確かに振り返っても、体感で、今年1月〜5月までの暗号通貨市場の熱と、6月以降のそれは明らかに異質なものでありました。

相場が極端に冷え込んでいて、5月の調達額に比し、6月、7月が25%程度しか調達できていないことを考えると、ほとんどのアルトコインが直近高値から10~20%、酷いところになると0.1-1%程度まで下落しているのも納得です。

それだけ買う人が減った、ということですからね。

まあもちろん、全体のトレンドに100%の責任を帰すことはできず、技術的・サービス的将来性がないと判断されたICOがファンダメンタルズ的に失望されて叩き売られている点も否定はできませんので、

相場が冷えたからICOが終わったというのも言い訳じみていて微妙だなと思いますが、いずれにせよ総じて暗号通貨市場は苦境を強いられております。

一方で、ICO市場が冷え込んでいるがゆえに沸き起こるビジネスチャンス、というのもありまして、例えばここ数日は、ICO後の取引所新規上場コスト、保証金が、著しく安くなっております。

バブル激しきかの時期は、某大手取引所に上場するのに目ん玉が飛び散るレベルの手数料(具体的な金額は敢えて言及しませんが、法外オブ法外な金額です)と保証金が請求されたものですが、ここ最近は、リスティングコストも随分下がってきているようです。

全体のバリューアップに向けたコストが逓減しつつあるようで、大手ブロックチェーンカンパニーと技術提携する際のデポジットも下がってきております。

ブロックチェーンの技術を本質的に高める上では、大きなチャンスが到来していると思慮します。

また、ICOがどこもかしこもだめだ的な風潮になると、投資資金回収目的な狼狽売りが多方面で発動しますので、“明らかに売られすぎ水準のコイン”が無数に散らばります。

株も為替も暗号通貨もそうですが、プライスは100%需給により創られます。売りたい人が増えれば下がりますし、買いたい人が増えれば上がります。

皮肉な話ですが、出来高が激薄でそもそも市場に放出されているコインが5%程度しかなければ、売る人がいないので一定以上下がらなくなります(表面上強く見える)。

他方、50%以上市場に放出され、出来高が鬼のようにあり、人気・知名度が高いコインは、市場の影響をモロに受け、売りたい人が増えてしまうと無慈悲に下がってしまいます(表面上弱く見える)。

重要な論点は、発行済のコインに対し、市場に流通している浮動玉がどのくらいあるかを把握すること、そして、実際の価格だけを見るのではなく、価格形成の背景を読み解くことです。

直近の高値・安値、そして、チャートを読みながら全体の出来高と売り圧を見て、誰がどの程度のボリュームをなぜ売っているのか(そしてその玉を拾っているのは誰か)、という点に、価格の意思が隠れています。

ぶっちゃけ、株でも外債でもよくある投資心理ですが、下落率が50%を超えて下がってきたら、普通の投資家なら気絶投資法(価格を見ると鬱になるので価格をみないようにする殺人投資法)を選択します。

下落率が50%を超えてもなお下がるということは、信用を使って誰かが空売りをしてきているか、コインをただで手に入れている誰かが売り倒しているか、くらいしか理由がありません。

暗号通貨市場は、信用取引ができる取引所が限られていますので、前者の可能性は低く、後者の可能性が高くなります。

価格形成をして最も儲かるのが胴元なわけですから、(常識的に考えれば)胴元が売るわけがなく、恐らく販売協力時のボーナスバックなどで受け取ったコインが投げ売りされているのが今のアルトコイン市場のプライスメイク要因だろうと推察します。

こうなってくると、いよいよ相場も底打ちが近くなり(売る人がブローカーしかいなくなるから)、セリングクライマックス(最後の投げ売り)時に買い占めさえしっかりすれば、干上がった後に灼熱揚げが待っています。

少なくとも投資家が気絶投資法に入会した買値程度までは、主だったレジスタンスが無いので、価格は上がりやすくなります。

つまり何が言いたいかというと、この裁きの雷(いかずち)的な下落の先で生き残ったアルトコインは、上がるしかないということです。言い換えれば、この下落の先には、造幣マシンが無料で手に入るようなウルトラテラロングチャンスが待っている、ということです。