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毘藍婆重機についてちゃんとパイセンのプロフに書いてあった

多機能遺跡探索補助端末──コードネーム「毘藍婆」。これはファルザンが教令院に帰還した後に経費を申請できた数少ないプロジェクトのうちの一つだ。
このギミックには護衛と見回り、魔物退治、土砂清掃など様々な機能が搭載されている。ファルザン個人の好みで触ったり押したりと暇潰しに使える部品も多い。

しかし意外なことに、この「家庭用・旅行用何にでも使える神グッズ」はマハマトラの一団を呼び寄せた。彼らは有無を言わせずファルザンの工房に押し入ると、コードネーム「毘藍婆」を細かく精査し始めた。
そして一見用途のない部品を大量に見つけるとマハマトラたちの疑いはさらに深まった。ファルザンの「それはただのストレス発散用じゃ!!」という主張を無視し、彼女の新作を解体してくまなく調べようとしたのである。

しかし幸い、駆け付けてきた大マハマトラのセノが部下たちを止め、事なきを得た。
謎の失踪を遂げた上、その間に起きたことについて言葉を濁しているからにはファルザンは何らかの秘密を抱えているとマハマトラたちは疑っていた。
クシャレワー学院の誘いを断ったのは知論派の審査員がギミックのことを理解していない点を利用して危険なものを再現しようとしているからではないか、と。
何しろキングデシェレト文明に触れた学者は皆、その奇妙な英知に引き込まれずにはいられなかったのだから。
そういう理由で、ファルザンがギミックを作り始めたと聞いた彼らは、ものものしい警戒態勢を取り、過敏な反応を見せたわけである。
セノはファルザンと関連するすべての記録を調べて彼らの疑問点を一つひとつ潰していき、部下の僭越な行動についてファルザンに謝罪した。そして一人のマハマトラを残し後始末を任せたのであった。
ファルザンはちょうど人手不足に悩まされていたので、この対応については大変満足だった。大マハマトラの公正な判断を気に入り、ファルザンは新作の命名を任せたいと思った。
するとセノは少し考えた後、こんな意見を出した──このギミックは出力が高いし、マハマトラたちともこうして繋がりを持った…「大マッハマシン」にするのはどうだ?
…その時のファルザンはキングデシェレト遺跡を見た時よりも困惑した表情だった。
ありがたいことに、すぐ傍にいたマハマトラがクシャレワー学院が既に同名のギミックを出しているからとフォローを入れてくれた。冷めきった顔でファルザンはその場でその提案を断り、セノに命名の「深意」を問わなかった。
だが「大マッハ」と「マシン」の組み合わせを参考にファルザンは新作の名前を思いついた──「毘藍婆重機」はこうして誕生したのである。