藤岡:本作の受付嬢は、いろいろなものに対して感受性がものすごく強いんですよ。それがゾラ・マグダラオスを“彼”と呼んだことにもつながっています。
シナリオ担当者の岡村はシナリオを書くときにキャラクターのなかに入っていくので、きっと彼女に
「なぜ受付嬢は“彼”と呼んだの?」と聞いたら「自分の頭のなかで自然に“彼”と呼んでいたから」と答えると思いますよ。

徳田:ただ、そういったシナリオの書き方をするので、岡村が入り込んでいくまでいっさいセリフがないキャラクターもいました。
しかも、そのキャラクターは物語上で必要だと岡村からオファーがあって追加したキャラクターなんです(笑)。

藤岡:当然こちらから「このキャラクターにもセリフを」と切り出すのですが「いや、この子が全然しゃべってくれないんですよ」と返される。
岡村自身のなかで、まだしゃべってくれないキャラクターだからセリフも書きようがないんです。

――独特の感性を持つ人なんですね。

藤岡:はい。ちなみに、あるタイミングで急にセリフが増えることもあります。
きっとキャラクターに入り込めたんでしょう。そんなスタッフが手がけているおかげで、
各キャラクターにものすごく個性が出ました。