【お絵描きSS】善子「我らの手で生み出そうぞ! 闇に蠢く奇怪な絵画を!!」
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千歌「やっとおわったぁ〜〜〜」グデー
曜「お疲れ様っ♪」
千歌「ほんと疲れたよー。……わぁもう外真っ暗」
曜「最近日が沈むの早くなってきたもんね。早いとこ帰ろっか」
ガラガラガラッ!!
善子「きゃっ!」
ようちか「「うわっ!?」」
善子「び、びっくりし……してないし!」
千歌「なんだ善子ちゃんか」
善子「なんだって何よ!? てゆーか勢いよくドア開けすぎっ!!」
曜「ごめん、まさか外に人が居るなんて思わなくって。驚かせちゃったね」
善子「だから驚いてないってば! 堕天使ヨハネがこの程度のことでビビるわけないでしょ!」 曜「アハハ。で、こんな時間にどうしたの?」
善子「忘れ物しちゃって。よりによって部室に携帯置き忘れるなんて不幸だわ」
曜「不幸というか……」
千歌「ただのミス。だよね」
善子「うぅっ。そ、そんなことより、2人こそこんな遅くまで何してたの?」
千歌「聞いてよ! 梨子ちゃんってば酷いんだよ!?」
善子「はい?」
千歌「どうせ家では中々集中しないんだから、歌詞書き終わるまで帰っちゃダメーとか言って!!」
善子「あぁ。また作詞遅れてたのね」
千歌「部室にカンヅメなんて人生初だよ。しかも当の本人は先に帰っちゃうし」
曜「まあまあ。梨子ちゃんも暇じゃないだろうし仕方ないって」 千歌「でもさ、明日は土曜日だよ? 学校はもちろん部活までお休みだよ? なら今日居残りさせなくたって明日頑張れば良くない?」
曜「今日中に歌詞が完成してれば明日は丸一日曲作りに専念できるわけだしね。日曜は部活だし、その前に作曲時間を確保しときたいんだよ。きっと」
千歌「そんなこと言って、またあっという間に凄い曲生み出してくれるんでしょ? 曜ちゃんだって私が作詞してる間にサラサラっとデザイン画描いちゃうしさー」
善子「もう衣装案できたわけ? 見せてもらっていいかしら」
曜「うんいいよ〜。まだどんな曲調になるか分からないし、詞のイメージだけで描いた仮デザインだけど」
善子「ふむふむ……流石、相変わらずハイレベルね。バリバリ体育会系のくせして、どうしてイラストや裁縫がこんな得意なのよ」
曜「まぁ趣味の延長みたいなものだし、好きこそ物の上手なれってね!」ドヤッ!
千歌「フンッ。どうせ曜ちゃんや梨子ちゃんみたいな天才肌には、毎回どうにか歌詞を絞り出してる私の気持ちなんて分かりませんよーっだ」プイッ 善子「なに子供みたいに拗ねてんのよ」
曜「まあまあ。お疲れ気味でご機嫌斜めなだけだから気にしないであげて」
善子「気にするなって言われてもねぇ……千歌さんは千歌さんで充分凄いと思けど」パラッ…パラッ…
千歌「わぁーーー!!! 勝手に歌詞ノート見ないでよ!!」
善子「別に良いじゃない。いずれ全員目を通すことになるんだから。それにホントに凄いと思うし」パラッ…パラッ…
千歌「……ほんとう?」
善子「えぇ。この絵とか特に」パラッ…
千歌「は?」
曜「絵??」
善子「ほら。この梨子さんを描いたやつなんてかなり特徴捉えてると思うし」
http://imgur.com/DG0cPrn.jpg
千歌「凄いって言ってくれたの詞じゃなくてそっち!?」 善子「パラパラめくった時の動きも躍動感あって良い感じよね」
https://i.imgur.com/7vIEFSn.gif
千歌「……あぁうんありがとう」
善子「案外才能あるんじゃない?」
曜「そうなのっ! 実は千歌ちゃん絵を描くのかなり上手なんだよ!!」
善子「ふぅん」
曜「昔から器用で習字とかすんごく達筆だし、卓球やソフトボールもコントロール抜群なんだ〜」
善子「スポーツの器用さと習字の器用さって、画力とはまるで関係無いんじゃ」
曜「そうかな? 手先が不器用な人って絵や字も下手っぴなことが多いし、逆もまた然りな気がするけど」
善子(またサラッとそういうことを……)
千歌(曜ちゃんは何やっても器用だもんね……) 曜「それに部員募集のポスターも私と千歌ちゃんの合作だしね」
善子「へぇ。てっきりそういうのは曜さんが一人で作ってるのかと思ってたわ」
千歌「ふっふーん! 凄いでしょ。私のこと見直しちゃった? もっと崇めてくれてもいいんだよ??」
善子「はいはい見直した見直した」
千歌「むぅ〜……」
善子「まっ、この絵をただのパラパラ漫画で終わらせるのは勿体ないと結構本気で思ってるけどね」
千歌「どゆこと?」
善子「せっかくだからヨハネの自立稼働魔法で動かしてみたいなーって」
千歌「自立稼働魔法って……絵が勝手に動くわけないじゃん」
善子「なんで? テレビやゲームだってオートでイラストが動くじゃない」
曜「あぁなるほど。そういうことか」
千歌「んんん? 私の絵がアニメーションみたいに動いてくれるわけなくない?」 善子「アニメだって紐解けば単なる高速紙芝居。ハイレベルなパラパラ漫画の様なもの」
善子「つまりパラパラ漫画を描ける人なら、アニメーションだって絶対に作れるはずなの。クオリティーは置いといての話だけどね」
千歌「うぅ〜ん。いまいち納得できないんだけど」
善子「そうねぇ。例えば拡張子でドット・ジー・アイ・エフって見たことない?」
千歌「G…I…F……ぎふ? 岐阜県?」
曜「たしか読み方はギフじゃなくてジフだったような」
千歌「知らないよぉ。そもそもかくちょーしとか難しいと言われてもチンプンカンプンだし!」
曜「あ〜。たしかに千歌ちゃん、あんま自分でPC使わないもんね。動画なんかもケータイで見てばっかだし」
善子「なら画像データを保存するファイル形式……って言ってもピンとこないか。簡単に説明すれば、音の出ない簡易的な動画ってところかしら」
曜「誰でも簡単に作れる動画って感じかな?」
千歌「分かったような分からないような」 善子「実際にやって見せた方が早そうね。ちょっとパソコン貸してもらえる?」
曜「はいどーぞ」
善子「…………」カキカキ
善子「………………」カチッ カチッ
善子「…………ぐぬぬ」カキ…カキ…
千歌「何してるの?」
善子「リトルデーモン描いてんのよ! ハイ出来たッ!!」
https://i.imgur.com/YE7LDTB.jpg
千歌「なんていうか……丸歪んでるし下手じゃない?」
善子「ハァ!?? ペイントとマウスでこんだけ描ければ上等でしょ!?」
曜「マウスで描くの難しいもんねー」
※実際にペイントツール&マウスで描いた画像を使用しております 善子「そんでもって……クッ……中々骨の折れる奴等ね」カキ…カキ…
善子「…………リトルデーモン量産完了っ!!」
https://i.imgur.com/ixwF7SJ.jpg
曜「これを動かすの?」
善子「えぇ。今からヨハネの魔法でこの絵画に命を吹き込むから、暫し待ちなさい」カチッ カチッ
善子「……この……えいっ……」カチッ カチッ カチャカチャ…ッターン!!
千歌(善子ちゃん必至だなー)
曜(随分プラグマティックな魔法だこと) 善子「……待たせたわね」ハァ…ハァ…
善子「堕天使ヨハネの名の下に命じる。顕現せよ、我が身を喰らいて力と成せ──リトルデーモン、召喚ッッッ!!!」シュバッ!!
https://i.imgur.com/yW8DYFw.gif
善子「フッ、ざっとこんなモノね」ギラン!
千歌「おぉぉーーー動いたっ!!!」パァァァアアア!
曜「わぁカワイイ。さすが善子ちゃん、動画編集得意なだけのことはあるね」
善子「だからヨハネよ」
千歌「凄い! 凄いよコレ!!」キラキラッ
善子「フフン。そうでしょう? しかしこの程度で満足してはいけないわ」シュバッ!!
善子「我らの手で生み出そうぞ! 闇に蠢く奇怪な絵画を!!」
千歌「ふぇ?」
善子「だ・か・ら! あなたが描いた絵をGIFにするのよ!! まっ、2人の画力とヨハネの編集魔法があれば簡単に出来るだろうし」
曜「2人の画力って……もしかして私も手伝う流れ!?」 善子「そりゃもちろん。今日はもう遅いし、明日曜さんの家にでも集まってやりましょっか」
曜「えぇー、そんな勝手に決めないでよ……」
善子「あら? この前ペンタブに興味があるって言ってなかったっけ?」
曜「持ってきてくれるの!?」
善子「えぇ。特別に使わせてあげるわ」
曜「やったーー!!」
千歌「ぺんたぶってなぁに?」
善子「ペンタブレット。パソコンで絵を描く時に用いる魔道具の一種といったところかしら」
曜「私はいつも紙に描いたデザイン画をPCに取り込んでデータ管理してるから、直接PCで描くパターンにも挑戦してみたかったんだよねっ」
善子「じゃ、決定ってことで。明日は3人で頑張るわよ!」
ようちか「「おぉーーー!!!」」
* * *
〜翌日、渡辺宅〜
曜「へぇ〜。これがペンタブかー」ワクワク
千歌「ただのプラスチックのペンと板にしか見えないや」
善子「よし。曜さんのパソコンにイラストソフトやペンタブ対応ドライバのインストールも終わったし、これで準備OK」
善子「タブレットからペンを少し浮かした状態で動かしてごらんなさい」
曜「浮かせて? 板の上を直接滑らせなきゃ意味なくない?」
善子「いいからいいから」 曜「…………」ソォー…
曜「わっ! カーソルが動いた! 板からペンが離れてても反応してくれるんだ……」
善子「そのままペンを動かして、さっきインストールしたイラストソフトのアイコンの上までカーソルを移動。そしたらペンでタブレットをつついてみて」
曜「えい」ツンツン
千歌「おぉ、お絵かきソフトが開いた! マウスで普通にクリックしたのと同じってこと?」
善子「そーゆーこと。つつく=クリックよ」
曜「凄い……ペンタブって絵を描けるだけじゃなくて、マウスの代わりにもなってくれるんだ」
善子「まぁ代わりとしては使いにくいし好き好んで代替品にする意味はないけど、マウスが壊れたりした緊急時にはあると便利かもね」 善子「とまぁ、ペンタブの使い方講座はこんなところかしら」
千歌「早くない?」
曜「まるで絵の描き方を教わってないんだけど」
善子「だからマウスで絵を描く時と同じだってば。クリックしたままカーソルを動かせば線が引けるわ」
善子「あとは筆圧っていって、ペンを強く押すと線が太くなったり軽く押すと線が細くなったりするけど……その辺は教わるより使いながら慣れるしかないんじゃない?」
曜「なるほど。でも何描けばいいの? 千歌ちゃんのパラパラ漫画をスキャナで取り込んで画像繋ぎ合わせれば、それだけでGIF完成だよね?」
善子「それじゃつまらないでしょ。鉛筆で描いた絵とパソコンで描いた絵じゃまるで違ってくるし、せっかくだからデジタルで頑張らないと」 千歌「じゃあパラパラ漫画と同じ感じで梨子ちゃんを描けばいいのかな?」
善子「えぇ。やってみて」
千歌「よぉし。描くぞ描くぞー」
千歌「…………」カキカキ
千歌「………………」カキ…カキ…
曜「あらら。線がグチャグチャ」
千歌「描きにくすぎるよっ!!」
曜「やっぱり初めてのペンタブは使い難い?」
千歌「んー。マウスよりは全然描きやすいけど、このお絵かきソフトがなんか合わないかも」
善子「このイラストソフト、一番メジャーで使いやすいものなはずなんだけど……」 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています