この作品は今敏監督自身の超絶な画力で、背景画に「だまし絵」を仕掛けています。
乳飲み子を抱えて右往左往するホームレスの涙ぐましい活躍の場面では
バックに描かれたビルの窓が目、ドアが口と顔に見える構図で切り取られている場面ばかり
八百万の神は姿を変え、東京の街に溶け込んで人の営みを見つめているという、非凡な発想なんです。
風景もまた生きているという、表面的な言葉を超えた表現ができるのも、絵で何かを伝えるアニメならではの魅力。
ドタバタを見つめるこの視線に気づくと、見慣れた街の風景も違って見えるはず。(コピペ)