ぼくはテクノロジー屋として、テクノロジーが何も動かさないことを知っている。社会がテクノロジーを変化させるのであって、
その反対じゃないんだ。テクノロジーは、ぼくたちにできることとできないことの境界を引くだけだ。どのくらい安くできるかという境界を引くだけなのだ。

テクノロジーは、それが生み出した機器同様、少なくともいままでのところ、本質的には面白くもなんともないものだ。
そのテクノロジーを使ってできることが面白いだけの話だ。その推進力になっているのは、人間の欲求と関心だ。

生存。社会化。娯楽。これが進歩だ。ぼくたちがやっていることはどんなことでも、
結局は自分自身の楽しみのためであるように思えるからだ。少なくとも、ずっと未来まで進歩する可能性を取りあげられずにいたら、
最後に娯楽が来るだろう。


リーナス・トーバルズ