千歌「異世界転生したらLv999の>>5だった」
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千歌「魔王……?鍵……?なに言ってるの……?わかんないよ……!それにそんな物騒なもの翳して……それじゃあまるで……梨子ちゃんがことりさんを襲いに来たみたいじゃん……!」
梨子「ちゃんと状況が把握出来てるじゃない。それだけわかっていれば充分よ。あなたが何かを知る必要は無いわ」
千歌「梨子ちゃんッ!!!」ゴオッ!
ビリビリ――――――――!
梨子「……………………」
千歌「ハァッ……ハァッ……!!」
梨子「……あなたがなにを言いたいのか……どんな思いなのか。あいにく私は……」シュンッ!
千歌「!!!」
梨子「微塵の興味も無いわ」ブンッッ!
千歌「梨子――――――――」 ガギィン!!
千歌「!!!」
梨子「風の防御結界……」ギギギ……!
ことり「ふぅ……」コトン
千歌「ことりさん……」
ことり「んっ……!っと、そろそろちゃんと相手をしてあげようかな」
キン!
スタッ……
梨子「ちゃんと……ですか」
ことり「うん♪ちゃんと♪話がつまらなすぎてンミ茶も飲み終わっちゃったもん♪」 梨子「……………………」
ことり「言いたいことは三つ。まず、魔王復活の話が本当だとして……それは絶対にありえない。ことりたちがいるから。二つ目、その本人を始末するために梨子ちゃんが来たんだよね?だとしたら役不足だよ」
梨子「……………………」
ことり「梨子ちゃんを含めてどれだけの魔族がが復活してるのかは知らないけど、挑む相手の力量を知ってるなら、単身で乗り組んでくるのは愚かじゃないかな?モンスターの軍勢を率いてくるなり、仲間を連れてくるなりのことはするべきだよ。でないと勝負にもならない」
梨子「不快な物言いです」
ことり「それから……最後」
千歌「……!」
ことり「二人の関係は知らないけど……千歌ちゃんの口振りを察するに、きっと友だち同士だったんだよね?……なのに、梨子ちゃんは千歌ちゃんに刃を向けた。その意味を……理解してるのかな?」ニコッ
ゴオオオオオッ!
千歌「!!」
梨子「ッ!!」
ビュオオ……ビュオオオオオッ!
ことり「不快……だっけ。それはこっちのセリフだよ。あんまり舐めたマネしないで。でないと……ことりのおやつにしちゃうぞ♡」 果たして曜ちゃんはこんなのからパンツ盗めるのか・・・ やっぱりちゃんとことりのおやつにする必要があるね♪ ちかっちはズボンなのかスカートなのかスパッツなのか 梨子「……随分な自信ですね。されどけして傲らず、油断や慢心が無いのはさすがと評しましょう。けれど……こうは考えられませんか?」
ことり「……………………」
梨子「愚者の特攻でも……ただの様子見でもなく……。ただ単純に……」スッ
ズッ……ズズズ……
千歌「なに……これ!!周りの影が……梨子ちゃんに集まっていく……!!」
梨子「私にあなたを相手に出来る程の力があると……ッ!!!」ブンッッ!
ズガガガガガガガガ!
千歌「ッ!!!ことりさんっ!!!」
ことり「……………………」指パチンッ
ビュオオオオオォォォッ!
千歌「ぅあっ!!」ズシィン!
グラグラ……
梨子「……………………」
ことり「で?」ニコッ ことり「こんなもの?大口を叩いたわりに大したことないね」ニコニコ
梨子「魔導師クラスの最高位が一つ、天空魔導師(スカイソーサラー)……その固有スキル……【女神の風】。大気を自在に操るエクストラスキル。話に聞いた以上の威力です」
ことり「……………………」
梨子「太陽が昇っている時間なら……まあこんなものですか。これくらいだと言うのなら容易そうですね。あなたの首を持ち帰るのは」スッ
ことり「首どころか……髪の毛一本だって触れないよ」スッ
ズズズ……
ビュオオオオオッ!
梨子「……………………」
ことり「……………………」
千歌「待って!!!」ゴオオッ!
ビリビリ――――――――! ことり「きゃっ」
梨子「……………………」
千歌「こんなのダメだよ!!絶対におかしいよ!!梨子ちゃんは……梨子ちゃんはそんな子じゃなかったじゃん!!ピアノが好きで……おしとやかで……それで……同じ仲間だったじゃん!!!」
梨子「聴いてなかったの?もうあなたに興味は無いのよ。仲間……友だち……いつまでそんなつもりでいるの?昔と今とは違うじゃない。私は魔族……あなたは巨人でしょ?なんでそれで今までと変わらないって思えるの?」
千歌「……!!」
梨子「昔どうだったろうと……私の前に立ち阻かるならあなたは敵でしかない。はっきり言わなきゃわからないのなら……望み通りそうしてあげる。邪魔立てするなら…………殺すわよ」
千歌「ッ!!!」ゾクッ 千歌(冷たい眼……。凍えるような声……。全部が私の知ってる梨子ちゃんとは違った……。手が震える……。目の奥が熱くなる……。今まで梨子ちゃんに思ったことのない感情が生まれたのがわかった……)
怖い――――――――
千歌「梨子……ちゃん……」
梨子「……………………」
怖い――――――――
怖い――――――――
怖い――――――――
それでも……
千歌「それでも……私は……」
梨子「……チッ」トンッ!
ことり「しまっ――――――――」
梨子「死ね」ブンッッ!
梨子ちゃんのことを――――――――
友だちだって――――――――
思ってる―――――――― ヒュンッ
梨子「!!!」
スタッ
スタッ
???「へー。魔族のパンツってこんなのなんだ。スッケスケの黒♪見かけによらず結構エッチなの履いてるんだね、梨子ちゃん♪」ヒラヒラ
梨子「……誰?」
???「誰?やだなぁ。ちょっと会わなかっただけでもう忘れちゃったの?」
千歌「!!」
ことり「……?」
???「♪」ニヤッ 曜「通りすがりのパンツ泥棒です♪」ゞ
梨子「……………………いや本当に誰よ」 曜「あ、いや……曜です。えっと……梨子ちゃんの友だちの」
梨子「友だちだった曜ちゃんはパンツ泥棒じゃないわ。いい笑顔でパンツいっぱいの籠を背負ったりしないわ」
曜「違うよ!これは旅の資金なの!」
梨子「パンツじゃない」
曜「ちょっと千歌ちゃん!このエッチな格好の梨子ちゃんに一言言ってやってよ!!」
千歌「曜ちゃんのバカぁぁぁぁぁぁ!!!」
ドガアアアアアアアアアン!
梨子「ッ!!?」バッ!
曜「ぐはあああああああ!!!」
ことり「……………………」ポカーン 曜「いたた……ええっ!?なんで怒られたの!!?千歌ちゃんのピンチ救ったのに!?」
千歌「うるさいパンツ泥棒!!!そのパンツの山はなに!!?」
曜「いや……これ売ってお金にしようと……。防具屋さんでは売れなかったけど……」
千歌「なのに集めたの!!?ていうか誰のパンツ!!?」
曜「町の人のだけど……」
千歌「普通に泥棒じゃん!!最低!!」
曜「町の人のパンツ全部盗めたことをむしろ評価してほしい」
千歌「町の人全員ノーパンなの!!!?なにその町!!!なんの性癖!!!?」
曜「いやーハッハッハッ」 千歌「笑い事じゃないよ……。でも……ありがと。助けてくれて……。ちょっとだけ……ヒーローみたいだったよ///」
曜「エッヘヘ///」テレテレ
千歌「でも、よくここがわかったね」
曜「え?あー……」
千歌「曜ちゃん?」
曜「いやーそのー……町の外れにさ……。《白の姫君》って呼ばれるスゴい魔法使いがいるって話を耳にしまして……」
ことり「?」
曜「その人のパンツなら……その……高値で売れるんじゃない?みたいな?アハハハハハハ……」
千歌「死ねえええええええ!!!!!」
ドガアアアアアアアアア――――――――ン!
曜「ぐっはあああああああああああああ!!!!!」 曜「」ピクッ……ピクピクッ
千歌「フンス!!」
梨子「……………………」パンツハキハキ
梨子(私からあっさりとパンツを盗んだ……。大きさは普通の人間と変わらないみたいだけど、あれは紛れもなく小人族特有の追い剥ぎスキル……。クラスは……盗賊(シーフ)……?レベルは並みなのに、スキルの使い方が異常に巧い……なんなのいったい……。それに……)
千歌「まったくもう!!!」プンスコ
梨子(Lv999……一部のスキルもカンストしてるですって……?そんなの……ただの巨人族じゃ絶対にありえない……。おそらく……)
ヒュンッ
曜『♪』 梨子(あのとき止めに入らなくても、千歌ちゃんは無傷だった。それどころか……)
千歌『死ねえええええええ!!!!!』
ドガアアアアアアアアアン! 梨子(……命拾いしたのは私の方か)
梨子「……………………」キン
千歌「!」
ことり「鎌を下ろして……降参のつもりかな?」
梨子「興が削がれました。この続きはまたいずれ……。邪魔が入らないときに……」チラッ
千歌「!」
曜「いててて……」
梨子「千歌ちゃん。曜ちゃん」
千歌「……………………」
梨子「あなたたちがどう思おうと、私はもう……あなたたちを友だちだなんて思ってない」
曜「……………………」
梨子「今回は見逃してあげる。けど、次は無いわ」クルッ
千歌「待って……梨子ちゃん!!」
曜「ずいぶん……らしくないこと言うじゃん」
梨子「……………………」ピタッ 曜「次は無いとか……死ねとか……なんとも思ってないとか……言葉が薄っぺらいよ」
梨子「なにが言いたいの?」
曜「生きる熱さを感じないんだよね。梨子ちゃんの本気をさ。殺すとか言っておきながら、さっきからずっと隙だらけだよ」つパンツ
梨子「!!!」バッ!
ジャキン!
千歌「曜ちゃんッ!!!」
ブワッ――――――――!
曜「……………………」
梨子「……………………」
ヒュウウウウ……
曜「ほら、殺さない」
梨子「パンツ泥棒なんていつでも殺せるってだけの話よ」
曜「こっちのセリフだよ。梨子ちゃんのパンツなんか……いつでも盗める」 曜「粋がるのは梨子ちゃんの自由だけどさ……。千歌ちゃんに手出すなら……盗むよ、梨子ちゃんの命」
千歌「……!」
梨子「……パンツ泥棒にしては、心地のいい殺気を放つじゃない」
ピリッ……
曜「……………………」
梨子「……………………」
スッ……
梨子「【黒翼】」バサッ!
バサッ……バサッ……!
千歌「梨子ちゃんッ!!!」
梨子「さよなら」
バサッ――――――――!
千歌「梨子ちゃあああああああああん!!!!!」 カッコつけてるけどやってること変態なんだよなぁ・・・ ことり「……………………」
千歌「梨子……ちゃん……」
曜「梨子ちゃん……行っちゃったね……。パンツ忘れて」つリコチャンノスケスケオパンツ
千歌「グスッ……」
曜「千歌ちゃん……泣かないで。はいこれ。涙拭いて」
千歌「それ……梨子ちゃんのパンツ……」 ――――――――
――――
――
ことり「そっか……。三人は前の世界で友だちだったんだ……。運命は残酷だね……」
千歌「どうすれば……梨子ちゃんにわかってもらえるんだろ……」
曜「力ずくでとか?千歌ちゃんなら勝てると思うけど」
千歌「梨子ちゃんを殴れってこと?」
曜「……無理だよね、やっぱり。私もああ言ったけどさ……」
千歌「……………………」
ことり「魔王の復活……梨子ちゃんはそのために必要な鍵を集めてる」
曜「鍵?」
ことり「かつて魔王と魔族を封印した救世の女神……《μ's》。ことりはその九人の中の一人。そして……梨子ちゃんが狙ってた鍵っていうのは、ことりたちの魔力そのもの」
千歌「魔力そのもの……?」
ことり「一人一人指紋が違うように、魔力の波長と強度も一人一人違う。封印魔法は、一部の例外を除いてはかけた本人にしか解除は出来ない。それが九人が全魔力をあげて造り上げた封印魔法ならなおさらね」
曜「それじゃあ、ことりさんたちが自分の意思で封印を解かない限り大丈夫ってことですか?」
ことり「本当ならね。ただ……」
曜「ただ?」
ことり「言ったでしょ、例外を除いては……って」
千歌「その例外って?」 ことり「現状ではまず考えられないけど……梨子ちゃん側に、封印を解除出来るエクストラスキル【超高度解析】の所有者と……もしくは魔法そのものを無効化するリミテッドスキル【魔力無効化】の所有者が存在する場合」
千歌「【超高度解析】……」
曜「【魔力無効化】……」
ことり「この二つに関しては、今のところ考えなくていいと思う」
曜「たしかに……そんなスキル持ちがいたら、ことりさんを狙う必要もありませんからね」
千歌「なるほど……」
ことり「それから……こっちはまだ可能性がある話だけど、魔力を吸収する特殊な鉱石を所持していた場合」
曜「魔力を吸収する鉱石?」
ことり「言葉の通りだよ。魔力を吸収し内部に貯蓄することの出来る稀少な鉱石が、百年に一度……海を渡った大陸のどこかに降るんだよ」
千歌「百年に一度……」
ことり「あまりの稀少性に市場に並んだことはないし、実物を見た人も数える程度しかいないじゃないかな。なんせ魔力を吸われるからね。魔力の無い、普通の人間にしか使えない」
曜「じゃあ、梨子ちゃんたちがそれを手に入れる……もしくは手に入れてるってなると、人間の協力者が必要になるんですね」
ことり「そういうことだね。まあ……魔族に協力する物好きな人がいるかどうかはわからないけど」 千歌「……やっぱり、魔族は敵ですか?」
ことり「……………………」
曜「千歌ちゃん……」
千歌「難しいこととか……この世界のこととか……まだなにも知らないけど……。それでもやっぱり……私は梨子ちゃんとは戦いたくない……」
ことり「……梨子ちゃんがどうとかじゃない。けど、長い歴史の中で魔族が人を傷付けてきたことは確かだよ。家を焼かれて……親を引き裂かれて……国を滅ぼされて……数えればキリが無い」
千歌「……………………」
ことり「たとえ前の世界で、梨子ちゃんがどれだけイイ子で……二人がどれだけ梨子ちゃんのことを好きだったとしても、魔族である梨子ちゃんにはそういう血が流れてる」
千歌「……………………」 曜「千歌ちゃん……」
千歌「……………………」グッ
曜「……………………」
ことり「二人には関係の無い話……これ以上は首を突っ込まない方がいい……」
千歌「っ!?」
曜「そんな!!だって梨子ちゃんが!!」
ことり「って……本当はそういうべきなんだろうけど……」
千歌「?」
ことり「狙われてるのが《μ's》な以上……どうしても二人は関わらざるを得ないの」
曜「どういう……ことですか?」
ことり「二人が探してる魔女……人体の質量を変えるほどの超魔法を使える……ううん、創れる魔法使いは……この世界にただ一人だけ。創造者(スピリチュアルメイカー)のクラスを持った、《μ's》きっての大魔法使い。《紫の魔女》……名前は……希ちゃん」 曜「魔法を創れる……」
千歌「魔法使い……?」
ことり「希ちゃんは……この世の理を超越した最強の魔法使い。読んで字の如く、たった一人で世界の魔法文明を百年進めた先駆者(パイオニア)」
曜「ぱいおつマニア……」
千歌「」ブチッ!
ドガアッ!
曜「」ピクピク……
ことり「えっと……」
千歌「続けてください」
ことり「あ、うん……」 ことり「希ちゃんなら二人が求める魔法を創れる。逆に言うと、希ちゃん以外にそんな魔法を創れる魔法使いは存在しない。だから……」
千歌「イヤでも……《μ's》を狙う梨子ちゃんと関わることになる……」
ことり「そういうこと」
千歌「じゃあ私たちは、梨子ちゃんより先に希さんに会わなきゃいけない……ってことですよね」
ことり「そう……なんだけ、ど……う〜ん……」
千歌「う〜ん……?」
ことり「希ちゃん……ね。昔から自由奔放なところがあって……掴み所のない浮雲みたいな子っていうか……同じところに三日ととどまらない癖があって……その……」
千歌「?」
ことり「《μ's》のメンバーでも……居場所わからない……」
千歌「」チーン
曜「」ピクピク…… ――――――――
ビュオオオオ!
梨子「……………………」バサッ! バサッ!
千歌『梨子ちゃんっ!!!』 梨子「……………………」
バサッ!
梨子「!」ピタッ……
???「……………………」
梨子「誰かと思えば……。なんの用?」
梨子の前に現れたのは……
安価下2
二年生組を除くAqoursメンバー 梨子「果南ちゃん」
バサッ……バサッ……
果南「フフッ♪べーっつにー?ただ、救世の女神を相手にむざむざと引き下がってきた負け犬がどんな顔をしてるのか……ちょっと気になってさー♪」
梨子「負けたつもりはないわ。予定外の邪魔者が入った。それだけよ」
果南「弱い人ほどそう言うんだよねー。言い訳は見苦しいよ?梨・子・ちゃん♪元気付けにハグしてあげよっかー?♪」ニヤニヤ 梨子「ハグ?冗談でしょ?そんな磯くさい身体に抱き着かれるなんて……考えただけで吐き気がするわ」
果南「相変わらず口だけは達者だね。その口さ……今すぐ閉じさせてあげてもいいんだよ」
梨子「あなたには無理よ。何故って?私の方が強いから」
果南「決めた……。今すぐ肉塊に……ハンバーグにして大葉と大根おろしを添えてやるよ……」ガギッ……ゴギッ……!
梨子「力だけのゴリラが……調子に乗らないことね……」スッ
果南「……………………!!!」
梨子「……………………!!!」 ゾワァッ――――――――!
梨子「ッ!!!?」ビクッ!
果南「ッ!!!?」ゾクッ!
???「やめろ」 梨子「――――――――ッ」ガタガタ……
果南「……………………!!!」ブルッ
リアルな死の恐怖を刻み込む……圧倒的なプレッシャー……
一言で二人を鎮静させたその人物は……
安価下2
Aqours一年生組の中から(口調関係無し) 花丸「……………………武器を収めろ」
梨子「ッ!!!」バッ!
果南「ッ!!!」バッ!
花丸「……………………♪」スゥー
ポンッ
ポンッ
花丸「二人ともわかってくれてよかったぁ♪聞き分けのいい子は好きずらぁ♪」ナデナデ
梨子「――――――――ッ」ガクガク
果南「――――――――ッ」ブルブル ナデ……
花丸「まあ……あと0.1秒、武器を収めるのが遅かったら殺してたけど」
梨子「――――――――」
果南「――――――――」
スッ……
花丸「お前たち二人の命を散らすのに……手間も躊躇いもあると思うな。言ってみろずら……お前たちの命の価値……その意味を」
梨子「はっ!!全ては我らが王のために!!」
果南「全ては魔族の安寧のために!!」
花丸「そう……。お前たちも、マルも……魔王様によって生かされているだけの木偶人形。仕え、奪い、屠り、滅ぼし……最後には壊れ……無と還る。それこそが意味であり、マルたちの絶対の存在理由ずら」 花丸「無駄に散らしていい命じゃない。仲間内で争うなど愚の骨頂……。死にたければ死ぬがいい……しかし、そのときは魔王様の礎となって死ぬずら」
梨子「承知しております!!」
果南「私たちの命は……全て魔王様のものでございます!!」
花丸「……わかればいいずらっ♪」ニパッ 果南「……………………」ホッ
花丸「ときに……梨子ちゃん」
梨子「ッ!!!」ビクッ!
花丸「《μ's》襲撃の件……勝てなかったのはね、仕方ないと思うよ。梨子ちゃんも本気を出せなかっただろうし……梨子ちゃん一人でどうにかなるとも思えなかったし、大して期待はしてなかった。それはいいんだ。でもさ……」グリン!
梨子「ひっ!!!」
花丸「独断専行は……見逃せないよ」
梨子「申し訳――――――――」
ドガァァッ!
梨子「が……は――――――――」 逆に後で千歌側で登場してもおいしそうだけどね善子のキャラ 花丸「やる気は認めるけどね……」ドゴッ!
梨子「ぁ――――――――」
花丸「一言くらい相談があってもよかったんじゃないかな?」バキィ!
梨子「ぁが――――――――」
ガシッ!
花丸「それともそれは、魔王様への有り余る忠誠心が故……だったずら?それならいいけど……限りある命を無駄にするなって……もっとわからせてあげる必要があるね」ギリッ……ギリッ……!
梨子「は……ぁ――――――――」
果南「梨子ちゃん!!花丸様、どうか御慈悲を!!!」
花丸「弁明があるなら聴くずらよ」
梨子「ぁ……あ――――――――」
花丸「……………………」ギリギリ……
梨子「つ……ぎは……………………」
花丸「次は?」
梨子「つぎ……はっ……!!!必ず……ッ!!!」キッ!
花丸「……………………」
スッ
梨子「げほっ!!!げほっ、がはっ!!!はぁっ……!!はぁっ……!!!」
果南「……………………ッ!!!」
花丸「よろしいずら。なら話せ。《白の姫君》のところで……いったいなにがあったのか」
梨子「……ッ、はい」
――――――――
――――
―― 果南「千歌と……曜ちゃんが……?」
花丸「……………………」
梨子「ええ……」
果南「Lv999の巨人族に……得たいの知れない小人族の盗賊(シーフ)……。また妙なものに転生したね、あの二人は」
梨子「それを言うなら私たちもでしょ」
果南「たしかに……」クスッ
梨子「花丸様……いかがなさいますか?」
花丸「……答えはもう決まってる。邪魔なら殺せ。害するなら滅ぼせ。愛だの情だのしゃらくさい……。相手が誰だろうと関係ない」
梨子「……………………」
果南「……………………」
花丸「過去を割り切れないのなら今のうちに言っておくよ。マルたちはもう……《Aqours》ではないずら」
果南「……………………はい」
梨子「わかっています」
花丸「ツラい思いをするなら自分たちで消せずら。マルたちはもう、過去には戻れないのだから」 ――――――――
数日後
曜「よっと」ズシッ
千歌「ことりさん、いろいろお世話になりました♪」
ことり「ううん♪情報を集めてはみたけど、結局希ちゃんの足取りは掴めなかったし……」
千歌「他の《μ's》のメンバーなら、なにか知ってるかもしれない……でしたっけ」
ことり「うん。ここから東……山を一つ越えた先にある村に、ことりと同じ《μ's》のメンバーが住んでる。連絡はしておくから、ことりからの紹介だって伝えるといいよ」
千歌「本当に……なにからなにまでありがとうございます」
ことり「本当はことりも一緒の方が心強いんだろうけど……狙われてるのがことりたちな以上、一緒にいると千歌ちゃんたちに危険が及ぶ恐れが高まるから……」
千歌「充分です!ねっ、曜ちゃん」
曜「うんっ♪ことりさんのおかげで、【裁縫上手】と【お料理上手】のスキルも上達したし、これからはパンツを盗まなくても稼げるよ♪どんどんパンツを編むから」ゞ
千歌「なんでパンツ専門なの?呪われてるの?教会行く?」 ことり「道中気を付けてね」
曜「まあ、千歌ちゃんがいればなんの問題も無いですよ。なんせLv999ですから。モンスターの方から逃げ出しますよ」
千歌「なんか複雑……。そういう曜ちゃんは?」
曜「え?」
千歌「レベル」
曜「あー、そういえば気にしたことなかった。えっとね……」ヴンッ
安価下1コンマ
曜のレベル(00は100) 普通のRPG風の序盤なら高い方だけど比較対象が・・・ 曜「ほいっ。Lv42だって」
ことり「……!!」
千歌「めちゃくちゃ低いね」
曜「いや千歌ちゃんと比べないでよ。千歌ちゃんと比べちゃったら誰でも低いよ」
千歌「私だって好きでこんな風にレベル高くなったんじゃないもん」プクー
ことり「……………………」
ことり(Lv42……!?村人なんかの人間の平均レベルは5……。並の武闘家でもLv15くらい……。戦闘力をほとんど持たない小人族にいたっては、平均レベルはそれをさらに下回るLv3ほど……。なのに……)
曜「アッハハハ♪ゴメンゴメン♪」
ことり(Lv42だなんて……王国の聖騎士や、魔力の高い天使族にも相当する……。普通の人間と変わらない身体のサイズに、梨子ちゃんのガードもすり抜けるほどの盗賊スキル……。この子はいったい……)
曜「……………………♪」ニコニコ 曜「レベルの話で思い出したんだけど、千歌ちゃんってクラスは?」
千歌「ほぇ?」
曜「私だったら盗賊(シーフ)でしょ?千歌ちゃんってレベルもスキルも高いし、クラスもスゴいクラスなんじゃない?」ウキウキ
千歌「んー、そうなのかな?ちょっと待ってね……【鑑定】!」ヴンッ 「――――――――」
千歌「あれ?」
曜「クラスが表示されない……」
千歌「なんで?」
曜「千歌ちゃんはクラス持ちじゃないってこと?ていうか、そんなことありえるの?」
千歌「え?なにかマズいの?」
ことり「マズいってことはないけど……普通、この世界に住む人たちは何かしらの職業……ジョブに属してて、クラスっていうのはその派生みたいなものなんだよ」
曜「同じ村人でも、農民とか漁民とか……まあそんな感じに幾つも分かれてるみたいな感じなんだけどね。職業に属してない人でも、旅人だとかのクラスは持ってるはずなのに……」
千歌「私は何者でもない……ってこと?」
曜「うーん……」
ことり「たぶん……きっと千歌ちゃんはまだ、この世界での自分の役割を見つけられてないんだよ」
千歌「自分の……役割……?」
ことり「やりたいこと、なりたいもの、やるべきこと……夢とか理想、この世界で千歌ちゃんが生きる意味……。それを自分自身が見付けてないから、クラスも反映されないんだと思う」
千歌「生きる意味……。私のやりたいこと……なりたいもの……か……」 ことり「巨人族の主だったクラスは、武装兵(アーマード)とか報酬をもらって雇われる傭兵(マーセナリー)、有名どころだと門番(ゲートキーパー)なんかも多いかな」
千歌「うーん……」ムムム……
曜「千歌ちゃんのスキルは、魔法使い向けっていうよりは戦士向けのスキルだったよね。身体能力アップ系なんかの」
千歌「それだと魔法使えない?」
曜「そんなこともないけど、スキルばっかりは努力と才能による開花がハッキリしてるから。魔法使い向きな人とそうじゃない人が一緒に修行するとしたら、センスのある人は一日、センスの無い人は何年もかかる場合だってあるんだよ」
千歌「ふーん……」
曜「まあ、稀にセンスの塊みたいな人もいるわけだけど。それはどの種族においても同じだよ」
ことり「巨人族は全ての種族の中で最も武力に長けてるからね。その力を必要としてる人は大勢いるよ。良くも悪くも……だけど。なにをやるにしても、それは千歌ちゃん次第ってところかな」
曜「まっ、とりあえずはいいんじゃない?今のままで。クラスを持ってなくて困るなんてこと滅多に無いし。そもそもクラスなんて、クラスを究めた人たち以外は結構頻繁に変わるものだし」
千歌「うーん……そっか。わかった。クラスはそのうちきっと見つかるよね」
曜「うん♪」 千歌「私たちがやらなきゃいけないことは、《紫の魔女》希さんに会って、身体を小さくする魔法を創ってもらうこと!そのために希さんの情報を集める!」
曜「先の長い旅になりそうだね……。希さんにたどり着くあても、他の《μ's》のメンバーくらいらしいし……。他に希さんの特徴とか無いんですか?」
ことり「んー……自由奔放で……でも抜け目は無くて、理知的で……この世界の誰よりも魔法使い足り得る存在で……。あとは……う〜ん……………………あ!」
千歌「なにか思い出しました?」
ことり「うん!希ちゃんはね、わしわしが大好き!」
千歌「へ?」
曜「わしわし?」
千歌「なにそれ?モンスター?」 ことり「もしも、行き先でわしわしされた……って人が現れたら、希ちゃんが近くにいる証拠だからすぐわかるからね♪」
千歌「わしわしって……」
曜「ふむ……なんだか心をくすぐられる響き……」 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています