X



曜「善子ちゃんをくすぐり続けたら失禁した」その2
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
0001名無しで叶える物語(やわらか銀行)
垢版 |
2018/01/28(日) 14:47:50.78ID:8f4AVF6k
代行
0078名無しで叶える物語(たこやき)
垢版 |
2018/01/28(日) 17:07:54.21ID:UUQGlarc
善子「それたぶん私のママとね」

曜「早く結婚しないかなあの二人」

善子「さすがに無理でしょ」

曜「そうだね。二人が結婚しちゃったら私たちが姉妹になっちゃうもん」

善子「……」

曜「どっちがお姉さんだろう?」

善子「曜さんに決まってるでしょ。年上なんだから」

曜「うん? 家に入るほうが妹じゃないかな?」

善子「いや、子どもには適用されないから」

曜「善子ちゃんがお姉さんになったらみんなびっくりするだろうなぁ」

善子「絶対バカにされるわ……」

曜「あ、でも今はお兄さんか」

善子「今日はね」

曜「義理の妹ができるからって変なことしちゃだめだよ?」

善子「しないわよ。漫画の読みすぎ」

曜「あっ、ここ! さっき話してたカフェだよ」

善子「こんな場所あったんだ」

曜「見た目はあんまりカフェっぽくないよね」

善子「そうね。どちらかと言うと……定食屋みたいな見た目してる」

曜「いい? 今日は私の彼氏なんだからね」

善子「いや、それじゃ連れてきたことにならないでしょうが」

曜「あー……じゃあ善子ちゃんを連れてくるのはまた今度。今日は彼氏の紹介ね」

善子「何よそれ。次来たときも初見のリアクションしないといけなくなるじゃない」

曜「あはは。芸能人みたいだね」

ガラガラ

 カフェ

「いらっしゃいませー」

曜「おばさん! 今日はついに彼氏を連れてきちゃいましたー!」

善子「わっ、大きな声出さないで」

「その着物とっても似合ってるわね。まさか自分で?」
0080名無しで叶える物語(たこやき)
垢版 |
2018/01/28(日) 17:09:57.97ID:UUQGlarc
曜「いえ、これは安売りしてた着物をアレンジしただけです」

「すごいわね。あ、お客さん?」

善子「あの、初めまして」ペコッ

曜「おばさん、この人彼氏だよ」

善子「そ、そうなんです……私が曜さんの彼氏の」

「曜ちゃん、もしかして善子ちゃんって男装が趣味なの?」ヒソヒソ

曜「バレるの早いなー」アハハ

善子「違う! 変な誤解された!」

曜「こう見えて中身は女の子なんです。一応胸もあるし」ムニッ

善子「やめなさいよ!!」バシッ!

曜「……とまあこんな感じにDVを受けてたり」ヒリヒリ

「あら……」

善子「どう見ても今のは曜さんのセクハラよね」

曜「でもおばさん、カッコいいでしょ?」

「なかなかイケメンさんねぇ」ウフフ

善子「う……何か恥ずかしい」カァアア

曜「私が男装してもここまでばっちり似合わないからなぁ」

「曜ちゃんの男装はいつも可愛らしさが残っちゃってるわね」

善子「えっ」

曜「あ、誤解しないでね? あくまでコスプレでしてるだけだから」

善子「誤解も何もないわよ。男装してるのは事実じゃない」

曜「明日は私が彼氏役で来ますんで!」

「明日も来てくれるの? 楽しみね」

善子「明日も来るの……?」

曜「ここのオムライス定食は毎日食べても飽きないくらい美味しいよ」

善子「カフェなのよね? メニューに『定食』とかつけちゃダメだと思う」

曜「まあまあ、見てみれば分かるって。おしゃれだから」

「それじゃあオムライスは作っちゃうけど、善子ちゃんも注文が決まったら教えてね」

善子「えっ、一緒に作ってくれないの……」

曜「ここはおばさん一人でやってるから順番にしか作れないんだ」
0081名無しで叶える物語(たこやき)
垢版 |
2018/01/28(日) 17:10:38.21ID:UUQGlarc
善子「えーと、じゃあ私はパンケーキセットで」

「パンケーキ定食ね。ライス大盛り無料だけどしとく?」

善子「パンケーキなのにライスつくの!?」

曜「炭水化物被ってるよね」アハハ

善子「普通盛りでいいです」

「分かったわ。曜ちゃんはライス大盛りよね」

曜「はい! オムライスも大盛りで!」

善子「オムライスなのに別でライスもつくの!? どうなってるのよこの店」

曜「ライス定食にもライスがつくよ」

善子「もう訳がわからないわ……」ハァ

「オムライス定食とパンケーキ定食、ライスは大盛りと普通盛りが一つずつね?」

曜「はい! あ、飲み物何か頼む?」

善子「そうね……ってお金足りるかしら」

曜「おばさん、今度払うからツケといて」

「仕方ないわねぇ」

善子「いいんだ……」

曜「私はゆず蜜レモンソーダかな。お気に入りなんだ」エヘヘ

善子「えっと私は……ジンジャーエールで」

曜「ジンジャーハイ?」

善子「それお酒でしょ」

曜「えっ」

善子「えっ?」

曜「お酒だったんだ……」

善子「まさか飲んだの?」

曜「ううん。飲まなくてよかった」

善子「メニューにもお酒って書いときなさいよ」

「若い人は滅多に来ないし、駐車場がないから車で来る人もいないの」

善子「じゃあ誰がパンケーキ定食なんて頼むのよ」

曜「あはは。パンケーキが若い人だけのメニューだと思ってる?」

善子「あんまりお年寄りが食べるイメージないんだけど」
0082名無しで叶える物語(たこやき)
垢版 |
2018/01/28(日) 17:11:38.94ID:UUQGlarc
「それが意外と人気なのよ。柔らかくて食べやすいからかしらね」

善子「ん、まあ確かにね」

曜「あんみつ添えだからかな?」

善子「それだわ」

「それじゃあ作り始めちゃうけどいいかしら」

曜「まだ作ってなかったのおばさん」

善子「酷いこと言うわね」

「曜ちゃん厳しい……」シュン

曜「こんなだからお客さん来ないんだよね」アハハ

善子「でも曜さんは来てるんでしょ?」

曜「おばさんがいい人だからかな」

「えへへ……」

曜「いいから早く作って」

「うん」

善子「ふふっ」クスクス

曜「ね、いいお店でしょ?」

善子「お店としてはアレだけど、雰囲気はね」

曜「善子ちゃんも言うねぇ」

善子「これでも褒めてるのよ」

曜「気に入ってくれてよかったよ」

善子「ええ」

……

「はーい、お待たせしました」

曜「わー、オムライス定食!」パァアア

「それとパンケーキ定食ね」コトッ

善子「わ……本当におしゃれね」

「それとライス二つ」ドンッ

曜「あれ? どっちが大盛りかな」

「どっちも同じよ」

善子「私、普通盛りって言いませんでした?」
0083名無しで叶える物語(たこやき)
垢版 |
2018/01/28(日) 17:12:18.54ID:UUQGlarc
「どうせ食べさせ合いっこするんでしょう?」

曜「これはやられた」アハハ

善子「いや、忘れてただけでしょ」

「あと飲み物ね。ゆず蜜レモンソーダとジンジャーハイ、じゃなくてエールの方」コトッ

曜「わぁ! ハートのストロー!」

「彼氏連れてくるって言うから用意しておいたのよ。カフェっぽいでしょ?」

善子「えっ、ここ本当にカフェなの?」

曜「だからそう言ってるじゃん。メニューだっておしゃれじゃん」

善子「見た目はね。名前が悪いと思う」

「さあ、冷めないうちに食べて」

曜「いただきまーす♡」パクッ

「美味しい?」

曜「はい! いやー、私でもこの味は出せないなー」

善子「そんなに?」

曜「あっ、善子ちゃんにもはい」つ

善子「……」

「美味しいわよ?」

善子「いえ、見られてると食べづらいと言うか」

曜「でもスプーン一つしかないからなぁ」

善子「貸して。自分で食べる」パクッ

曜「……」ジロッ

「私のせい?」

曜「もういいよおばさん向こう行って」シッシッ

善子「そんな言い方しなくてもいいじゃない」

「善子ちゃん優しいのねぇ」フフッ

曜「こんなのいつものやり取りだから本気にしないでね」

善子「いつもどんな会話してんのよ。どうせ二人しかいないのに」

曜「おばさんと『あーん』してるよ」

善子「えぇ……」

「ふふ、でも今日は二人きりにしてあげようかしら」スタッ
0084名無しで叶える物語(たこやき)
垢版 |
2018/01/28(日) 17:12:55.58ID:UUQGlarc
曜「えっ、行っちゃうの?」

善子「曜さんがあっち行けって言ったんじゃない」

「ちょっと買い出しに行かないとだから店番しててもらえる?」

曜「おっと、じゃあお代はいらないね」

「一人分だけなら」

曜「善子ちゃん、帰ろっか」スタッ

善子「えっ、まだ食べてない……」

「分かったわ。二人分ね」ハァ

善子「いえ、私は払うので大丈夫です」

曜「いいんだよ、毎回じゃないんだから」

善子「そんな、いくら何でもタダは悪いわよ」

曜「店番してるから行ってきていいよ」

「じゃあお願いね。もしお客さん来たらよろしく頼むわ」スタッ

曜「あー、うん。適当に作っとくよ」

善子「料理までさせるの!?」

曜「だからタダなんだよ」

善子「な、なるほど……。って納得していいのかしら」

ガラガラ

ストンッ

曜「……おばさん、気を遣ってくれたのかな」

善子「いや、どこに客を残して店を留守にする店主がいるのよ」

曜「私はよく店番してるけどね」

善子「初めて聞いたわよそんなの」

曜「みんなに来られたら困るから」

善子「何でよ」

曜「私がいる時間に来たら私が作らないとじゃん」

善子「まあ、そうよね」

曜「ここはおばさんのお店であって私のお店じゃないからね」

善子「曜さんもいつかお店出すの?」

曜「待って。私は料理人になんてならないよ」
0086名無しで叶える物語(たこやき)
垢版 |
2018/01/28(日) 17:14:48.96ID:UUQGlarc
善子「今でもお店出せそうな腕前だけど」

曜「せいぜい旅館の料理人くらいかなぁ」

善子「それって千歌さんのところ?」

曜「あはは、小さい頃は千歌ちゃんと一緒に継いでなんて言われたりもしたっけ」

善子「……」

曜「今も期待されてたりするのかな?」

善子「千歌さんと本当に仲がいいものね」

曜「幼なじみだもん。でも、今はごめんなさいって感じかな」

善子「それって私のせい?」

曜「ん?」

善子「いえ、『私のため?』が正解かしら」

曜「水泳選手になりたいから」

善子「……」

曜「あー、ごめん! 空気読めてなかった! もちろん善子ちゃんと結婚するからだよ!」

善子「いいわよ、嘘つかなくても」

曜「千歌ちゃんと一緒に旅館を継ぐって言っても、別に千歌ちゃんと結婚するわけじゃないんだよ」

善子「は? 一緒に継ぐってのはそういうことよ」

曜「まさかぁ」アハハ

善子「……」

曜「え」

善子「こんな幼なじみを持って千歌さん可哀想……」ハァ

曜「そもそも千歌ちゃんは私のことなんてそんな風には見てないよ」

善子「でしょうね。曜さんのことは親友で、それ以上ではない感じがするわ」

曜「うっ……よく分かってるじゃん」

善子「そりゃあ見てたら分かるわよ。曜さんが千歌さんに片想いしてたことも」

曜「……この話やめない?」

善子「曜さんが私のところに来たとき、千歌さんに振られたからかと思ったわ」

曜「違うよ」

善子「それとも気が変わったのか」

曜「私だって千歌ちゃんのことは仲のいい幼なじみで……」
0087名無しで叶える物語(たこやき)
垢版 |
2018/01/28(日) 17:15:24.63ID:UUQGlarc
善子「今は私のことを好きでいてくれるけど、いつか別の人を好きになるときがくるかもしれないわね」

曜「そんなこと言わないでよ。さっき神社でもお願いしたくらいなんだから」

善子「いつか私のことが重すぎて嫌になるかも」

曜「善子ちゃんは重くないよ。私より細いもん」アハハ

善子「はぁ……」

曜「ね、ねぇ。せっかくのデートなのにこういう話するのやめよう?」

善子「……そうよね。ごめんなさい」

曜「さっ、冷めないうちに食べようよ! パンケーキがパサパサになっちゃう」パクッ

善子「……」パクッ

曜「……」モグモグ

善子「……」モグモグ

曜「そ、そうだ。この後どうする? まだ家に帰るには早いでしょ」

善子「……」モグモグ

曜「……」

善子「……」パクッ

曜「私まで不安になるよ」グスッ

善子「何が」

曜「善子ちゃんが私のこと信じてくれてないのかなって……」

善子「信じてるわよ」モグモグ

曜「私は千歌ちゃんに振られたから善子ちゃんのところに来たわけじゃないよ」

善子「……」パクッ

曜「本当はね、千歌ちゃんに相談してたの」

善子「……」モグモグ

曜「善子ちゃんのことを好きになっちゃったんだけどどうしたらいいかなって……」

善子「……」モグモグ

曜「自分のことみたいに真剣に考えてくれて……すごく嬉しかった」

善子「いい幼なじみがいて幸せね」パクッ

曜「梨子ちゃんと二人で私に協力してくれてね。何度も相談に乗ってくれたんだよ」

善子「梨子さんが?」

曜「ほら、善子ちゃんって梨子ちゃんと仲良かったから」
0088名無しで叶える物語(たこやき)
垢版 |
2018/01/28(日) 17:16:42.86ID:UUQGlarc
善子「まあね。ユニットも同じだし」

曜「私は、善子ちゃんが梨子ちゃんのこと好きなのかと思ってた」

善子「……梨子さんは、すごく頼りになる先輩よ」

曜「本当は梨子ちゃん、善子ちゃんからも相談受けてたんだよね」

善子「は!? 梨子さんまさかバラしたの!?」

曜「そんなわけないじゃん! 私と善子ちゃんが付き合うってみんなに言った日に聞いたんだよ!」

善子「千歌さんは知ってたのかしら……」

曜「ううん。千歌ちゃんもすごくびっくりしてた」

善子「梨子さんも人が悪いわね。曜さんから相談受けてたなら言ってくれればよかったのに」

善子「そうすればあんなに悩まなくて済んだじゃない……」

曜「あはは。梨子ちゃんはそういうところすごくしっかりしてるから」

曜「やっぱり私よりずっと大人なんだなって……」

善子「はぁ……」

曜「本当に私と同い年なのかな?」

善子「曜さんが子どもっぽいだけだと思うけど」

曜「千歌ちゃんほどじゃないよ」アハハ

善子「いや、私から見たら同じくらい子どもよ」

曜「むぅ……。後で千歌ちゃんに言いつけてやる」

善子「何でよ」

曜「善子ちゃんが千歌ちゃんのこと、私と同じくらい子どもだって言ってたよって」

善子「それは……悪口なのかしら」

曜「でも、二人のおかげで今こうして善子ちゃんと一緒にいられるんだよね」

善子「私も……梨子さんが相談に乗ってくれなかったら、分からないわね」

曜「善子ちゃんは絶対告白してくれなさそうだしなぁ」

善子「曜さんだって絶対言わないでしょ。私がAqoursに居づらくなったら可哀想とか、そんな風に考えるもの」

曜「私そこまで優しくないよ」

善子「ううん、曜さんなら絶対考えたはずだわ。だって……」

曜「私なら、それでも好きって気持ちを伝えちゃうと思う」

善子「……」

曜「そうだよね、もしかしたら善子ちゃんが嫌な思いしてたかもしれないんだよね……」
0089名無しで叶える物語(たこやき)
垢版 |
2018/01/28(日) 17:17:25.28ID:UUQGlarc
善子「嫌な思いなんてしないわよ。もし断ったとしてもね」

曜「善子ちゃんに振られてたらどうなったのかなぁ」

善子「さぁ? 曜さんが『この話はなかったことに』とか言うかも」

曜「それはいくら何でも都合がよすぎるかな」アハハ

善子「それとも私が首を縦に振るまで帰らないとか?」

曜「それはますます嫌われそうだね……」

善子「曜さんならやりかねないわ」

曜「うーん、私なら……」

曜「『善子ちゃんが私のこと好きじゃなくても、私は善子ちゃんのこと大好きだから』……とかかなぁ」

善子「私にどうしろと」

曜「私のことを好きになってくれるように努力するよ」

善子「おしっこを飲ませたり?」

曜「そ、それは本気で嫌われそう……」

善子「分からないわよ。飲み物に少しずつ混ぜたりとか」

曜「それじゃまるでおしっこを飲んでもらうために善子ちゃんと付き合いたいみたいじゃん」

善子「あるいは私のおしっこを飲みたいがためにとか」

曜「どうしてそんなこと言うの……?」

善子「冗談よ。曜さんが私のことをそういうの抜きで好きでいてくれてるの、よく分かってるもの」

曜「本当? 伝わってるかな?」

善子「じゃなきゃここまで付き合ってない」

曜「そっか。うん……」

善子「曜さんはもともとおしっこ大好きだったかもしれないけど、私は嫌だったんだからね?」

曜「でも今は大好きだよね」アハハ

善子「嫌よ」

曜「私のでも?」

善子「曜さんのだから渋々飲んであげてるだけ」

曜「私のおしっこ、そんなに渋い味するかなぁ」

善子「他の人のなんて絶対に飲みたくないってことよ!」

曜「あはは。うん、分かってるよ」

善子「まさか曜さんがこんな趣味の人だとは思わなかったわ」
0091名無しで叶える物語(たこやき)
垢版 |
2018/01/28(日) 17:19:05.18ID:UUQGlarc
曜「知ってたら断った?」

善子「断ったわね」

曜「で、でも善子ちゃんも私のこと気になってたんだよね?」

善子「曜さんが私の飲み物におしっこを入れてくるかもしれないって知ったら、もう学校来られなくなるかも」

曜「それイジメじゃん」

善子「そういうことを私にしてるのよ」

曜「でも善子ちゃん、気づいてて飲んでくれるよね」

善子「それは……飲まないと後で何されるか分からないもの」

曜「待って? それ他の人が聞いたら本当に私が善子ちゃんをイジメてるみたいじゃん!」

善子「誰もいないわよ」

曜「本当に嫌だったら言ってね?」

善子「嫌になったらやめてくれる?」

曜「……も、もちろん」

善子「即答して」

曜「そのときは、たぶん私のこと嫌いになるときだね」

善子「ええ」

曜「私が死ぬときだね」フフッ

善子「いや、万が一私が曜さんのこと嫌いになったとして、殺すまではしないわよ」

曜「善子ちゃんに嫌われたら生きてる意味なんてないよ」

善子「……」ヒキ

曜「さすがに重たいかな? 善子ちゃんならそう言うかなって思ったんだけど」

善子「えっと……」

曜「私は善子ちゃんと違ってそこそこあるから」チラッ

善子「何だ、体重の話だったのね」ホッ

曜「怒らないの?」チラッ

善子「あっ……まさか胸のこと!? もう!!」カァアア

曜「あはは。善子ちゃん真面目な話になると冗談通じなくなるよね」

善子「いつか友達失くすわよ」ムスッ

曜「気をつけるよ」
0092名無しで叶える物語(たこやき)
垢版 |
2018/01/28(日) 17:19:34.07ID:UUQGlarc
善子「はぁ……どうしてこんな人が人気者なのかしら」

曜「善子ちゃんももっとみんなの前で素直にしてればいいのに」

善子「そういう問題じゃない気がする……」

曜「私はちゃんと人を選んで冗談飛ばしてるつもりだよ」

善子「選ばれたくなかったわ」

曜「ふふっ」チュル

曜「はぁ……ゆず蜜レモンソーダ美味しい」

善子「あっ、飲み物のことなんてすっかり忘れてたわ。薄くなってそう」チュル

善子「っかぁー! 辛っ!」

曜「ここのジンジャーエールは辛口で有名なんだ」

善子「まさか手作りなの? シロップを炭酸水で薄めて出してるんじゃないの?」

曜「市販のやつに生姜を足してるからね」

善子「これは何かで割らないとかなり辛いわ……」

曜「もともとお酒で割る用だからかな」

善子「水でも入れてこようかしら」スタッ

曜「ここはおしっこの出番だね」

善子「言うと思った」

曜「さっき神社で一度しちゃったけど、うん。今なら出せる気がする」

善子「いいわよ、出さなくて。お店の人が帰ってきたら困るし」

曜「そっか、善子ちゃんは今日はズボンだから下脱がないとなんだよね」

善子「どうして私が出す流れになってるのよ。しかもズボン脱いだら下半身露出してる変態じゃない」

曜「おしっこの時点で変態だよ」

善子「曜さんには言われたくないわね」

曜「でも大丈夫、このお店お客さん来ることないからさ。常連の私が言うんだから間違いないよ」エヘン

善子「嫌な自信ね……おばさんが聞いたら悲しむわ」

曜「さあ、脱いで脱いで!」スタッ

善子「嫌よ! 曜さんがするんじゃなかったの!?」

曜「着物は脱ぐと着るの大変だからさ」

善子「だからってそんなの……」

曜「ね、お願い♡」
0093名無しで叶える物語(たこやき)
垢版 |
2018/01/28(日) 17:20:18.88ID:UUQGlarc
善子「ダメ」

曜「どうしてもダメ?」

善子「どうしてもよ」

曜「じゃあ無理やり脱がす」ガシッ

善子「こら! 本当に犯罪だからそれ!」

曜「私、善子ちゃんのせいで捕まっちゃうんだ……」

善子「誰が見ても自業自得ね」

曜「……」シュン

善子「分かったわよ、脱ぐから大人しくしてて」

曜「この席ならお店の入り口からは善子ちゃん見えないよ」

善子「本当でしょうね?」

曜「逆に私からは入り口が見えるから、もし誰か来たらすぐ止められるね」

善子「おしっこは途中で止められないわよ」

曜「そのときは責任持って私が飲むよ」

善子「……まあいいわ。おばさんが帰ってくる前に済ませましょ」カチャカチャ

スルッ

曜「あ、待って。全部脱がないで」

善子「え?」

曜「あとは私が」スッ

善子「えっ、ちょっ……」

曜「そうだ、テーブルに座ってよ」

善子「嫌よ、そんなお行儀の悪い……」

曜「飲み物におしっこ混ぜる時点で行儀も何もないよ」

善子「……」スタッ

曜「そう、そのまま……」スルッ

善子「うぅ……恥ずかしい」カァアア

曜「はい、善子ちゃんのおしっこドリンクバーの完成です」パチパチ

善子「いいから早くして!」

曜「えーと、今日はどのおしっこにしようかなぁ」ウーン
0094名無しで叶える物語(たこやき)
垢版 |
2018/01/28(日) 17:20:51.87ID:UUQGlarc
曜「これ!」ポチッ

善子「ひゃあ♡」ビクッ

曜「あれ? 出てこないぞ? 壊れてるのかなぁ」ポチッポチッ

善子「やめてってば! 出すから待って!」

曜「うん」

善子「溢さないように気をつけなさいよ」

曜「そんなもったいないことしないよ」

善子「うぅ……」

チョロロ

曜「おー」

チョロロ

善子「こんなことしておばさんに申し訳ないと思わないの?」

チョロロ

曜「どの口が言うのかな? ここかな?」チュッ

善子「んぐっ……」

チョロロ

曜「あっ、一旦止めて」

善子「無理」

チョロロ

曜「入り切らないからグラス変えるよ」

善子「溢さないでよ」

チョロロ

曜「私のは半分くらい飲んでるし入り切るかな」スッ

善子「いける? 溢さないでね?」

チョロロ

曜「溢したら困るからちょっと栓しとこうか」チュッ

善子「きゃあ!? どこにキスしてんのよ!!」バシッ!

曜「あっ」

ジョボボ

善子「バカっ!」
0095名無しで叶える物語(たこやき)
垢版 |
2018/01/28(日) 17:21:25.37ID:UUQGlarc
曜「んぐっ……」ゴクッゴクッ

善子「あぁ……♡」

曜「もうっ……本当に溢れるかと……思ったじゃん」ゴクッ

善子「いや、溢れてパンケーキにかかったわよ」

曜「そう? ファインプレーだね」

善子「畳を濡らさずに済んだからよかったけど……」ホッ

曜「さて、じゃあ早速飲んでみて」スッ

善子「えっ、嫌よ」

曜「善子ちゃんのジンジャーエールじゃん」

善子「私のおしっこでしょ? なら曜さんが飲みなさいよ」

曜「嫌だけど」

善子「何でよ! 私のおしっこが飲めないって言うの!?」

曜「そうじゃなくて……これ辛いんでしょ?」

善子「かなりの辛口だったわね」

曜「だから嫌」

善子「で、でもほら、私のおしっこで飲みやすくなってるかも……」

曜「まだ生姜の匂いがするよ」クンクン

善子「いいから飲みなさい」グイッ

曜「もごっ……」

善子「どう? 美味しいでしょ?」グイッ

曜「や、やめ……」ゴクッゴクッ

善子「曜さんの大好きな私のおしっこだもの、辛くたって飲めるはずよ」グイッ

曜「辛い……っ! こんなの、飲ませるなんて……」ゴクッゴクッ

善子「いいから飲んで! 責任持つって言ったでしょ?」グイッ

曜「ぷはぁっ……」ゲホッゴホッ

善子「まだ残ってるわよ」

曜「む、無理です……」

善子「は?」

曜「辛すぎて私には……」

善子「お代わりが欲しいの? まだ厨房にあるかしら……」スタッ
0096名無しで叶える物語(たこやき)
垢版 |
2018/01/28(日) 17:22:36.30ID:UUQGlarc
曜「待って!」ガシッ

善子「ん?」

曜「飲むよ。飲むから……」

善子「じゃあ後は自分で飲みなさい」コトッ

曜「うぅ……口の中がヒリヒリするよ……」

善子「でしょうね」

曜「ここまで飲んだんだし、後は飲まなくても……」

善子「えっ? まだ生姜が足りない?」

曜「飲みます! 全部飲ませてください……」グイッ

曜「……」プルプル

善子「早く飲まないとおばさんが帰ってきてバレちゃうわよ」

曜「そ、そうだよね……」プルプル

善子「曜さんのこと信じて店番任せたのに、自分のお店でこんなことしてたなんて知ったら……」

曜「分かったからもうやめて」プルプル

善子「間違いなく出禁になるわね?」

曜「……っ!」グイッ

ゴクッゴクッ

曜「んっ……!」グイッ

ゴクッゴクッ

善子「ほら、あと少しよ。頑張って」グイッ

ゴクッ

曜「んぐっ」プルプル

善子「あとはそのまま飲み込むだけよ」

曜「生姜の塊が……」プルプル

善子「手作りだからそういうこともあるのね」

曜「無理……本当にもう無理です」プルプル

善子「それを飲み込めば終わりよ。ほら」

曜「……」ポロポロ

善子「えっ」

曜「本当に無理なんだってば……!」ポロポロ
0097名無しで叶える物語(たこやき)
垢版 |
2018/01/28(日) 17:23:12.14ID:UUQGlarc
善子「ちょっと、えっ!? やめてよ」

曜「善子ちゃんは辛いの平気だからいいよ! でも私は……っ!」ポロポロ

善子「泣くほど? そんなに辛い?」

曜「ごめんなさい! 善子ちゃんのお願い聞けなくてごめんなさい……っ!」ポロポロ

善子「あ、いやそこまで本気のお願いじゃないんだけど……」

曜「善子ちゃんのおしっこなのに……! 飲めなくて本当にっ!!」ポロポロ

曜「私、恋人失格だよ……」ポロポロ

善子「もういいから。出して」

曜「善子ちゃんに嫌われちゃうよ……」ポロポロ

善子「ここまでよく飲んだわ。もういいわよ」ナデナデ

曜「飲むよ……私死んでも飲むから……」ポロポロ

曜「だから嫌いにならないでぇ……」

善子「……っ!」

チュゥゥ

曜「え……?」

善子「残りは私が飲むわ」

ゴクッ

曜「善子ちゃん……」

善子「うっ……! 最後のはさすがに辛かったわね」ハァハァ

曜「わ、私のこと……嫌いにならない?」

善子「なるわけないでしょ。たかが生姜くらいで大げさなのよ」

曜「……うわぁぁぁん!!」ダキッ

善子「あっ、待ってまだ私拭いてもいないのに」

曜「善子ちゃん大好き……!」ポロポロ

善子「しかも自分のおしっこ入りの飲み物なんて……」

曜「キスしていい? していい!?」ポロポロ

善子「え……あぁ、うん」

チュゥゥ

曜「私のこと嫌いにならないでね……?」チュゥゥ

善子「当たり前よ」
0099名無しで叶える物語(たこやき)
垢版 |
2018/01/28(日) 17:25:19.58ID:UUQGlarc
曜「絶対だよ?」チュゥゥ

善子「ええ」

曜「……」チュゥゥ

善子「……」

曜「……」チュゥゥ

善子「ね、ねぇまだ?」

曜「まだ」チュゥゥ

善子「私拭きたいんだけど」

曜「私が舐めるから拭かないで」チュゥゥ

善子「えぇ……」

曜「……」レロッ

善子「んぐ……!?」

曜「えへへ、舌入れちゃった」チュルッ

善子「や、やめて……」

曜「自分のおしっこ飲んだ人とキスしてるんだよ?」チュルッ

善子「頭が……変になっちゃう……♡」

曜「ふふ……」パッ

善子「はぁ、はぁ……♡」

曜「ごめん、ちょっとやりすぎたね」

善子「いいわよ……お互い様でしょ」

曜「拭いてあげるから貸して」

善子「自分で拭くからいい」サッ

曜「……」ジー

善子「あんまり見ないでくれる? 恥ずかしいから」

曜「それもお願い? 分かった」

善子「……」フキフキ

曜「拭き終わったら貸してね」

善子「は?」

曜「そのティッシュ」

善子「あぁ、捨ててくれるの? ありがと」
0100名無しで叶える物語(たこやき)
垢版 |
2018/01/28(日) 17:25:49.21ID:UUQGlarc
曜「善子ちゃんのウェットティッシュ……」

善子「えっ」

曜「後で使わせてもらうね」

善子「気持ち悪い」

曜「やっぱり生姜が辛かった?」

善子「曜さんが気持ち悪いの! わ、私の使ったティッシュなんて欲しがるから……」

曜「善子ちゃんのなら何でも欲しいよ」

善子「ジンジャーエールは?」

曜「それだけは勘弁して」

善子「はぁ……」

曜「おしっこパンケーキ定食、食べちゃおうか」

善子「『パンケーキ定食』ね。おしっこはついてないから」

曜「後のせだね」

善子「そうね」

曜「あーん」つ

善子「だから何で自分のを食べなきゃならないのよ」

曜「いいから」つ

善子「あーん……」パクッ

曜「美味しい?」

善子「まあまあ、ってとこ。時間が経って少しパサついてるのが残念」

曜「それじゃあ私はこっち側の派手にかかった方を食べるよ」ヒョイ

パクッ

曜「……」モグモグ

善子「ベチャベチャしてそう……」

曜「美味しい……♡」ウットリ

善子「そ、そう……よかったわね」

曜「やっぱり善子ちゃんのおしっこって最高だよ」パクッ

善子「生姜は?」

曜「……」フルフル

善子「冗談よ」フフッ
0101名無しで叶える物語(たこやき)
垢版 |
2018/01/28(日) 17:26:30.27ID:UUQGlarc
曜「善子ちゃんも冗談キツいね」モグモグ

善子「いや……私に嫌われたら死ぬって、本気で焦ったわよ」

曜「……」パクッ

善子「冗談よね……?」

曜「はぁぁ……♡」ウットリ

善子「……」ゴソゴソ

パシャッ

曜「わっ!?」ビクッ

善子「ふふ、いい表情してるわ」

曜「えっ、私の顔勝手に撮ったの?」

善子「まさかおしっこパンケーキなんて食べてるとは思わないでしょうね」クスクス

曜「すごく幸せそうな顔してるね」

善子「曜さんにも送っておくわ」スッ

曜「ありがと。代わりに神社で撮った写真送るよ」

善子「ええ」

ピロリンッ

曜「あ、来た来た」スッ

善子「私も来たわ」スッ

曜「『曜ちゃんとおしっこパンケーキなう by善子ちゃん』っと」スッスッ

善子「おしっこはやめて!」

曜「おっと、そうだった」スッスッ

曜「『曜ちゃんとおしっこなう by善子ちゃん』」スッスッ

善子「パンケーキ!」

曜「もう面倒だからこれでいいや」スッスッ

善子「ちょっと!?」ガシッ

『曜ちゃんなう by善子ちゃん』

曜「大丈夫でしょ? 見てる人はパンケーキ食べてるんだなって思うよ」

善子「まあ、これなら……」

曜「そして分かる人が見ればおしっこだとひと目で分かる」

善子「分からないわよ」
0102名無しで叶える物語(たこやき)
垢版 |
2018/01/28(日) 17:27:09.74ID:UUQGlarc
曜「私と善子ちゃんだけ分かればいいよ」

善子「そ、そうね……」

曜「えへへ。善子ちゃんも私の写真載せていいからね?」

善子「え? んー、そうね」スッスッ

善子「これでいいかしら?」

曜「んー? 『パンケーキを食べる曜さん』? フツーだね」

善子「普通でいいじゃない」

曜「せっかくデートで来てるんだよ? もっとさ……」ヒョイ

善子「あっ、私のスマホ返して!」

曜「こんな風に……」スッスッ

善子「変なこと書かないでよね!? 返してってば!」

曜「投稿っと」スッ

善子「嘘っ!? 待って、どんなこと書いて……」

『私もパンケーキになりたい♡♡♡』

曜「このくらいならいいでしょ」

善子「削除! こんなのダメ!!」スッスッ

『削除しました』

曜「えー。もしかして善子ちゃん、私のこと全然書いてない?」

善子「書いてないわよ。一応私じゃなくてヨハネのアカウントなんだから」

曜「そうなんだ……」

善子「曜さんは私のこと書きすぎ」スッ

曜「そうかな?」

善子「でも全部私の顔隠してくれてるのよね」スッスッ

曜「善子ちゃんそういうの嫌かなって」

善子「曜さんのそういうところ……」チラ

曜「?」

善子「な、何でもない!」

曜「そういうところが何なの? キュンと来ちゃう?」ニヤニヤ

善子「本当は優しいのに、どうして私にはいじわるするのかしら」
0103名無しで叶える物語(たこやき)
垢版 |
2018/01/28(日) 17:28:04.53ID:UUQGlarc
曜「色んな善子ちゃんが見たいから……かな?」

善子「……」

曜「さっきのドS善子ちゃんも、たぶんそのうち受け入れられるよ」

善子「受け入れなくていいわよ」

曜「私、これから毎日ちょっとずつ生姜を食べる練習するから」

善子「しなくていいってば」

曜「私、悔しいんだよ」

善子「何が」

曜「善子ちゃんのためなら何でもできるつもりだったのに、そうじゃないって分かってすっごく悔しいの」

善子「さっきのは私が悪かったわよ。まさかあんな塊で下に溜まってるなんて思わなかったもの」

曜「神社のおみくじも何でも叶うわけじゃなかったね」

善子「え?」

曜「善子ちゃんのおみくじ、願い事が何でも叶うって書いてあったでしょ? なのにさっき私最後まで飲めなかったもん」

善子「さっきのは本気でお願いしたわけじゃないから……」

曜「それともあれかな? 生姜だからかな?」

善子「は?」

曜「ジンジャーだけにしょうがないね、って」

善子「……」

曜「真顔やめて」

善子「全然上手くないし滑ってるわよ」

曜「あっ、今のは『神社』と『ジンジャー』、『生姜』と『しょうがない』をかけた……」アハハ

善子「……」

曜「ごめん千歌ちゃん。私には無理だ」

善子「千歌さんの凄さが分かったわ。こんなのを恥ずかしげもなく言えるんだもの」

曜「そうだね……」

善子「人のキャラを取ろうとするからこうなるのよ」

曜「厳しいなぁ」アハハ

善子「自分が何でもできるなんて思ったら大間違いなんだからね」

曜「え?」

善子「できることとできないことがあるんだから、できないことはできないって言わなきゃ」
0104名無しで叶える物語(たこやき)
垢版 |
2018/01/28(日) 17:28:46.71ID:UUQGlarc
曜「だって何でもできるし」エヘン

善子「生姜」

曜「苦手だけど努力します」

善子「そういうの。私のために無理しなくていいのよ」

曜「無理じゃないよ。善子ちゃんのためだもん」

善子「私のために色々してくれるのは嬉しいけど、そのうちそれが辛くなってくるかもしれない」

曜「ならないよ。だって」

善子「いつか私といることが辛くなって、『私のために』私といてくれるだけになって……」

曜「……」

善子「それが怖いの。曜さんの優しさで本当の曜さんが見えなくなることが」

善子「私が欲しいのは何でもお願いを聞いてくれる人じゃないのよ」

善子「私が好きなのは曜さんなんだから」

善子「だから……できないことはできないって言ってよ」

曜「……」

善子「お願い」

曜「……悔しいけど、お願いされたら仕方ないね」アハハ

善子「約束だからね? 破ったら曜さんのこと嫌いになるかも」

曜「私が想像もしてなかったところで善子ちゃんを困らせてたなんてね……」

曜「本当に恋人失格だなぁ」

善子「……わがまま言ってごめんなさい」

曜「ううん。思ってることは何でも言ってよ。私もそうするから」

善子「できないことはできないって言うのよ? 私も言う」

曜「うん。分かったよ」

善子「ありがとう」

曜「私の方こそ、話してくれてありがとう」

善子「こんなの恥ずかしくて中々言えないんだからね」カァアア

曜「善子ちゃんって私が思ってたよりずっと大人だね」

善子「はぁ? 私そんなに子どもっぽく見える?」

曜「顔立ちとかは大人っぽいけど、中身は子どもっぽいところもあって、そこがまた可愛いって言うかさ」

善子「……」
0107名無しで叶える物語(たこやき)
垢版 |
2018/01/28(日) 17:31:33.62ID:UUQGlarc
曜「そんな風に思ってたんだけど……」

善子「それ、私の顔が老けてるって言いたいの?」

曜「何でそうなるの」

善子「冗談」フフッ

曜「もしかしたら私よりも大人かもなぁ」アハハ

善子「あ、それは間違いないわね」

曜「酷い」

善子「たぶんみんな思ってるわよ」

曜「今のは傷ついたよーそろなぁ……」

善子「もしかして本気で凹んでる?」

曜「今日は凹みっぱなしだよ……」

善子「たまにはそういう日があってもいいんじゃない」

曜「そうかなぁ。あんまりかっこ悪いところ見せたくないんだけど」

善子「私にも見せられない?」

曜「うっ……それもお願いなの?」

善子「ううん。曜さんが見せたくないなら見せなくてもいい」

曜「じゃあ見せない」

善子「私はどんな曜さんでも絶対にバカにしたりしないからね」

曜「うん……」

善子「みんなの前では見せられなくても、私には見せていいんだから」

曜「やっぱり善子ちゃんがお姉さんかな」

善子「え?」

曜「私のお母さんと善子ちゃんのママが結婚したら、って話」

善子「まだそんな話してたの」

曜「義理の姉妹なら結婚できるよね?」

善子「ええと、もし本気で言ってたら申し訳ないんだけど……」

善子「そもそも女の子同士では結婚できないのよ」

曜「……」

善子「さすがに知ってるわよね?」
0108名無しで叶える物語(たこやき)
垢版 |
2018/01/28(日) 17:32:55.10ID:UUQGlarc
曜「でも、今日みたいにどっちかが男の子になればさ」

善子「戸籍ってのがあるから無理よ」

曜「女の子同士でも手術しないとなんだっけ」

善子「確かそうよ。私はしたくないし曜さんにもしてほしくない」

曜「……」

善子「私のためならできるなんて言わないでよ」

曜「……言わない」

善子「結婚なんてできなくても一緒にいられるじゃない」

曜「そうだよね」

善子「それに……式くらいは挙げたって……」ボソボソ

曜「ん?」

善子「まあ、まだ先の話よね」

曜「そうだ。この間の写真、受け取りに行こうか」

善子「え?」

曜「この前のデートのときに撮った写真。もう出来てるみたいだから」

善子「ええ。いいわよ」

曜「よし! じゃあ……」スタッ

曜「っと、おばさんまだ戻ってきてないのかぁ」

善子「そう言えばあれからしばらく経つわね」

曜「ごめんね? 飽きたら先に帰っていいから」

善子「何言ってるのよ。今はデート中でしょ」

曜「こんなデートでごめんなさい」

善子「曜さんとたくさん話せてよかったわ。普段言えないことも言えたし」

曜「そう言ってくれると嬉しいよ」

善子「さてと、ただ待ってるのも暇だし、後片付けでもしましょうか」スタッ

曜「私たちお客さんなのに?」

善子「お金、払わないんでしょ」

曜「それは店番代だよ」

善子「ただいるだけじゃない。無銭飲食には変わりないわ」

曜「変なところ真面目だね」
0109名無しで叶える物語(たこやき)
垢版 |
2018/01/28(日) 17:33:35.30ID:UUQGlarc
善子「いいから手伝って」

ガラガラ

「ただいまー」

善子「わっ、誰か来たわよ。どうする?」

曜「いらっしゃいませー。お客様は何名様で……」

「一人です」

曜「あっ」

善子「さっきの巫女さん?」

「あなたたち……もしかしてお客さんかな?」

曜「ん?」

「あ、ごめんなさい。うちのお母さん、またお客さんいるのに出て行っちゃったのね」

善子「もしかして、ここあなたの家ですか」

「ええ、そうよ。お客さんが二人もいるなんて珍しいわね」

曜「図らずも自宅まで押しかけてしまうとは……」ドキドキ

善子「やめなさい」ペチッ

曜「いてっ」

「ん? ということは……あなたが曜ちゃん?」

曜「はい……そうですけど」

「お母さんから話は聞いてるわ。よく来てくれてるだけじゃなくて店番までしてもらってるみたいじゃない」

曜「その代わりタダで食べさせてもらったりしてます」アハハ

善子「お店にとってはマイナスでしかないわね」

「あら? あなた……」ジッ

善子「な、何ですか」

「よく見たら女の子じゃないの」

曜「あはは、この子は善子ちゃんって言って私の彼氏なんですけど、女装癖があるんです」

「そ、そうなの……大変ね」

善子「違うわよ。今日はたまたま男の子の格好してるだけ。普段から女の子です」

「えっと、男装が趣味の女の子でいいのかな?」

曜「はい」

善子「違います!」
0110名無しで叶える物語(たこやき)
垢版 |
2018/01/28(日) 17:34:20.43ID:UUQGlarc
「??」

曜「善子ちゃん、お姉さん困ってるよ」

善子「いや、曜さんのせいでしょうが……」

「恋人?」

曜「はい!」

善子「ええ、まあ……」

「そっか。デートでランチに来てくれたのね」

曜「そうなんです。善子ちゃんも気に入ってくれたみたいでよかった」

善子「とても美味しかったです」

「ふふ。うちのお母さん、料理だけは上手なの。他はまるでダメなんだけど」

曜「これは私たちがお店を継ぐしかないかななんて話してたんですよ」アハハ

善子「初めて聞いたわよ」

曜「私もこう見えて料理は得意な方で……。あ、こっちの善子ちゃんはダメダメなんですけど」

善子「悪かったわね」

曜「娘がいるなんて初めて知りました。確か、子どもはいないと聞いていたような気がしたんですが」

「あ……。お母さん、まだ根に持ってたんだ」ハァ

善子「ケンカでもしてるの?」

「地元を離れて東京に行くって言ったときにね、ちょっと揉めちゃって」

曜「それは……お母さんにとっては辛いだろうなぁ」

「あんたなんかウチの娘じゃない! なんて言われちゃって」

善子「大人げないわね……」

曜「いつかお店を継いだりするんですか?」

「え? しないわよ。こんなお店、ちっともお客さん来てないし」

曜「こんなに美味しいのに……」

善子「美味しいだけじゃやっていけないでしょう。商売なんだから」

「ええ。お母さんも去年肩を痛めてからはもうお店を閉じようかって考えてるみたい」

曜「えぇ!? そんな……」

「いい機会だと思うわ。お父さんが死んでからはずっとこんな調子だったし」

曜「そうですか……寂しくなります」
0111名無しで叶える物語(たこやき)
垢版 |
2018/01/28(日) 17:35:02.01ID:UUQGlarc
「本当は去年いっぱいで閉めるって聞いてたんだけど」

善子「年明けてるわね」

曜「やっぱり気が変わったのかな?」

「あ、分かった。きっと曜ちゃんに食べてほしかったのね」

曜「え?」

「ほら、曜ちゃんってこのお店の数少ない常連さんだから」

曜「そうでしょうか……」

善子「店番を任せるくらいだもの、気に入られてたんじゃない?」

「きっとお母さん、それで暖簾も掛けてないのよ」

善子「えっ? それじゃお客さんなんて来るわけないじゃないの」

曜「そう言えば掛かってなかった気がする」

「でもこれで満足したでしょう。やっとお店を閉められるんじゃないかしら」

曜「……」

善子「本当に無銭飲食だったわね」

曜「店番しておいて、なんて言ってたけど何だったのかな」

「え? お母さんに店番頼まれたの?」

曜「はい。ちょっと買い出しに行くからって」

善子「営業していないなら頼む必要なかったんじゃない?」

「何考えてるんだか。ちょっと電話してみる」スッ

プルル

曜「今更なんだけどさ、善子ちゃん」ヒソヒソ

善子「何?」

曜「料理にあんなことして本当に申し訳ないね」ヒソヒソ

善子「あっ! 知らなかったとはいえ何てことを……」

曜「もう食べられないなんて思わなかったんだよ……」

「あっ、お母さん? 今どこにいるのよ」

『あら、神社の手伝いは? 終わったの?』

「それよりお母さん!? また曜ちゃんに店番なんてさせて!」

『今店にいるの? それなら……』

「あっ、二人とももう帰って大丈夫よ。店番……誰も来ないけど私が引き継ぐわ」
0112名無しで叶える物語(たこやき)
垢版 |
2018/01/28(日) 17:35:47.56ID:UUQGlarc
曜「えっ、でも……」

「デートの途中なんでしょう?」フフッ

善子「じゃ、じゃあせめて食器だけでも洗ってから帰ります」

曜「そうだよね。最後くらい恩返ししてかなきゃ」

「あ、いいっていいって。そんなのお客さんにやらせることじゃないんだからさ」

『あと三十分くらいで帰るから、もう少し待っててもらって。冷蔵庫のデザート出していいから』

「三十分も!? ダメに決まってるでしょ!」

曜「デザート貰えるなら余裕です」ガチャ

善子「少しは遠慮しなさいよ」

曜「うわぁ……焼きプリン♡」

善子「美味しそうね……」

「早く帰ってきなよ。二人はデート中なんだからね」

『はいはい……』

ピッ

「ふぅ……ごめんなさいね、お母さんのわがままに付き合わせちゃって」

曜「私は全然いいんですけど」

善子「私も……何かこのまま帰ったら色々申し訳ないので」

曜「本当にね」

「私、上で着替えてきてもいいかしら? できればシャワーも浴びたいんだけど……」

曜「あっ、任せてください! お着替え手伝います」

善子「手伝わなくていいから!」

「プリン、全部食べちゃっていいからね」

曜「はーい……」

善子「何で不満そうなのよ」

曜「どうせならお姉さんのプリンがよかった」

善子「は??」

「あ、あはは……」

……
0113名無しで叶える物語(たこやき)
垢版 |
2018/01/28(日) 17:36:33.22ID:UUQGlarc
キュッ ザー

ゴシゴシ

ゴシゴシ

善子「ねぇ曜さん」

ゴシゴシ

曜「何?」

善子「このお店、いつから来てるの?」

曜「ん? 先月くらいかな」

善子「割りと最近ね」

曜「でも毎週来てるよ」

善子「まだ十回も来てないじゃない!」

曜「それでも常連なんだね」

善子「どれだけお客さん来ないのよここ」

曜「私だけってことはないと思うよ。私が店番してるとき一度だけお客さんが来たことがあったから」

善子「そのお客さんは初見の人?」

曜「ううん。前に一度だけ来たことがあるって言ってたよ」

善子「曜さんが料理出したの?」

曜「そうだよ。レシピが分からなかったから、思い出しながらだいたいこんな感じかなって作ったんだけど……」

曜「お客さんの口に合わなかったみたいで帰っちゃったんだよね」アハハ

善子「それはかなり嫌な思いをしたわね」

曜「後でおばさんに聞いたら、レシピなんてないんだってさ」

善子「何それ。全部勘で作ってるってこと?」

曜「みたいだね。作ってる様子見たら分かるけど、はかりも大さじ小さじも使わないんだ」

善子「えっ」

曜「何ならタイマーだって使わないよ。全部『適当』なんだ」

善子「それであの味が出せるなんて、ある意味天才かもしれないわね」

曜「私もそこそこ天才だけどさすがに真似できないや」アハハ

善子「曜さんは天才というより秀才だと思うけど」

曜「褒めてくれてる? 善子ちゃんにしては珍しいね」

善子「みんなの知らないところで努力してるでしょ?」
0115名無しで叶える物語(たこやき)
垢版 |
2018/01/28(日) 17:38:14.28ID:UUQGlarc
曜「それなりには」アハハ

善子「私も頑張らなきゃね」

曜「善子ちゃんは今のままでいいと思うけど」

善子「そうもいかないわよ」

曜「何で?」

善子「曜さんと一緒にいるとね、元気をもらえるっていうか……もっと頑張らなきゃって思うのよ」

曜「私も善子ちゃんといると色々元気になるよ」

善子「色々って何よ」

曜「『もっと頑張って出さなきゃ』とか?」

善子「おしっこの話はしてないんだけど」

曜「私もしてないよ」

善子「じゃあ何を頑張って出すの」

曜「えっと、それは……夏休みの宿題とか」

善子「おしっこよね」

曜「はい」

善子「他にないの? 私のこと本当にドリンクバーとしか思ってなかったりして」

曜「善子ちゃんがそこにいてくれるだけで幸せだよ」

善子「ふーん? おしっこも飲まなくていいしキスもしなくていいのね」

曜「善子ちゃんが嫌ならやめるよ」

善子「おしっこはともかく、キスまでやめなくてもいいんじゃないかしら。一応その
、恋人なんだし?」

曜「おしっこは?」

善子「本当におしっこの話ばっかりね」ハァ

曜「するのも飲むのも大好きだからね」エヘン

善子「まあ、たまにならいいわよ」

曜「うん」

善子「たまによ? 毎日は嫌」

曜「キスは?」

善子「それは……毎日でも」ボソボソ

曜「一日一回だけ?」

善子「何回でもいいわよ!」
0117名無しで叶える物語(たこやき)
垢版 |
2018/01/28(日) 17:39:57.45ID:UUQGlarc
曜「えへへ」

善子「人前では嫌だからね」

曜「分かったよ。みんなといるときは『キスするから席外して』ってお願いする」

善子「……」

曜「さすがに私もみんなの前では恥ずかしいな」

善子「みんなもいつまで気を遣うのかしら……」

曜「あー、二人でいるとなぜかみんな距離を取るよね」

善子「どうしたらいいのかしらね」

曜「堂々とみんなの前でもイチャつけばいいんじゃないかな? 二人のときしかやらないから気を遣わせちゃうんだよ」

善子「いや、そんなの見たくないでしょ……」

曜「それかみんなも付き合えばいいんじゃない? そうすれば私たちだけに気を遣うことはないよね」

善子「うーん……」

曜「まあいいや。明日みんなに聞いてみよう」

善子「直接聞くの? 大胆なことするわね」

曜「お互いに気を遣うのは疲れるからね」

善子「そうだけど……」

ガラガラ

「曜ちゃん、善子ちゃん。店番ご苦労様」

善子「あっ、お帰りなさい」

曜「おばさんお帰り」

「あら? もしかして食器片付けてくれたの? お客さんなのにごめんなさいね」

善子「いえ、私はいいんですけど……」

曜「少しでも恩返ししようと思って」

「恩返し? 急にどうしたの曜ちゃん」

曜「……」

善子「……」

「あっ……あの子が話したのね」

曜「はい……」

善子「えっと、お店を閉めるんですってね」

「ええ。もう歳だからいいかなってね」
0118名無しで叶える物語(たこやき)
垢版 |
2018/01/28(日) 17:40:28.44ID:UUQGlarc
曜「もうおばさんの料理が食べられないと思うと……」

「曜ちゃんにならいつでも作ってあげるわよ」

曜「え、本当に?」

「いつでも食べにいらっしゃい。もちろん善子ちゃんもね」

善子「私も?」

「当たり前でしょう。曜ちゃんの彼氏なんだもの、私の息子みたいなものだわ」フフッ

善子「気持ちは嬉しいけど……。いや、嬉しいのかしら?」

曜「お店、本当に閉めちゃうんですか」

善子「曜さん、そんなこと言ったら悪いわよ」

「善子ちゃんは優しいのね……」

曜「むっ。まるで私が優しくないみたいな言い方」

善子「優しくないでしょ。おばさんにすごく厳しいこと言うし」

曜「それはこのお店がもっといいお店になってくれたらいいなって……」

「そこまで言うなら曜ちゃんに継いでもらおうかしら? そこそこ料理は上手なんでしょ?」

曜「善子ちゃんと二人で頑張ります」

善子「ちょっと! できもしない約束しないで!」

曜「ごめん」

「デートの邪魔をして悪かったわね。それと店番ありがとう」

善子「え……」

曜「じゃあまた」ノシ

「気をつけてね」ノシ

ガラガラ

ストン

 店の前

善子「……」

曜「どうしたの善子ちゃん」

善子「私たち、店番してた意味あったかしら……」

曜「何言ってるの、もしかしたらお客さんが来るかもしれなかったじゃん。たぶん絶対ありえないけど」

善子「あの巫女さんが帰ってきて私たちに『あとは私が引き継ぐから帰っていいよ』って言ったじゃない?」

曜「あ、そういえば何でおばさん私たちを待たせたんだろう?」
0119名無しで叶える物語(たこやき)
垢版 |
2018/01/28(日) 17:41:06.74ID:UUQGlarc
善子「どうしても顔を見たかったのかしら?」

曜「うーん……」

ガラガラッ!

「おみやげ! おみやげ渡すの忘れてた!」

曜「おみやげ?」

「はい、ウチのレシピよ。もしよかったら使って」つ

善子「え、レシピなんてないとか言ってなかった?」

曜「そうだよ。前に聞いたときおばさん、全部勘で作ってるって言ってたじゃん」

「本当は紙にも残しておいたのよ。いつかあの子が継ぐかと思って……」

「でももういいの。せっかくだから曜ちゃんにあげる」つ

曜「……」

善子「どうするの?」

曜「ごめんなさい」ペコッ

「そう……」

曜「善子ちゃんと二人でおばさんのオムライス定食を超えてみせます。だからレシピなんていりません」

善子「えっ」

「……」

曜「協力してくれるよね?」

善子「アレ以外なら」

曜「ということなので、これはそのまま取っておいてください。もしかしたらあの人が継いでくれる気になるかもしれませんし……」

「あの子にそんな気一切ないわよ。東京に行ったっきり何してるのかさえ教えてくれないんだから」

曜「そうですかね? 料理の勉強してるみたいですけど」

善子「何でそんなこと分かるのよ」

曜「前に東京に行ったとき会ったからね」

善子「はぁ!!? いつ!? どこで!?」ガシッ

曜「えっ……ちょっと待って。善子ちゃん怖い」

「ふふっ」クスクス

善子「あっ、いや……その」パッ

曜「有名なレストランで働いてるの。まだ見習いみたいだったけどね」

善子「何だ、そういうことね」
0120名無しで叶える物語(たこやき)
垢版 |
2018/01/28(日) 17:41:41.62ID:UUQGlarc
「そう……。あの子が東京のレストランで……」

曜「いつか一人前になったら、そのレシピが役に立つときが来るかもしれません」

善子「……」

「今度食べに行ってみようかしら?」フフッ

曜「それじゃ、失礼します」ペコッ

善子「ごちそうさまでした」ペコリ

「またいつでも来てね。私の料理でよければいつでも作ってあげるから」

曜「タダで!? 来ます! 絶対来ます!!」

善子「いや、お金は払いなさいよ……」

曜「もうお店じゃないからね」

「うっ……。まあいいわ、今度ゆっくり話を聞かせてくれれば」

曜「何の?」

「決まってるでしょ。そこの彼氏とのことよ」ヒソヒソ

善子「……」カァアア

曜「はい!」

「それじゃまたね。あと半日しかないけどデート楽しんで」ノシ

曜「うん」ノシ

善子「ええ」ノシ

……

 ショッピングセンター

曜「なかなかお腹膨れたね」ポンポン

善子「大盛りだったものね」フゥ

曜「これは週一くらいにしとかないと太っちゃうね」

善子「それで週一?」

曜「そうだよ。体脂肪率一桁はキープしないと」

善子「一桁!? それって大丈夫なの?」

曜「あはは、無理なダイエットはしてないから」

善子「……どう見ても一桁には見えないんだけど」ジッ

曜「善子ちゃんこそ一桁くらいじゃない?」アハハ

善子「悪かったわね、スレンダーで」
0121名無しで叶える物語(たこやき)
垢版 |
2018/01/28(日) 17:42:12.15ID:UUQGlarc
曜「善子ちゃんは十三くらいかなぁ」

善子「測ったことないから分からないわね」

曜「このぷにぷに感は十三」グイ

善子「ほっへたひっはらはいへ」

曜「至って健康的だね。あとはもう少し胸が大きくなると嬉しいんじゃない?」

善子「別に。曜さんは大きい方が好きなわけ?」

曜「ううん。善子ちゃんのならどんな大きさでも好きだよ」

善子「そうじゃなくて。好みの話」

曜「あんまり考えたことないかなぁ」アハハ

善子「その割にはよく人の胸見てるわよね」

曜「これでも衣装係だからね。あの大きさなら胸周りはあのくらいかなぁ、とか考えちゃうんだよ」

善子「嫌な職業病」

曜「決して変な目で見てるわけじゃないからね?」

善子「相手は曜さんが変な目で見てると思ってるかも」

曜「それは困る」

善子「なら気をつけなさい」

曜「そうだね。今度からちゃんと言ってから見るようにするよ」

善子「いや、そういうことじゃ……」

曜「私、善子ちゃんが思ってるほど胸大好きなわけじゃないんだけどな」

善子「そうなの? おしっこの次に好きそうなイメージあるわね」

曜「私ってそんなに変態に見える?」

善子「おしっこが好きな時点で確定じゃないの」

曜「ううん、周りの人の体ばかり見てるように見える? ってこと」

善子「え? どうなのかしら……」

曜「むしろ善子ちゃんの方が体ばっかり見てないかな?」

善子「何で私が」

曜「だってデートすると絶対私の体欲しがるでしょ」

善子「誤解されるような言い方はやめて!」

曜「一緒の布団で寝ないと機嫌悪くなるし」

善子「嫌なの?」
0122名無しで叶える物語(たこやき)
垢版 |
2018/01/28(日) 17:42:45.20ID:UUQGlarc
曜「善子ちゃん寝てるとき自分が何してるか知らないの? 毎日されたら寝不足になっちゃうんだけど」

善子「だから誤解されるような言い方……」

曜「今度、等身大の私のぬいぐるみ作るからそれで我慢して」

善子「作れるの?」

曜「えっ、欲しいの?」

善子「ほ、欲しいわよ? 曜さんだって等身大の私がいたら欲しいでしょ」

曜「私は本物の善子ちゃんがいればそれでいいよ」

善子「私だって……」

曜「でも夜は寝たいって言うかさ……善子ちゃんの期待に沿えなくて本当に申し訳ない」

善子「私、普通に寝てるわよね? 寝ぼけて曜さんに変なことしてる?」

曜「隣でおねしょされたら、いい匂い過ぎて寝られないよ」

善子「毎日はしてないわよ」

曜「あとは寝相が悪いのも問題かなぁ」

善子「それは……認めるわ」カァアア

曜「寝返り打つときに私の顔にラリアットするのやめて」

善子「そんなことしてるの!? ごめんなさい……」

曜「あと脇腹蹴るのも地味に効く」

善子「痛そうね……」

曜「寝相の悪さはママ譲りかな?」アハハ

善子「あぁ、ママも酷いわね」

曜「この前なんてその……み、見えちゃって」ボソボソ

善子「え?」

曜「何でもない! とにかく気をつけてよね!」

善子「でも寝てるときなのよね? わざとじゃないんだし……」

曜「布団で巻いて縛っておこうかな」

善子「やめてよ」

曜「じゃあ私を巻いてから寝て」

善子「……分かったわ。寝るときは別の布団にしましょう」

曜「うん」

善子「……」シュン
0123名無しで叶える物語(たこやき)
垢版 |
2018/01/28(日) 17:43:40.29ID:UUQGlarc
曜「……」

善子「ごめんなさい」

曜「ぷっ……」クスクス

善子「何よ。悪かったってば」

曜「何でもないよ」クスクス

善子「何か腹立つわね」

……

 写真屋

曜「楽しみだなぁ」ワクワク

善子「確か特大ポスターも頼んだんだっけ」

曜「うん」

「いらっしゃいませー」

曜「先週撮ってもらった渡辺ですが」

「あっ……」

善子「あ、あなたこの前の」

「……」カァアア

曜「あの時はごめんなさい」ペコッ

「い、いえ……。お写真持ってきます」タッ

タッタッ

善子「……」

曜「何かよそよそしい感じだね」

善子「そりゃあんなことしたらね……」

タッタッ

「はい、お待たせしました! 見開き三枚のアルバムと、特大ポスターですね」サッ

曜「すごくよく撮れてる! やっぱりプロは違うなー」

善子「こ、これ……本当に私?」カァアア

曜「善子ちゃん似合ってるね。天使みたい」アハハ

善子「こんな恥ずかしい写真を撮ってたのね……」カァアア

曜「恥ずかしくないよ! これは早速帰ってママに見せてあげなきゃ」

善子「見せないで!」
0127名無しで叶える物語(たこやき)
垢版 |
2018/01/28(日) 17:48:09.51ID:UUQGlarc
曜「あっ、このこと誰にも言ってませんよね?」

「もちろん言ってませんよ。守秘義務があるので」

曜「それと……できればこれからもファンでいてくれると嬉しいな」

「え? そんなの当たり前です」

善子「……」

「一つだけ聞いてもいいですか?」

曜「何?」

「どうして恋人がいるのに……私にその、キスなんて」

曜「え? あぁ……ええと、あの時はああするしか思いつかなくて」

善子「キスしたかっただけじゃないの?」

曜「違うよ!」

「……」

曜「あっ、違わないよ? 私もちょっとだけドキドキしちゃったし……」

「あなたも……あんなの見て平気なんですか?」

善子「私が誰と付き合おうと私の自由でしょ?」

曜「……」

「本当に好きなんだ……」ハァ

善子「え?」

「曜さんにキスされるとき、あなたを見たらすごい顔してました」

曜「あはは。たぶん泣きそうな顔してただろうね」

善子「笑い事じゃないわよ」

「本当に曜さんのことが好きなら、嘘なんてつかないで堂々としていればいいと思います」

善子「あ、あなたには関係ないし……」

曜「それは私からもお願いしたいかな」

善子「え?」

曜「私が善子ちゃんのこと、ただの知り合いですって言ったら嫌じゃない?」

善子「……相手によるわよそんなの」

曜「私はちょっと傷つく」

善子「……」

「曜さんに選んでもらえたんだもの、もっと胸を張って……ああ、ごめんなさい。今のは深い意味はないんですけど」
0128名無しで叶える物語(たこやき)
垢版 |
2018/01/28(日) 17:49:21.66ID:UUQGlarc
善子「は?」

曜「やめなよ、善子ちゃんがいじけちゃうよ」クスクス

善子「何笑ってんのよ」ペチッ

「曜さんがあなたを選んだ理由、ちょっと分かる気がします」

善子「えっ? ちょ、何言ってんの」カァアア

曜「善子ちゃんをからかうの上手だね? 弟子入りしていい?」

善子「しなくていいから……」

「はい、ポスターです。額に入ってるのでかなり大きいですけど」ゴトッ

善子「うわ、本当に大きいわね」

曜「バスの中でこれは目立ちそうだね」

善子「これ、家まで配送とかしてもらえないの?」

「できますよ。別料金にはなりますが……」

曜「善子ちゃんの家、大丈夫?」

善子「何で私の家なのよ。曜さんの家でいいでしょ」

曜「お母さんに見られたくないからなぁ」

善子「私だって嫌よ!」

曜「あっ……そうだ」

善子「ん?」

曜「すみません、配送してください」

「それではこちらの紙に書いてください」スッ

善子「私の家は絶対にやめてよね」

曜「分かってるよ」カキカキ

「……」

曜「はい、書けました」スッ

善子「どれどれ」

曜「だーめ。善子ちゃんの家じゃないのは確かだから心配しないで」

善子「何でよ。本当かどうか分からないじゃない」

曜「私のこと信じられない?」

善子「そ、そうは言ってないけど……」

「えっと……」
0130名無しで叶える物語(たこやき)
垢版 |
2018/01/28(日) 18:25:14.99ID:UUQGlarc
(支援どうもです)
(埋め立てですかーって引っかかるたびに一文字レス挟んではいるんですが……)

(ちょうど書き溜めも終わりに近いのでまた何時間かしたら続きを)
0132名無しで叶える物語(笑)
垢版 |
2018/01/29(月) 00:30:00.68ID:r7FRQCAB
うれしい、、、うれしい...
0133名無しで叶える物語(家)
垢版 |
2018/01/29(月) 00:35:45.94ID:Fm8A0dD3
楽しみにしてる
0134名無しで叶える物語(たこやき)
垢版 |
2018/01/29(月) 00:54:45.92ID:ifL9O9D0
(この後の展開ですごく悩んで、いつの間にかこんな時間になってしまいました)
(眠すぎるのですみません、明日の夜にまた投下します)

(ちょっぴりシリアス入る予定です。でも必ずハッピーエンドにするのでお許しを)
0137名無しで叶える物語(笑)
垢版 |
2018/01/29(月) 04:15:47.40ID:2o8Hf6Ul
めんどくさいお二人さん
0142名無しで叶える物語(やわらか銀行)
垢版 |
2018/01/30(火) 00:37:30.19ID:8+YwTs8c
来ないか
0144名無しで叶える物語(たこやき)
垢版 |
2018/01/30(火) 00:43:25.12ID:/T4OrUS6
(写真屋から続き)

曜「あ、これでお願いします」スッ

「はい、料金もちょうどですね」

善子「何よもう……」

曜「じゃあアルバムだけ持って帰ります」サッ

「ありがとうございましたー」

善子「……」

……

曜「お昼何食べようか? この前はお蕎麦食べたから……えっと」

善子「お昼さっき食べたわよ」

曜「あ、そういえばそうだった」

善子「私を太らせようとするのやめてよ」

曜「今のは本当に忘れてたんだってば」

善子「そもそももう三時過ぎじゃない。食べるとしてデザートでしょ」

曜「あー、でもお金ないからなぁ」

善子「私もそんなに持ってこなかったからあと少ししか……」

曜「どうする? このまま帰る?」

善子「うーん……」

「あっ……いたよ」

「本当だ! バレないように隠れよう」

曜「ん?」

善子「どうかした?」

曜「今ね、梨子ちゃんと千歌ちゃんの声がしたような……」キョロキョロ

善子「まさか。ずら丸とルビィじゃあるまいし、尾行なんて……」クルッ

千歌「げっ」

「千歌ちゃん隠れて」グイッ

善子「何してるのよこんなところで」

千歌「えっと……私たちはその、普通に買い物に」

「……」
0145名無しで叶える物語(たこやき)
垢版 |
2018/01/30(火) 00:44:07.26ID:/T4OrUS6
曜「そっかー! こんなところで会うなんて偶然だね!」

善子「どうして梨子さん、隠れたままなのよ」

「だって曜ちゃん、彼氏がいるなんて聞いてない……」

千歌「ん? 善子ちゃんが男装してるだけだよ?」

曜「あはは、私が浮気でもしてると思った?」

梨子「……善子ちゃんなの?」スタッ

善子「今日は訳あってこんな格好だけど、私だから心配しないで」

梨子「……」カァアア

曜「どうしたの梨子ちゃん。変だよ?」

千歌「あー、たぶん善子ちゃんがイケメンすぎて直視できないんだね」

善子「は?」

曜「なるほどね。すごくよく似合ってるから」

梨子「本当に善子ちゃん……?」チラ

善子「だから私だってば」

千歌「曜ちゃんはどうしたの? 着物なんか着てさ」

曜「あぁ、うん。初詣に行ってきたんだ。さっき二人で」

千歌「そっか。曜ちゃん昨日は実家の方に帰ってたんだもんね」

曜「そうそう。今朝いちばんの電車で帰ってきたんだ」

千歌「私もお墓参り行かなきゃなー」

曜「ん?」

善子「ちょっと千歌さん、その話は」

梨子「善子ちゃんどうやったらそんなにカッコよくなれるの……?」カァアア

曜「えっ、もしかして梨子ちゃんも男装に興味あるの!? いいね!」

千歌「絶対似合う!!」

梨子「無理無理! 私はそんなの絶対……」

曜「そんなこと言わずにさ、一回だけ着てみようよ」

千歌「梨子ちゃんもすらっとしてるから絶対イケメンになれるよ」

梨子「絶対嫌だよ……」カァアア

善子「やめなさいって。梨子さん困ってるでしょうが」
0146名無しで叶える物語(たこやき)
垢版 |
2018/01/30(火) 00:44:46.00ID:/T4OrUS6
梨子「よ、善子ちゃん?」ドキドキ

千歌「あれ?」

曜「あっ、梨子ちゃんダメだよ? 善子ちゃんは私の彼氏なんだから好きになったりしちゃ」アハハ

梨子「わ、分かってるよ」

善子「……」ニヤリ

善子「梨子さん、私と手を繋いでみない?」スッ

梨子「え……」スッ

曜「?」

善子「ほら」ギュッ

千歌「こ、恋人繋ぎだと……っ!?」

曜「善子ちゃん大胆だね」フフッ

梨子「……」カァアア

善子「曜さん私、梨子さんと恋人繋ぎしてるのよ」ギュッ

曜「見ればわかるけど」

善子「何とも思わないの?」

曜「え? 恥ずかしがる梨子ちゃんが可愛いなってこと?」

梨子「え、え……?」ドキドキ

千歌「はぁ……」

善子「梨子さん、ちょっといい?」グイ

梨子「きゃっ……」

善子「こんな風に抱きついても、本当に何とも思わないわけ?」

曜「梨子ちゃん可愛いなぁ」

善子「は?」

千歌「だめだこの曜ちゃん」

梨子「えっと……曜ちゃんに申し訳ないから、離してくれると嬉しいかな」カァアア

曜「え? いいよいいよ、遠慮しないで抱きついても」

善子「あっそう」ギュッ

梨子「わ……」

千歌「……」

曜「今度梨子ちゃんと二人で写真撮ってみない? あ、私も善子ちゃんと撮ったんだけどさ……」スッ
0147名無しで叶える物語(たこやき)
垢版 |
2018/01/30(火) 00:45:59.47ID:/T4OrUS6
善子「わぁあ!!? それは見せない約束でしょう!?」

千歌「わぁ……」

梨子「これ曜ちゃんと善子ちゃん……??」

曜「梨子ちゃんも似合うんじゃないかな、ウェディングドレス」

梨子「わ、私……」

善子「そうね。何なら曜さんが撮ってくれてもいいわよ」

曜「いいのっ!!?」ガタッ

千歌「曜ちゃんさぁ……」

曜「楽しみだなぁ」ニコニコ

千歌「本当にいいの? 梨子ちゃん、曜ちゃんと違ってお淑やかだし頭いいから勉強だって教えてくれるし」

千歌「善子ちゃんが梨子ちゃんのこと好きになったら……曜ちゃんなんて捨てられちゃうかもよ」

曜「あはは、それはないよ」

善子「本当に?」

曜「ないね」

善子「どうかしら」ギュ

梨子「千歌ちゃん助けてぇ……」カァアア

千歌「後で泣いても知らないからね」

曜「善子ちゃんは私の恋人だよ。絶対ありえないよ」

善子「……少しは疑いなさいよ」ボソッ

曜「ん?」

善子「曜さんにも私の気持ちが分かってくれるんじゃないかって……ちょっとでも思った私がバカだったわ」グスッ

曜「何で善子ちゃん泣いてるの?」

善子「今ここで私が梨子さんにキスしても何とも思わないんでしょうね」

梨子「き、キス……」

曜「思わないよ」

善子「いいのね?」

曜「善子ちゃんがしたいなら、どうぞ」

善子「梨子さんごめん」スッ

梨子「え……」ドキドキ

千歌「もうやめようよ」ガシッ
0148名無しで叶える物語(たこやき)
垢版 |
2018/01/30(火) 00:46:48.10ID:/T4OrUS6
善子「……」

曜「何で? したいならすればいいじゃん」

千歌「私の手が曜ちゃんを引っ叩く前に謝った方がいいんじゃないかな」プルプル

曜「私、何か悪いことした?」

千歌「こんの……!!」

善子「いいわよ、私のために怒ってくれなくても」

曜「……」

梨子「……」

善子「曜さんはこういう人なんだもの。よく分かったわ」

曜「私は……」

千歌「こんな恋人で可哀想だね」

善子「千歌さん……その、私のために怒ってくれるのは嬉しいんだけど」

千歌「あ、ごめん……そんなつもりじゃ」

梨子「曜ちゃんって変なところ意地っ張りだよね」

曜「だって……善子ちゃんは絶対そんなことしないもん……」

曜「本当は私のこと好きでいてくれてるもん……」グスッ

善子「だから他の子と何してもいいってわけ?」

曜「そんなこと言ってない!」

善子「自分はしてるじゃない」

曜「わ、私は善子ちゃんと違ってヤキモチ妬いたりしないもん。善子ちゃんが誰とご飯食べても、キスしても、私のこと好きでいてくれるならそれで……」

善子「……」

曜「私のところに戻ってきてくれるなら、それでいいよ……」

千歌「……」

曜「本当だよ?」

善子「そう……」スッ

チュッ

梨子「う、嘘……」

千歌「善子ちゃん!?」

曜「……」

善子「これでも?」
0149名無しで叶える物語(たこやき)
垢版 |
2018/01/30(火) 00:47:25.03ID:/T4OrUS6
曜「う……」グスッ

善子「どうして本当のことを言ってくれないのよ」

曜「言ってるもん……」

善子「他の人にはしないでってどうして言わないの?」

曜「そんなこと……思ってないよ」

善子「ならどうしてわざわざ写真なんか見せたのよ」

曜「それは、よく撮れてるから二人にも見てほしくて」

善子「私は曜さんのものだからって言いたかったんじゃないの?」

曜「……」

善子「ヤキモチ妬くのってそんなに悪いこと? 重いとダメなの? じゃあ私は??」

曜「善子ちゃんと私は……違うよ」グスッ

善子「曜さんだって泣いてるじゃない」

曜「泣いてないもん」フキフキ

善子「……」

曜「梨子ちゃんだって……善子ちゃんのこと好きなら付き合ってもいいよ」グスッ

梨子「えっ……」

曜「善子ちゃんカッコいいもんね? 好きになっちゃうよね?」ポロポロ

善子「もういいわ。帰る」スタッ

スタスタ

曜「……」グスッ

梨子「追いかけないの……?」

曜「私は……善子ちゃんの重荷にはなりたくないよ」

千歌「曜ちゃんのバカ!」ブンッ

パーン

曜「……」ヒリヒリ

千歌「私たちの前だから強がってるだけかと思ってたけど……そうじゃないんだね」

千歌「本当に……善子ちゃんの気持ちが分かってなかったんだ」

千歌「少しは分かろうとした? 恋人なんだよね?」

曜「……」
0153名無しで叶える物語(たこやき)
垢版 |
2018/01/30(火) 00:50:34.49ID:/T4OrUS6
梨子「曜ちゃん……キスされた私が言うことじゃないかもしれないけど」

梨子「さっきの曜ちゃんは最低だと思う……」

曜「あはは……そうかな」

千歌「自分はどんな善子ちゃんでも好きって言いながらさ」

千歌「善子ちゃんには本当の自分を見せないんだね」

千歌「善子ちゃん……本当に曜ちゃんのこと嫌いになるかもよ」

曜「ありえないよ」

千歌「あるよ」

曜「絶対にない」

千歌「どうして言い切れるの?」

曜「善子ちゃんは私の恋人だから」

千歌「今はね……」

曜「約束したよ? ずっと好きでいてくれるって……」

千歌「本当に重いのは曜ちゃんの方か」

曜「……」

千歌「行こう、梨子ちゃん」グイッ

梨子「えっ……で、でも」

千歌「いいから」グイッ

梨子「曜ちゃんが……」

曜「……」

千歌「こんな人知らないよもう」グイ

梨子「……」

スタスタ

曜「……」グスッ

曜「こんな私でも好きでいてくれるかな」

曜「ねぇ」

……

……
0154名無しで叶える物語(たこやき)
垢版 |
2018/01/30(火) 00:51:29.55ID:/T4OrUS6
 翌朝

 屋上

千歌「……」ムスッ

果南「えっと……何かあった?」

梨子「……」

ダイヤ「もしかしてケンカでもしましたの?」

千歌「別に。何でもないです」

ダイヤ「もしかして曲作りのことで揉めて……」

鞠莉「はぁ……。ダイヤって本当、頭硬すぎるよね?」

果南「ケンカしたのは千歌と梨子じゃないと思うけど?」

ダイヤ「へ?」

梨子「心配かけてごめんなさい。昨日……ちょっとあったんです」

花丸「善子ちゃん遅いなぁ……」

ルビィ「いつもなら誰よりも先に来て曜さんとイチャイチャしてるのに」

ダイヤ「そういえば、お二人の姿が見えませんね。これでは練習が始められません」

鞠莉「面白いジョークね」

果南「鞠莉、目が笑ってないよ……」

ガチャ

善子「……」フラッ

ルビィ「善子ちゃん!!」ダッ

花丸「ど、どうしたのその目!」

善子「え? あぁ、えっと……ちょっと徹夜でゲームしちゃってね」

ダイヤ「善子さん? こんな大事な時期に夜更かしなど……」

果南「ダイヤ、ちょっと黙ってて」

善子「遅れてごめんなさい。早く練習始めましょ」

鞠莉「曜は?」

善子「誰?」

鞠莉「曜。今日は一緒のバスじゃなかった?」

善子「そんな人知らない」

梨子「善子ちゃん……」
0155名無しで叶える物語(たこやき)
垢版 |
2018/01/30(火) 00:52:09.79ID:/T4OrUS6
善子「梨子さん、もしよかったらなんだけど」

善子「私と付き合う気ない?」

ルビィ「え!!?」

花丸「よ、善子ちゃん何言って……!?」

梨子「……ごめんなさい」ペコッ

善子「あ……今日の私は男の子じゃないからか」

梨子「そうじゃなくて……」

千歌「練習、始めよっか」スタッ

善子「私じゃ嫌?」

梨子「えっと……」

果南「誰か、曜から連絡来てる?」

シーン

ダイヤ「まさか……何かあったのですか」

鞠莉「少なくともインフルエンザじゃないと思うわよ?」

ダイヤ「当たり前です。それならとっくに学校へ連絡が来ているはずですから……」

鞠莉「もう少し待ってみる? それとも……」

千歌「練習しようよ。私たちもライブ近いんだから」

ルビィ「ぅゅ……」

花丸「ちょっと心配ずら……」

……

 朝練後

梨子「ね、ねぇ善子ちゃん」

善子「何?」

梨子「さっきの話なんだけど……」

善子「私と付き合ってくれる気になった?」

梨子「……」

善子「ごめんなさい、困らせるようなこと言って」

梨子「ううん……」

千歌「善子ちゃん、フラフラしてるけど大丈夫? 顔色も良くないし……」

善子「心配してくれてありがとう。優しいのね……」
0156名無しで叶える物語(たこやき)
垢版 |
2018/01/30(火) 00:52:48.36ID:/T4OrUS6
千歌「あ、当たり前だよ! これでもAqoursのリーダーなんだから、メンバーの体調管理も仕事のうちだし……」

花丸「善子ちゃん、聞いていいのか分かんないんだけど……」

ルビィ「曜さんと何かあった?」

善子「そんな人知らないってば」

ルビィ「で、でもっ……! 昨日はあんなにラブラブで、ルビィもちょっぴり羨ましいなって思ったりして……」

善子「あんまりしつこいと怒るわよ」キッ

ルビィ「ひっ……」ビクッ

花丸「ルビィちゃん、大丈夫だよ」ナデナデ

ルビィ「ぅゅ……」

ダイヤ「……結局、曜さんから連絡はありませんでしたね」

果南「今日、学校来ないつもりなのかな」

ダイヤ「もしかしたら朝練のことを忘れているだけかもしれませんわね」

鞠莉「もう少し様子を見ましょ。私も、職員室に連絡が来てないか聞いてみるわ」

……

 一年教室

善子「……」フラッ

花丸「わっ、善子ちゃん大丈夫? 本当に顔色悪いけど」

ルビィ「カンテツ? は体によくないよ……」

花丸「変な言葉知ってるね」

善子「保健室で寝てくる……」フラッ

ルビィ「ルビィも一緒に行くよ!」

善子「いいわよ、一人で行けるから……」

ルビィ「でも……!」

善子「本当に……大丈夫だから……」

花丸「……」

ガラガラ

フラッ

ルビィ「行っちゃった」

花丸「今はそっとしておいてあげよう」
0157名無しで叶える物語(たこやき)
垢版 |
2018/01/30(火) 00:53:26.30ID:/T4OrUS6
ルビィ「善子ちゃん……本当はゲームなんてしてないよね」

花丸「たぶんね」

ルビィ「ルビィたち、何かしてあげられないかな?」

花丸「悔しいけど……マルたちにはどうにもできないよ」

ルビィ「そんな……」

花丸「詳しい事情も知らないんだし……。無理やり聞こうとしたって絶対教えてくれないよ」

ルビィ「うん……」

……

 二年教室

梨子「曜ちゃん、来ないね」

千歌「……」

梨子「冬季講習だから欠席にはならないけど……それでも無断で休むなんてしないよね」

千歌「……」

梨子「電話しても出ないし……心配だな」ハァ

千歌「私、今日は帰るね」スタッ

梨子「え? もう先生来るよ?」

千歌「体調が悪くて帰ったって言っといて」スタスタ

ガラッ

梨子「えっ、ちょっと……」

ピシャッ

梨子「えぇ……」

……

 校門前 バス停

千歌「バス遅いなぁ」イライラ

千歌「……」

千歌「あーもう! これだから田舎は!」

タッタッ

「はぁ、はぁ……!」

千歌「梨子ちゃん? 何で……」

梨子「待ってよ……」
0158名無しで叶える物語(たこやき)
垢版 |
2018/01/30(火) 00:53:59.93ID:/T4OrUS6
千歌「曜ちゃんのところに行くなんて言ってないけど」

梨子「行かないの?」

千歌「……」

梨子「私は行くよ」

千歌「行くの?」

梨子「千歌ちゃんは行かないの?」

千歌「行く……」

梨子「なら私も行くよ」

千歌「……梨子ちゃんが来たら絶対止めそうだなぁ」

梨子「曜ちゃんに何するつもり?」

千歌「決まってるでしょ。無理やりにでも連れてきて善子ちゃんに会わせるんだよ」

梨子「そんなことして解決すると思ってる?」

千歌「放っといても解決しないよ」

梨子「それは……うん、たぶんね」

千歌「曜ちゃんは拗らせちゃうと面倒だから」

梨子「何だか曜ちゃんらしくないね」

千歌「曜ちゃんがどれだけ善子ちゃんのことを好きか……梨子ちゃんも知ってるでしょ」

梨子「うん……一応相談も受けてたし」

千歌「善子ちゃんのことになると、曜ちゃんはもういつもの曜ちゃんじゃない」

梨子「善子ちゃんもそうだね……。曜ちゃんのことになると」

千歌「本当に面倒くさいんだから」フフッ

梨子「本当にね」クスクス

千歌「あーあ、何だかバカらしくなってきちゃった」

梨子「ん?」

千歌「何で曜ちゃんなんかのために私がムカムカしなきゃならないんだろ?」
0159名無しで叶える物語(たこやき)
垢版 |
2018/01/30(火) 00:55:07.61ID:/T4OrUS6
梨子「曜ちゃんなんかって」

千歌「仕方ない、梨子ちゃんもいることだし無理やり連れ出すのはやめるよ」

梨子「でも行くんだよね?」

千歌「うん。きちんと話せばたぶん、聞いてくれると思うし」

梨子「そっか。よかった」ホッ

千歌「私が本当に殴りに行くと思ったの?」

梨子「千歌ちゃんならやりかねないと思う」

千歌「昨日のことは謝らないとね……」

梨子「けっこう強めにいったもんね」

千歌「まあ、曜ちゃんなら許してくれるよ。優しいから」

梨子「うん」

……

 保健室

善子「……」

善子「私……バカみたい」

善子「一人でヤキモチ妬いて……梨子さんまで巻き込んで」

善子「あのとき追いかけて来てくれるなんて期待して……何度も後ろを振り返ったりして」

善子「でも曜さんは来なかった」

善子「私……本当に嫌われちゃったんだ……」

善子「……」

善子「でもね……まだ好きなの」グスッ

善子「曜さんのことが好き……」

善子「会いたいよ……」ポロポロ

善子「私のこと嫌いでもいいから……曜さんに会いたい……」

善子「学校に来れば会えると思ったのに……」

善子「曜さんに会えるから来たのに……」

善子「曜さんは来ないんだ」グスッ

善子「……」

善子「私に会いたくないから……?」

善子「私が来なければ……曜さんは学校に来られるのかしら」
0161名無しで叶える物語(たこやき)
垢版 |
2018/01/30(火) 00:57:05.69ID:/T4OrUS6
善子「なら私は……」

善子「私なんていなくても……曜さんがいればAqoursは回るもの」

ガラガラ

善子「……」スゥ

「寝たふりするの下手ずら」

「だねぇ」クスクス

善子「何よ、あんたたち?」

花丸「曜さんかと思った? 残念でした」

ルビィ「曜さんに会いに行こうよ」

善子「え……?」

ルビィ「学校で会えないなら、家まで行けばいいんだよ」

花丸「歩ける?」

善子「わ、私はもう……」

ルビィ「あー、そういうのいいから。曜さんのこと好きなんでしょ?」

花丸「ごめんね。盗み聞きするつもりはなかったんだけど……」

善子「さっきの独り言聞いてたの?」

ルビィ「よかった。善子ちゃん、本当に曜さんのこと嫌いになったのかと思っちゃったよ」

花丸「無理に忘れようとしてたんだね。だから知らないふりしたんだ?」

善子「……」

ルビィ「それとね、善子ちゃんがAqoursに必要ないなんて、そんなこと二度と言わないでよ」

花丸「善子ちゃんがAqoursのこと大好きなの、よく分かるもん……」

善子「何があったのか、聞かないのね」

ルビィ「聞いてもいいの?」

善子「……」

花丸「話したくないかなと思って聞かなかったのに……聞いてほしかったならそう言ってよ」

善子「別に。話したいわけじゃないけど」

花丸「なら聞かないよ」

ルビィ「ルビィは気になるなぁ……なんて」エヘヘ

善子「曜さんって誰にでもベタベタするじゃない?」
0163名無しで叶える物語(たこやき)
垢版 |
2018/01/30(火) 00:58:40.17ID:/T4OrUS6
花丸「えっと……頭撫でたりとか?」

ルビィ「ちょっとドキドキしちゃうよね」

善子「平気で他の女の子に抱きついたりするのよ」

花丸「善子ちゃんの前ではしないでしょ」

善子「するわよ。何の悪びれもなく堂々とね」

ルビィ「あっ、それで善子ちゃんがヤキモチ妬いちゃったんだね」

善子「……」

花丸「でも……曜さんが本当に好きなのは善子ちゃんだけだと思うな」

善子「やめてよ。慰めてるつもり?」

花丸「え? 善子ちゃんを見るときの曜さんの目、すごく優しい目をしてるよ」

ルビィ「あー、何かね、本当に特別なんだなって思っちゃう」

善子「街で可愛い子を見かけるたびにニヤついてるけど?」

ルビィ「それは……曜さんが悪いね」

花丸「こっちの気も知らないで……」ボソッ

善子「曜さんが誰かに『大好き』って言うたびに私……すごく苦しくなるのよ」

ルビィ「善子ちゃん泣きそうな顔してるもんね」

善子「してないわよ」

花丸「してるよ」

善子「曜さんは私がヤキモチ妬いてることすら楽しんでるのよ。酷いわよね」

ルビィ「それはルビィでも怒るかなぁ」

花丸「善子ちゃんに甘えてるんだね」

善子「え?」

花丸「善子ちゃんは優しいから絶対笑って許してくれる……。それが分かってるから、ちょっとやりすぎちゃうのかも」

ルビィ「善子ちゃんのことだから、ただでは許さないと思うけどねぇ」

花丸「許してほしかったらアレしなさいコレしなさいって無茶なこと言いそう」

善子「曜さんはね、よく私のためなら何でもするって言うの……」

ルビィ「何でも?」

善子「何でもよ。さすがに激辛生姜は食べられなかったみたいだけど」

花丸「そんなの食べさせたの? 善子ちゃんもなかなか酷いね」

善子「いや、あれは……」
0164名無しで叶える物語(たこやき)
垢版 |
2018/01/30(火) 00:59:09.18ID:/T4OrUS6
善子「って、さすがに言えないわよね」ボソッ

ルビィ「そっか。曜さんは、善子ちゃんに何かお願いされるのが大好きなんだね」

善子「そのくせ、他の人にベタベタしないでって言ってもやめてくれないの」

花丸「うーん……」

善子「私が本当に嫌なことはしないって言ってるけど……。なら、やめてくれたっていいんじゃない?」

ルビィ「曜さんって、好きな子はいじめたくなっちゃうタイプなのかな?」

花丸「それは……何と言うか、子どもっぽいね」

善子「そう! 私より年上で背も高くて胸もあるくせに子どもなの!」

ルビィ「胸?」

善子「あ、いや何でもない」

花丸「マルたちから見ると大人っぽく見えるけどな」

ルビィ「善子ちゃんにだけ見せてるのかも?」

善子「……それは嬉しいけど、もっと他に見せ方あるんじゃない?」

花丸「例えば?」

善子「えーと……」

 曜『善子ちゃんのことお姉ちゃんって呼んでもいい?』

善子「うん、ろくでもないことしか思い浮かばないわね」

ルビィ「ちなみに今、どんなこと想像したの?」

善子「別に」カァアア

花丸「……まあ、善子ちゃんもそれなりに面倒くさいところあるしね」

善子「何でよ」

ルビィ「曜さんのスマホチェックしたんだってね」

善子「あ……あれは曜さんが変なメール送ってるから……」

善子「ってどうしてルビィが知ってるのよ」

ルビィ「あの時見てたから」

花丸「ほら、マルとルビィちゃんでショッピングモールに行ったときに偶然二人を見かけて……」

善子「そんなところから見てたの!?」

ルビィ「そう言えば、犬飼うの?」

善子「ん?」

ルビィ「首輪選んでたから」
0165名無しで叶える物語(たこやき)
垢版 |
2018/01/30(火) 00:59:59.02ID:/T4OrUS6
花丸「しかも、かなりゴツいやつだった気が……」

善子「あれは新しい衣装の参考にと思って」

ルビィ「衣装って、まさかルビィたちも着る衣装!?」

花丸「犬の首輪……ええと、冗談だよね?」

善子「いや、たぶん却下されるから心配しないでいいわ」

ルビィ「……」

花丸「着たいの?」

ルビィ「えっ!? べ、別に!」

善子「仕方ない、待っていてもいつまでも来なそうだし」スタッ

花丸「曜さんの家?」

善子「ええ」

ルビィ「一人で行くの?」

善子「大丈夫。二人はちゃんと講習出ないとダメよ」フラッ

花丸「あっ……」ガシッ

善子「おっと、ごめんなさい。寝不足なの忘れてたわ」

ルビィ「ルビィも行くよ」

花丸「マルも行く。でも、曜さんとは一人でお話してね?」

善子「分かってる。これは私と曜さんの問題だもの……」

ルビィ「えっと……次のバスはね、十分後! ナイスタイミングだね」

花丸「これもおみくじの効果なのかな」

善子「えっ……何でそんなことまで」

ルビィ「花丸ちゃんのおみくじ、大吉だったんだよ! しかも、お願い事が何でも叶うの!」

花丸「ちょっと嘘くさいけど……」アハハ

善子「……」ハァ

ルビィ「それでね、何てお願いしたと思う? 善子ちゃんと……」

善子「それ、私も同じの引いたわ」

花丸「そうなの?」

善子「でもありがと。おかげでちょっと元気が出た」

ルビィ「うん! 善子ちゃんなら絶対大丈夫だよ!」

花丸「ふふ」
0166名無しで叶える物語(たこやき)
垢版 |
2018/01/30(火) 01:00:34.53ID:/T4OrUS6
善子「大丈夫……曜さんの家までくらい、何とか」フラッ

……

 校門前 バス停

ブロロ……

千歌「あ、やっとバス来たよ。あれはここで折り返しだから沼津駅行きになるはず……」

梨子「あれ?」

千歌「ん? どうかした?」

梨子「曜ちゃんじゃない?」

千歌「あっ……」

プシュー ガラガラ

曜「……」スタッ

千歌「遅かったじゃん。朝練終わっちゃったよ」

梨子「おはよう」

プシュー

ブロロ……

曜「おはよう……」

千歌「今から梨子ちゃんとぶん殴りに行こうと思ってたところだよ」

梨子「ぶん……!? わ、私はそんなことしないよ!」

曜「善子ちゃんは来てる……?」

千歌「来てるよ。目を真っ赤にして、フラフラなのに朝練もサボらず出たしね」

梨子「曜ちゃんと違って頑張り屋さんだね」

曜「そっか……うん」

千歌「酷い髪型」

梨子「寝ぐせ? 曜ちゃんにしては珍しい」

曜「……」

千歌「まあいいや、行こうか」グイッ

曜「わっ、ちょっと……」

梨子「善子ちゃんは教室かな? もう講習始まってるから……終わるまで待った方がいいかもね」

千歌「何言ってるの、途中だってそんなの知らないよ」

梨子「えぇ……」
0167名無しで叶える物語(たこやき)
垢版 |
2018/01/30(火) 01:01:17.32ID:/T4OrUS6
……

 学校 玄関

善子「ごめん……ちょっと休ませて」ハァハァ

ルビィ「だ、大丈夫? 汗すごいよ」

花丸「もしかして風邪引いてる……?」

善子「そうかも……何だか寒気もするし」ブルッ

ルビィ「……やっぱり無理はよくないよね」

花丸「うん……。もう少し休んで、帰りに寄ればいいんじゃないかな」

善子「ダメよ。今行きたいの」

ルビィ「気持ちは分かるけど……こんなフラフラなのにお話なんてできないよ」

花丸「朝練だって無理に出なくてもよかったのに」

善子「曜さんが来るかと思って……それで」

ルビィ「え? でも善子ちゃん、曜さんの名前も忘れちゃってなかった?」

善子「あ、あれはその……」

花丸「善子ちゃん、本当に素直じゃないんだから」

善子「放っといて」

「はぁ……本当に曜ちゃんって素直じゃないよね」

「うるさいなぁ……」

「もう少し素直になってもいいんじゃないかな……?」

ルビィ「ん?」

花丸「千歌さんと梨子さん……それに曜さんも」

善子「え……」

ルビィ「善子ちゃん、行ける?」

善子「行くわよ」グッ

花丸「行ってらっしゃい」トンッ

善子「曜さん!」

千歌「善子ちゃん!? どうしたのこんなところで」

梨子「すごい汗……。顔色悪いよ? 大丈夫?」

善子「ええ……。何とか」

曜「……」
0168名無しで叶える物語(たこやき)
垢版 |
2018/01/30(火) 01:01:50.40ID:/T4OrUS6
善子「朝練サボるなんていい度胸してるじゃない」

曜「だって……」

善子「そんなに私と会うのが嫌だったの?」

曜「何て謝ったらいいか……分からなくて」

善子「……」

曜「ごめんなさい」ペコッ

善子「何に対して?」

曜「善子ちゃんの気持ち……本当は分かってたのに」

曜「嘘ついてごめんなさい」

善子「……」

曜「善子ちゃんが梨子ちゃんにキスしたとき……もう嫌われたなって思ったよ」

善子「思ってくれたのね」

曜「まさか本当にするなんて……絶対しないと思ってたから」

善子「私だってやるときはやるのよ」

曜「恋人だから大丈夫って、甘えすぎてたよね……」

善子「……」

曜「善子ちゃんにつらい思いさせて……本当に」

曜「ごめんなさい!!」ペコッ

善子「バカね……」グスッ

曜「許してくれるなんて思ってないよ」

曜「でも……私にできることなら何でもするから」

善子「だからその『何でも』ってやつ」

曜「あっ……ごめん」

善子「大丈夫よ。許さないから」

曜「……え?」

善子「許さない」

曜「……」

善子「だから私の言うことなんて聞かなくていいわ」

曜「ま、待ってよ! 酷いことしたとは思ってる……だけどさ」

善子「……」
0171名無しで叶える物語(たこやき)
垢版 |
2018/01/30(火) 01:04:46.38ID:/T4OrUS6
曜「こんなこと言うのずるいって分かってる……」

曜「でもやっぱり私……善子ちゃんのこと大好きなんだよ!!」

善子「そう……」

曜「善子ちゃんが私のこと嫌いでもいいよ……」

曜「それでも私は……善子ちゃんのことが大好きだから」グスッ

曜「ごめんね、自分勝手で」フキフキ

善子「私は曜さんのこと許さないけど……それでも好きって言ってくれるなら」

善子「これからも私のそばに……」

善子「いてほしい……と思う」

曜「許してはくれないの……?」

善子「許さないから、私の言うことなんて聞かないで」

曜「えっと……」

善子「私がお願いしたからじゃなくて!!」

善子「曜さんが自分の意志で……決めてほしいの」

善子「その……私のそばにいてくれるかどうか」

善子「私の、恋人でいてくれるのかを……」

曜「……っ!!」ダッ

ギュッ

曜「もう善子ちゃんのお願いは聞かないよ」

曜「私は……善子ちゃんのそばにいたい」

曜「だから……私の恋人でいてください!!」

善子「……」

曜「だめ……かな?」

善子「それはお願い?」

曜「ううん。善子ちゃんが決めていいよ」

善子「そう……」

曜「……」

善子「じゃあ、私は曜さんの恋人でいるわ」

曜「えへへ。私も」

善子「やっと曜さんの本当の気持ちを聞けた気がする……」
0173名無しで叶える物語(たこやき)
垢版 |
2018/01/30(火) 01:05:15.12ID:/T4OrUS6
曜「そうかな? 私はずっと本当のことを言ってたつもりだけど」

善子「どこがよ」

曜「おしっこ飲みたいとか」

善子「……は??」

曜「ごめん、今のは冗談」

善子「空気読めなさすぎでしょ」

曜「うん、反省してる……」

善子「本当に反省してる?」

曜「してるよ」

善子「どうやって信じればいいのかしら」

曜「えっと……お願い聞くのもダメなんだから……どうやって信じてもらえばいいんだろ?」

善子「……」

曜「うーん……土下座?」

善子「あのねぇ……」ハァ

曜「違ったか。ううん、そうだよね。ええと……」

善子「恋人なんでしょ? 他に気持ちの伝え方とかないの?」

曜「あっ……」

善子「……」

曜「キス、してもいい?」

善子「黙ってしなさいよバカ」
0174名無しで叶える物語(たこやき)
垢版 |
2018/01/30(火) 01:06:06.88ID:/T4OrUS6
チュッ

曜「んっ……」

善子「……」

曜「ねぇ」

善子「何?」

曜「善子ちゃん、もしかして風邪引いてる?」

善子「え? 熱っぽくてフラフラするけど……たぶん寝不足だと思うわよ」

曜「風邪が移ったら善子ちゃんのせいだね……」チュッ

善子「だ、誰のせいで寝不足になったと……思ってるのよ」

曜「私に移して善子ちゃんの風邪が治るならいいよ」

善子「……」

曜「って、前の私なら言ったかもなぁ」アハハ

善子「言わないの?」

曜「一緒に引いてあげるよ」

善子「う、うーん……」

曜「善子ちゃんと少しでも同じ気持ちになれるように……」

善子「何よ、風邪引かないと私の気持ち分からないの?」

曜「飲ませてくれたら一瞬で分かると思う」

善子「何をよ。言っとくけどおしっことか言ったら引っ叩くわよ」

曜「善子ちゃんのおしっこが飲みたい」

善子「聞こえなかったの? 引っ叩くって言ったんだけど」

曜「いいよ」

善子「えっ……まさか叩かれたいの?」ヒキ

曜「あっ、ちょっと待って。何か誤解してない?」

善子「叩かれたいわけじゃないのね……」ホッ

曜「叩かれたいけど、そういう意味でじゃないよ」

善子「他にどんな意味があるのよ」

曜「もう嘘はつかないから、善子ちゃんも嘘はつかないで」

善子「……叩きたければ叩けってこと?」

曜「そう」
0175名無しで叶える物語(たこやき)
垢版 |
2018/01/30(火) 01:06:40.78ID:/T4OrUS6
善子「えぇ……」

曜「私に飲ませたくなったら、飲ませてくれればいいよ」

善子「たぶん一生ならないと思うわよ」

曜「訂正。飲ませてもいいかなってほんの少しでも思ってくれたら、飲ませてくれると嬉しいな」

善子「何それ」フフッ

曜「飲ませて」

善子「嫌」

曜「お願い」

善子「お願いは禁止でしょ?」

曜「善子ちゃんのお願いは聞かないけど、私はお願いしないなんて言ってない」

善子「めちゃくちゃね」

曜「それとも……飲ませたいから飲ませてくれるの?」

善子「……」

曜「本当に嫌?」

善子「……今日だけだからね?」

曜「本当!!?」ガシッ

善子「わっ、ちょっと……」

曜「善子ちゃんから飲ませたいなんて! 夢みたいだよ……」スルッ

善子「バカっ! みんな見てるわよ!?」

曜「え? もうみんないないけど」

善子「あれっ!? 確かそこに……」

曜「みんな私と違って空気読めるからなぁ」アハハ

善子「でもダメ! こんなところ、誰が来るか分からないじゃない!」

曜「そこがまたいいんでしょ?」

善子「変態か! んなわけないでしょ」
0176名無しで叶える物語(たこやき)
垢版 |
2018/01/30(火) 01:07:15.86ID:/T4OrUS6
曜「じゃあ……」

善子「私、熱っぽくてフラフラするんだけど」

曜「なるほど。それじゃ保健室に連れて行かなきゃね」ガシッ

善子「ひゃっ!?」

曜「歩くの大変でしょ? 私が連れて行ってあげる」

善子「だからってこれ! お姫様抱っこはやめなさい!!」

曜「善子ちゃんのお願いは聞きませーん」

善子「くっ……!」

曜「本当に嫌だったら言ってね?」

善子「こ、この……」

曜「やめる?」

善子「バカぁ!!」

パーン

曜「えへへ」ヒリヒリ

善子「何笑ってんのよ気持ち悪い!」

曜「大好きだよ」

善子「わ、私もよ」

曜「うん」

善子「……」カァアア

曜「おっと、本当に熱っぽい感じだね」ピトッ

善子「いいから……早く連れていきなさいってば……」

曜「ふふ」



おね正月編 終わり
0177名無しで叶える物語(たこやき)
垢版 |
2018/01/30(火) 01:30:05.57ID:/T4OrUS6
昨日中に投下する予定だったのですが、最後の最後まで路線が決まらず遅くなりました
(待っていてくださった方には申し訳ない……)

当初の予定ではちょっと重たいシリアスやって終わり(完結)にしようかなと思ったのですが、
やっぱりまだ書きたいこともあるし、撒いただけで回収してない伏線(というほどのものでもないですが)もあるので続く形にしました

相変わらず(善子ちゃんからしてみれば)浮気性な曜ちゃんだったので、こうなることは若干予測できたかなと思います
誰がどう見ても相思相愛なのに、関係が進むほどに「好き」が重くなってすれ違いも目立つようになっていましたが、
ここにきてやっと二人の溝が埋まる方向に進んだかなという感じはします

読んでて「これでいいのか?」と思った方もいるかもしれませんが
そこまで完全に解決しちゃうと書くことなくなっちゃいますので、ひとまずこの辺で落としてみました

前スレから読んでくださってる方には「この台詞、前にも見たぞ?」というところがあるかと思います
気づいてもらえると嬉しいです


あと、最後のおしっこシーンはご想像にお任せします
(さすがに蛇足かなと思いました)
0178名無しで叶える物語(はんぺん)
垢版 |
2018/01/30(火) 04:07:18.44ID:eFPc6lLH
一旦乙
めんどくさいのを拗らせてきて心配したけどちゃんと気持ちが伝わって良かった…
普段はオープンな感じの曜ちゃんが、恋人との話になると仮面を被って、
善子ちゃんはその逆だったりで対比になってるのホントすち…
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています

ニューススポーツなんでも実況