>>898
貿易は以下のように銀行の業務と綿密に絡みながら進捗していく。分散技術を使うことによって銀行はより効率的になっていく。
荷受けを伴うから仮想通貨を送ってハイ終わりというわけにもいかない。


現在の貿易業務で問題視されている、Letter of Credit (L/C)。L/Cは取引決済の手段として、銀行から買い手(輸入業者)に譲渡され、
売り手(輸出業者)が支払いを行えない場合に備えてのリスク緩和の目的がある。しかし、現在の L/C は銀行のリスク調査による時間的
なロス、偽造書類による信頼性の低下、書類上の公的条項の曖昧さから生じる代金決済の遅延、などが課題として挙げられている。

それに、貿易取引関係者は銀行だけではない。保険会社や運送業者なども取引に介入していることから、L/C以外の必要書類は無数に存在し、
煩雑な手続き処理は貿易市場の効率性を著しく低下させている。

ブロックチェーン等の分散技術をつかうと、代金決済内容、商品の運送者・所有者の状況、税関書類のデータ、請求書など、貿易取引に関わる
全ての情報を分散化して、管理をすることができる。取引関係者が情報を共有することで、これまでL/Cの手続き処理で最低でも数日程度を
要していた取引も、情報閲覧が数分で可能になるなど、大幅な時間短縮が図れる。また、ブロックチェーン上に保存された情報は、取引後でも
確認ができるため、銀行や第三者機関が共通の情報を使って買い手のリスクプロファイルと取引のデューデリジェンスを効率的に行う事ができる。

また、アルゴリズムによる信頼性の向上により偽造書類を防ぐ事と、取引情報の監査能力を上げる事ができると考えられる。また、今の段階
では、情報の上書きはほぼ不可能であることから、貿易金融に不可欠な情報の一貫性と不変性が担保される。すなわちブロックチェーン上で
行われた貿易取引は信頼性の高さを裏付けることとなり、取引関係者の信頼確保にもつながる。

さらに従来のL/Cの廃止による時間短縮とコストの削減が図れる。代金決済契約のデジタル化によって、非効率的な従来のL/Cの仕組みを刷新
できるようになるだろう。 ブロックチェーン上で、金融機関や輸出入業者が同時に、デジタル化されたL/C の発行・確認・承認ができ、取引
内容の急な修正にもネットワーク上で対応ができたり、書類上の公的条項の曖昧さから生じる代金決済の遅延を未然に防いだりすることが
できるようになる。また、仮想通貨で送品代金の支払いを行えば、より迅速に取引を進めることができる。これは、時間短縮とL/C管理に
かけるコストを削減する事に繋がる。

貿易資産のトークン化による配達保証も可能になる。貿易資産をブロックチェーン上でトークン化することで、運送状況を把握することが可能
になる。運送条項はネットワーク参加者(取引関係者)と共有され、運送遅延などの運送に関わる問題を早期に予測・知ることができるため、
リスク管理と運送効率改善策が取りやすくなる。