投票できるみたいね」
花丸「梨子ちゃんだけだね、選挙権がないのは」
善子「9月だからね。そういえば私、思ったんだけど」
花丸「どうしたの、ヨハネちゃん?」 善子「いや、ね。投票するならなるべく市民の目線で考えてる人に投票するべきなんじゃないかなー、ってね」
花丸「そうだね、弱い立場の人の気持ちを考えられる人がいいなぁ」
善子「具体的な政策も挙げてると信じられそうよね、『市内全域のバリアフリーを推し進めます』みたいな」
花丸「そうしてくれるとマルも助かるなぁ。ひいおばあちゃんがだんだん足腰弱ってきていて、心配だから」
善子「いっそこのヨハネが市長になって、リトルデーモン達の自由を妨げるありとあらゆる結界を取り払ってやろうかしら?」
花丸「その時はマルが広報を手伝うよ。それでしっかり者の梨子ちゃんが専属秘書を」
善子「ふふっ、それは名案ね」
お兄さんが話していたけど、『仕事』に『親』ねぇ
いずれ向き合わなくちゃならない問題よね 夕方、よっちゃんルーム
千歌「花丸ちゃーん、迎えに来たよ!」
梨子「どうだった? デートは」
花丸「千歌ちゃんに梨子ちゃん。楽しかったよ、久しぶりにヨハネちゃんと色んなことができて」
千歌「そっかぁ、良かった」
梨子「じゃあ明日は私とねっ♡」
善子「へっ? すぐにリリーとも?」
梨子「嫌なの?」
善子「……別に嫌って訳じゃ──」
梨子「じゃあ決まり♪」
花丸「楽しんできてね、梨子ちゃん」
梨子「うんっ♪」ニコッ
善子「ま、まあいいんだけどね」 千歌「どうだった妊娠体験? 大変だったでしょ?」
善子「そうね、ちょっとだけずら丸とリリーの苦労がわかったわ」
梨子「そっか。それはそれとして花丸ちゃん、いきなりあんな写真送ってくるのやめてよねー」
花丸「ヨハネちゃんがジャケット着てるやつ?」
千歌「それそれ。梨子ちゃんってばお昼食べてる時にいきなり『ぶっ!?』って吹き出したんだから」
花丸「はしたないずらよ、梨子ちゃん」
梨子「吹き出したのは千歌ちゃんもでしょ!」
千歌「そりゃあんなの見せられたら……ねぇ?」
善子「からかうなぁーっ!」 梨子「それで、他にはどんなとこ行ったの?」
花丸「例のカフェで【双頭巨人パフェ】も食べてきたずら」
梨子「うそっ……巷で噂のアレ?」
花丸「うん。ヨハネちゃんと二人で完食できたよ、ほらっ」つ黒猫マスコット
梨子「ずるーい! 明日よっちゃんと行こうって思ってたのにー」
善子「そこはパスで」
梨子「ええーっ!?」
善子「しばらくはイチゴもチョコも見たくないのよっ!」
花丸「先攻の特権ずら」ドヤァ
梨子「ううっ……函館の時といい、どうして私はこういう場面でのジャンケンに弱いんだろう……」グスッ
千歌「そういえば梨子ちゃん、ルビィちゃんやダイヤさんと相部屋だったもんね」
梨子「大変だったんだからね。ダイヤさんが『ルビィが戻って来ませんわぁー』って泣き出して」
花丸「今でも毎日ルビィちゃんに電話しているみたいだよ、ダイヤさん。で、ルビィちゃんが『ちょっとお姉ちゃんが鬱陶しいよ』って愚痴っていたずら」
善子「ふふっ、シスコンのダイヤらしいわね」
千歌「妹が姉離れしようとしてるのに、肝心のお姉ちゃんがアレじゃあねぇ」ハァ 善子「何から何まで悪いわね、千歌さん」
千歌「いいっていいって、困った時はお互い様だよ。明日は花丸ちゃんの荷物持ちするからね」
善子「お願いね。ところで」
千歌「何か気になることでもあるの?」
善子「こっちに来るまでの間、ずら丸とリリーは喧嘩したりしてないわよね?」
千歌「ううん、全然。どころかお互い妊娠して困ったこととか解決案とか、積極的に意見を出し合ってたよ」
善子「すっかりママ友状態って訳ね」
千歌「寂しくない?」
善子「別に」
千歌「そっかぁ、そうだよね」
善子「今ならわかるわ、『友情と恋愛感情は別物』だって」
千歌「でしょ! それにこれくらいで寂しがってたら後々大変だよ」
善子「どうして?」 千歌「だって赤ちゃん産まれたら、ずっとそっちに構っちゃうと思うんだ。梨子ちゃんも花丸ちゃんも」
善子「うっ……覚悟しとくわ」
千歌「とにかく今日はお疲れ様」
善子「ほんとにね、大変だったわ」
千歌「梨子ちゃんも花丸ちゃんもお腹がおっきくなってから、ずーっとあんな思いしてるんだからね」
善子「そうね、相手の立場になってみないとわからないものね」
千歌「でしょ。よく聞くじゃん、『賢者は歴史に学び、愚か者は経験に学ぶ』ってさ」
善子「ドイツの政治家が言ったんだっけ? まあこの言葉自体はサイコ○スってアニメで有名になった感じするけど」
千歌「そうだね。でもわたし達は愚か者だから、何でもやってみなくちゃわからないよ」
善子「本当にね、残念ながら。というか千歌さんもやってたのね、流石と言うべきか」
千歌「そりゃやらなくちゃ失礼ってもんだよ、妊娠フェチとしてね。ところでさ」
善子「何よ?」 千歌「こういうのもあるんだけど、やってみないかな?」つスマホ
善子「えーと『男性でもできる陣痛体験』!?……ええー、それは流石に──」
千歌「っては言うものの、あと三ヶ月もしたら嫌でも経験することになるんだよ。梨子ちゃんも花丸ちゃんも」
善子「……そこは否定できないけど」
千歌「予約が必要みたいだけど淡島ホテルで受けられるんだって。やってみようよ!」
善子「果たして面白半分でやっていいものやら……」
千歌「だってわたし一人じゃ怖いんだもんっ! だからよっちゃんも一緒にぃっー」ウルッ
善子「やっぱ怖いんじゃないの!」 ノcリ,,^o^,,ル ″よしまる編″終わりずら!
2期12話にて千歌ちゃんがメンバー全員に「勝ちたい?」と尋ねた際、花丸ちゃんもしっかりと「勝ちたい」と宣言した以上、彼女にも負けず嫌いなところはあるはずです
今回はその辺について掘り下げてみました よくじつ!
善子「さてと、今日はリリーとね。まさか別の女の子と二日続けてデートする時が来ようとはね」
ピンポーン
善子「リリーよね? 鍵は開いてるから」
梨子(インターホン)『うんっ』
ガチャッ
善子「よく来たわね。上級リトルデーモン、リリー!」
梨子「我が主へ忠義を示すためならば、例え神の御前だろうと即座に駆け付けようぞ!」リリンッ!
善子「いや、今回はリリーとずら丸とで勝手に決めたんでしょ?」 梨子「まあ、ね。改めておはよう、よっちゃん」
善子「おはよう、リリー。で、ずら丸は千歌さんと買い出し?」
梨子「うん、昨日と逆でね」
善子「じゃあ行きましょ!」
梨子「うんっ♡」
善子「にしても、だいぶお腹が目立つわね。リリーの場合、結構背が高いからかしら?」
http://q2.upup.be/f/r/W3YhSk2VyN.jpg
梨子「そうかな? 確かによっちゃんや花丸ちゃんよりは高いけど」
善子「というか現aqoursで一番なのよね。それはともかく、リリーにもずら丸にもいらぬ苦労を掛けたわね」
梨子「私達を妊娠させちゃったこと?」 善子「それはもちろんだけど【認識阻害】のこと。千歌さんから聞いたわ、『お母さんに伝えても信じてもらえなかった』って」
梨子「うん。日に日にどんどん大きくなってくのに、誰も妊娠したんだって信じてくれなくて。まるでこっちに引っ越してきた頃みたいだった」
善子「その頃は千歌さんが色々教えてくれたのよね?」
梨子「うん。だからこそあの頃以上に辛かった。まるで世界で一人ぼっちになったみたいだった」
善子「悪かったわ、寂しい思いをさせて」
梨子「ううん、悪いのは私。よっちゃんに強引に迫ったからだし、つわりの時『一人にして』って拒んだのだってそう」
善子「もうそういうのはナシっ! 十分過ぎるほど謝ったでしょ?」
梨子「……ごめんなさい」
善子「だからいいっての! これからデートなんだからもっと明るくいきましょ!」
梨子「そうよね、うん」 善子「恥ずかしくないの、そのずっしりお腹」
梨子「恥ずかしかったよ// 『太った』って勘違いされて」
善子「ずら丸と同じこと言うのね。で、今は?」
梨子「そうでもなくなったかな。だってよっちゃんとの愛の証なんだもの♡ 女の子同士で赤ちゃんができるなんて『奇跡だよ』ね、千歌ちゃん的に言うなら」お腹ナデナデ
善子「ほんと奇跡よね、色んな意味で」
あれだけ険悪だったリリーとずら丸が和解できたことなんかも含めて ショッピングモール
善子「着いたわね。で、まずはどこまで?」
梨子「じゃあCDショップまで行きたいな」
善子「四階ね。エレベーターで行きましょ」
梨子「うん」
若者「あっ、どうぞ」サッ
梨子「ありがとうございます」ペコッ
善子「悪いわね」ペコッ
若者「いえいえ」
梨子「私、こういう風に譲ってもらえたのって初めて」
善子「そりゃ妊娠したのも初めてだからでしょ」 CDショップ
善子「あっDeath Devilの新曲出てる」
梨子「よっちゃんの好きなグループだっけ?」
善子「ええ。ライブにも行ったことあるのよ」
梨子「どんな感じだった?」
善子「やっぱ生は空気が違ったわね」
梨子「そうなの? もっと具体的に教えて」
善子「そうね。ラブライブの大会に例えるなら他のチームのパフォーマンスも動画で見るのと、会場で直に見るのとじゃ全然違うでしょ? そんな感じよ」
梨子「確かに映像だけだと演者の気迫とかって伝わってこないものね」
善子「でしょ? そういうものよ。それで探し物は?」
梨子「うん、こっち」 善子「クラシック?」
梨子「うん、胎教にいいかなって。お母さんも私が産まれる前から色んな曲を聞いてたんだって」
善子「リリーが音楽好きなのってそれもあるのかもね」
梨子「ふふっ、そうかも」
善子「で、買うCDは決まってるの?」
梨子「うん。えーと、モーツァルトの『アイネ・クライネ・ナハトムジーク』と──」
※参考までに
https://youtu.be/pyQIwIb3E5E
善子「購入リストまで作ってたの?」
梨子「うん、よく見てるサイトのオススメなの」
善子「へぇ、そうなの。名前は聞いたことあるけど、どんな曲だったかすぐ思い出せないものね」
梨子「興味なかったんじゃ仕方ないって。私だってよっちゃんの好きなロックとかさっぱりなんだし」
善子「それもそうね、クラシックとか聞いてたら眠くなっちゃいそうね、ふわーぁ」
梨子「ロックと真逆でゆったりしてるもんね。でも『胎教で一番大切なのはお母さんがリラックスできること』なんだって」
善子「それもそうね」 梨子「私、この娘に悪いことしちゃってた。ずっとイライラしてて花丸ちゃんを悪く言ったり、千歌ちゃんに当たり散らしたりして」
善子「ずら丸も千歌さんも許してくれたんだし、もう気にしちゃ駄目よ。……まあずら丸の場合お互い様だけど」
梨子「う、うん。そうだよね」
善子「そういうことよ。ずら丸といえば、アイツ聖歌隊に入ってたのよね」
梨子「そうなんだ、初耳。花丸ちゃんの小柄ながらも芯が通った力強い声は、そこでの練習の賜物なのかもね」
善子「やれやれ。リリーもずら丸も、本当にお互いのこと知らないでいたのね」
梨子「だからすっごく後悔してる。花丸ちゃんの悪いところばかり見てないで、もっと良いところにも目を向けていれば色々変わってたのかな? って」
善子「かもね。でも人間ってどうしても、他人の悪い面ばかりが気になっちゃうものなのよね。まさしく人の業ってヤツよ」
梨子「花丸ちゃんだけじゃないよ。ルビィちゃんやダイヤさん達先輩方とも、もっとたくさんお喋りしておくべきだったなぁ……って今になって思うもの」
善子「ほんとよね。ずら丸の場合、中学の頃からルビィと仲良かったから、時々マリーや果南さんとも鉢合わせしたみたいよ、黒澤邸で」
梨子「だから花丸ちゃんは先輩方と打ち解けるのが早かったんだね」 善子「何にせよずら丸とは和解したんだし、これから知ってけばいいだけよ。お互いのこと」
梨子「うん。あと、これからは一人にばかりベッタリするところも直していかなくちゃね」
善子「えっ!? まさかの『浮気します』宣言!?」
梨子「よっちゃんは別枠だよ、『旦那様』として♡ あくまで『友達として』もっと多くの人と関われるようになりたいな、ってね」
善子「ああ、そういう意味ね。……というか旦那様って何よ!?」
梨子「いや、便宜上?」
善子「まあ、言わんとしてることはわかるけどねぇ」 本屋
梨子「えーと、まずは『サルでもわかるお料理入門』と──」ポチポチ
善子「ってCDだけじゃなくて本の購入リストも作ってたのね」
梨子「うん。結構あるけど大丈夫?」
善子「いいけど、その前に確認させて」
梨子「うん」つスマホ
善子「どれどれ……料理に裁縫に子どものしつけ……色々始めるつもりなのね」
梨子「駄目、かな?」
善子「別に。ずら丸にも伝えたけど、何か新しいこと始めるつもりなら何でも付き合ってあげるわよ」
梨子「うん、その時はお願いねっ」 善子「で、絵本コーナーだけど」
梨子「えーとまずはジリアン──」ポチポチ
善子「ってやっぱりー」
梨子「10冊ほど買うつもりだけど大丈夫?」
善子「持つのは平気だけど、それもどっかのサイトからの受け売り?」
梨子「うん、あるサイトの1位から10位までのやつだけど」
※これらになります、読んだことがある本もあるかも知れませんね
http://q2.upup.be/f/r/XeO5jwxQtR.jpg
http://q2.upup.be/f/r/qbdWdqz4u6.jpg
善子「試し読みとかしてみたの?」
梨子「ううんっ!? そんなのってあるの?」 善子「駄目よ、駄目駄目!」クワッ
梨子「日本エレ○テル連合!? どうして? みんな『いいね』してるのに?」
善子「確かにその考え方は一理あるわね」
梨子「でしょ、だから間違いないって」
善子「はぁ、ほんとリリーって自主性がないのね。さっきのクラシックといい」
梨子「そんなことは──」
善子「ないでしょ! そうやって自分の頭で考えず安易な流行りに乗るだけなら、上級リトルデーモンの地位を剥奪することも考えなくちゃならないわねっ!」
梨子「ええっ!? それだけは……ううっ」グスッ
善子「ちょっ!? こんなとこで泣かないでよっ!」アセアセ
少年「なにあれー」ユビサシ
母親「妊婦さん泣かせるとか、最低な旦那さんね」
善子「ちょっと、私が悪いみたいじゃないの!?」
梨子「嫌だっ……よっちゃん、捨てないでぇ……ううっ」ポロポロ 近くのベンチまで移動しました
善子「リリー、落ち着いた?」
梨子「う、うん//」
善子「言い方が悪かったわ。別にリリーを捨てるつもりはない、それはわかって」
梨子「うん、わかった」コクッ
善子「リリーのウチにさ、小さい頃読んでもらってた絵本って取って置いてないの?」
梨子「ううん、こっちに引っ越して来る時に全部捨てちゃった」
善子「そうよね、かさ張るものね。でもその中でも気に入ってたのはあるはずよね。憶えてない?」
梨子「うーん、あった気がするけど……思い出せないなあ」
善子「それもそうよね、ちっちゃい頃なら」
梨子「でもどうしてそんな質問を?」 善子「いやね、私としては『自分が良かったって感じたものを読ませてあげるのが一番』って考えてたからよ」
梨子「よっちゃん……」
善子「試食とかと同じよ、何でも一度は自分で手に取ってみて、自分の心で判断する。それが大切なんじゃない?」
梨子「自分の、心?」
善子「そうよ、『お気に入りの一冊』とかって言うじゃない。それと一緒よ」
梨子「なるほどね、そうかも」
善子「みんなが『いいね』って言うからには、確かに万人を惹き付ける魅力があるのかも知れないわね。だからってそれを全部鵜呑みにして、自分で調べる努力を放棄しちゃ駄目ってことよ」
梨子「うん、そうだよね」 善子「今から図書館か公民館まで行く? まあ公民館は昨日ずら丸と行ったばっかだけど」
梨子「じゃあそうする。……だったら昨日のうちにリスト渡しといて、感想とか聞いとけば良かったかも」
善子「借りてきてもらうんじゃないのね」
梨子「だって花丸ちゃんにも借りたい本があるんだし──」
善子「そうだけど……やっぱり自分で読んでみるべきよ。リリーとずら丸とじゃ、思うところも違うでしょうし」
梨子「そうだよね。私は私、花丸ちゃんは花丸ちゃんだもんね」
善子「じゃあ善は急げよ。他に買うものはないわよね?」
梨子「えっと、特には」
善子「じゃあ行きましょ。まずは図書館まで」
梨子「うん。でも本屋さんの中で『買うより借りよう』って話するのって、立派な営業妨害じゃ──」
善子「気付いてても言わないのっ!」 リストにあった絵本は図書館で借りられたので、早めに帰宅した
善子「あっつー、図書館もバスの中も全然冷房効いてないじゃないのー」グデー
梨子「仕方ないよ、クールビズが叫ばれてるんだから」
善子「クーラー入れるわよ、あと冷蔵庫にジュース入ってるから適当に飲んで」
梨子「わかった、ありがとね」
善子「さてと、問題はリリーがどれくらいやれるかね」
梨子「よっちゃんはコ○コーラでいい?」
善子「ええ、それでお願い」
梨子「私はこっちの桃のやつにしよーっと♪」
善子「桃? あったっけ……」 善子「ククク、堕天使ヨハネのお料理教室へようこそー!」E:エプロン+三角巾
梨子「いえーい!」E:エプロン+三角巾
善子「やけにノリいいわね、リリー!?」
梨子「そりゃよっちゃんと初めてのお料理作りだもんっ♡」
善子「初めてのたびに喜べるなんてお得な性格ね」
梨子「それで先生、記念すべき第一回は何を作るんですか?」
善子「それは……これですっ!」つクックパッド
梨子「お好み焼き? なんかレベル低過ぎじゃない?」
善子「いいでしょ! さっきお好み焼き屋さんの前通って食べたくなったんだからっ!」
梨子「ええーっ、そんな理由でー!?」
善子「でもお料理初心者向きだと思うわよ、お好み焼きって。っていうか私だってそんな手の込んだものは無理なんだから!」
梨子「そっか。じゃあまずは何からやればいい?」 善子「これを千切りにして」つ半玉キャベツ
梨子「はーい。じゃあ左手で押さえながら……こう?」猫の手
善子「ええ、合ってるわ」
梨子「じゃあ切ってくね」トトトト
善子「なかなかいい手際じゃないの」
梨子「あの翌日から結構練習したんだからねっ!」
善子「翌日って……打ち上げの?」
梨子「うん、最初はパーでやって手を切ったりもしたけどね」
善子「ドンマイ。でも前言撤回しなくちゃね、『愛の力で料理が上手くならない』ってのは」
梨子「でしょ〜えへへ〜」トトトト
善子「ってリリー!? ちゃんと手元見なさいっ!」
梨子「あっ、ごめん」シュン
善子「やれやれ、先が思いやられるわね」 善子「次は卵を割って。コンコンってヒビを作ってから、えいって指で押すのよ」
梨子「うん。って流石にそれくらいできるって」
善子「ほんとかしら?」
梨子「こんこん、えいっ!」パカッ
善子「やるじゃないの、リリー」
梨子「……この感覚を掴むまでに何個も無駄にしてママに叱られたんだけどね」シュン
善子「まあ最初は誰でもそんなものよ」 善子「かき混ぜるのもお手の物ね」
梨子「うん、ダマだってできてないよ」
善子「確かにね、力も入ってるし」
梨子「えへへ〜、また褒められちゃった〜」
善子「だから集中しなさいっての! 溢れるからっ!」
梨子「ううっ、またやっちゃった」
善子「……いくらなんでもリリーの様子がおかしいわね」 善子「ひっくり返すわよ、とうっ!」つフライ返し×2
梨子「おおーっ」パチパチ
善子「じゃあこのままリリーの分も──」
梨子「ううん、私がやる!」
善子「いや、リリーはやらない方が」
梨子「やらせてください、ヨハネ様の上級リトルデーモンとして!」リリンッ
善子「じゃあやってみなさい! やらないといつまでも上手くならないしねっ」
梨子「よっと♪」クルッ
善子「おおーっ、フライ返しを使うのもこなれた感じね」 善子「はい完成!」
梨子「いえーい! よっちゃん、優勝w」肩バシッ
善子「あはは……でも今日はほとんどリリーがやったじゃない。だからリリーの優勝よ」ナデナデ
梨子「よっちゃん// ありがとね♪ じゃあさっそくソースを掛けて──」
善子「ってそれホットケーキ用のシロップよね!?」
梨子「あっ……間違えるとこだった」
善子「似てるけどこれ、お好み焼きなんだからね。はい、マヨネーズとかつおぶしも」
梨子「は〜い」テヘペロ
善子「あとはその注意散漫さをどうにかすれば完璧ってとこね」 よしりこ「「いただきます」」
梨子「はむっ」モグモグ
善子「どう?」
梨子「んん〜っ、おいし〜い♡」ニコッ
善子「いい食べっぷりね。作った甲斐があったわ」
梨子「やっぱりよっちゃんの愛情が詰まってるからかな〜?」
善子「お好み焼き一つに愛情もへったくれもないと思うけど?」
梨子「私があるって言うんだからあるんです」キリッ
善子「……ま、いっか。そういうことにしとくわ」
梨子「自分で作るとお得よね。食べに行くとすっごい高いもん」
善子「ほんとぼったくり価格よね、お好み焼きもホットケーキも。まあ手間賃とか場所代も込みなんでしょうけど」 梨子「ところでさぁ〜」
善子「どうしたの?」
梨子「よっちゃんって双子だったの〜?」
善子「違うけど……っていきなり何を」
梨子「だってぇ〜よっちゃんが二人いるように見えるんだも〜ん//」
善子「ちょっとリリー、顔赤くない? まさか……」
梨子「そっかぁ影分身かぁ〜、さすが堕天使〜」フフッ
善子「使えないってばよ!」ガサゴソ
梨子「ゴミ箱漁ってどうしたの〜?」 善子「やっぱり……この『ほろあまピーチ』ってお酒じゃないの!」
梨子「あれぇ〜それジュースじゃなかったのぉ〜」
善子「立派なお酒よ、アルコール3%入りって。じゃあやっぱりさっきから集中力が欠けてたのは──」
梨子「お酒ぇ〜っ!? まさかよっちゃん、わらしをよわへてメチャクチャにぃ〜//」ポッ
善子「しないってばよ! というより妊婦さんが飲酒ってまずいわよね、それ以前に未成年だし」
梨子「いや〜ん、よっちゃんにおかしゃれりゅ〜//」ヤーン
善子「そういう″プレイ″をする気は──」
梨子「うっ……うぶぅっ!?」
善子「って吐きそう!? これ使って!」つ買い物袋
梨子「うぶっ」コクッ ソファーに寝かせました
梨子「ごめんね、よっちゃん」ハァ
善子「いいっての、悪かったのは確認しなかった私なんだから」
梨子「ううん。そうじゃなくてあの日、よっちゃんを押し倒したこと」
善子「別にそれも気にしてないわ」
梨子「千歌ちゃんに相談したの」
善子「何を?」
梨子「『花丸ちゃんに負けたくない』って」
善子「そしたら?」
梨子「『強引に迫って既成事実作っちゃえ』って」
善子「あの変態めー、他人事だからって!」ギリッ
梨子「待って! 『冗談だから』って止められたから……だから……Zzz」スゥ
善子「って寝ちゃったし」 そしてリリーが目覚めたのは夕方になってからだった
梨子「んんーっ、ここよっちゃんちだよね?」ノビー
善子「ようやくお目覚めね、眠り姫リリー」
梨子「確か私、よっちゃんとお好み焼き作ることになって……って今何時?」
善子「5時よ」ユビサシ
梨子「じゃあ私12時くらいからずっと──」
善子「ぐっすり寝てたわよ」
梨子「ガーン、一生の不覚」ショボーン メイ*´• _ •`リ
善子「大袈裟ね。デートくらいまた今度すればいいだけでしょ」
梨子「うん、そうする。でも今日は本当にごめんなさい、年上なのに情けないばっかりで」
善子「いいわよ、リリーの新しい一面が見れたんだから」
梨子「そう言われると複雑な気分」プクー 善子「にしても、まさかリリーがここまで上達したとはね。″××料理人″の称号は撤回ね」
梨子「○イルズの称号みたいに呼ばないでよっ!」
善子「もしかしてその年までほとんど料理したことなかったの?」
梨子「……うん。お母さんが『指を怪我したら困るから』って、あまり手伝わせてくれなかったの」
善子「確かに過保護なところあるわよね、リリーのお母さんって」
梨子「そうかも。でも自分から『やらせて』って言わなかった私も悪いと思うから」
善子「リリー……」
梨子「それはお母さんにってだけじゃなくて他の人に対してもそう。家庭科で千歌ちゃんや曜ちゃんと同じ班になった時も、ほとんどあの二人がやっちゃって私は全然何もしなかった」
善子「そんなことがあったのね」
梨子「いや、『何もできないでいた』と言った方が正しいのかも」 善子「仕方ないんじゃない? 何でも器用にこなせる曜さんと、旅館の娘の千歌さんとじゃ」
梨子「そうかもしれないね。でもやっぱり私、相当甘やかされて育ってきたんだなって感じるようになった。色々出来るaqoursのみんなを見てると余計にね」
善子「そうかしら?」
梨子「うん。欲しいものは何でも買って貰えた。ウチにあるあのピアノだってそう。そのくせ私は家の手伝いなんてほとんど何もしてこなかった」
善子「思ってた以上に甘やかされてたのね」
梨子「他人から貰うだけ貰っておいて、自分からは何らお返しをしないで今日まで生きてきたのよ」
善子「そんなことないわよっ! リリーはaqoursのためにいっぱい作曲してくれたじゃない!」
梨子「そうだけど……ピアノのために色々犠牲にしてきたんだよ。その結果がお料理もお裁縫もてんで駄目、我慢もロクにできないヒステリックな女子力ゼロ女」
善子「別にいいんじゃない? 女子力ゼロでも」
梨子「でもよっちゃんはそれで迷惑しないの?」 善子「別に。まあ、すぐキレるところは料理の腕みたく直して──」
梨子「よっちゃんっ!」クワッ
善子「そういうとこよっ! とにかく、今時お裁縫とか苦手な女子だって珍しくもないんだし、気にすることないでしょ」
梨子「ありがと。でもあくまでこれは私自身の問題。やっぱりみんなが当たり前に出来てることを、私だけ出来ないのって悔しいから」
善子「リリー……アンタ、やっぱりずら丸と似た者同士なのかもね」
梨子「そういう話したの? 花丸ちゃんと」
善子「ええ。『aqoursの中で自分だけ特別な賞を取れてないのが悔しい』って」
梨子「そうなんだ。専門バカの私とは逆なんだね」
善子「一芸特化か、器用貧乏か。どっちが正しいとか有利かなんてわからないものね」
梨子「私と花丸ちゃんのこと?」
善子「一応そのつもり」
まあ中には他人には真似できない一芸を持ちつつ、何でも平均以上にそつなくこなせる天才の知り合いもいるが……アレは例外中の例外よね
残念ながら誰もが彼女のようにはなれない 梨子「ずっと花丸ちゃんを見下してたクセに、私の方がダメダメちゃんだった」
善子「そうやって自分を卑下するのは止めなさい。っていうかずら丸の場合、家が結構厳しかったみたいだし」
梨子「そうなの?」
善子「質素倹約、服はほつれたら自分で直して使うのが当たり前。家事だけじゃなくて寺の掃除なんかも手伝ってたって話よ」
梨子「立派だね、花丸ちゃん」
善子「いいんじゃないの。ずら丸が厳格な教育熱心ママで、リリーが甘々の自由放任主義ママならバランス取れるし」
梨子「……バランスって」
善子「そしたらリリーの方が得でしょ。『花丸ママは厳しいから優しい梨子ママの方が好き』って懐かれて」
梨子「……むしろ娘達から舐められちゃいそうな気がしてきた」
善子「あー……その可能性もあるわね。しかもちゃんと厳しくする時と甘やかす時のメリハリまで付けようものなら──」
梨子「やめてっ! 私の完敗だからっ!」ウルッ 善子「なんにせよ自分が『出来ない』ことを自覚して、成長していこうって姿勢は大切なんじゃない?」
梨子「どんなに情けなくても?」
善子「ええ。自分から目を背け、ただ出来る人や頑張ってる人を馬鹿にする連中の何倍もね」ナデナデ
梨子「よっちゃん//」
善子「リリーに私にずら丸、三人とも出来ないことはあってもお互い補い合っていく。それが家族ってものじゃないの?」
梨子「そうかもね、うんっ♡」 1時間くらい後
千歌「迎えに来たよー、梨子ちゃん」
善子「″黄昏の理解者″の護衛、大儀であったぞ。リトルドラゴンちかちーよ」
千歌「ヨハネ様……我には勿体ないお言葉であります」
梨子「って千歌ちゃんまですっかりよっちゃん語をマスターしてるし」
花丸「ヨハネ卿に貢ぎ物を持って参りました」つストラップ
梨子「花丸ちゃんまで真似しなくていいからね」
善子「この黒猫……って今日も【ナイトメアスイーツ】まで行って来た訳?」
花丸「うんっ、ヨハネちゃんとお揃いにしたくて」ニコッ
善子「昨日の今日でよくもまあ……というか冗談抜きで太るわよ」
花丸「マルはまだまだ余裕あったずら」
千歌「うん、あの程度なら一人でも十分イケるっての!」
善子「って一人一つ食べてきた訳ぇ!?」 ちかまる「「うんっ♪」」
善子「それも30分で!?」
ちかまる「「もちろんっ♪」」
善子「この大食娘二人は……」
梨子「ずるーい! 四人の中で行ってないの私だけじゃないの!」
善子「じゃあ今度みんなで行きましょ、ルビィや曜さんも誘って」
梨子「うん、そうする」
善子「あの二人も甘いもの好きだし、なんか一人で完食できそうよね」 善子「……にしても」ジー
ちかまる「「?」」タユンッ
善子「……神を呪いたくなるわね、脂肪が全部胸に行くなんて」ソレナリー
梨子「同感」ハァ
善子「リリーだって妊娠して意外と大きくなったじゃないの!」
梨子「そうかな〜?」タユンッ
善子「お腹の方が目立つだけで、胸だって2カップは大きくなったように見えるわよ」ジー
梨子「でもいずれ吸われて垂れるんだ……と思うとねぇ」ハァ
善子「それが母親になるってことよ」肩ポンッ 善子「ところで千歌さん」
千歌「どしたの、よっちゃん?」
善子「二人で話したいことがあるから、ちょっと部屋まで来てちょうだい」
千歌「うん、いいけど」
梨子「まさかよっちゃん、とうとう千歌ちゃんまでハーレムに加えるつもりじゃ……」
花丸「二股どころか三股……ケルベロスずら」
善子「しないっての!」 よっちゃんルーム
善子「千歌さんっ!」クワッ
千歌「いきなり何さっ!?」
善子「あの日リリーが迫ってきたの、千歌さんが入れ知恵したからだったのね!」
千歌「ど、どこでそれをっ!?」
善子「喋ってくれたのよ、酔っぱらったリリーがね」
千歌「駄目でしょ、妊婦さんにお酒飲ませちゃ! それ以前に未成年だし」
善子「……それは私の確認不足で……で、実際のところどうなのよ!」
千歌「それは……梨子ちゃんの方から相談されたからで……ごめんなさい」ペコッ
善子「いや、別に責めるつもりはないわよ」
千歌「そうなの?」
善子「そうよ、事実確認したかっただけ。制止したんでしょ?」
千歌「うん、そうだよ。『犯罪教唆になっちゃうから』って」
善子「だったら千歌さんは悪くないわ。でもどうしてあんな案を?」 花丸「物好きな魔女が、興味本位でこっそり電気と魔法を融合させたところ…大きな事故が起こってしまった」
花丸「やがて、これを真似されては危険だからと…世界中で魔女狩りと呼ばれる迫害が始まったずら…」
ミライ「酷いね。他の魔女がかわいそう」
花丸「今も魔女はほんの少し子孫が残っているそうだけど…もうほとんどいないね。少なくともマルの周りにはいないずら」
花丸「そして、魔女狩りが終わったと同時に、エネルギーの統一化が一気に進んでいったんだ、電気に」
花丸「これまで使われてた石油やガスといった燃料は一切使われなくなった。魔女を連想させるからと…」
花丸「そうこうして今に至るってわけ。だからミライちゃんの火は今はとっても珍しいんだよ」
花丸「だって、魔女以外は目にすることのないものだから…はい、これでマルのお話はおしまい」
ミライ「花丸ちゃんは詳しいね」
花丸「ただ興味があったから本で読んだだけだよ」
ミライ「魔女…魔法…火…」
花丸「ミライちゃんみたいなアンドロイド自体はもう結構前から作られてはいたよ。でも、そのずっと前から火は使われなくなったずら…」
ミライ「ミライはレアモノなんだねっ!」
花丸「レアモノ?まぁいいや。これだけは約束して!」
ミライ「何なにー?」
花丸「さっきみたいに、決して人前で火を出さないこと!いい?」
ミライ「わかったよ…決して人前で火を出さないこと、記憶回路に登録したよっ!」
花丸(バレたら大騒ぎどころじゃ済まないね…魔法を使うアンドロイドなんて) 善子「嘘っ!?か、体が透けていく・・・!?」
ルビィ「善子ちゃん!?」
善子「い、嫌!消えたくない!助けて花丸!」
花丸「人はいつか消え行くもの・・・」
善子「る、ルビィ助けて・・・」
ルビィ「>>20」 曜「でねでね!」
ルビィ「はは…(本当に日が暮れちゃった)」
曜「あれ、暗くなってきちゃったね」
ルビィ「うん、そろそろルビィも元の場所へ帰るね」
曜「えっ待って!」
曜「舟、乗ってよ!誰もいない静かな空に眺める星空…本当に綺麗だから一度見てほしいんだ。お願い、あともう少しだけ付き合って!」
ルビィ「…!うん!」
ルビィ『舟が行くよ』
理亞『了解!海に出た1分後に奇襲かけるから!』
ルビィ(ああ…始まっちゃうんだ。魔女狩りが…)
理亞『〈舟釣り〉が人魚と呼ばれる所以は独特な魔法の使い方にある』
理亞『水中に溶けている元素を分解して酸素や窒素を取り出して呼吸、潜水を行うことからまるで魚のように自在に海を泳ぐの。水中に逃げられたら厄介だからなるべく陸へ誘導させて』
ルビィ『了解です!』
曜「んっ?どうしたのー?」
ルビィ「ああ、ちょっとね…」
梨子「今日、曜ちゃんちに行っていいかな?」曜「もちろん、梨子ちゃんとお泊まりであります!」
1.名無しで叶える物語(妹)
梨子「へぇ〜、ここが曜ちゃんのお部屋なんだね」ニコニコ
曜「うん、自分の部屋だと思って存分にくつろいで欲しいであります!」
梨子「ごめんね、急に曜ちゃんの家に泊りたいなんて言い出して」
曜「ううん、そんなことないって
梨子ちゃん、曲作りが詰まってて環境を変えたいんだもんね」
梨子「そうなの、家に帰ってもピアノの前で焦るばかりで全然進まなくて
ピアノがある家に帰るのがちょっと気が重くなって……」ハァ
曜「よし、梨子ちゃん、今日は気分転換だヨーソロー!」
梨子「曜ちゃん、少しはしゃぎすぎじゃない?」クスクス
曜「だって千歌ちゃん以外の子が家にお泊りにくるって初めてなんだもん」
梨子「そうなんだ……」
曜「だから梨子ちゃんさえ良かったら今回だけじゃなくて、もっとお泊りしにきていいからね」
梨子「ありがとう、曜ちゃん」
曜「む、むしろ毎日お泊まりに来てくれてもいいよ///」
梨子「よ、曜ちゃん///」カァァ
曜「な、なぁーんてね、何言ってるんだろ、私///」アハハハ
梨子「そうよ、毎日お泊まりってただの同棲だから///」
曜「そうだよね、あははははっ///」
梨子「…………///」
曜「…………///」
梨子(よ、曜ちゃんと同棲かぁ///)ドキドキ
曜(梨子ちゃんと同棲……///)ドキドキ
ルビィ「これでよしっと!」カタカタ..ッタ-ン!! 翌日
小林(昨日はうっかり中出ししちゃったけど、大丈夫だったかな……)
小林(りきゃこ、まったく返信してくれないし)
小林「……まぐろ」
あいにゃ「まぐろ?」
小林「あ、いや、こっちの話!」
あいにゃ「なにそれ? ま、いいや。小林、まぐろ買ってきてー!」
小林「なんで!?」
あいにゃ「小林がまぐろまぐろ言ってるから食べたくなっちゃったのー! ねー小林ー! はーやーくー!」
小林「やだよっ! てか小林小林ってあたしの方が歳上だからね!?」
あいにゃ「ここでは私の方が先輩じゃーん!」
小林「それはそうだけど……まぁべつにいっか。ていうかバイト中なんだからちゃんと働いて!」
あいにゃ「はぁーい!」
あいにゃ「ね、小林。終わったらお寿司食べいこうよ!めっちゃお寿司の気分になっちゃった!」
小林「あ、ごめん。今日はこの後、約束あるんだ」
あいにゃ「えーー!! つまんなーーい!!」 千歌「いやー、梨子ちゃんって優柔不断なところあるからさ」
善子「例の予備予選の時みたく?」
千歌「うん。ラブライブとピアノコンクールのどっちに出るか迷ってたから『自分の気持ちに素直になって』って伝えたんだよ」
善子「そうだったの。まあリリーの自己判断力が鈍いのは同意。今日だって『胎教のため』ってCDや絵本の買うリスト作ってたけど、全部まとめサイトの受け売りだったし」
千歌「へぇー、そうなんだ。確かに梨子ちゃん、ワイドショーで『若い女性を中心に大人気』とかって特集組んだら、すぐ飛び付きそうだしね」
善子「そうね、『これを買えば貴女や家族の運気が上昇します』って勧められて、ガラス玉を高値で買っちゃわないよう注意しなくちゃね」
千歌「孫が産まれたら振り込め詐欺にもねっ」
善子「ああ、そこまで未来のことは考えて──」 善子「あなたもよく漏らすってダイヤから聞いてるわよ」
ルビィ「ああああああああああっ!!!!/////おねぃちゃのばか!ど、どうして善子ちゃんに教えてるの!?」
善子「・・・儀式より先にトイレトレーニングを始めましょっか」
ルビィ「・・・・そうだね/////」
おしっこ我慢
善子「じ、じゃあまず・・・トイレトレーニングの定番、どれだけおしっこを我慢できるか///」
ルビィ「・・・・善子ちゃんがどれだけ我慢できるか、タイムを計ってあげるね/////よーい、スタート」
10分後
善子「!?」ブルルッ
善子(や、やばっ!こんな早くにトイレに行きたく!?で、でも始まったばかりだし、直ぐにトイレに行くのは・・・・ううっ!?どうしよ?///)ギュッ
ルビィ「>>33」 小林「しゅーかぁー」
しゅか「はいはい、あいきゃんはがんばってるよ。えらいえらい」
ナデナデ
小林「しゅかぁー、しゅきぃー! きゃははっ! しゅかとしゅきってめぇーっちゃにてるぅー!」
しゅか「あはは」
しゅか「ねぇ、あいきゃんの彼女さんってどんな人なの?」
小林「あいきゃんのかのじょさんー? んぅー……そりゃもうちょーーかわいいよっ!」
小林「もうねっ、せかいでいーちばんっ、かわいいりきゃこーーっ! いえーい!」
しゅか「そ、そうなんだ…」
小林「…あたし、へたじゃないもん」
しゅか「ヘタって、なにが?」
小林「あたしえっちへたじゃないもんっ! あたしのこのぎるてぃすてぃっくでえっちしたらおんなのこなんかみーーーーんなっ、ひーひーきもちよくなってくれる、はずなのにぃっ…」
小林「なんでっ、もうっ、りきゃこのふかんしょーなとこほんとだめっ! まじでだめっ!」
しゅか(こんなに荒れてるあいきゃん見るの初めてかも)
小林「あーーもぅーーっ! やだやだやだぁーーっ! りきゃこがきもちよくなってくんないとやだぁーーっ!」
小林「くらぇっ、ぎるてぃすてぃっく! ずばしっ! いえーい!」
しゅか「こ、こんなとこでそんなの出しちゃだめっ! それだけはホントやばいからっ!」
小林「んぅー?」 小林「挿れるね……?」
りきゃこ「あ、電話だ。もしもしー?あんじゅー?」
ピッ
小林「ぁ……」
りきゃこ「あんじゅ、ちょっと待ってて」
りきゃこ「ねぇあいきゃん、気にしないで続けていいよ」
小林「う、うん…」
小林(気にしないでって言われても……)
りきゃこ「もしもしー? あーなんでもないなんでもない。え? そうそうw ヤってるとこw」
小林「んっ……」
小林(挿った……やば、やっぱりりきゃこのなか、すんごいあったかくてきもちいい……////)
りきゃこ「あははw えーマジでー? ウソだろー?w」
小林「ふっ……んっ、ぅっ……!」
ギッギッ
りきゃこ「え、近くいるのー? 私もそっち行きたーいw」
小林「りきゃこ……っ、りきゃこっ……////」 花丸「物好きな魔女が、興味本位でこっそり電気と魔法を融合させたところ…大きな事故が起こってしまった」
花丸「やがて、これを真似されては危険だからと…世界中で魔女狩りと呼ばれる迫害が始まったずら…」
ミライ「酷いね。他の魔女がかわいそう」
花丸「今も魔女はほんの少し子孫が残っているそうだけど…もうほとんどいないね。少なくともマルの周りにはいないずら」
花丸「そして、魔女狩りが終わったと同時に、エネルギーの統一化が一気に進んでいったんだ、電気に」
花丸「これまで使われてた石油やガスといった燃料は一切使われなくなった。魔女を連想させるからと…」
花丸「そうこうして今に至るってわけ。だからミライちゃんの火は今はとっても珍しいんだよ」
花丸「だって、魔女以外は目にすることのないものだから…はい、これでマルのお話はおしまい」
ミライ「花丸ちゃんは詳しいね」
花丸「ただ興味があったから本で読んだだけだよ」
ミライ「魔女…魔法…火…」
花丸「ミライちゃんみたいなアンドロイド自体はもう結構前から作られてはいたよ。でも、そのずっと前から火は使われなくなったずら…」
ミライ「ミライはレアモノなんだねっ!」
花丸「レアモノ?まぁいいや。これだけは約束して!」
ミライ「何なにー?」
花丸「さっきみたいに、決して人前で火を出さないこと!いい?」
ミライ「わかったよ…決して人前で火を出さないこと、記憶回路に登録したよっ!」
花丸(バレたら大騒ぎどころじゃ済まないね…魔法を使うアンドロイドなんて) 善子「嘘っ!?か、体が透けていく・・・!?」
ルビィ「善子ちゃん!?」
善子「い、嫌!消えたくない!助けて花丸!」
花丸「人はいつか消え行くもの・・・」
善子「る、ルビィ助けて・・・」
ルビィ「>>20」 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています