『I AM THAT 私は在る』
【12 個人は実在ではない】(つづき)

 マハラジ
 途方もなく複雑な働きが頭脳と身体のなかでつねに行われているが、あなた
 はそれを意識しているだろうか?
 いいや、まったくしていない。
 それでも外部から見れば、すべては知性的に、目的をもって行われているよ
 うに見える。
 人の生全体は、その大部分が意識の境界下に沈んでいながらも、分別をもち、
 スムーズに流れているということを認めるがいい。
 質問者 それは正常なことなのでしょうか?
 マハラジ
 正常とは何だろう?
 欲望と恐怖に取りつかれ、争いと闘いに明け暮れ、無意味で喜びもないあな
 たの生が正常だというのだろうか?
 身体を過敏に意識することが正常だろうか?
 健康な身体、健康なマインドは、その所有者にはほとんど気づかれずにいる
 ものだ。
 苦痛や苦しみを通して、それらは注意と洞察を呼び起こす。
 同じことを生活全体に拡張させればいいのだ。
 人は何が起ころうと、それを気づきの焦点に合わせなくても、正しく機能し、
 充分うまく対応できるものなのだ。
 自己抑制が自然と身につけば、気づきは存在と行為のより深い層に焦点を移
 行する。
 質問者 それではロボットになってしまいませんか?
 マハラジ
 繰り返され、習慣づけられたものが自動化されることに、何の害があるだろ
 う?
 どちらにしてもそれは自動的なのだ。
 だが、それが混沌とし、苦痛と苦悩の原因となったとき、注意を呼び起こす。
 清らかな、秩序ある生を送ることの目的全体は、悲しみを背負い、混沌状態
 の奴隷となることから解き放たれるためにあるのだ。
 質問者 あなたはどうやらコンピュータ化された人生がお好きのようですね。
 マハラジ
 問題から自由となった人生のどこが間違っているというのかね?
 人格とは単なる実在の反映にすぎない。
 反映がその源に自然と一致するのは当然のことではないだろうか?
 個人にはそれ自身の意図が必要だろうか?
 実在の表現である生が導くだろう。
 ひとたび個人は単に実在の影にすぎず、実在そのものではないと認識したな
 らば、あなたはいら立つことも、心配することもやめるだろう。
 あなたは内面から導かれることに同意し、そして生は未知への旅立ちとなる
 のだ。
(´・(ェ)・`)
(おわり)