曜(25)「千歌ちゃんの結婚式」
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曜の部屋
梨子(24)「曜ちゃん起きて」ユサユサ
曜(25)「ん……んん……」
曜「……なんで梨子ちゃんが私の家に?」
梨子「もう、自分が呼んだんでしょ」
曜「え?」
梨子「引き摺ってでも連れて行ってって」
曜「あ……」
梨子「朝ご飯もうすぐできるから」
曜(そうだ……今日は……)
曜(千歌ちゃんの結婚式だ) これなんてハレルヤチャンスと思ったらまじでプロポーズ大作戦だった
女の名前は渡辺曜
結婚式場に現れた、哀れな女である
これまで何百という結婚式を見てきたが
女でありながら、新婦にここまで後悔しているのを見るのは、さすがの私も初めてである
女はスライド写真を見ながら過去をやり直したいと強く願った
見るに見かねた私は、写真の時代に戻ることを許可した
私とは無論、この教会に住む妖精である
果たして、この女に運命は変えられるだろうか
奇跡は訪れるのであろうか
「――ちゃん」
「ねぇ曜ちゃんってば」
曜「っ!」
曜「は、はい!」
千歌「もう、どうしたの急に?」
曜「え、あれ……ここは……私……」
梨子「ここはって教室でしょ。記憶喪失にでもなったの?」
千歌「曜ちゃん大丈夫!? お弁当に何か入ってたの!?」
曜「あ、いや……」
曜(そうだ。確かライブ前に教室でお弁当を食べてたんだっけ……)
曜「もう大丈夫。ちょっと目眩がしただけ」
千歌「本当? 無理しないでね?」
曜「うん。ありがとう」
曜(まさか本当に……)
曜(本当に戻ってきたんだ……!!) 千歌「私達のファーストライブ。お腹いっぱいにして臨まなきゃね!」
梨子「いや、お腹いっぱいにしたら動けないでしょ」
千歌「あ、そっか! 腹八分にしなきゃ」モグモグ
梨子「リーダーがこんな呑気で大丈夫かしら。ふふ」
曜「……」ジー
曜(可愛い……女子高生の千歌ちゃん可愛いすぎる……)
曜(大人っぽい千歌ちゃんももちろん可愛いけど……)
曜(やっぱこの頃の千歌ちゃんが一番……)
千歌「曜ちゃん?」
千歌「何? じっと私のこと見て」
曜「ごめんごめん。つい見惚れちゃって」
千歌「へ!?」
曜「あっ」
梨子「ちょっとー、人の前で口説かないでもらえますかー」 曜「口説くとかじゃなくて!」
曜「美味しそうに食べる千歌ちゃんが小動物みたいで可愛いなー……って?」
千歌「ちぇー、口説かれたわけじゃないんだ」
曜「え?」
梨子「確かに。千歌ちゃんってちょっと幼い感じするもんね」
千歌「あー! 人が気にしてることをー!」
梨子「別にいいじゃない。それだけ可愛いってことで。アイドルにはピッタシ」
千歌「えへへー。梨子ちゃんに可愛いって言われたー」
梨子「そうやってすぐ調子乗るんだから」
千歌「にしし」
曜「……」
曜(もしかして脈アリ!? このまま千歌ちゃんに……)
梨子「ご馳走様。ちょっとお手洗い行ってくるね」
千歌「ん。いっといれ〜」
ガララ
曜(チャンス! 教室に二人きり……今しか……!)
曜「ね、ねぇ千歌ちゃん」
千歌「んー?」
曜「えっとね……私……千歌ちゃんのこと……」
千歌「……」
ガラッ
むつ「千歌ー! こっちは準備出来たよー!」
千歌「あ、ありがとう。むっちゃん!」
むつ「まだ食べてたの? そろそろ着替えた方がいいよ」
千歌「うん、そうするー」
むつ「そいじゃ」
千歌「ほんとありがとー!」
曜「……」 千歌「ごめんね曜ちゃん。何かな?」
曜「あ……えっと……時間ないから着替えよっか!」
千歌「いいの?」
曜「うん……またライブの後で言うね」
曜(写真撮るまでがリミットだっけ……時間はある)
曜(それに今言われたらライブに影響するよね)
曜(まぁ私が一番影響されるんだけど……)
千歌「わかった! ライブの後ね」
ガララ
梨子「お待たせ二人共。そろそろ着替えにいきましょうか」
千歌「うん! むっちゃん達も準備出来たってー」
梨子「そう。私も後でお礼言わなきゃ」
曜「それでは! 私達のファーストライブに向けて! 全速前進ヨーソロー!」 更衣室
千歌「みんな来てくれるかなー」ヌギヌギ
梨子「天気も悪いし心配ね」
千歌「ねー」
千歌「……もし満員に出来なかったら、これが最後のライブでもあるんだよね」
梨子「そうね。考えたくはないけど……」
曜「……」ジー
曜(jk千歌ちゃんの生着替え……)
曜(妖精さん……ありがとう……)
千歌「……」
千歌「曜ちゃん? また私のこと見て……着替えにくいんだけど……」
曜「い、いやーサイズとか大丈夫かなと思って」
千歌「昨日確認したじゃん……」
曜「念には念をってね」
梨子「大急ぎで作ったから耐久性も心配よね」
梨子「踊ってる途中で破れたりしたら恥ずかしいし……」
曜「そうそう!」
曜(ナイスフォロー梨子ちゃん!) 千歌「うー……まぁ曜ちゃんだからいいけどさぁ……」
曜「ごめんごめん。きつかったら言ってね?」
千歌「うん。最近胸がきつくなるんだよね」
曜(おっふ)
梨子「え、千歌ちゃんまだ成長してるの?」
千歌「してるんだよねー。梨子ちゃんは止まった?」
梨子「え? いや、止まってないわよ」
梨子「止まってないよ」
千歌「なんで二回言ったし……」
千歌「でも、梨子ちゃんぐらいが丁度いいと思うけどなー」
梨子「そうなのよ。あんまり大きいとピアノ弾く時に邪魔になるからね」
梨子「邪魔にね」
千歌「う、うん」
曜(八年後も邪魔になってないから安心してね梨子ちゃん) ステージ裏
千歌「よし、それじゃ準備運動しよっか!」
曜「おっけー」
梨子「やっぱりこのスカート短すぎるような……」
千歌「いっちに、さんし」
曜「いっちに、さんし」
千歌「ほら、梨子ちゃんも!」
梨子「……いっちに、さんし」
ユッサユサ
曜「……」
曜(みかんが揺れてる……)
曜(って、ダメダメ!)
曜(さすがにもう言い訳できないって)
曜(告白する前に好感度下がる様なことは控えなきゃ……)
曜(ライブを大成功させて……その勢いで……)
曜(……!)
曜(そうだよ! ライブ!) 曜「ねぇ二人共」
千歌・梨子「ん?」
曜「開演時間遅らせない?」
千歌「え?」
曜「実は……さっき見ちゃったんだよね」
曜「お客さん全然来てないの……」
千歌「そんな……」
梨子「じゃぁ私達……」
曜「大丈夫。この天気でみんな遅れてるだけだって!」
曜「だからさ、今いるお客さんには悪いけど三十分だけ遅らせよ?」 梨子「でも三十分も急に待たせるなんて」
曜「そこは私に任せて」
千歌「曜ちゃん?」
曜(社会に出て鍛えられた私の一発ギャグスキル……)
曜(最多十七連発……)
曜(ここで使うしか……!)
曜「私が前説するから二人はお客さんの整理お願い!」
千歌「ま、前説……?」 ステージ
曜「はいどうもー。Aqoursの渡辺曜でーす」パチパチ
観客「……?」
曜「今日はAqoursのファーストライブにお越し頂きありがとうございます」
曜「ちょっとね、雨で冷えてきた所だと思うので、私が前説で少し暖めたいなと思い出てきました」
曜「えーっ、では一つ目」
曜「ヤギの声真似」
曜「メ゛ェ゛〜゛〜゛〜゛」
観客「」
梨子「曜ちゃんってああいうキャラだったんだ……」
千歌「いや、私も初めて見た……」 体育館前
プップー
千歌「曜ちゃんの言った通りだ……」
梨子「本当に来てくれた……」
美渡「あれ、千歌? もう始まってるんじゃ」
千歌「天気悪いから開演時間遅らせようって、曜ちゃんが言ってくれたの」
美渡「さすが曜ちゃんね。ちょっと準備に時間かかちゃったのよ」
千歌「この天気だもんね」
梨子「みなさーん。ライブはまだこれからなのでゆっくり入場してくださーい」
千歌「ふふっ。梨子ちゃんもすっかり慣れっこだね」
梨子「曜ちゃんのアレ見た後だと、これくらい恥ずかしがってられないなって……」
千歌「それもそうだね……」 ステージ裏
曜「おかえり!」
千歌「た、ただいま」
梨子「ありがとうね曜ちゃん……」
曜「どうしたの二人共?」
梨子「いや……うん……」
千歌「曜ちゃんって芸人さんになりたかったの?」
曜「え? そんなわけないじゃん」
千歌・梨子「……」
曜「さ、会場は十分暖まってるよ!」
千歌・梨子「」 千歌「そ、それじゃどうするんだっけ」
曜「確か、こうやって手を重ねて」
千歌「……繋ごっか」
千歌「こうやって手を繋いで……ね。暖かくて好き」
曜「……ほんとだ」
曜(ここまでは前と同じ)
千歌「……お客さん。本当に来てくれたね」
曜「だから言ったでしょ」
千歌「うん……ありがとう曜ちゃん」
梨子「まるで未来を知ってたみたい」
曜「知ってたよ」
千歌・梨子「え?」
曜「だって今日は私達の始まりの日だもん」
曜「ここから始まるんだよ。全部」
曜(そう。今日なんだ。私達の始まりは)
曜(変えるんだ……未来を)
千歌「……そうだよね」
千歌「さぁ行こう! 今、全力で! 輝こう!!」
Aqours『アクア! サンシャイーン!』
――――――
――――
―― 最初だけ読んで後で見よーと思ったら予想外の展開になってて草 ライブ後・ステージ裏
千歌「ぐすっ……うぅ……」ポロポロ
梨子「千歌ちゃん泣かないで」ヨシヨシ
千歌「だってだって……」
千歌「こんなに大成功するなんて思ってなくて……」
梨子「みんな暖かったわね……」
千歌「うん……」
千歌「ダイヤさんにはわかってるなんて言ったけど……」
千歌「でもやっぱり嬉しくて……」
曜「いいんだよ喜んで」
千歌「曜ちゃん……」ダキッ
千歌「曜ちゃんのおかげだよ……やっぱり曜ちゃんはすごいよ……本当にありがとう……」
曜「千歌ちゃん……」ギュッ
曜(千歌ちゃんの涙を私は変えられた)
曜(やり直せるんだ。妖精さんのおかげで)
曜(このまま……)
曜(私の気持ちを――――) 千歌「梨子ちゃんもありがとう……っ」ダキッ
梨子「わっ」
千歌「梨子ちゃんが転校して来なかったら」
千歌「スクールアイドルなんて出来なかった……」
梨子「そんなことないわよ」
千歌「そんなことあるもん!」
千歌「わたし思ったんだ……」
千歌「あの日、教室で梨子ちゃんが入って来た時――」
千歌「奇跡だって」
千歌「運命の出会いだったんだって……」
梨子「大袈裟よ……。でも、私も二人に出会えて嬉しい。一緒に頑張ろうね、これから」
千歌「うん……!」
曜「…………」 曜(私は思い出した)
曜(ずっと忘れていた感情を)
曜(教室に入って来た梨子ちゃんを見つめる――千歌ちゃんの瞳を)
曜(思い出してしまった)
曜(だから――――) ☆――☆
『人はタイミングやきっかけに頼る生き物である』
『この信号が変わったら告白しよう』
『この車が通り過ぎたら言おう』
『このライブが終わったら伝えよう』
『そんな小さなことに拘っているから、いつまで経っても大きな幸せが掴めない』
『自ら手放しているのだ』
『もし、本当に』
『未来を――運命を変えようと思っているのなら出来るはずだ』
『いつであろうと。どこであろうと』
『誰がいようとも』
☆――☆ ここまでに外野がもとネタで騒ぎまくってたからそれありきで見ちゃって
ただのキャラ置き換えなのかなーて思う
もとネタ知らないので余計に >>138
元ネタ知ってる組だけど
新郎さんの出会いも高校時代なんだよね 続き期待
板復帰(NG!:Gather .dat file OK:NOT moving DAT 704 -> 704:Get subject.txt OK:Check subject.txt 704 -> 704:fukki NG!)0.55, 0.72, 0.76
age Maybe not broken
曜「…………」
妖精「なぜ、告白しなかった?」
曜「なんで……でしょうね……」
妖精「私は言ったはずだ」
曜「……」
妖精「お前が過去に戻ったのはライブを成功させるためか?」
曜「……違います」
妖精「何のためにお前は戻った?」
曜「千歌ちゃんに……気持ちを伝えるため……」
妖精「そうだな」
妖精「なのにお前はしなかった」
妖精「本来あるはずのないチャンスでさえ、お前には出来なかった」
曜「すみません……」
妖精「まぁ、なんだ」
妖精「『一回』で成功する人間はそうはいない」
妖精「一回ではな」
パチン! おー懐かしいな
元ネタ小学生のときくらいに見たな期待 ザワザワ
鞠莉「懐かしいわね〜ファーストライブ」
果南「まさか本当に満員にするとはね」
鞠莉「あの時のダイヤったら……ぷぷっ」
ダイヤ「な、なんですか」
鞠莉「勘違いしないように!キリッ」
果南「あっはっは! 似てる〜」
ダイヤ「似てません! それにキリッなんて言ってませんわ!」
ルビィ「あの頃のお姉ちゃん怖かったなぁ」
花丸「自分達が挫折したからって後輩に冷たく当たる嫌な先輩だったずら」
善子「破廉恥破廉恥うるさいしー」
ダイヤ「……」
ダイヤ「うっ……」ウルウル
花丸「じょ、冗談だよダイヤちゃん!」
善子「これくらいで泣かないでよ、ダイヤちゃん」
ダイヤ「ダイヤちゃん呼びすれば何でも許されると思わないでください!」
鞠莉「それも懐かしいわね」
果南「結局ダイヤさんに落ち着いちゃったけどね」 梨子「あの時は急に曜ちゃんが一発ギャグなんかするから本当驚いたなぁ」
梨子「でも曜ちゃんのおかげで私達のファーストライブは大成功」
梨子「千歌ちゃんも大泣きして……ふふっ。目真っ赤」
曜「……」
梨子「どうしたの曜ちゃん?」
曜「……なんか思い出しちゃって」
曜(梨子ちゃんに……)
曜(嫉妬していたことを――) 曜(あの頃の私は、梨子ちゃんのことが本当は好きじゃなかった)
曜(突然現れて、私と千歌ちゃんの間に入ってきた梨子ちゃんが気に食わなかった)
曜(でも、あの日)
曜(電話を切る間際に梨子ちゃんは言った)
『私、応援してるからね』
曜(――本当の意味を知るのは少し後になったけれど)
曜(梨子ちゃんは私を応援してくれていた。今日、この日までずっと)
曜(だから忘れていたんだと思う)
曜(この、醜い感情を)
――――
―― 『Aqours再出発の写真』
曜(写し出された写真は私達が東京から帰ってきた次の日)
曜(ゼロ票という現実に叩きつけられた私達は落ち込んでいた)
曜(あの時……千歌ちゃんが本音を吐き出したのは私じゃなくて)
曜(まだ会って三ヶ月も経っていない梨子ちゃんだった)
曜(私は悔しかった……どうして私じゃないんだろう)
曜(どうして千歌ちゃんは私に言ってくれなかったんだろう)
曜(ずっと一緒にいたのに)
曜(私よりも梨子ちゃんの方がって)
曜(そう思ってた……) 曜(もし、一番最初に千歌ちゃんの元に行っていれば……)
曜(千歌ちゃんは私に言ってくれたのかな……)
曜(私と梨子ちゃん、どっちが千歌ちゃんの一番だったのかな)
曜(知りたい……千歌ちゃんの本当の気持ちを)
曜(そして伝えたい……今度こそ)
曜(私の本当の気持ちを)
曜(もう一度)
曜(どうかもう一度……)
曜(私にチャンスをください……!)
パチン! 妖精「よっ」
曜「でた!」
妖精「へへへっ。よく気付いたな」
妖精「一回しか呼べないと思って諦める人間は意外と多いんだ」
曜「あれだけヒント言ってくれればわかりますよ……」
妖精「それもそうか。お前には甘くしてしまう所があるのかもしれんな」
妖精「んで、この写真に戻りたい理由は?」
曜「知りたいんです」
曜「あの頃の千歌ちゃんの中でどっちが一番なのか」
曜「千歌ちゃんの本当の気持ちを……」
曜「この日なら聞けると思うんです」 妖精「なるほど」
妖精「お前にとって最大のライバルは」
妖精「今、彼女の隣にいるあの男ではなく――」
妖精「今、お前の隣にいるその女というわけだな」
妖精「なんとも皮肉な話だ」
曜「ほんと笑えないですよ……」
妖精「理由はわかった。行って来い」
曜「ありがとうございます!」
妖精「その前に私から忠告だ。今度はアドバイスではなくな」
曜「忠告?」
妖精「ああ。ま、大したことじゃない」
妖精「同じ写真に二度、飛ぶことは出来ない」
曜「そんな贅沢言いませんよ」 妖精「ふむ。わかってるならいいさ」
妖精「そしてもう一つ。これが一番重要だ」
曜「?」
妖精「過去に戻れるのは今回とあと一回だけだ。妖精の顔も三度までと言うしな」
曜「次がラストチャンス……」
妖精「実のところ、昔は写真の枚数だけ過去に送ることが出来たが……」
妖精「最近、景気が悪くてな。ここが曰く付きなせいもあるが」
妖精「やれ若者の結婚離れ、結婚式離れと」
曜「あ、そういうのが力の源なんですね」
妖精「妖精っぽいだろ?」
曜「はい」クスッ 妖精「んじゃ、このフルーツサラダを頂くか」
妖精「って」
妖精「みかんばっかじゃねぇか」
曜「みかん好きなんで……」
妖精「ま、俺も好きなんだけどな」パクッ
妖精「求めよ、さらば与えられん」
曜「……」スゥー
曜「ハレルヤー! チャンス!!」
曜「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
☆――☆ 先を急かされてるのはいまのとこもとネタのままってこと?
ここまでまだあんまりおもしろくない そうなんか
長編になりそうやし最初の山場に期待しゅかしゅー やたら気にしてる人いるけど
仮に元ネタに忠実だとして何かいけないことでも?
原作未見なら新鮮な気持ちで楽しめるし原典を知る切欠にもなる
既知でもラブライブでパロしてるのを見るのは楽しくて好き
世奇妙パロとかはまんまでも人気なのにな 元ネタ元ネタうるせぇな
知らんってことはキッズなんだろうが、黙って見とけよ >>174
もとネタが大絶賛されてる流れで気になっただけよー 最初の方読んでたらゲロ吐きそうになったから読めてないけどなかなか面白いな
曜「……っ」
曜「こ、ここは……」
曜「私の部屋か」
ギュッ
曜(写真持ったまま寝落ちしたんだっけか)
曜(懐かしいな……)
曜(私と千歌ちゃんとしいたけ)
曜(もう、どこにしまったかわからないけど)
曜(結局捨てられなくて……)
曜(私は何にも捨てられなくて……)
曜(今、ここにいる)
曜(戻って来たんだ……!) 曜(えっと時間は……)
曜(五時……)
曜(今から行けば十分間に合う)
曜(でもその前に……)
プルルルルルルルルルルル
ピッ
梨子『ん……もしもし……?』
曜「ごめんね。こんな朝早くに」
梨子『ううん……そのまま寝落ちしちゃってたから丁度良かった』
梨子『それで……どうしたの?』
曜「梨子ちゃんにお願いがあるんだ」
梨子『うん』
曜「この後、浜辺で千歌ちゃんと二人きりにしてほしい」 梨子『こんな朝早くにこっち来るの?』
曜「うん……どうしても話したいことがあるんだ」
梨子『そっか……』
梨子『千歌ちゃんのことお願いね』
曜「……まかせて」
梨子『ふふっ、千歌ちゃんの一番の理解者は曜ちゃんだものね』
曜「それは……どうかな……」
梨子『え?』
曜(確かめたい。だから行くんだ) 浜辺
千歌「……」
スタスタ
千歌「……あれ」
千歌「……曜ちゃん?」
曜「おはよ、千歌ちゃん」
千歌「どうしてここに……」
曜「千歌ちゃんに会いたくて。千歌ちゃんは?」
千歌「へ? あぁ……うん」
千歌「何か見えないかなぁって」
曜「え?」
千歌「ほら、梨子ちゃんは海の音を探して潜ってたでしょ?」
千歌「だから私も何か見えないかなって」 曜「そのまま潜ったら風邪引いちゃうよ」
千歌「へへっ。それもそうだね」
千歌「それに」
千歌「ほんとはわかってるんだ」
千歌「何も見えないって」
千歌「私にはまだ何も見えてないんだって」
曜「どうして?」
千歌「私は普通だから」
曜「え?」 千歌「私にはね」
千歌「先にあるものがなんなのか」
千歌「このまま続けてもゼロなのか、それともイチになるのか。ジュウになるのか」
千歌「私にはわからないんだ」
千歌「わからないから……私は続けるよ。スクールアイドル」
曜「千歌ちゃん……」
千歌「へへっ。昨日は返事できなくてごめんね」ニコッ
曜「……」
曜(やっぱり私には……見せてくれないのかな)
曜(本当は泣くほど悔しいはずなのに)
曜(私には……) 曜「ねぇ、千歌ちゃん」
千歌「んー?」
曜「無理、しなくていいんだよ?」
千歌「何が?」
曜「無理に明るくしなくていいんだよ?」
千歌「無理なんて……してないよ」
曜「してるよ」
千歌「してない」
曜「してる」
曜「私にはわかるよ。千歌ちゃんのこと」
曜「だから――――」
千歌「わかってない!!」
曜「」ビクッ 千歌「ゼロだったんだよ」
千歌「あれだけみんなで練習して、みんなで歌を作って、衣装も作って。PVも作って……」
千歌「頑張って頑張って、みんなにいい歌聞いて欲しいって……」
千歌「スクールアイドルとして輝きたいって……」
千歌「なのにゼロだったんだよ!!」
千歌「悔しいに決まってるじゃん! 聞かなくてもわかるでしょ!?」
千歌「私はリーダーなんだよ!? 後輩だっているんだよ!?」
千歌「言えるわけないじゃん!!」
曜「ご、ごめん……」 千歌「曜ちゃんにはわからないよね」
千歌「私がどれだけ悔しかったか、どれだけ我慢してたか」
千歌「私よりもずっと先が見えてる曜ちゃんにはわからないよ」
曜「わ、私はただ……」
千歌「私ね、やっと見つけたと思ったんだ」
千歌「普通な私でも輝けるって」
千歌「スクールアイドルならもしかしたらって」
千歌「スクールアイドルなら……曜ちゃんと輝けるんだって――」
千歌「それなのに!!」
曜「」ビクッ 千歌「どうして『スクールアイドルやめる?』なんて言うの!?」
千歌「私はやっと曜ちゃんと一緒に何か出来るって思ってたんだよ!?」
曜「そ、そんなつもりで言ったわけじゃ……」
千歌「わかってる!」
千歌「そんなのはわかってるんだよ……」
千歌「ただ私の気持ちも考えてよ……」
千歌「曜ちゃんに『それ』を言われる私の気持ちをさ……」
曜「……」
千歌「私はね、曜ちゃんが思ってるほど強い子じゃないんだよ……」
千歌「あの時……私は曜ちゃんに……」
千歌「『一緒に頑張ろうね』って言ってほしかった……」ポロポロ
曜「千歌ちゃん……」
千歌「こんなにずっと一緒にいるのに、曜ちゃんは何にもわかってない」
千歌「わかってくれないんだよ……わああああああああああん」 梨子「千歌ちゃん!」
タッタッタ
千歌「梨子ぢゃぁん……私……わたし……」
梨子「いいのよ……素直になって」ギュッ
千歌「だって私が泣いたらみんな落ち込むでしょ……」
千歌「今まで頑張ってきたのに、せっかくスクールアイドルやってくれたのに、悲しくなっちゃうでしょ?」
千歌「だから……だから……」
梨子「バカね……みんな千歌ちゃんの為にスクールアイドルやってるんじゃないの。自分で決めたのよ」
梨子「私も。曜ちゃんも、ルビィちゃんも、花丸ちゃんも、善子ちゃんも。だからいいの」
梨子「千歌ちゃんは、感じたことを素直にぶつけて、声に出していいのよ」
千歌「ぐすっ……う、うわああああああああああああああん」
梨子「みんな一緒に、これからも、頑張りましょ?」
千歌「うん……っ」
梨子「…………ごめんなさい。見ていられなくて……」
曜「…………」 曜(まるで、運命が告げているみたいだった)
曜(彼女の隣はお前じゃないと)
曜(お前では運命は変えられないと)
曜(私は彼女のことを理解した気になって苦しめていた)
曜(彼女が離れていったんじゃない)
曜(私が突き放したんだ)
『こんなにずっと一緒にいるのに、曜ちゃんは何にもわかってない』
曜(その言葉が何度も何度も)
曜(私の中で木霊していた) それから私達は、遅れてやってきた一年生達の手前
形だけの仲直りをし、別れた
そして昼過ぎ
『一度目』とは少し遅れて
私達は再出発の写真を撮った―――― ☆――☆
『女は、自分が彼女にとっての大陽であることを知らない』
『その一方で女は、自身が彼女にとっての星であることに最後まで気付くことはなかった』
『太陽と星』
『その二つの輝きは』
『いつしか』
『互いの本当の姿を』
『見えなくしてしまった』
☆――☆
妖精「運命とは時に残酷なものだ」
妖精「本来なら知ることのなかった彼女の想いを」
妖精「本来なら爆発することのなかった彼女の想いを」
妖精「お前に突きつけてくる」
曜「……」
妖精「彼女は望んでいた。お前が隣で支えてくれることを」
妖精「だが、あの頃のお前は信じていた。彼女の強さを」
妖精「立ち上がり、自分の隣にいてくれると――」
曜「…………」
妖精「その僅かなすれ違い……隙が」
妖精「こうまで運命を変えてしまうとはな」
曜「……え?」 妖精「周りをよく見てみろ」
曜「……」
キョロキョロ
曜「……あれ?」
曜「こんなに人、少なかったっけ……」
妖精「いくら寛容な世の中になったとはいえ」
妖精「同性同士の結婚となると、呼べる人間は限られてしまう」
曜「えっ」
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