曜(25)「千歌ちゃんの結婚式」
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曜の部屋
梨子(24)「曜ちゃん起きて」ユサユサ
曜(25)「ん……んん……」
曜「……なんで梨子ちゃんが私の家に?」
梨子「もう、自分が呼んだんでしょ」
曜「え?」
梨子「引き摺ってでも連れて行ってって」
曜「あ……」
梨子「朝ご飯もうすぐできるから」
曜(そうだ……今日は……)
曜(千歌ちゃんの結婚式だ) あぁぁぁぁ
梨子も花婿も含めみんな幸せになって欲しいのは俺だけだろうか 45450721巡目
「なぜ..なぜ結局オタクになるんだ!」
「曜。出来たわよ」キュッ
「曜?」
曜「……っ!」
曜「あ……あぁ。うん」
曜ママ「もう。シャキッとしなさい」
曜パパ「曜。よく似合ってるぞ」
曜ママ「ほんと。若い頃のあなたに似て格好いいわ」
曜「…………ありがとう。パパ、ママ」ウルウル
曜ママ「なに泣きそうになってるのよ」
曜(私は戻ってきた。八年前から)
曜「だって……」
曜(この格好。この場所。この日に)
曜「本当にこの日が来たんだって……」
曜(奇跡は……)
曜「私と……」
曜(起きたんだ……!)
曜「千歌ちゃんの結婚式――――」 広場
善子「お、来たわね」
花丸「こっちこっちー」フリフリ
ダイヤ「お二人ともお久しぶりです」
ルビィ「久しぶりヨハネちゃん、花丸ちゃん」
善子「ちょっと! その名前で呼ぶなっていつも言ってるでしょ!」
ルビィ「え〜? 昔はいつもそう呼べって言ってたじゃん」
善子「昔は昔! この歳になってヨハネなんて痛すぎるわよ!」
花丸「昔も十分痛かったけどね」
善子「は〜な〜ま〜る〜?」
善子「アンタなんて未だに――」
鞠莉「ハロー♪」
ダイヤ「あら、鞠莉さん」
ダイヤ「あなた仕事で遅くなるかもって」
鞠莉「そんなもんほっぽり出して来たわよ」
鞠莉「あの二人の結婚式」
鞠莉「見逃したら一生後悔するもの」
ダイヤ「ふふっ。それもそうですわね」 善子「これで全員揃ったわね」
ダイヤ「果南さんと梨子さんは?」
善子「先に中入ってるわ」
ダイヤ「そうですか」
ルビィ「Aqoursが揃うなんていつぶりだろうね」
ダイヤ「そうね……。この歳にもなると九人で会うのはこういう機会でもないと」
善子「ほんとよ。あの二人が結婚するせいで私達が集まれる回数が一回減っちゃったわ」
花丸「善子ちゃん、そんなにみんなと会いたいずらか〜?」
善子「会いたいに決まってるでしょ」
花丸「およ」
善子「みんなには……感謝してるんだからっ」
ダイヤ「この素直さが、あの頃にほしかったですわね」
鞠莉「生意気な後輩だったものね〜」
善子「何よ! 人がせっかく感謝してあげてるのに!」
ルビィ「善子ちゃんは昔から素直で良い子だよ!」
善子「だからヨハネよ!」
善子「あっ」
プッ
アハハハハハハ
モーワラウナー!
――――
―― 曜ママ「ふふ、やっと実感湧いてきたの?」
曜「うん……本当に私……結婚するんだなって……」
曜パパ「……そうだな」
曜「…………ねぇパパ」
曜パパ「なんだ」
曜「私、千歌ちゃんと結婚します」
曜(八年前では言えなかったから)
曜(私は直接言えてないから)
曜パパ「何を今更……」
曜パパ「まさか……まだ気にしてるのか?」
曜「気にしてないって言ったら嘘になると思う……」
曜パパ「そうか……」
曜パパ「一つ。話をしよう」 曜パパ「結婚相手は世界で一番好きな人ではなく、二番目に好きな人を選んだ方がいい」
曜パパ「よく、そんなことが言われている。曜も聞いたことがあるだろ?」
曜「うん……」
曜パパ「だが、父さんはそうは思わない」
曜パパ「なぜだか、わかるか?」
曜「…………ママと結婚したから?」
曜パパ「そうだ」
曜パパ「父さんと母さんは、世界で一番好きな人と結婚した」
曜パパ「だから曜も」
曜パパ「世界で一番好きな人と結婚していいんだぞ」
曜「うんっ……」ポロポロ 曜(やっぱりパパはすごい……)
曜(私の……世界で一番かっこいい人)
曜ママ「ちょっとあなた、泣かせないでよ」スッ
曜ママ「ほら、曜。下向いて。涙拭くから」
曜「うんっ……」
曜(ママは私の……世界で一番優しい人)
曜パパ「泣くにはまだ早いぞ、曜」
曜「そうだよね……」
曜パパ「式にはまだ時間がある」
曜パパ「行ってきなさい」
曜ママ「はいっ。これでヨシ」
曜「ありがとう……パパ、ママ」
曜「行ってくる!」
曜(私の。世界で一番大好きな人の元へ) バタン
曜「……」
「素敵なご両親だな」
曜「!」
曜「妖精さん!」
妖精「よっ」
曜「かるっ!」ズコー
妖精「感動の再会。というわけでもなかろう」
曜「いやでも……あんな別れ方したのに……」
妖精「俺は信じていたからな」
妖精「お前と再び出会うのを」
曜「妖精さん……」 妖精「それにしても」
妖精「プロポーズするために戻った人間が」
妖精「逆にプロポーズされるとはな……ククッ」
曜「うっ……」
妖精「最後まで情けない奴だ」
妖精「だが……」
妖精「だからこそ。扉が開いたのかもしれんな」
妖精「お前が鍵を開け、彼女が扉を開く」
妖精「そんなところまで『あの二人』と同じとは」
妖精「つくづく運命とは不思議なものだ」
曜「あの二人って……私が似てるっていう?」
妖精「ああ。お前によく似た『あの男』のことだ」
曜「私、会ってみたいです。私と同じ旅をした……その人に」
妖精「会えるさ」
妖精「会いたいと願っていれば……いつか」
妖精「俺とお前が。また出会えたように」
曜「……はい!」 妖精「引き止めて悪かったな」
曜「いえ……」
曜「会えて……またこうやって話せて、本当に、嬉しいです……」
曜「妖精さん……」
曜「本当に。ありがとうございました!」スッ
曜「このご恩は……一生忘れません!!」
妖精「……礼を言うのは俺の方だ」
妖精「久々に良いモノが見れた」
妖精「さぁ行け」
妖精「彼女の元へ。お前の手で幸せにしてやれ」
曜「はい! 行ってきます!」
タッタッタ……
妖精「……」
『二人の未来に』
『幸あれ』
パチン!
曜「はぁ……はぁ……」
曜(やばい。かっこつけて飛び出したけど……)
曜(千歌ちゃんどこにいるんだ!?)
曜(新婦の部屋ってどこだ!?)
曜(『日記』は……鞄の中だろうし……)
曜(うぅ……こういうことのない様に日記付けてたのに……)
曜(かっこ悪いけど……一度取りに戻るか……)
曜「はぁ……」
トボトボ
男「何かお困りですか?」
曜「あっ」 曜「その……お恥ずかしながら……迷っちゃいまして」
男「ここで、ですか?」
曜「はい……新婦の部屋を……ド忘れしちゃって」
男「それなら、ここをこう行って――――」
曜「あ、ありがとうございます!」
曜(すぐ近くだったじゃん!)
曜(妖精さんが『さぁ行け!』なんて言うから駆け出しちゃったよ!)
曜(恥ずかし……)
曜「えっと……あのぉ……」
男「ん? あ、僕ですか?」
曜「はい……」
男「岩瀬です」
岩瀬「高海さんの上司をしてます。岩瀬と申します」 曜「そ、そうでしたか……これは失礼しました」
曜「いつも千歌ちゃんが……いえ、嫁がお世話になっております……」
岩瀬「いえいえ。職場ではいつもみんな、高海さんに元気を貰っていますよ」
岩瀬「呼び方、最初は慣れませんよね(笑)」
曜(千歌ちゃんの……上司……)
『この式場ね、会社の先輩が教えてくれたんだー。いいとこでしょ?』
曜「!」
曜「あの!」
岩瀬「はい?」
曜「もしかして、千歌ちゃんにこの式場を紹介してくれたのって……」
岩瀬「あぁ。僕ですよ」
岩瀬「ちょっと曰く付きなんですけど、その分安いんで、若いお二人に丁度いいかと思って――」
曜「ありがとうございます!!」
岩瀬「へっ?」 曜「千歌ちゃんにここを紹介してくれて」
曜「本当に……本当に……ありがとうございます……」
曜(あなたのおかげで……私は……)
岩瀬「…………」
岩瀬「気に入っていただけて、なによりです」
曜「また……改めて嫁とお礼に参ります」
岩瀬「はい。楽しみにしてますね」
曜「それでは失礼します」スッ
岩瀬「ええ。また」
タッタッタ……
岩瀬「…………」
岩瀬(まさかね) 教会の一室
果南「本当に二人が結婚するとはね〜」
千歌「私も」
千歌「本当にこんな日が来るなんて思ってもみなかった」
果南「何? 千歌は信じてなかったの?」
千歌「そういうわけじゃないけど……」
千歌「なんだか夢みたいで……」
果南「まぁね〜」
果南「でも、夢じゃない」
千歌「うん……」
千歌「夢じゃないんだ」 千歌「私ね。ずっと思ってたの」
千歌「曜ちゃんは私の運命の人なんだって」
千歌「もし、結婚は出来なくても……」
千歌「ずっと傍にいる。そんな運命の人」
果南「千歌って結構ロマンチストだよね〜」
果南「奇跡とか輝きとか大好きでさ。スクールアイドルやってる時なんか――」
千歌「やめてよ。恥ずかしいから!」
果南「ふふっ。でも、あると思うよ。運命」
千歌「果南ちゃんはどうなの?」
果南「え?」
千歌「ブーケ……いる?」
果南「一応……貰っておくかな」 コンコン
果南「お、噂をすれば」
果南「来たみたいよ。運命の人」
千歌「それ。曜ちゃんには言わないで」
果南「なんで?」
千歌「重い女だと思われるから」
果南「あははっ。お似合いだと思うけどね〜」
ガチャ
果南「お待たせ」
曜「ありがとう。果南ちゃん」
果南「それじゃ。お邪魔虫はこれで」ポンッ
曜「ん。また後でね――」 バタン
曜「…………」
千歌「わぁ。曜ちゃん格好いい」
曜「……ありがとう」
曜「千歌ちゃんも……すごく綺麗だよ」
曜「眩しいくらいに……」
千歌「――ありがとっ。目、逸らさないでね?」
曜「うん。もう逸らさない」
曜「千歌ちゃん」
千歌「なあに?」
曜「私が、絶対に。幸せにします」
曜「私と」
曜「結婚してください」 千歌「ふふふっ。これから結婚式なのにプロポーズなんて、おかしな曜ちゃん」
曜「おかしいよね」
曜「でも」
曜「言わなきゃいけない気がしたんだ」
千歌「うん…………嬉しい」
千歌「けど」
千歌「一つ。曜ちゃんは勘違いしてるよ?」
曜「え?」
千歌「だってね」
千歌「私はもう」
千歌「あの日からずっと――――」
曜『千歌ちゃんっ……』
曜『私がぁ……私が絶対に……絶対に千歌ちゃんのこと』
曜『し゛あ゛わ゛せ゛に゛す゛る゛か゛ら゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛』
千歌『うん……お願いしますっ』
千歌「幸せ。なんだよ?」
――――――
――――
――
司会「ただいまより。お二人の大親友であられる」
司会「桜内梨子様に。ピアノを演奏して頂きます」
司会「曲は、先程のスライドショーでもご紹介しましたとおり」
司会「お二人の想いが。一つになられた時にご披露された」
司会「あの。曲でございます」
司会「それではお聴き下さい」
司会「桜内梨子様で――――」
想いよひとつになれ
『渡辺曜のプロポーズ大作戦』
fin. 想いよひとつになれ
このときを待っていた
なんてイントロが流れた所でこのSSは終わりです。ありがとうございました
本当は2期前に投下するつもりだったのでそのへんはお願いします 前作
果南「ダイヤの家泊まるの久々だな〜」ルビィ「……」
過去作
曜「あれ、千歌ちゃんスマホ忘れてる……」
千歌(3)「おでこに数字が」美渡「それ夏休みの自家発電の回数ね」
千歌「曜ちゃんって私のこと好きだと思う?」梨子「え?」 よくやった。2017ss of the year を進呈しよう 面白かったけど前作に草
改めて見るとこのテーマで1クール保たせたケンゾーのヘタレっぷり凄いわ 久々にいいSSを見れた乙
自家発電とダイヤの家泊まるやつめっちゃおもしろかったよね 過去作のurl持ってる人いたら張っていただけないでしょうかお願いします! 乙乙
山Pが出てくるラブライブSSは後にも先にもこの作品だけだろう >>375
妖精が言ってたあの男(岩瀬=山P)だから曜が自分と同じことを体験したのでは?と思ったんだろ こういう話って、歴史を変えたことで無くなってしまった歴史の方に凄く切なさというか浪漫みたいなのを感じてしまうなあ
最初の世界線におけるようりこの関係性とかね
ところでこの最後、果南の相手が実は梨子ちゃんってのは考え過ぎなのかな? 乙乙
久々にジーンとくるSS読んだ
過去作も全部好きなんでもっと書いてください 元ネタだとタイムスリップに気付く友人とかタイムスリップの影響で親友同士の結婚もあったけどそこまでやると長くなりすぎるか 告白から結婚までの記憶も気になるな
一切覚えてなさそうだけど >>387
記憶は補完されないから日記を付けさせた
後、描写ないけど予備予選まで25歳曜と16歳千歌のいちゃラブ7Daysがある >>393
じゃあ>>295でパッと切り替わった訳では無いのか ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています