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坂道小説スレ
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0001走り出す名無し(東京都) (ワッチョイ 3f7c-/+Oc)
垢版 |
2020/06/26(金) 21:13:09.24ID:gDRDDfhU0
乃木坂・欅坂・日向坂のメンバーを登場人物とする物語を執筆するスレです。
現在籍メンバーだけでなく、卒業したメンバーを対象としてもかまいません。
誰でも自由に書いてください。
0041走り出す名無し(宮崎県) (ワッチョイ 468f-ISKm)
垢版 |
2020/07/02(木) 23:26:31.00ID:OS19d3nj0
「どういうことだろう・・・」
謎の事態に、三人は社務所の一室で顔を見合わせていた。
結局、その後、五円玉は動かず、『こっくりさん』に呼びかけても反応はなかった。
また、『やま』と『てら』の答えを頼りに、それが該当しそうな近くの小山に建つ寺『長永寺』に上村ひなのを探しに行きもした。
しかし、寺の敷地を探しても、寺の住職に尋ねても、上村ひなのを見つけることはできなかった。
重い空気が三人にのしかかる。全員が、無力さと申し訳なさを痛感していた。
上村の母親とはすでに別れていた。彼女に協力しておきながら何の力にもなれなかった無様な有様に、ただ頭を下げるしかなかった。
上村の母は何も言わずに、だが一層力を落とした様子で去っていった。
こんなことなら、やらないほうがましだったとすら思える。彼女に多少なりとも期待を持たせてしまったのに、なにも得られなかったのだから。
0042走り出す名無し(宮崎県) (ワッチョイ 468f-ISKm)
垢版 |
2020/07/02(木) 23:28:31.27ID:OS19d3nj0
「質問しすぎたかな?」と菜緒。
「3つでしょ?今までふつうにやってたけど・・・」
美玖が納得いかない感じで言う。「ていうか、途中まで動いてたし・・・」
質問が上限に達したときは、通常、五円玉が反応しなくなる。
ただ、今回のように、動き始めて途中で止まるというのではなく、はじめから質問に反応しなくなることが普通だった。
「縁起でもないけど」と愛萌が前置きしてから言う。
「もしも、上村さんが死んでいたら、五円玉はやっぱり『いいえ』に動くと思う。生きてたら、『はい』に」
「うん」二人も頷く。
自分たちの占いが完璧なら、五円玉ははっきりとした答えを出すはずだ。
今回のようなことは異例だ。今まで何度も占いをしてきた三人は、違和感を感じていた。
「今度、上村さんの家に行ってみようよ。何か手掛かりがあるはずだよ」
菜緒が言った。「すこしでも何かあれば、質問の仕方も変えられると思う」
「うん」美玖も頷く。
「そうだね。頼んでみる」と愛萌。
0043走り出す名無し(宮崎県) (ワッチョイ 468f-ISKm)
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2020/07/02(木) 23:31:12.83ID:OS19d3nj0
後日、三人は上村の母親の了承を得て、ひなのの家の自室を訪れた。
白を基調にした部屋で物は少ないが、かわいらしいさのある部屋だった。
三人が、ひなの失踪の手掛かりとなるものはないか、部屋の中を探す。
ひなのの母は、その様子を見ているのかいないのか、元気のない瞳のまま、部屋の入り口の近くに立っている。
「パソコン・・・」菜緒が、ベットのそばにある小さなガラステーブルの上に置かれた薄いノートパソコンに注目する。
「開けてみる?」美玖がひなのの母の了承を得てから、パソコンを開き、電源を入れる。
だが、
「パスワードがかかってる・・・」
画面には、ユーザー名とパスワードの入力画面が表示された。
「上村さん、パスワード知りませんか?」愛萌が尋ねる。
しかし、ひなのの母は首を横に振った。
それもそうか、と愛萌は唇を噛む。
0044走り出す名無し(宮崎県) (ワッチョイ 468f-ISKm)
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2020/07/02(木) 23:32:29.12ID:OS19d3nj0
「こっくりさんに聞いてみようよ」美玖が素早く提案した。
「そっか」美玖の機転にはっとする菜緒。「でもこれ、パスワードだよね・・日本語じゃないんじゃない?」
「なら、つくればいいじゃん」
すると美玖は持ってきていたバックから、紙とペンを取り出した。
紙をパソコンのあるテーブルに広げ、素早く枠線を引き、アルファベットと数字を書き込んでいく。
「準備いいね、美玖・・・」
即席の文字盤ーアルファベット版ーが作られるのを見ながら、菜緒が呟いた。
「ふふ」美玖が得意げに笑みを浮かべる。「小文字とかも書いてたほうがいいのかな」と独り言ちる。
「よし、できた」
0045走り出す名無し(宮崎県) (ワッチョイ 468f-ISKm)
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2020/07/02(木) 23:34:56.51ID:OS19d3nj0
「こっくりさんこっくりさん・・・」
いつもの質問でこっくりさんを呼ぶ。
今回、『こっくりさん』をしているのは菜緒と美玖の二人である。
愛萌はそばに控え、それを見守る。
0046走り出す名無し(宮崎県) (ワッチョイ 468f-ISKm)
垢版 |
2020/07/02(木) 23:36:05.42ID:OS19d3nj0
「ひなのさんのパソコンのパスワードを教えてください。」
五円玉が動き出す。どうやら文字盤がアルファベットであっても、『こっくりさん』はできるようである。
初めにとまったのは『m』と書き込んだ枠だった。
再び動き出した五円玉が続いて『o』の枠で止まる。
意外なほどすんなりと事は運び、ひなののパスワードと思しき文字列が示しだされた。
0047走り出す名無し(宮崎県) (ワッチョイ 468f-ISKm)
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2020/07/02(木) 23:39:56.15ID:OS19d3nj0
「あいた!」
パスワードを入力し、エンターキーを叩くと、ホーム画面が立ち上がった。
「やった!」三人が顔を寄せて画面をのぞき込む。
「なんかない?日記とか?」興奮したようすで菜緒が言う。
「どうだろう・・・」美玖がパソコンを操作する。
しかし、
「う〜ん・・・」パソコン内のデータなどを探してみたが特にめぼしいものはなかった。
そもそもまだ中学生のひなのは、パソコンを使いこなすには至っていないのか、データは初期状態にちかい、空っぽの状態だった。
「ネットは?」愛萌が口を開く。「履歴とか残ってない?」
「うん」美玖がインターネットを開く。
「あ・・・残ってるね履歴」
検索履歴を調べてみると、ひなのが閲覧したサイト履歴がそのまま残っていた。
それらを一つ一つ開いて、何か手掛かりになる情報がないか調べていく。
0048走り出す名無し(宮崎県) (ワッチョイ 468f-ISKm)
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2020/07/02(木) 23:42:48.48ID:OS19d3nj0
「ねえこれ・・・」
履歴のなかにあったサイトのひとつで、美玖がパソコンの操作を止めた。
「・・・異世界に行く方法?」
同じく画面を覗いていた菜緒と愛萌が怪訝な顔をする。
そのサイトはトップに『異世界に行く方法』と銘打たれていた。
何かのオカルト系サイトなのか、背景は一面黒色で、赤やら紫やら、おどろおどろしい色付けがされた文字の文章が並ぶ。
「なにこれ・・・」
「他にもあるよ」
美玖が閲覧履歴を調べると、ほかにも類似のサイトのページがあった。
それらを開くと、『パラレルワールドに行くには』とか、『裏の世界』などと、先ほどのサイトと同じような内容を扱ったページが表示された。
なにやら、上村ひなのは、この類の事柄に強い関心を持っていたようだった。
0049走り出す名無し(宮崎県) (ワッチョイ 468f-ISKm)
垢版 |
2020/07/02(木) 23:44:53.32ID:OS19d3nj0
その後、パソコンにあった残りの閲覧履歴を調べたり、パソコン以外になにかないか、ひなのの部屋を調べた三人であったが、例のサイト以外に、めぼしいものは見つからなかった。
三人はひなのの母に礼を言い、一旦、上村の自宅を後にした。
「異世界に行く方法ってあったけど、ほんとかな」
「う〜ん・・・」
帰り道を歩きながら、美玖と菜緒の二人は、ひなののパソコンに残っていた、オカルト系サイトのことが気になっていた。
「でもさ、そう考えたらつじつまが合わない?」と美玖が菜緒に話しかける。「『こっくりさん』で、ひなのちゃんが生きてるか訊いたとき、答えが返ってこなかったでしょ?あれって、ひなのちゃんが別の場所にいっちゃったってことじゃない?」
「そう・・・なのかな?」菜緒が考え込む。
「そうだよきっと!」美玖が語気を強める。
「でも、異世界なんてほんとにあるの?」菜緒が理性的な疑問を挟んだ。
「それは、わかんないけど・・・」美玖がわずかに勢いを失う。そして「試してみる?あのサイトにあった方法?」
と、冗談半分に菜緒に提案した。
「えっ・・・」と菜緒が困った顔をしていると、
「だめだよ」
突然、いままで黙って菜緒を美玖の後ろを歩いていた愛萌が口を開いた。
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