普通は、客の注文を受けてから料理を作るため
1皿ずつ作ることになるが、
ビュッフェ店では大皿に山盛りの料理を
一度に作ることができる。
20人分の料理を作っても、手間が20倍かかる
という訳ではないので効率的だ。

いわゆる「規模の利益」である。

これは、大企業が中小企業より儲かる理由の一つでもあるのだが、
ビュッフェ店の場合は大企業でなくても規模の利益を享受できるのである。

普通は客が注文してからコックが働き始めるため
コックがフル稼働するのは昼食時と夕食時だけだ。
逆に言えば、コックが昼食時と夕食時に作れる料理の分しか客を受け入れることができないことになる。
一方でビュッフェ店の場合、コックが朝からずっと
料理を作ることができるので、
コックがフル稼働して作った分だけ
客を受け入れることができる。

客席の回転率でもメリットは大きい。
普通のレストランでは、客は注文してから
料理が出てくるまで待っていなければならないので
回転率が悪い。
だが、ビュッフェ店であれば、入店すると
直ちに客が食べ始めるので回転率がいいのだ。
また、注文を間違えて作り直すといった手間がないこともメリットと言えそうだ。

普通のレストランでは、メニューにある料理を
すべて提供できるよう、多品種少量の材料を
そろえて待たなければならず、
かなりの部分が使われずに廃棄されることある。
だが、ビュッフェ店では使う材料だけを
仕入れればいいので無駄もない。
場合によっては、少品種多量の仕入れで
済むこともあるので、値引き交渉だって可能だ。

食べ放題の店は、売り上げに占める
変動費の小ささで儲けているといえ、
ビュッフェ店はそれに加えて
コックの効率の良さなどでも儲けているのである。
それで客が満足しているのであれば、
まさに「ウイン・ウイン」の関係といえる。