>>171
愛らしい顔、柔らかみを帯びた肢体とは似つかわしくない"それ"が彼女に生えたのは突然のことであった
だが彼女の懸念は非現実的な現象に対してではなかった
風紀を守り生徒を律する、常にみなの模範たろうとしていた今までの自分を否定されたかのような錯覚に陥り、なとりは困惑以上に深い悲しみを覚えていた
涙が止まらない、学校にも行けない、これからどうしよう
情けなさと恐怖、悲しみ、申し訳なさ
色々な感情がないまぜになりその場にへたり込むことしかできない彼女の耳に、その時、最も聞きたくない少女の声が響いた

「なとりんどうしたの? どっかしんどいの?」
「もち、さん……」

to be continued...