【改訂版】穂乃果「御用改めだよ!」海未「新選組です!」
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穂乃果「御用改めだよ!」海未「新選組です!」 [転載禁止](c)2ch.net
https://fate.5ch.net/test/read.cgi/lovelive/1440068453/ ガラッ
海未「近藤さん、脱走した隊士の粛清は終わりました」
真姫「あれのどこが切腹なのよ、逃げてるだけじゃない」
真姫「介錯と言うよりほとんど斬首じゃない、これじゃ」
穂乃果「……土方君、斎藤君、ご苦労様」
雪穂『法度による粛清を繰り返しながら、より強固な組織へとなっていく新選組』
雪穂『そして、新選組にとって最大の転機となる事件が起きる』 穂乃果「もうそろそろ夏だねー」
凛「京の冬も寒くて嫌だけど、夏も暑すぎにゃー……」
海未「こらこら、二人がそんなことでは他の隊士に示しがつきませんよ」
希「まあまあ、あんまり張り切って体調崩してもまずいやん?ごほごほ……」
海未「それは自分自身に言っているのですか?」
希「あはは……、夏風邪かなー」
絵里「あ、希!休んでないとダメじゃない!ほら早く床に戻る!」
希「まさか、えりちに心配されちゃうなんて、不覚やなー」
絵里「ほら、いいから!」
穂乃果「ホント、絵里ちゃんは希ちゃん大好きなんだねー」
トントン
海未「……山崎に島田ですか、どうしました?」
ミカ「長州の浪士が頻繁に出入りする店を見つけました……」
海未「……ご苦労様です、詳しく教えてください」 穂乃果「枡屋さん?」
海未「はい、枡屋喜右衛門という者が長州、肥後の浪士を匿っていると」
希「もしかしたら、桂小五郎もいるかもやね」
穂乃果「あ!あの有名な!」
絵里「この前も居るって言うから行ったけど、すでに逃げられていたわ」
花陽「今回もいるかどうかわからないかも」
希「まあ桂小五郎がいないにせよ、新選組としては行かないとね」
海未「はい、第一に優先すべきは枡屋の捕縛です」
ヒデコ「それでは私と山崎で行きますよ」
凛「えー!凛が行くー!」
絵里「私も!」
希「うーん、捕縛目的だから、あんまり好戦的な人たちは……」
海未「そうですね、ここは山崎君と島田君、あと尾形君にもお願いしましょう」
絵里「そんなすぐに斬ったりしないわよ、真姫じゃあるまいし」
凛「そうにゃそうにゃ」
真姫「どういう意味よ!」 数日後
ミカ「この店ですね」
ヒデコ「随分堂々と……」
ガラッ バタン
ヒデコ「御用改めである!」
フミコ「静かね……」
ミカ「店の周りは包囲したので、逃げることは無理かと」
ヒデコ「いた!二階だ!」
枡屋「……っ」
フミコ「この者で間違いは?」」
ミカ「間違いないです」
ヒデコ「よし、それじゃあ捕まえますかー!」
ミカ「!?、皆さん、こちらへ」
ヒデコ「ん?誰か他に?」
ミカ「人は誰も……、ただこれが……」
フミコ「火薬に武器、……それに手紙?」
ヒデコ「こんなの戦支度じゃあるまいし……」
ミカ「……早急に、枡屋を屯所まで」 ヒデコ「枡屋を捕まえました、それから火薬やら武器も……」
穂乃果「ご苦労様、少し休んでね」
ヒデコ「お言葉に甘えます」
海未「枡屋は?」
ミカ「例の場所に……」
海未「わかりました」
穂乃果「この手紙どういう意味なんだろう、聞いてみないとね」
海未「はい、嫌な予感しかしませんが……」
穂乃果「先に行ってるよー」
海未「ええ……、ことり、一応先ほど言ったものを用意してください」
ことり「……本当にやるの?」
海未「時間はないと思いますので……」
ことり「……うん、わかった」 穂乃果「あの、枡屋さん、長州の人たちは何をする気なのかなー」
穂乃果「話してくれないと怒っちゃうよ?」
穂乃果「むー……吊るされてるの痛いでしょ?早く話してよー!」
海未「はぁ、やはりダメですね」
穂乃果「う……、土方君」
海未「近藤さん、私がやります」
穂乃果「それ……五寸釘?」
海未「はい、……枡屋を逆さ吊りに」
穂乃果「うわー……、さすがにつらいよね?話そうよー」
海未「これくらいで割るとは思ってませんよ」
穂乃果「え、えっと……」
海未「さあ、始めますよ」
ブスッ ギャアアアアアアアアア
海未「……」ガンッ ガンッ
ギャアアアアアアア
穂乃果「ひぐっ」 にこ「……どうだった?土蔵の様子は」
真姫「あれは地獄ね、逆さ吊りで両足に五寸釘、釘の上には蝋燭」
花陽「ひ、ひどい……」
真姫「失神しない程度の最悪の拷問ね」
にこ「……人間のすることじゃないわね、鬼よ」
絵里「ちょっと、どういう意味よ、それ」
にこ「だってそうでしょ、そんなこと出来ないわよ、普通」
絵里「土方さんだって仕方なく!」
にこ「……」
希「局長さんは?ごほごほ……」
真姫「震えながらちゃんと見てるわ、泣きそうな顔でね」
ことり「穂乃果ちゃん……」
凛「悲鳴が止まったにゃ……」
ガラッ
海未「ようやく吐きましたよ」
穂乃果「ひぐっ……うぐっ……」 花陽「京の町に火をつける!?」
海未「はい、その混乱の中、天子様を長州へ連れて行く、と」
にこ「何よ、それ、許されるわけないでしょ!そんなこと!」
海未「当たり前です、しかしこれだけの計画、おそらく……」
希「枡屋、もとい古高を奪い返しに来るやろね、ごほごほ……」
ことり「今夜にでも、どこかでその計画を練るはず……」
真姫「そこを私たちが逆に襲うってことね」
海未「すでに容保公に話をしております、増援が来るまで祇園で待機せよとのことです」
希「こんな時に病気やなんて、ほんま使えんね……」
絵里「そんなことないわよ!」
海未「もちろんです、希は万が一、敵が古高を奪還しに来た場合に残った隊士の指揮を」
希「うん、ここは任せて」
穂乃果「それじゃあ、新選組いくよ!!」 祇園
海未「遅い!!会津兵はまだですか!」
ことり「確かにもう日も沈んで随分経つね」
真姫「そろそろ本当に屯所が襲われるかもよ?」
花陽「もう行くしかないです!」
穂乃果「……」
海未「近藤さん!……穂乃果!」
穂乃果「私たちはこの町の人から嫌われているかもしれない」
ことり「穂乃果ちゃん……?」
穂乃果「たくさん人を斬って血で汚しちゃってるから仕方ないよね」
穂乃果「でも、私はこの町の人が好き、火なんてつけられたらたくさん人が悲しむ、それは絶対嫌だ」
穂乃果「……行こう、新選組だけで、計画を阻止するよ!!」
にこ「さすが、それでこそ我らが局長様ね」 海未「では、二手に分かれましょう、怪しいのは池田屋、四国屋、この二つです」
穂乃果「どっちに行く?」
海未「私たちは四国屋へ、近藤さんは池田屋を」
海未「見つけた方は別隊にすぐに報せることにしましょう」
穂乃果「うんっ!」
海未「では誰が行くかですが……」
絵里「はい!私近藤さんと行く!」
凛「じゃあ凛もー!!」
花陽「私はどうしようかな」
ことり「くじで決めようか?」
真姫「くじ運悪いのよねー」
ヒデコ「くじを作るなら任せてください!」
海未「なんて緊張感のない……」
穂乃果「あはは……まあまあ」
海未「絵里、絵里は穂乃果と一緒にお願いします」
絵里「承知!」 穂乃果班 穂乃果、絵里、にこ、凛、他
海未班 海未、真姫、ことり、花陽、他
海未「では、行きましょう」
穂乃果「穂乃果班、出発ー!」 四国屋側
海未「……おそらくこちらが正解かと」
真姫「なんでそう言えるのよ」
海未「なんとなくです、四国屋はかなり長州と土佐の出入りが激しいとか」
ことり「だから、こっちを海未ちゃんは選んだんだよねー」
海未「ち、違いますよ」
花陽「あ、海未ちゃん照れてる」
海未「て、照れてません」
真姫「まったく、素直じゃないわね」
海未「さあ、そろそろ着きますよ、引き締めてくださいっ」
バタバタ
海未「何事ですか?」
隊士「はぁはぁ!で、伝令っ!」
花陽「だ、大丈夫?息を整えて……、え?……当たりは池田屋!?」
海未「くっ、全員、池田屋へ!!」 池田屋側
穂乃果「多分、こっちな気がするんだよねー」
にこ「どうしてよ」
穂乃果「勘?」
絵里「近藤さんらしいわ」
凛「お、着いたにゃ」
穂乃果「……よし、行くよ!」
ガラッ
穂乃果「御用改めだよ!!」
にこ「新選組よ、大人しくしなさいっ!!」
クソッ ニゲロー
凛「当たりだね!突撃!」バタバタ
絵里「凛!危ないわよ!まったく……、私は二階に!!」バタバタ
にこ「私は1階にいるわ、これはなかなか大変そうね」
穂乃果「うん、誰か、海未ちゃんに報せて、残りは外を囲んで!!」
穂乃果「中は私たち4人でやる!!」 絵里「はああああっ!!」ザシュ
絵里「抵抗するなら迷わず斬るわ、大人しくしなさい」
穂乃果「絵里ちゃん!大丈夫!?このっ!邪魔だよ!!」
絵里「ええ、これくらいなんともないわ」
穂乃果「なるべく捕縛して、無理なら仕方ないけど」
絵里「ええ、わかってるわっ!!」ザシュ ザシュ
穂乃果「下にどんどん逃げてる……上は任せるよ!」バタバタ
絵里「わかったわ!」
絵里「さてと、……二階にいたら無事ですまないと思いなさいっ!」
浪士「くっ、このっ!」
絵里「……」タンッ ザシュザシュザシュ
浪士「っ!?」バタッ
絵里「……私の突きは速いわよ?」 凛「うりゃあああ!!」キン キン
にこ「そっちは大丈夫?」
凛「問題ないよっ!!」
にこ「まったく、数が多いわね……」
穂乃果「にこちゃん、凛ちゃん、私は奥に行くから、ここは任せたよ!!」バタバタ
にこ「ちょっ、まったく局長様が敵の多い方に行ってどうするのよ!」
凛「にこちゃん!凛は中庭にいくよ!!」バタバタ
にこ「あー、もう!まったく……ここは任されたってわけね」
ザシュ
にこ「そこ、私から逃げられると思うんじゃないわよ」
にこ「ここは私が通さない」 穂乃果「おっと、囲まれちゃったか……」
穂乃果「この部屋広いからいいかと思ったんだけどなー」
浪士「近藤だ!斬れ!斬れ!」
穂乃果「まあ狭いところよりいいかな」
浪士「覚悟っ!」ダッ
穂乃果「ん?」
バシュ
穂乃果「……」
浪士「ぐはっ……!」
穂乃果「素直に捕まるなら斬らない、でも今みたいに襲ってくるなら……」
穂乃果「問答無用で斬る!!!」 凛「っ!このっ!」 キン
凛「とりゃあああ!」
ザシュ
凛「はぁはぁ……結構きついにゃ……」
凛「中は大丈夫かな……」
凛「よーし!鉢金付け直して気合を……」
浪士「うおおおおお!」
凛「え?」
バシュ
凛「っ!!このっ!!」ブンッ
ギャアアアッ
凛「痛っ……、や、やっちゃったにゃ……」フラッ にこ「ん?凛!?」
にこ「あんた邪魔よ!!」ザシュ
ギャアアアア
にこ「ちょっと、斬られたの!?」
凛「だ、大丈夫、これくらい……」
にこ「額じゃないの……、あんたは外に出る」
凛「だ、大丈夫だよ、まだ」
にこ「はっきり言うけど邪魔!いいから外に行く!」
凛「……はい」トボトボ
にこ「……ちょっと、鬼の副長さんはまだなの?」
穂乃果「よし、片付いた、……絵里ちゃんは?」
にこ「穂乃果!絵里は!?」
穂乃果「多分まだ二階!」
にこ「行くわよ!そろそろ海未たちも来るでしょ!」
穂乃果「うんっ!!」 絵里「さあ、片付いてきたわよ」
絵里「大物は誰かしら、それとももう斬っちゃった?」
絵里「まあいいわ、覚悟っ!!」
ゴホッ
絵里「……え?ごほっ……」
絵里「なにこれ、血?……私の?」
絵里「ごほっごほっ!!げほっ!」
バタバタ
穂乃果「絵里ちゃんっ!!」
絵里「近藤さん……」フラッ
穂乃果「しっかり!絵里ちゃんっ!!」
にこ「危ないっ!!くっ」キンッ ザシュ
穂乃果「にこちゃん!」
にこ「大丈夫よ、左手にかすっただけ」 絵里「わ、私どうしたのかしら、血がこんなっ……げほっ」
穂乃果「絵里ちゃん!しっかり!」
にこ「穂乃果!心配だけど立って!囲まれる!!」
穂乃果「ここで斬られたりしない……皆で帰るんだ、屯所に……」
にこ「ええ、その意気よ」
穂乃果「!?に、にこちゃん、刀がっ」
にこ「ええ、さすがに折れたわね……、まあ刀ならそこらへんに落ちてるの使うわ!」
ワーワー バタバタ
海未「新選組!全員!突撃!!」
ことり「はああああ!!穂乃果ちゃん、どこ!?……っ、邪魔しないで!!」ザシュ
真姫「走ると危ないわよ?……あなたも私の前に立つのは危ないわよ」バシュ
花陽「抵抗する敵は槍で全員倒します!!」
にこ「……勝ったわね」
穂乃果「……うん」 絵里「はあはあ……」
穂乃果「絵里ちゃん、大丈夫!?」
絵里「え、ええ……、落ち着いたわ……」
海未「無事ですか!?」
穂乃果「海未ちゃん!絵里ちゃんが……」
海未「斬られたのですか!?……これは……」
にこ「斬られてないけど血を吐いたわ、すぐに医者に」
海未「ええ、すぐに」
絵里「大丈夫よ、私は……こんなもの……」
にこ「それから凛が重傷、すぐに運んで」
海未「わかりました、にこ、あなたは……」
にこ「こんなの舐めてれば治るわ、ちょっと疲れたけど」 未「……近藤さん、無事終わりましたよ」
穂乃果「……うん、終わったね」
雪穂『その後、遅れて到着した会津藩などの増援と共に新選組は残りの浪士を捜索』
雪穂『明け方にすべての任務が終了する』
海未「では、屯所に戻りましょう」
穂乃果「皆、お疲れ様」
海未「さあ、近藤さん、胸を張って戻りましょう」
穂乃果「……うん」
海未「これで新選組の時代が来ます、必ず」
穂乃果「……よし、行こう!!皆帰るよ!」
オー!!
雪穂『池田屋事件と呼ばれたこの騒動は倒幕派の志士にとって大きな打撃であった』
雪穂『そして、新選組は歴史の表舞台に立つことになる』 それからしばらくして
穂乃果「結局、戦になっちゃったね……」
海未「こればっかりは仕方ありませんよ」
穂乃果「うん……」
真姫「それにしても長州は動かないわね」
凛「もう退屈にゃー」
海未「凛、あなたは一応怪我人なんですから」
凛「もう大丈夫だよー」
穂乃果「希ちゃんと絵里ちゃんも大丈夫かなー」
海未「絵里はそこまで重症ではないと医者も言ってましたし、希も少し体調を崩しているだけですよ」
穂乃果「うん……」
バーン バーン
花陽「大砲の音!?」
にこ「始まったの!?」
穂乃果「新選組!いくよっ!!」 穂乃果「って着いたけど……」
海未「遅かったですね……」
にこ「ちょっと、もう長州なんていないじゃない!」
穂乃果「次はどこに行ったら……」
花陽「ん?……み、皆あれ!!」
穂乃果「え……、も、燃えてる……?」
海未「急ぎましょう!このままでは御所も……」
穂乃果「全員いくよ!!」
雪穂『のちに禁門の変と呼ばれるこの戦は結果的には幕府の勝利で終わった』
雪穂『しかし、京の町は燃え、新選組は後手後手に回ったのだった』
穂乃果「……私たち勝ったんだよね」
海未「ええ、そうですよ」
穂乃果「こんなに町が燃えちゃったのに勝ったって言えるのかな……」
海未「……仕方ありません、私たちはやるだけのことはやりましたよ」
穂乃果「……うん」
海未「さあ、屯所に戻りましょう」
穂乃果「うん」 数日後
穂乃果「はぁー……」
絵里「近藤さん、最近ずっとあんな感じね」
希「いろいろ大変だったからね、でもえりちがなんともなくてよかったわ」
絵里「私は大丈夫よ、それより希のほうが」
希「うちは大丈夫や」
海未「近藤さん、容保公から渡された褒賞を隊士たちに渡しますよ」
穂乃果「あー……うん」
希「土方君、それはうちがやるよ」
海未「しかし……」
希「こんな穂乃果ちゃん、他の隊士に見せられんやろ」ボソッ
海未「確かに……、ではお願いします」
希「任せて」
穂乃果「あー……」 海未「それではこれより池田屋の反省会を」
凛「えー、今頃そんなことするの!?」
絵里「そうよー、せっかく落ち着いたのに」
凛「でもー」
海未「特に凛ですよ!あんなところで鉢金を外すなんて!」
凛「う……」
海未「まったく無事だったからいいものの、何かあったらこんな風に話すことも……」
凛「ごめんなさい……」
真姫「でも反省会っていうなら、読みを外した副長じゃない?」
海未「うっ」
花陽「四国屋が本命って言われたから気合いいれたのに」
真姫「池田屋って、穂乃果を安全な方にしたつもりが逆でしたって」
海未「そ、それはっ、い、いやー、さすが長州ですねー、裏の裏をかくとは」
ことり「海未ちゃん……」 希「そういや、えりちは池田屋で凄かったみたいやね」
にこ「私は直接見てないけど、上から逃げてきたやつが鬼がいるって言ってたわ、下にも鬼がいたけど」
ことり「そういえば、捕縛した人もありえない突きとかなんとか……」
凛「まさか天然理心流の奥義!?」
海未「そんなの聞いたことないですが……」
絵里「それはそうよ、私が考えたんだから」
花陽「どんな突きなんですか!?」
絵里「その名も、沖田三段突きよ」
真姫「……」
海未「……」
凛「今日の夜の見回りは誰だったかにゃ?」
希「んー、今日は花陽ちゃんやね」」
花陽「え!?あー、忘れてました……」
絵里「ちょっと!なんで無視するのよ!」 にこ「するでしょ!そのださい名前は!」
真姫「自分の名前を技名にするってちょっと恥ずかしいわよ、子供っぽい」
凛「真姫ちゃんに言われたくないと思うにゃ」
真姫「どういう意味よ!」
ことり「え、えっと、ちなみどういう技なの?」
絵里「どういうって、三回突くのよ、速く」
希「なんやろ、そのあっけない感じは……」
海未「あまり凄そうに聞こえないですね」
凛「速くって、例えばこう?」シュッ シュッ シュッ
絵里「んー、まあそんな感じではあるけど……」
にこ「ちょっと道場でやってみなさいよ」 絵里「んー、やってみろと言っても、多分皆も出来ると思うわよ?」
海未「平突きで三回突くんですか?」
絵里「ええ」
にこ「こういうこと?」ダンッ シュッ ダンッ シュッ ダンッ シュッ
花陽「さすが、綺麗な突き」
海未「踏み込みも素晴らしいですね」
絵里「それじゃ遅いわよ」
真姫「遅いって、だって三回突くってこういう……」
絵里「こう、よっ!」ダンッ シュッ
にこ「なっ!?」
凛「は、速いにゃ……」
ことり「う、海未ちゃん、今の見えた?」
海未「踏み込みの音が一回、なのに確実に三回突いてますね、しかもそれぞれの急所に……」
真姫「確かにあの動きが出来るなら防がれても問題ないけど……」
希「よ、予想以上やね……」
絵里「ね?簡単でしょ?皆も」
にこ「で、出来るかー!!」 にこ「……」
穂乃果「にこちゃん、お茶ー」
にこ「自分でやりなさいよ」
穂乃果「えー、面倒くさいよ、局長命令ー」
にこ「はぁ!?なによそれ!」
穂乃果「ねー、お願いー」
にこ「私はあんたの家臣じゃないのよ!!」
穂乃果「むー……」
にこ「最近の穂乃果には頭に来るわ!」
真姫「まあちょっとわがままだけど」
花陽「ほ、本当にこれを提出するの?」
にこ「するわよ!」
雪穂『このような些細なことで俗に言う非行五か条が提出されたとか、されてないとか』 理事長「あまりそういう態度はダメですよ」
穂乃果「はい……」
ことり「まあまあ、ちゃんと謝れば許してくれるよ、ね?」
穂乃果「うん……」
理事長「それから、永倉、斎藤、原田」
にこ「は、はっ!」
理事長「新選組は近藤と皆で作ったのですから、こんな仲たがいをしたら新選組はどうなりますか」
にこ「はい……」
理事長「はい、そしたら仲直りしましょう」
穂乃果「ごめん、にこちゃん」
にこ「こっちもやりすぎたわ」
真姫(容保公、なんだか先生みたいね……) ・・・・・・
・・・・
・・
花陽「人斬りですか?」
海未「はい、町で噂になっているので話くらいは聞いたことがあるかと思いますが」
希「有名どころだと土佐の岡田以蔵あたりやね」
にこ「ん?岡田ってもう捕まったわよね」
希「せやね」
凛「ちょっと前に案外会ってたりして」
真姫「同じ京にいたんだから可能性はあるわね」
絵里「そんな有名人と会ってたらさすがに気づくわよ……ん?以蔵?」 ・・・・・・
・・・・
・・
絵里「京の町もだいぶ慣れたわねー、こんな裏道も覚えちゃったし」
善子「っ、はぁはぁ……」
絵里「どうしたの、あなた、そんなところで」
善子「ちょっと追われてて……、って何奴!?」
絵里「怖がらなくていいわよ、怪しい者じゃないから」
善子「結構怪しいわよ、言葉からしても江戸から来たのかしら?」
絵里「まあそうね、あなたは?」
善子「ふふふ、私こそ、ひとk……じゃなかった以蔵よ、以蔵」 絵里「以蔵さん?」
善子「ええ、ただの以蔵よ。しかし、真の名前は!よ」
絵里「私は総司よ」
善子「最後まで聞きなさいよ!」
絵里「それで、なんで追われてるの?」
善子「ふふ、私の妖気を恐れるあまりに」
絵里「あ、食い逃げとか?」
善子「誰がよ!」
絵里「ほどほどにしたほうがいいわよ?あんまり悪いことをすると私が捕まえちゃうわよ?」
善子「捕まえる?あんたいったい……」
絵里「壬生浪士組よ、またね」
善子(壬生浪士!?あの……、ここで斬っ)
絵里「〜♪」
善子「……ええ、またね」
善子(あんまり人を斬ると最近龍馬がうるさいのよね……はぁ) ・・・・・・
・・・・
・・
絵里「……気のせいね」
希「どうしたん?」
絵里「ううん、なんでも」
花陽「そういえば私も聞いたことがあります、肥後の人斬り彦斎」
にこ「それってあの佐久間象山殿を斬ったとかいう……」
海未「危険ですね、会ったらすぐに逃げたほうがいいです」
凛「急に道端で会ったらたまったもんじゃないにゃ」 ・・・・・・
・・・・
・・
海未「簡単な護衛でしたね」
凛「帰って美味しい物でも食べたいにゃ」
花丸「あのー……」
海未「ん?今誰か……」
花丸「何か食べ物を……」
凛「い、行き倒れにゃ!
海未「ちょ、ちょっとしっかりしてください!」
花丸「いやー助かったずら!あのまま死んじゃうかと」モグモグ
海未「はぁ……」
花丸「あ、おかわりずら!」 凛「あのー」
花丸「まだまだオラの運も捨てたもんじゃないずらね」モグモグ
海未「あなたはいったい」
花丸「この御恩は忘れないずら、ごちそうさま」
海未「ま、待ちなさい!何なのですか、あなたは!」
花丸「名乗るほどの者じゃないずら、あ、お金はないずらよ?」
凛「そもそも期待はしてないけど……」
花丸「あ、お礼に、うーん……」
海未「いいですよ、礼は、行き倒れを見逃したら後味が悪いだけでしたから」
花丸「誰か斬ってほしい人がいたら斬るずらよ?」
凛「……どういう意味かにゃ?」ヒソヒソ
海未「……故郷の冗談か何かでは?それか訛りも強いですし、違う意味なのかも」ヒソヒソ
花丸「?」
海未「と、とりあえず間に合ってますので」
凛「うんうん!」コクコク
花丸「それじゃあ仕事があるので、これで失礼するずらー」 ・・・・・・
・・・・
・・
海未「……まさかですよね」
希「ほら、土方さん、本題」
海未「そうでした、局長から注意がありました」
海未「薩摩の中村半次郎には手を出しちゃダメだよ!危険だからね!、とのことです」
真姫「今の物真似?」
絵里「急に攻めたわね、土方さん」
海未「と、とにかく、とても危険な人物らしいので」
花陽「でも薩摩とは今は私たちは敵対してませんし」
にこ「それもそうね」
希「でもばったり会って諍いになることも」
にこ「絵里や凛は気を付けたほうがいいかもね
真姫「人のこと言える?」
凛「それは二人ともだにゃ……」 にこ「はー、疲れたわー」
真姫「久々に暗殺以外のまともな仕事だったわ」
にこ「あんたね……」
ドンッ
にこ「痛っ、ちょっとどこ見てんのよ!」
ルビィ「ぴぎぃ!ご、ごめんなさいっ!」
真姫「危ないじゃない」
ルビィ「そ、その、人を待たせていて……」
にこ「だからって、もう、物騒な町なんだから気を付けたほうがいいわよ」
真姫「そうね、変な因縁つけられたり」
ルビィ「で、ですよね……つい……」
にこ「私が不逞浪士なら斬ってたわよ!?」
ルビィ「……斬る?」 真姫(ん?何、殺気?)カチャ
にこ「……まあ、私たち新選組はそんなことしないけど」
ルビィ「新選組?」
にこ「まさか新選組を知らないなんて……」
ルビィ「うゅ……」
にこ「何なのよあんたは……」
真姫「ねえ?人を待たせてるんじゃ」
ルビィ「そ、そうでした!し、失礼します!」
ルビィ「西郷さん!待っててくださーい!」
真姫「にこちゃん、あの子の殺気かなり危険だったわよ」
にこ「わかってるわよ、だから途中で煽るのやめたでしょ」
真姫「西郷って言ってたけど、まさか薩摩?」
にこ「薩摩で、あの殺気……まさかね」 穂乃果「隊士募集?江戸で?」
海未「ええ、そろそろこの辺りで新選組に入る人も減ってきたので」
真姫「たまに来るのはどうしようもない浪人だけね」
海未「そこで、江戸で隊士を集めてみてはどうかと」
穂乃果「いいね!江戸には剣術の道場たくさんあるし!すごい強い人が入ってくれるかも!」
希「んー……」
絵里「どうしたの?希?」
希「現状でも脱走する隊士もいるのに、あんまり人を増やして大丈夫かなって」
にこ「だからこそ、集めるんでしょ」
海未「はい、隊をもっと大きく、強くする必要があります」
希「……そっか」
穂乃果「じゃあ早速江戸に!……あれ、凛ちゃんは?」
海未「先に江戸へ行って勧誘をしていますよ」 江戸
凛「おーい!」
穂乃果「凛ちゃーん!!」
凛「長旅ご苦労様にゃ!」
穂乃果「久々の江戸だよー!はー!やっぱりいいねー!」
凛「懐かしがってる場合じゃないの!紹介したい人がいるの!」
穂乃果「紹介したい人?」
凛「うん!すごい人だよ!」
凛「こちら、北辰一刀流の同門で道場主の伊東先生」
ツバサ「伊東甲子太郎よ、よろしく」
凛「それから加納さんに服部さん」
あんじゅ「加納鷲雄よー」
英玲奈「服部武雄だ」
穂乃果「なんか誰かに似て……気のせいかな」 凛「伊藤先生、こちらが新選組局長の近藤さんだにゃ」
穂乃果「は、はじめまして、近藤勇です」
ツバサ「噂には聞いているわ、新選組には前から興味があったの」
穂乃果「本当ですか!?じゃあ……」
ツバサ「ええ、同門の藤堂君の頼みでもあるし、新選組に入ります、よろしく近藤さん」
穂乃果「よろしくお願いします!」
ツバサ「攘夷のため、共に頑張りましょう」
穂乃果「攘夷……、そ、そうですね!がんばりましょう!」 京
穂乃果「ということで、伊東先生たちが新選組に入ってくれました」
ツバサ「伊東です、よろしく」
にこ「また、すごい大物が入ったわね」ボソッ
ことり「う、うん、江戸では有名な道場だもんね……」ボソッ
海未「今回の隊士募集により、隊の編成を行います、近藤さん」
穂乃果「うん、隊の編成で参謀職を増やします、そして参謀には伊東先生に就いてもらいます!」
ツバサ「謹んでお受けするわ」
絵里「あの、のぞ……、山南さんは」
海未「山南さんは今まで通り総長として働いてもらいます」
凛「総長と参謀ってどっちが偉いにゃ?」ボソッ
花陽「さ、さあ……?」
希「……」 ツバサ「山南さん」
希「ん?」
ツバサ「今回の隊の編成は本来であればあなたが参謀になるべきところじゃないかしら」
希「あ、ええんよ、それは」
ツバサ「外様が急に申し訳ないわ」
希「ええって」
ツバサ「新選組にきてわかったわ、尊王攘夷の思想を持った隊と聞いていたけど……」
ツバサ「すっかり佐幕派ね、真に攘夷を考えているのはあなたくらいかしら」
希「そ、そんなことは、……うちは近藤さんのために働くだけや」
ツバサ「あなたは本当にそれでいいの?」
希「……もちろんや」 にこ「ちょっと、いいかしら」
穂乃果「ん?どうしたの?」
にこ「隊の編成のことよ」
穂乃果「え?にこちゃんは2番隊だよ?にこちゃんだから2!」
にこ「ま、まさかそんな理由とはね……、そうじゃなくて!」
穂乃果「え?」
にこ「伊東さんのことよ、どういうつもり、新参者をいきなり参謀なんて、実質副長と同格でしょ」
穂乃果「え、えっと、伊東さんは剣術も頭すごい良くて……」
にこ「それは山南さんもでしょ、絵里は直接言わないとは思うけど同じ気持ちよ」
穂乃果「う、うん……」
にこ「このままだと……」
海未「隊の編成を決めたのは私です、不満があれば私に」
にこ「……別にいいわよ、鬼の副長さんに言っても考え直す気はないでしょ」スタスタ
穂乃果「……」シュン
ことり「海未ちゃん、あんな言い方」
海未「……伊東の出方には常に注意するつもりです、だからこそ近くに置きたかった」
ことり「ちゃんと言おうよぉ」 さらに数日後
穂乃果「えっと、人もだいぶ増えてきたので屯所を移そうと思っています!」
凛「えー!」
花陽「私はここがいいなー……」
あんじゅ「なんでよ、ここは狭いじゃない?」
海未「結成当時からいる隊士は思い入れもあるでしょうが、さすがにそろそろ限界です」
穂乃果「そこで!屯所を西本願寺にしようと思います!」
希「!?」
ツバサ「近藤さん、どうしてそこなの?」
穂乃果「えーっと、なんだっけ」
海未「あの寺は長州とのつながりが噂されていますから、今はどうか知りませんが」
ツバサ「監視も含めてというわけね」
希「で、でも、さすがにそれは……」
ツバサ「考えとしては合理的ね」
希「……」 凛「最近、穂乃果ちゃんたち強引すぎないかにゃー?」
真姫「そう?いつもあんな感じでしょ」
花陽「うーん、でも引っ張ってくれて助かるけど……」
希(このままじゃ……、うちはええけど、新選組が……)
希(幹部からも不満が出るようなことじゃ……)
英玲奈「困ったものだな」
希「え?」
英玲奈「局長、副長があれでは、隊士から不満が出て、下剋上でもされなければいいが」
ツバサ「こらこら、物騒なことは言うものじゃないわ」 希(……穂乃果ちゃんも芹沢さんたちみたいに……)
希(あかんよ、これじゃ……)
絵里「希?」
希「えりち、どうしたん?」
絵里「ううん、大丈夫かなって」
希「あはは……、うん、うちは大丈夫や」
絵里「新選組いろんな人が入ってきちゃったから、なんか大変だけどがんばりましょう?」
希「……せやね」
絵里「その前に、希がちゃんと身体治してね、まだあんまりよくないんでしょ?」
希「う、うん……」
絵里「じゃあ見回り行ってくるわね」
希「うん、気を付けて」
希(最近刀もろくに持ってないな……)
希(うちに今できること……) 雪穂『浪士組が京に来てちょうど2年経ったある日』
絵里「……希?希ー?」
真姫「どうしたのよ」
絵里「真姫、希がいないの……」
真姫「どこかに見回りとかじゃなくて?」
絵里「一人でそんなこと……」
にこ「ちょっと、希の荷物全部なくなってるわよ!?」
絵里「!?」 海未「希が脱走……」
絵里「まだわからないわ!」
あんじゅ「でも荷物は全部なくて、黙っていなくなる、これを脱走って言うんじゃないのー?」
ツバサ「何か思うところあったんでしょうね」
穂乃果「そんな……希ちゃん……」
ツバサ「どうしますか、近藤さん、土方さん」
海未「……脱走は、切腹です」
絵里「待ってよ!希よ!?ずっと私たちと一緒にいた!!」
海未「幹部だから切腹を免れるということでは示しがつきません」
花陽「そんな……」
にこ「なにやってるのよ、あのバカは……!!」
絵里「近藤さん!近藤さんなんとか言ってよ!ねえ!!」 穂乃果「……」
海未「近藤さん、辛いですが」
絵里「土方さんは何も言わないで!」
穂乃果「……脱走者は切腹、だよ」
絵里「そんな……」
ツバサ「……では追手は私が用意します」
穂乃果「追手は沖田君に任せます」
絵里「え?」
穂乃果「すぐに出れるし、沖田君一人に任せます」
海未「……異論ありません」
ツバサ「あまりいい人選とは……」
穂乃果「局長の、私の判断です、伊東先生、何か問題でも?」
ツバサ「……いえ」 絵里「私、一人で?」
穂乃果「大津を超えたらもうどっちに行ったかわからないから、それまでに見つけてくるように」
絵里「大津」
穂乃果「そう、大津まで」
海未「大津で追いつけないようなら、戻ってくる、いいですね」
絵里「……はい」
にこ「絵里、本当に行く気?」
絵里「ええ、命令だもの」
真姫「大津まで、ね」
絵里「ええ」バタバタ
にこ「……大津を越えてることを祈るしかないわね」
真姫「さすがにもう越えてるわよ」
にこ「……それで絵里一人に任せるのね」
真姫「立場って面倒ね」
にこ「……ええ」 絵里(お願い、もう大津を越えていて、お願い!!)
絵里(希……)
大津
絵里「はあはあ……」
希「やっぱり、えりちが来たんやね」
絵里「希……」
希「近藤さんも土方さんもこういうところが甘いなー」
絵里「なんで、なんで大津なんかで宿をとってるのよ!?」
希「ちょっと疲れちゃって」
絵里「……お願い、逃げて」
希「そうはいかんよ、人に見られてる、逃がしたなんて知られたら」
絵里「いいから!逃げてよ!!」
希「戻ろ?屯所に」
絵里「……希」 屯所
にこ「な、なにしてんよ!?あんた!?」
絵里「……」
にこ「あんただって意図がわからないわけじゃ!」
希「にこっち、えりちを怒らんとって」
にこ「希、まさかあんたわざと」
穂乃果「え……の、希ちゃん?」
希「近藤さん、ご迷惑をおかけしました」
海未「希!?……しっかり、捕らえたのですね、沖田君よくやりました」
絵里「はいっ……」ギリッ
穂乃果「とりあえず山南さんは、牢へ……」
希「うん、わかっとるよ」
海未「……っ」 ・・・・・・
・・・・
・・
にこ「希、希!」
希「どうしたん?にこっち、こんなところに」
にこ「逃げなさい、今なら誰も見てないわ」
希「ありがとう、でも逃げないよ」
にこ「なんでよ!?あんた、死ぬのよ!?」
希「うん、わかってる」
にこ「じゃあなんで……」
希「これが、今うちに出来ることやから」
にこ「なによ、それ……」 真姫「にこちゃん、もうそこまでよ」
花陽「……」
凛「……」
にこ「だって!このままじゃ!」
真姫「山南さんは覚悟を決めてるのよ、永倉君!」
にこ「っ……、このっ……!」
花陽「にこちゃん、いこ……」
凛「……希ちゃん……ぐすっ……」
希「皆が来てくれてうちは嬉しいよ、ありがと」 穂乃果「……」
海未「……近藤さん、介錯のことですが」
穂乃果「……」
海未「……穂乃果」
穂乃果「……うん」
ことり「失礼します」
海未「……井上君」
ことり「山南さんの介錯、私がやります……」
海未「……ダメです」
ことり「他に、誰が出来るの……?」
ツバサ「よければ服部にやらせますが?」
海未「あなたは黙ってていただきたい!!」
ツバサ「……」
穂乃果「……井上君、お願いします」
ことり「……謹んで」 希(うちが切腹することで、幹部にも法度が適用されるってわかるはず)
希(これで新選組は本当に鉄の掟で結ばれる)
希(穂乃果ちゃんたちの強引なやり方も少しは落ち着くかもしれない)
希(病も治る気配がないし、これがうちに出来る最期の仕事や)
穂乃果「……山南さん」
希「はい」
穂乃果「法度により、切腹を命じます」
希「謹んでお受けします」
ことり「……介錯は、私が」
海未「……」
希「……ありがとう、でも介錯は沖田君に」
絵里「……え?」 真姫「……待って、それなら私が」
希「沖田君に介錯を」
海未「……し、しかし」
絵里「……私が……?」
ことり「ダメ、頼まれたのは私で!」
希「最後の我儘です、局長」
絵里「……」
穂乃果「介錯は……っ、沖田君に……っ」 ・・・・・・
・・・・
・・
希「局長さん、副長さんも見届けるの?恥ずかしいやん」
穂乃果「……」
海未「……」
希「えりち、じゃあお願いね」
絵里「……嫌、やっぱり嫌!!近藤さん!お願い!希を許してあげて!!」
海未「沖田君!!……それはもう出来ません」
穂乃果「……」ギリッ
希「せやで、わがままはあかんよ」
絵里「なんで、なんでこんな!」 希「新選組はこれからもっと強くなる、うちらの夢や、こんなところで終わらせちゃダメ」
希「新選組を任せたよ、穂乃果ちゃん、海未ちゃん」
海未「……」コクン
穂乃果「……」コクコク
希「またみんなで何か出来たらええね」
希「そしたらもっと楽しいことを……」
希「生まれ変わりとかあるなら、その時はうちが皆を集めるよ」
希「多分、誰も覚えてないと思うから」
希「……ほなね」ドスッ
希「ぐっ……まだやで……」
絵里「……」
希「……っ、え、えりち、お願い……」
絵里「……っ」
バサッ ツバサ「山南さんは残念でした、惜しい人でしたね」
穂乃果「……」
海未「……」
ツバサ「では、失礼します」
バタンッ
穂乃果「……」
海未「……」
穂乃果「うっ、……うわぁぁぁん、希ちゃんっ、希ちゃんっ」
海未「ごめんなさいっ、希、ごめんなさいっ……」ボロボロ
穂乃果「いやだよぉ、こんなのいやだぁぁぁぁぁ」
海未「希ぃ……、希ぃ……」
穂乃果「死んじゃ嫌だぁぁぁ……」
海未「ひぐっ……あ、あ、あ……あぁぁぁ……」
雪穂『新選組総長山南敬助、切腹』 西本願寺
海未「そこはそっちに運ぶように」
海未「あとは……」
穂乃果「広いね、ここのお寺」
海未「ええ、ここなら訓練もたくさん出来ますね」
穂乃果「中も見てくるよ」
海未「ええ、怠けている隊士がいたらしっかり働くよう言ってください」
穂乃果「はーい」
海未「……ここからもっと大きな組織にしてみせます、新選組の名をもっと」 海未「では、今日もよろしくお願いします」
真姫「わかったわ」
真姫「はぁ……」
ことり「お疲れさま、今日もいつもの?」
真姫「ええ、最近暗殺やら粛清ばかりよ」
ことり「大変だね……」
真姫「あなただって、そんなのばかりでしょ」
ことり「う、うん、まあ」
真姫「まあ表だった仕事は苦手だから、そういうのはにこちゃんあたりに任せるけど」
ことり「お互い汚れ役、だね」
真姫「そうでもないわよ、ことりは交渉役としての仕事もあるんだし」
真姫「私には剣の腕しかないから」
ことり「人をたくさん斬っちゃったね……」
真姫「お互いね」 花陽「京の町もだいぶ覚えてきたね」
凛「うん、裏道とか、かなり覚えたにゃ」
花陽「そういえば、あっちに美味しいお店があるんだよ」
凛「そうなの!?まだ行ったことないにゃー」
ミカ「あ、あの、会話に華が咲いているところ申し訳ないのですが……」
花陽「は、はい、なんでしょう?」
ミカ「ここが、長州が潜伏しているという宿でして……」
凛「あ、ここかー、じゃあさっさとやって美味しいもの食べに行くにゃー!」
花陽「おー!」
ミカ「だ、大丈夫かな……」 穂乃果「じゃあ行ってくるね」
海未「はい、お気をつけて」
凛「あれ?穂乃果ちゃん、どっか行くの?」
にこ「広島よ、あんた聞いてなかったの?」
凛「そうだっけ?」
花陽「うん、長州征伐のために、幕府の、えっと、永井様と一緒に」
ことり「かなり危険だけど、うまくいけばすごいことなんだよ」
凛「へー」
海未「では、尾形君、近藤さんを任せましたよ」
フミコ「はい、任せてください」
ツバサ「あら、私もいるんだけど?」
英玲奈「私もいるんだ、問題ないだろう」
海未「お二人の腕は疑ってませんよ」
海未(万が一の時は尾形のほうが信頼できます、山崎もしっかり見張っていてくださいね)
ミカ「……」コクリ 穂乃果「帰りにみんなにとんど饅頭買わないとね!」
フミコ「いや、あの……」
穂乃果「あれ?なんか美味しいって聞いたよ?」
フミコ「そうではなくて!遊びに行くのではないのですよ!」
穂乃果「わかってるよー……」
フミコ「まったく……」
ツバサ「ふふ、普段は局長とは思えないわね」
穂乃果「あはは……お恥ずかしいところを」
ツバサ「そのあたりが人を惹きつけるのかしら」
穂乃果「多分しっかりしてないから、皆が支えてくれるのかなーって」
フミコ「しっかりしてください、お願いですから」
穂乃果「はい」 京
海未「さて、次は……、穂乃果、例の件ですが、あ……そういえばいないでしたっけ……」
ことり「海未ちゃん、今後の見回りのことなんだけど」
海未「はい、そうですね、穂乃果はどう思いますか?……あ」
真姫「なによ、あれ」
凛「穂乃果ちゃんが広島行ってからずっとあんな感じにゃー」
にこ「あれはひどいわね……」
花陽「寂しいんだね、きっと」
真姫「副長があんなじゃ、支障が出るんじゃない?」
凛「あ、そこはことりちゃんがしっかりやってるにゃ」
真姫「……なるほど」
ことり「だからね、ここがこうであーで」
海未「そ、そうでしたね」 雪穂『近藤たちは広島まで行くも長州に入ることは出来ず、監察方を残し京へと戻ることになった』
穂乃果「はぁ……」
ツバサ「こればっかりは仕方ないわ」
英玲奈「そうだな、あとは山崎たちに任せよう」
穂乃果「……お土産買いにいこ?」
フミコ「……そうですね」
ツバサ「付き合うわ」
穂乃果「……はぁ」 海未「今回の件は残念でしたね」モグモグ
穂乃果「うん」モグモグ
ツバサ「まあまだ機会はあると思うけど」モグモグ
海未「ええ、おそらくは」モグモグ
ツバサ「でもそこまでして、幕府に従う必要はあるのかしら」モグモグ
穂乃果「え?だって、私たち幕府があってこそ、活動できてるわけだし」モグモグ
ツバサ「攘夷を行うには別にそこまで従う必要はないと思うけど」モグモグ
穂乃果「んー、でも……」モグモグ
海未「新選組はあくまで会津、容保公の命に従うのですから、仕方ありませんよ」モグモグ
ツバサ「そう……、まあそうね」モグモグ
穂乃果「次はいつかなー」モグモグ
雪穂『次の機会は早く、約1年後に訪れた』 穂乃果「再び!広島!」
フミコ「今回もお供しますよ」
ツバサ「土方さん、留守は任せました」
英玲奈「護衛は私がいるから安心しろ」
海未「はい、どうぞご無事で」
凛「またダメダメ副長が始まるにゃー」
花陽「しー!聞こえるよ!」
真姫「もう聞こえてるみたいよ」
凛「あー……、また夜の見回り8番隊になるにゃ……」 穂乃果「愛してるばんざーい♪」
フミコ「ご機嫌ですね」
穂乃果「いやー、広島結構好きなんだよねー」
フミコ「ええ、そうですね」
ツバサ「近藤さん」
穂乃果「なーに?」
ツバサ「無事、広島に着いたことだし、私たちは別行動をとりたいんだけど」
穂乃果「え?」
ツバサ「警護任務は果たしたのだし、問題ないと思うけど」
フミコ「そんな勝手な!」
ツバサ「なに?尾形君?」
フミコ「い、いえ……」
穂乃果「んー、まあ少しなら」
ツバサ「ありがとうございます、行くわよ、服部 英玲奈「そろそろですか」
ツバサ「ええ、新選組は幕府の犬、時勢には乗れない集団よ」
英玲奈「では……」
ツバサ「ええ、新選組から出るわ、脱走ではなく堂々とね」
英玲奈「脱退ということですね」
ツバサ「そうね、もちろん、餞別はいただくつもりよ」
英玲奈「藤堂は話せば来るでしょうね」
ツバサ「ええ、あと何人か手練れが欲しいわ、後のことも考えて幹部をね」
英玲奈「と、すると……」
ツバサ「斎藤、永倉は来るかもね、あとはうまくいけば原田」
英玲奈「武田あたりも来るのでは、最近新選組で居場所がないようですし」
ツバサ「あー、あの人はいらないわ、本当なら沖田が欲しいけど無理でしょうね」
英玲奈「あとは井上……」
ツバサ「来るわけがないわ、近藤への忠誠は沖田と同じくらいよ」
英玲奈「では、京に戻り次第動きますか」
ツバサ「ええ、楽しみね」 雪穂『その後、長州征伐は幕府が敗北、世の流れは長州という雰囲気が漂う』
花陽「制札が?」
穂乃果「うん、長州は朝敵とする制札が何者かに斬られてて……」
海未「幕府の立てた札を斬るとはとんでもないことです」
穂乃果「そこで、犯人と捕まえてほしいんだ」
花陽「……え、私が?」
穂乃果「うん、花陽ちゃんが隊を率いてほしいの」
花陽「え、えええええ」
海未「よろしくお願いしますね」
花陽「張り込みかぁ……、この中だと私が一番偉いんだから頑張らないと!」
花陽「でも大丈夫かなー……」
隊士「原田さん、現れました!」
花陽「は、はい!全員、別動隊と一緒に挟み撃ちです!」
隊士一同「おー!!」 花陽「新選組、原田左之助です!おとなしくしなさい!!」
花陽「刃向かうなら、槍で倒します!!」
ブンブン
花陽「てやあああああああああ!!」
隊士「捕らえろー!!」
花陽「てやああああ!!」
隊士「は、原田さん!危ないですから!!」
花陽「あ、ごめんなさい」 雪穂『その後、ある大きな出来事が起きる』
果南「……」
ダイヤ「……」
千歌「と、まあ皆さん揃ったところで!」
果南「本当に、ようやくね」
ダイヤ「何か言いたいことでも桂さん?木戸さんでしたかしら?」
果南「なんでもいいよ、西郷さん」
曜「な、なんかすごい険悪だけど……」ヒソヒソ
千歌「だ、大丈夫だよ、中岡さん」ヒソヒソ
ダイヤ「とりあえず、長州征伐があっても薩摩は兵を出さない、それでよろしいのでしょうか?」
果南「……」
ダイヤ「では以上で」
千歌「もうー!お互い意地を張らないでよ!」 曜「りょ、龍馬さん」
千歌「長州が助けてー!って言えないのもわかるけどそれじゃあ助けてもらえないよ!?」
果南「う……」
千歌「西郷さんも!長州から言い出せないことわかるでしょ!意地悪しない!」
ダイヤ「む……」
千歌「ほら!」
ダイヤ「……わかりました、何かあれば支援を、ただし必ず勝ちなさい、いいですわね?」
果南「恩に着るよ、任せて」
千歌「はい、そしたらシェイクハンドぜよ!」 千歌「いやー、なんとかなったね」
曜「ハラハラした……」
鞠莉「シャイニー!どうやら話はまとまったようデスねー」
千歌「グラバーさんが助言をくれたおかげだよー」
鞠莉「ノー!これも龍馬の人柄よ」
千歌「えへへ」
鞠莉「でもこの噂は必ず広がりマース、ということで龍馬はエスケープしたほうがいいでしょう」
千歌「んー、一応隠れたほうがいいかな」
曜「だね、用心はしておこうよ」
千歌「うん、それじゃあグラバーさん、またいい商売しようねー」
鞠莉「オフコース♪」
曜「この後はどうするの?」
千歌「このままだと戦争になっちゃうから、なんとか手を打つよ」
曜「大丈夫?薩摩と長州は討幕する気満々だと思うけど」
千歌「ふっふっふっ、奥の手があるのだ」 鞠莉(これでうまく薩摩と長州で討幕に動いてくれればまた武器が売れる)
鞠莉(ふふ、うまく儲けないと)
鞠莉(龍馬、あなたの志は思っている以上に敵を作りますよ?)
雪穂『これが俗に薩長同盟と呼ばれるものである、世の中は討幕へと動いていく、そんな中』 凛「新選組を……?」
ツバサ「ええ、今の新選組では真の攘夷を果たせない」
凛「え、えっと、そういう難しいことは……」
ツバサ「私は新選組とは別に御陵衛士という隊を作るつもりよ」
英玲奈「お前も共に来い、藤堂」
あんじゅ「同門のあなたを伊東先生は是非誘いたいとのことよ」
凛「……でも、新選組は……」
ツバサ「こんな狭いところにいるべきじゃない、あなたはもっと大きなことが出来るはずよ」
ツバサ「お願い、力を貸して」
凛「……わかり、ました」 海未「このような時期ですが、入隊してくれた隊士です」
穂乃果「おー!それはうれしいね!」
雪穂「相馬主計と申します、長州征伐で幕府軍として参加しておりました」
穂乃果「そっか、大変だったね……」
雪穂「いえ、今後は新選組として幕府のために働きたいです」
穂乃果「うん、よろしくね!」
海未「よろしくお願いします」
雪穂「はい!」 にこ「新選組を抜けろ?」
真姫「……」
ツバサ「ええ、少なからず、あなたたちも今の新選組、近藤のやり方には不満はあるはず」
にこ「ま、まあそうだけど」
英玲奈「何も脱走というわけではない、穏便に、真の攘夷のため分隊ということだ」
にこ「……」
ツバサ「どうかしら、悪い話じゃないわ」
真姫「……そうね、悪い話じゃないわ」
にこ「ちょっと!」
真姫「どうせ他にも声をかけてるんでしょ」
あんじゅ「藤堂は共に行くわ」
真姫「……そう」 バサ「近藤さん、土方さんのやり方はおかしいと思わない?」
にこ「そうね、あの二人は少し強引よ」
ツバサ「なら」
にこ「でもね、それ以上に二人に恩がある、同志として、江戸を出たことを私は忘れない」
にこ「この話はお断りするわ」
ツバサ「……そう、残念ね」
英玲奈「来ませんか、永倉は」
ツバサ「ええ」
あんじゅ「本当に新選組を抜けるの?」
ツバサ「……何をいまさら、まさか一緒にいて情でも移った?」
あんじゅ「そんなことは……」
英玲奈「妙なことを言い出すな」
あんじゅ「……ええ」 ・・・・・・
・・・・
・・
にこ「まさかあんたが誘いに乗るとはね」
真姫「そう?意外でもないでしょ」
にこ「出来れば最後まで一緒に戦いたかったわ」
真姫「……」
真姫「……そのつもりよ」 海未「脱退!?」
ツバサ「ええ、私たちは新選組とは別に行動したいの」
海未「そんな勝手な!」
ツバサ「そのほうが長州と薩摩を監視できる」
海未「しかも隊士をこれだけ連れて……」
あんじゅ「これ以上新選組から引き抜くことはしないわ」
海未「当たり前です」
あんじゅ「ただし、御陵衛士から新選組の復帰も認めない、どうかしら?」
海未「……っ、しかし」
穂乃果「……どうしても、出ていくの?」
ツバサ「ええ、すでに同意してくれた隊士もいるわ」
穂乃果「……仕方ないね」
海未「近藤さん!」
穂乃果「このままここに留めておくのは無理だよ」
海未「……」
ツバサ「ありがとうございます、斎藤君、藤堂君も私に賛同してくれましたので」
穂乃果「真姫ちゃん、凛ちゃん……」 凛「長い間お世話になりました」
穂乃果「うん、ありがとうね、今まで」
凛「穂乃果ちゃんたちのこと大好きだけど、やっぱり伊東先生についていくよ」
穂乃果「……そっか」
凛「本当に!本当に!ありがとうございました!!」
穂乃果「元気でね、ぐすっ、ちゃんとご飯食べてね……」
凛「うんっ……」
海未「あなたも出るとは驚きですね、真姫」
真姫「そうかしら……ちょっといい?」
海未「なんでしょう?」
真姫「……大事なこと」 凛「長い間お世話になりました」
穂乃果「うん、ありがとうね、今まで」
凛「穂乃果ちゃんたちのこと大好きだけど、やっぱり伊東先生についていくよ」
穂乃果「……そっか」
凛「本当に!本当に!ありがとうございました!!」
穂乃果「元気でね、ぐすっ、ちゃんとご飯食べてね……」
凛「うんっ……」
海未「あなたも出るとは驚きですね、真姫」
真姫「そうかしら……ちょっといい?」
海未「なんでしょう?」
真姫「……大事なこと」 雪穂『斎藤、藤堂が新選組を抜けてから、しばらくした後』
穂乃果「ほ、本当ですか……!!」
理事長「はい、よく働いてくれましたからね」
穂乃果「あ、あ……!!!」
穂乃果「みんなー!!!」
海未「ど、どうしたのですか、帰って早々……」
穂乃果「集合!全員集合!!」
海未「は、はい」
穂乃果「えーみなさん、なんとなんと……」
にこ「もう早く言いなさいよ、どうせ大したことじゃ」
穂乃果「新選組が幕臣にお取り立てされました!!」 にこ「え」
海未「い、今なんと……」
穂乃果「これより新選組隊士は全員幕臣!私は御目見得以上の旗本だよ!!」
にこ「お、おおおおお!」
花陽「すごい!すごい!!」
絵里「え、これすごいことなの?」
ことり「とんでもないことだよ!!」
海未「や、やった……やりました……!!!」
穂乃果「海未ちゃん!」
海未「穂乃果!!」
穂乃果「ばんざーい!ばんざーい!」
雪穂『これこそが幕府の力が弱まった象徴的な出来事だが、近藤らは大いに喜んだという』 雪穂『その後慶応三年十月』
穂乃果「たいせーほーかん?」
花陽「なんでしょう?」
海未「え、えーっと、にこ、説明お願いします」
にこ「私!?仕方ないわね……」
にこ「政権を朝廷に返還したのよ、徳川がね」
穂乃果「えっと……、それで?」
にこ「あ、あのねぇ……、今この国を動かしているのは!」
花陽「徳川家ですよね」
にこ「じゃあその前は!」
海未「それは天子様ですよね」
にこ「つまり!今!そうなったのよ!慶喜公が政権を朝廷に返したの!」
穂乃果「……ええええええええええ!?」 穂乃果「ど、ど、どうしよう!?海未ちゃん!」
海未「お、落ち着きましょう、と、とにかく」
花陽「あわわわわ……」
にこ「もう少し勉強しなさいよ、あんたたちは」
花陽「やっと幕臣になれたのに……」
にこ「それでも徳川がなくなるわけじゃない、私たちは京を守る、でしょ?」
海未「そ、そうですね」
穂乃果「んー……」
にこ「なに?まだ質問?」
穂乃果「これって長州とかはどうする気なんだろうって」
海未「というと?」
穂乃果「だって長州とかがやりたかったことを先にやっちゃったってことだよね?」
にこ「……まあ確かに」
穂乃果「これって長州が幕府と戦う意味もうないんじゃないの?」
にこ「……あんたたまに冴えてるわね」 ルビィ「さ、西郷さん!」
ダイヤ「やられましたわ!まさかこんなことを!!」
果南「せっかく討幕に動くって時に!」
果南「まさかこんなことを……!!」
鞠莉(これは予想外でしたね、徳川がこんなことを自分たちで思いつくとは思いませんし)
ダイヤ「やられましたわ、龍馬に……!」
果南「坂本龍馬!」
鞠莉(ちょっとやりすぎですよ、龍馬)
雪穂『大政奉還、龍馬が仕掛けたとするこの出来事はこの国の大きな転機となった』 雪穂『そして翌月、近江屋』
龍馬「これできっとうまくいくね」
曜「でもここから大変だよ?」
龍馬「大変なことは任せて、私は外国にでも行こうかなー」
曜「ずるいなー」
龍馬「もっと世界を見たいんだよ!広い広い世界を!」
曜「楽しそうだね」
龍馬「うん!」
バタバタ ガラッ
曜「!?」
龍馬「まずいっ!」
バサッ ズシャ
曜「……りょ、龍馬さん、……龍馬さんっ……」
千歌「あ、はは……、残念、だな……」バタッ
雪穂『坂本龍馬、中岡慎太郎、暗殺』 ことり「穂乃果ちゃん!」
穂乃果「どうしたの?ことりちゃん」
ことり「幕府の人が……」
穂乃果「お待たせしました、話は聞きましたが……」
幕臣「ではわかってるな、新選組の原田左之助を坂本龍馬殺害の下手人とみている」
花陽「わ、私ですか!?」
穂乃果「あの、何かの間違いじゃ」
幕臣「下手人は伊予訛り、それから鞘が落ちていた」
花陽「そ、そんな違います!坂本龍馬と言われても顔も知りません!」
幕臣「御陵衛士の者がこの鞘は原田だと、原田ならそれくらいの腕もあると証言してる」
穂乃果「御陵衛士が?」
花陽「絶対に違います!」
穂乃果「……伊東先生、どういうつもり……」 ツバサ「……どうしてうまくいかないの!!」
英玲奈「先生、落ち着いて」
ツバサ「私は尊王攘夷のために活動したいのに!!どこへ行っても新選組の名が付きまとう!!」
あんじゅ「でも、こればかりは……」
ツバサ「御陵衛士よ!私たちは!!」
英玲奈「……」
ツバサ「原田も捕まってないようね」
あんじゅ「ええ、さすがに無理だったみたい」
ツバサ「……いっそ……」
ツバサ「そうだわ、新選組を消せば!いいえ乗っ取ってしまえばいいのよ!」
英玲奈「まさか……」
ツバサ「……近藤を斬るわ、斎藤を呼んできて」
あんじゅ「そ、それは……」
英玲奈「……」 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています