2018年頃に設立され邦銀61行で構成された内外為統合コンソーシアムは、2021年までに47金融機関に減り、その後マネータップ株式会社となり、今ではその話題を全く聞かなくなりました。

コンソーシアム参加銀行のうち13行がMoneyTapを導入していますが、13行のうち多くは聞いたことのない小規模な銀行です。

https://moneytap.jp/

その後、MoneyTap株式会社は2022年9月にSBIレミット株式会社と合併しました。

おそらくMoneyTap株式会社に投資していた複数の銀行から株式を購入した後、コンソーシアムは事実上解散したのではないかと思います。
これは、吸収合併では通常、対象会社の株式の購入が伴うためです。これは、吸収会社が対象会社の全株式を取得して統合し、対象会社を完全に自社の一部とするためです。

SWIFTとは異なる我が道を行くSBIとリップルの戦略が失敗したのが現実だと思います。
全世界1万1000行の銀行協会であるSWIFTに約60行では敵いません。

現実的に考えれば世界の3分の2の銀行ぐらいから一気に支持を取り付けなければネットワーク効果からSWIFTの代替は不可能でしょう。

SWIFTのグローバルバンキング部門トップであるウィム・レイメーカーズ氏は、ブロックチェーンによる送金において問題があり、二つの銀行間で送金を行う場合、同じようなKYC(顧客確認)プロセスを持っていない限り、二つの銀行がお互いに信頼し合うことは難しい。この場合、技術の問題というよりは2つの銀行間における「法的な合意」の問題になるといいます。

KYC(顧客確認)プロセスを全て統一していくのは普通のブロックチェーン企業が1行1行提携していったのでは難しく、一気にSWIFTが行わなければできないでしょう。SWIFTも既に分散台帳技術を使用してきています。

理想的な事でもネットワーク効果が中途半端で成り立たない事業は沢山あります。また、プロセスの細部を見ていけばできないことはあります。

SWIFTに近いイーサリアムが有利。SWIFTに接続し、相互運用性を考慮したイーサリアムの戦略が現実的です。置き換えるなど到底無理なのです。