デジタル通貨 利便性の一方で課題も

デジタル通貨は、送金を安く迅速にできるといった利便性が期待されていますが、
安全な決済手段として根づいていくには課題もあります。デジタル通貨に使われる
「ブロックチェーン」と呼ばれる技術は、国内外への送金を普通の通貨より格段に
速く、しかも安い手数料で行えるため、利便性の向上が期待されています。

しかし、仮想通貨の代表格とされるビットコインは、投機の対象となって特に
去年以降は、価格が乱高下しました。仮想通貨の大手取引所「ビットフライヤー」
によりますと、先月中旬、1ビットコインは220万円まで値上がりして最高値を
つけましたが、各国が取り引きの規制を強化する動きを見せる中、今月17日には、
102万円に値下がりし、およそ1か月で半分程度に急落しました。

この間、ほかの仮想通貨である「イーサリアム」や「ビットコインキャッシュ」も
大きく値下がりしました。発行主体がないものもある仮想通貨が、投機的な商品では
なく、便利な決済手段として定着していくには、こうした価格の乱高下が妨げに
なりかねません。一方、一部の銀行は、みずからが発行主体となり、仮想通貨の技術
が持つ利便性だけを生かして、日本円との交換レートを固定する独自のデジタル通貨
を発行する準備を進めています。こうした通貨が広く普及するには、利便性だけで
なく、システムの安全性をいかに担保していくかが、鍵を握ることになりそうです。