結:
大学卒業後、スガに「今度、来てくれ」とだけ書かれたメールがナガセから届く。
無視していると、ナガセの訃報が大学時代の別の知人を通してもたらされる。急死だったという。

改めメールの文面もわずかに気になり、通夜に参列するスガ。
自分の死もナガセは見通していたのだろうかとふと思う。通夜にいたサクラも同じことをスガに言う。
「死んでいく自分を死ぬまで忘れないように、必死になって、あなたを最大限傷つけようとしていた」とサクラ。
もしそうなら歪んでいるとスガは告げる。

ナガセの持ち物のうち、表立って処理できない情報ドラックの一部を持ち帰ったスガは、ナガセが初めに幸福の記憶をコピーしたアルトを解析する。
そこに保持されていたのは性的な快感や刺激ではなく、部屋で呑みながらスガと語り笑う、他愛無い大学生としての記憶だった。

おわり