果南「あーあ、誰かに酷い事したいなぁ〜」
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果南「う〜ん…誰にしよっか〜」
果南「ダイヤと鞠莉は友達だし…」
果南「曜と千歌は幼なじみ…」
果南「ルビィちゃんはダイヤの妹で花丸ちゃんはその大親友だもんね」
果南「となると……」
果南「梨子ちゃんか善子かな?」
果南「…………」
果南「うん!二人とも何かしても黙っててくれそうだし良いね!」
果南「どっちも一人で抱え込むタイプっぽいもん」
果南「梨子ちゃんなんてマゾっぽい顔してるから絶対楽しませてくれそう!」
果南「それに梨子ちゃんって…私の事を…」
果南「……ふふ!」
果南「善子の方は……」
果南「あの子、そういう事を知らなそうだし」
果南「こっちも良い反応が見れそう……」
果南「……」ゾクッ!
果南「よし!早速やろう!」
果南「まずは……」 〜梨子編〜
梨子「はぁ…」
思わずため息が出ちゃった……
梨子「良い曲が思い付かない…」
次のライブまで時間がないのに、良い曲が全然閃いてこないの……
早く作らないと、振り付けや歌の練習すら始められないし……
梨子「どうしよう…」
完全に皆の足を引っ張ってる。
その事実を痛感し、もう一度ため息を吐こうとした。
そんな時……
『梨子ちゃん、遅くまでお疲れ〜!』コンコンッ!
ノックの音と同時にいきなり扉を開けられた。
梨子「きゃっ!」ビクッ
突然の事にビックリして思わず席を立ち上がり後退りまでしてしまう。 果南「おっとごめんね。ビックリさせちゃった?」
梨子「か、果南ちゃん?」ドキッ
教室に入ってきたのが果南ちゃんだと認識して更にもう一度驚いてしまう。
果南「もう、そんなに驚かないでよ〜」
どうしよう、今のは印象悪かったかな?
……果南ちゃんには少しだけ苦手意識があって、
普段は気を付けて隠してるんだけど、急に来られると心の準備が……
果南「それより、今は梨子ちゃん一人だけ?」
でも、特に気にしてないみたいね。
良かった…
梨子「う、うん…ちょっとやることがあって……」
果南「どうしたの?」
梨子「曲作りです…でも、全然捗らなくて……」
果南「ふ〜ん、大変だね」
梨子「はい…」
緊張するなぁ……
果南「なら、気晴らしにでも行かない?」
梨子「気晴らし…ですか…?」
どこに?と私が聞く前に素早く返答してきた。
果南「夜の海に!」 梨子「う、海?」
果南「うん!船で連れてってあげるよ」
梨子「…良いんですか?」
果南「もちろん!」
果南ちゃんからお誘いなんて珍しいなぁ……
もしかしたら他にも誰かいてついでに誘ってくれたのかな?
梨子「…他にも誰か来るんですか?」
果南「来ないよ。梨子ちゃんだけを誘ってるんだ」
梨子「私…だけ…?」
少しだけドキッとした……
でも、これは良い感触だけじゃなくて…
色んな感情が含まれてるドキドキで………
果南「二人っきりだよ」
果南ちゃんは強調するようにもう一度言う。
果南「とっても幻想的なんだ」
まるでデートにでも誘われてるみたい。
果南「行こう?」
梨子「…………」
二人っきり…… 私には同性同士でも、この人とはあんまり二人っきりになりたくないなぁという人がいる……
こんな感覚、私だけなのかな?
それは決して、その人が嫌いって訳じゃないんだけど……
危機感?みたいなのを感じてしまう時があって、何かされるんじゃとか考えてしまうの……
自意識過剰なのかな?
いつも私の考え過ぎに終わるんだけど、やっぱり慣れない……
でも、果南ちゃんは仲間なんだし千歌ちゃんや曜ちゃんの幼なじみなんだもん。
……大丈夫だよね? 〜〜〜
あれから流れるように船に乗せられて一時間以上経つ。
最初は海の景色を眺めてたけど日も暮れてきて風が冷たくなってきたから、私は船の中に入った、
船は大きくはないけど部屋が2つあって、操縦室と小さな船室(仮眠室?)がある。
私は小さな船室の方で休ませてもらい、今は中でタオルケットを羽織りながら、
千歌ちゃんの作った歌詞を読みつつ、曲のイメージを膨らませて、
たまに鼻歌なんかも歌いつつ作曲していた。
狭い室内でベットと窓があるだけの部屋、
エンジンの音以外しないこの環境が逆に集中できて、良いメロディがいくつか思い浮かぶ。
鼻歌を携帯のボイスレコーダー機能でいくつか録音し、
家に帰ったら選別しようと思っていた時、果南ちゃんが扉をノックして来た。
果南「梨子ちゃん、開けて良い?」
梨子「うん、良いよ」
さっきとは違い、こちらの返事を待ってから扉を開ける。
私が大袈裟に驚いたから気にさせちゃったかな? 果南「着いたよ〜別世界」
「別世界?」と、首を傾ける私に手招きしながら続ける。
果南「外、出てごらん」
梨子「うん……わかった」スッ
呼ばれて外に出てみる。
するとそこには……
梨子「……凄い」
本当に別世界に来たみたいだった…
とても幻想的な空間が広がっている。
空はいつもより星が綺麗に見え、
海面には夜空に輝く星が映り、波の揺れでキラキラと輝いていた。
沖の方まで来ちゃったから陸地も見えなくて、
まるで宇宙にでも放り込まれたみたい……
梨子「きれい……」
果南「はは、気に入ってくれたみたいだね」
本当に綺麗……
しばらく、その光景に目を奪われていた…… 〜〜〜
数分間、その景色を堪能してると…
いつの間にか私のすぐ隣に果南ちゃんが立っているのに気付く、
肩と肩がぶつかりそうな距離で、また胸がドキドキする……
視線の端で果南ちゃんは私の横顔をじっと見つめているのがわかった。
果南「……」
梨子「……」
流石に変だよね……
少し警戒してしまう。
でも気のせいかもしれない。
電車とかでも、
あの人やたらとこっち見てるなぁと思ったら景色を見てるだけだったりするし……
やっぱり自意識過剰なのかな?
私って……
そんな事を考えていると果南ちゃんが動くのが視界の端で見えた。
果南「綺麗な髪だね」
突然、髪を触られる。 びっくりして思わず悲鳴が出そうになったけど、なんとか堪えた。
そこから軽く呼吸を整えて「…ありがとう」と返す。
出来るだけ平静を装ったつもりだけど、少し声が震えちゃったかな…?
軽く咳払いして喉の調子が悪かった体(てい)を装う。
果南「梨子ちゃんの髪、この海みたいに輝いてる……」
果南ちゃんは私のそんな様子には気にする事なく、
髪を優しく撫でながら囁くように言ってくる。
梨子「……」
なんて言えばいいんだろう?
なんてリアクションすればいいんだろう?
私は軽く微笑んで「ありがとう」ともう一度言った。
愛想笑いだとバレるくらい引きつった不自然な微笑みだと思う。
果南「……」
無言で私の髪を撫で続ける果南ちゃん……
何がしたいんだろう?
触り方は優しいけど、なんだか怖い…… 果南「……ねぇ?」
梨子「…なに?」
しばらく撫でられていると突然声をかけてくる。
果南ちゃんの方を向くと無表情の彼女が見つめていた……
果南「梨子ちゃんさぁ……私と一緒にいるの避けてるでしょ?」
いきなりそんな事を言われて、体がビクッとしてしまう。
でも、このリアクションは相手に正解だと思われかねないので、急いで否定した。
梨子「そんな事ないよ!」
果南「嘘だね」
梨子「う、嘘じゃない…」
果南「わかるんだよ?そういうの」スッ
梨子「……きゃっ!」
果南ちゃんがいきなり私の腕を掴もうとしてきたので思わず避けてしまった。
果南「ほらね?」
怖い…… 梨子「ち、違うの……ちょっとびっくりして……」
果南「なんで?」
梨子「……それは…」
言葉につまる……
果南「びっくりする要素なんてあるの?」
何も言い返せない……
果南「やっぱりさ、自然と私を避けてるね」
じりじりと果南ちゃんが迫ってくる……
果南「でも、毎日申し訳程度には話しかけてくれるよね」
それが怖くて思わず後退りしてしまう……
果南「必要なさそうなのに振り付けの相談に来たりさ」
必死で言葉を探す。
梨子「それは……私、運動神経良い方じゃないから……」
果南「悪い方でもないでしょ?」
梨子「………どう…かな」 果南「話も相談も……私にしてくる内容はすぐに済みそうな事ばかりだよね」
怖い……
果南「それをわざわざ私にするってことは、自分は貴方を避けてませんよってアピールのためなんじゃない?」
目も……声も……
果南「そういう軽い接触をしてれば後は私を避けても不信がられないもんね?」
普段の果南ちゃんとは違う……
果南「でもさ…そういうのも全部ね……バレてるの」
私がそんなことないと言う前に、
果南「否定したってダメだよ?」
発言を遮られる。
果南「まだ、なんにもしてないのにこんなに怯えてるじゃん」
体の震えが抑えられない。
果南「なんで怖いの?私何かしたっけ?」
壁に背がついた、これ以上後退りは出来ない。
果南「……梨子ちゃんに」スッ
梨子「ひゃっ!」ビクッ
果南ちゃんの伸ばした手が私の頬に触れる。
それだけで体中がぞわぞわとした。 果南「私の事、嫌い?」
梨子「そ……そうじゃない」
呼吸が乱れる。
果南「いつも……警戒してるよね」
梨子「……警戒なんて…してないよ…する理由が…ないでしょ……?」
しどろもどろになりながらも何とか答える、
すると果南ちゃんはいきなり手を振り上げた、
果南「本当にね…!」ドンッ!
梨子「っ!」ビクッ
果南ちゃんが私の背後の壁を叩きつけた。
その行為と突然、大きな音が耳元で鳴った事に驚き、
声も出せなくなってしまう、そんな私に果南ちゃんは一方的に話しかけてくる… 果南「普通ならする必要がないんだよ?」
果南「女の子同士なんだからさ」
果南「でも梨子ちゃんは私を警戒してる、なんでだろう?」
果南「それは女の子同士でもそういった事をされる可能性がある、そう感じてるからでしょ?」
果南「女の子に襲われるかもって」
果南「でもね普通の子はそんな事考えないんだよ?」
果南「梨子ちゃんがそんな事を考えてるのは心のどこかでさぁ……」
果南「期待……してるからなんだよ?」
果南「こんな風にされるのをね……」
さっきから何処を見て良いのか分からなくて下を向いていた、
そんな私の顎を掴み無理矢理、視線を合わせようとする。
梨子「あっ…!」ビクッ
果南「可愛いリアクションだ……」
凄くドキドキしてる……
これは……私が本当は望んでいた事だから? 果南「綺麗だよ…梨子…」
呼び捨てにされて胸が締め付けられるのを感じる。
今、どんな顔してるんだろう…私…
果南「ふふ」
果南ちゃんの顔が近付いてくる。
果南「梨子……好きだよ?」
梨子「うっ…//」ドキッ
また胸が締め付けられる感覚、このままだとされるがままになってしまいそう。
果南ちゃんの顔はゆっくりと近付いてきて鼻と鼻がぶつかる距離まで来ていた……
梨子「……」ドキ…ドキ…
果南「……」
お互いの吐息が顔にかかる、もうすぐキスされちゃいそうだ……
果南「良い?」
何が?とは聞けなかった。
しばらく黙っていると再び顔が近付いてくる。
果南「梨子……」
お互いの吐息が顔にかかる距離で……
もうすぐ唇が触れる……
その寸前で……
私は果南ちゃんを軽く押して遠ざけてしまう。 梨子「……ダ、ダメです」
果南「…ダメ?」
私が拒否すると果南ちゃんはとても不思議そうな顔をしていた。
梨子「……ごめんなさい」
思わず謝罪してしまった。
果南「……う〜ん」
彼女は考え込むよう腕を組む。
果南「ダメかぁ〜」
そのまま空を見上げた。
果南「う〜ん」
その後、辺りを見渡す。
果南「ダメっていったってなぁー」スッ
そして…またゆっくりと近付いてきた……
果南「なにがダメなの?」
もう一度押し返そうとするも両腕を掴まれ阻止される。
果南「ムードは最高だし、シチュエーションも梨子ちゃん好みだと思うんだけど」
それを振り解こうとしたけど、掴む力が強くて無理だった…… 果南「だいたいさ、こんな所までついてきて『ダメです』は無いんじゃない?」
どういうこと……?
果南「相手に失礼だと思うよ?」
失礼……?
梨子「……それは」
私が悪いのかな…?
梨子「…ごめん…なさい」
思わずまた謝ってしまった。
果南「別に謝らなくて良いけど」
梨子「……」
果南「まぁ、どの道この状況じゃ拒否権なんてないんだしね」
梨子「えっ?」
果南「断るならずっとこのままだよ?陸地まで梨子ちゃんが泳いでいけるなら別だけど……」
梨子「そんな……」
無理だ…
どれだけ離れたのかわからないけど、
陸地が見えないということは最低でも4kmは離れてる……
自分には泳げる距離じゃない。 果南「じゃあ、続きしよっか」
腕を捕まれたまま壁に叩きつけられる。
加減してくれたのか痛くはなかったけど、これから何をされるのか…怖くて思わず体がビクリと震えた。
梨子「や…やめて…」
果南「怯えてるね?」
梨子「やめてよ……果南ちゃん……」
果南「怖い?」
梨子「離して…」
果南「でも、期待もしてる顔だ……」
梨子「そんなの…してない……」
果南「だって、嫌だとかダメとか言うだけで本気で抵抗しないんだもん」
梨子「そんな……」
果南「しないって事は、そういう事でしょ?」
怖くて抵抗できないだけなのに……
果南「照れ隠しかな?」
梨子「違う……」
果南「恥ずかしいもんね」
梨子「違う……!」
果南「大丈夫だよ、期待してる通りにしてあげるから……」
梨子「やだ……んっ!」
いきなり抱き締められキスをされた…
息が苦しい……
鼻で呼吸すると果南ちゃんの匂いが入ってきた。
甘い香りで頭がくらくらする。
彼女から逃れようともがくけど、力が強すぎて離れられない。 果南「んっ……梨子……」
梨子「…あっ」ビクッ
無理矢理抱き締められながら果南ちゃんに頭を撫でられる……
何故か気持ち良くて思わず口がだらしなく開いてしまった、そこに彼女の舌が入り込んでくる。
口の中をザラザラとした他人の舌に犯される。
自分の舌でも触れたことのないような箇所まで……
梨子「……やっ……めて……」
苦しい……
梨子「んんっ……」
体の力が抜ける……
梨子「……ん…」
ぐったりしちゃう……
果南「……あっ!……ごめんね?苦しかった?」
彼女が抱き締める力を緩めたので、ゆっくりと床にへたり込む。 梨子「……はぁ…はぁ」
果南「ふふ、凄く可愛い顔してるよ」
どんな顔してるんだろう……?
やだ…
見られたくなくて咄嗟に顔を背ける。
果南「もっとよく見せてよ……」
でも、顎を掴まれ無理矢理果南ちゃんの方へ向かせられる。
目だけは合わさないようにまぶたを閉じたけど、
そうするとまるで、こっちを見ろというように顎を掴む力が強くなり思わず目を開けてしまった。
果南「ふふ、色っぽい目になってる……」
見つめないで……
果南「かわいいよ」バサッ
梨子「……あっ…」
床に押し倒されて上に覆い被さられた……
果南ちゃんの長い髪が頬をくすぐる……
梨子「んっ……!」
果南「はは、感じやすいんだね梨子ちゃん」
無邪気にこちらの反応を楽しんでる。 果南「また、可愛い顔になった……」
恥ずかしい……
果南「その顔も良いね」
もう見ないで……
果南「涙ぐんでるよ」スッ
私の左目尻を優しく右の人指し指で撫でて涙を拭き取る。
その後、その指をくわえた……
果南「ふふ、しょっぱい……」
梨子「もう…やめてよ……」
果南「ダメだよ〜お楽しみはこれからなんだから……」ニコッ
不適な笑みを浮かべる。
果南「いろんなところ食べさせて?」スッ
梨子「ひゃっ……」
頬にキスをされた、
3回優しく……
そこから耳元まで舐められ、
耳たぶをあまがみされる。
梨子「…やだっ//」
いやらしい音が耳元で鳴って、とても恥ずかしい……
そこから今度は首筋に移動し、そこもあまがみされる……
梨子「っ!」ゾッ…
首筋に刺さる歯の感触、痛くはないけど……
怖い……! 梨子「やだっ!!」
咄嗟に果南ちゃんを突き飛ばしてしまった。
果南「ありゃありゃ」ドスッ
彼女は間抜けな声を出して後ろに倒れ込む。
果南「危ないなぁ……ダメでしょそんな事したら」
梨子「もうやめて!」
果南「なんで?」
……なんで?
梨子「それは……嫌だから…」オドオド…
果南「そうなの?」
不思議そうな顔で尋ねてきた、
私は黙って首を縦に振る。
果南「ふーん」
梨子「……」ドキ…ドキ…
果南「……じゃあ、はい」ポイッ
梨子「……?」
いきなり鍵の束を投げ渡された。 果南「梨子ちゃんがさっきまでいた部屋の鍵だよ〜」
鍵?
果南「あーあ、それを持って部屋の内鍵を閉められちゃったら」
どういう事?
果南「私は梨子ちゃんには手出しできなくなっちゃうな〜?」
何でそんな事を急に言い出すの……?
梨子「……」
……果南ちゃんの意図はわからなかったけど、私はその鍵を持って船室まで向かった。
足が震えて上手く歩けなかったけど這いながらでも向かう。
その後を果南ちゃんは腕組みしながらゆっくりと追い掛けてくる。
果南「はは、ホラー映画みたいだね?」
趣味が悪いと思った。
転がるように船室の扉の前まで行き扉を開けようとする。
梨子「…!」ガチャガチャ!
でも、開かない……
果南「あー、出るとき鍵かけちゃったから、開けないとダメだよ〜」
鍵束には5個の鍵がぶら下がっている。
急いで鍵穴に刺すも手が震えて上手くいかない。
それでもなんとか落ち着いて、ゆっくり鍵を差し込んだ…… 梨子「……っ」ガチャ
1つ目の鍵は不正解。
果南ちゃんとの距離が狭まっていく……
次の鍵を試す。
梨子「……うっ」ガチャ
2つ目の鍵も不正解。
果南ちゃんは、あと4歩くらいの距離にいる。 梨子「……っ!」ガチャ
3つ目も不正解。
次の鍵を試そうとするけど、鍵穴に引っ掛かって3つ目の鍵が抜けない。
梨子「…もうっ!」ガチャガチャ!
乱暴に引っ張って何とか抜いた。
果南「ちょっと〜あんまり乱暴にしないでよ〜?」
果南ちゃんの声がすぐ隣りで聴こえる。
手を伸ばせば届く距離だ……
梨子「ひっ!」チャ…ガチャ…
4つ目の鍵を試す、でもなかなか鍵穴に入らない。
手が震える…… それは焦っていたからもあるし、
5つ中3つも外してる事から、本当はこの束にはこの船室の鍵なんてないんじゃないかという不安もあった。
しかし、
梨子「!」カチャ
開いた…!
果南「おー」
急いで扉を開けて船室に入り込む、
しっかり内側から鍵を鎖(とざ)して……
なんとか逃げ延びる事が出来た。
果南「間に合ったねー」
扉の向こうでのんびりとした調子で語りかけてくる。
梨子「…はぁ…はぁ」
それに答える気力もなかった。
果南「ハラハラしたでしょ?」
まるでゲームでもやってるみたいな調子だった。
果南「はは、凄い凄い」
笑いながら果南ちゃんが扉から離れていく。
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